
生前に執り行う葬儀の流れや準備って?注意点やメリットなどをご紹介
みなさんは生前に執り行う葬儀「生前葬」についてご存知でしょうか。自分の思うように葬儀をプロデュースできることから、終活をする人たちを中心に人気となっています。今回はそんな生前に執り行う葬儀に対する疑問や注意点について解説をさせていただきたいと思います。
最終更新日: 2020年11月02日
生前に行う葬儀について

葬儀とは故人の冥福を祈るため、残された人たちの心の整理をするために行われるという意味で執り行われることがほとんどでした。
しかし現代では、これにプラスした意味合いが含まれ始めています。
それは故人となる本人が、生前に自分で葬儀をしてしまうというものです。
生前葬と呼ばれるこの葬儀が、今人気を集めています。
一体生前葬にはどのようなメリットがあり、どのように執り行われるのでしょうか。
今回「終活ねっと」では、生前葬の意味から葬儀の流れ、生前葬の注意点について解説をさせていただきたいと思います。
終活の一環として、頭の片隅に置いておくと役立つ知識となっております。
生前葬とは
生前葬にかかる費用
生前葬の準備
生前葬の流れ
生前葬のメリットとデメリット
生前葬の注意点
以上の点を中心に、解説をさせていただきたいと思います。
今後生前葬を執り行う人は増えていくことが予想されます。
メリットも多いけれどデメリットもある生前葬について知ることで、ご自分の葬儀の幅を広げていただければ幸いです。
「DMMのお葬式」では、状況やご要望に合わせて選べる豊富なセットプランをご用意しております。
葬儀・お葬式についてわからないことがある方は、お気軽にご相談ください。
葬儀にかかる費用についてわからないことがある方は、「葬儀費用の相場はいくら?内訳や料金を安くする方法、注意点まで解説」をご覧ください。
生前に執り行う葬儀とは?

本題に入る前に、生前に行う葬儀である「生前葬」とは何かについて解説をさせていただきたいと思います。
生前葬は字が示すとおり、生前に行う葬儀となります。
今までの葬儀と言えば、亡くなった人に対して遺族が仕切って最後のお別れの場として葬儀を執り行ってきました。
生前葬は生きているうちに、故人となる人が仕切って葬儀を行います。
最近になって執り行われているイメージがある生前葬ですが、古くは1900年代初頭に落語家の方が執り行っており、実は歴史としては100年以上あるものとなっています。
有名な芸能人も多数の方が生前葬を行っています。
生前葬の内容については下記で触れていくことにしますが、一般的な葬儀のイメージを覆すような内容となっており、葬儀特有の暗い雰囲気もなく、前向きな葬儀をすることができるので一般の人たちにも浸透しはじめています。
また、最近では子供を持つ人も減っており死後葬儀の不安がある人も多くいます。
そういった方が死後遺族に迷惑をかけないようにと、生前に葬儀を済ませておくといったパターンも見受けられています。
生前葬にかかる費用

さて葬儀を執り行う上で一番気になることと言えば葬儀の費用ですよね。
生前葬を執り行う場合は、一体どのくらいの費用がかかると思っておけばよいのでしょうか。
ここでは生前葬にかかる費用について解説をさせていただきたいと思います。
実は生前葬には、一般的な宗教が関与する葬儀のような決まった流れが存在せず、執り行う人の希望次第で葬儀の内容が変更できます。
従って、生前葬には費用の相場がないということになります。
豪華にしようと思えばいくらでも豪華にできますし、質素なものにしようと思えば質素なものにできます。
一般的な仏教の葬儀のように僧侶を呼ぶ必要がないのでお布施などが不要と考えると、死後に執り行われる葬儀よりは費用が安くなる傾向にはあるようです。
予算に応じた内容で自由に葬儀ができるので、予算オーバーの心配がいらないのが生前葬と言えるでしょう。
「終活ねっと」では、一般的な葬儀の費用を知りたい方のために費用の内訳も解説しております。
ぜひ下記リンク先もご参考になった上で、葬儀の費用の知識をつけていただけますと幸いです。
生前葬の準備

それでは具体的に生前葬の執り行い方や流れを解説させていただきたいと思います。
まずは生前葬を行うための準備の方から解説を行います。
葬儀予約をする
まずは葬儀会場を予約しないといけません。
ご自宅で行えるのであれば、葬儀会場の予約は不要となります。
こじんまりとした身内だけの生前葬ならば、広めの自宅で行うことも可能です。
葬儀会場を使用しなくても、葬儀会社に葬儀の段取りをしてもらうのであれば葬儀会社に予約をしておく必要があります。
その際は生前葬を取り扱っている葬儀会社を選ぶようにしましょう。
生前葬は自由に執り行う内容を決めることができますが、葬儀会社からある程度のひな形のような流れを提案してくれます。
それを参考にしながら、自分だけの葬儀の内容を決めていくとよいですね。
生前葬ですから、執り行う日も自由に決めることができます。
しかしあまりにも直前過ぎると、普通の葬儀の予約が入ってる場合があります。
生前葬ですから、なるべく日数に余裕をもって予約をしておくと希望の日時に生前葬を行うことができるでしょう。
参列客へ案内状を送る
生前葬に参列をお願いしたい方々に、案内状を送る必要があります。
電話やメールでも問題ありませんが、やはり葬儀ですから正式な案内状を送っておくことが望ましいですね。
すべてご自身でやる場合は、案内状作成業者に依頼をすれば案内状を作成してもらうことができます。
葬儀会社を通して生前葬をする場合は、葬儀会社を通して案内状を作成することができます。
気になる案内状に明記する内容ですが、
生前葬を執り行うこと
開催日時
開催場所
服装の指定
香典の必要性
以上のことを書くようにしましょう。
特に服装と香典の有無については、生前葬に参列する人たちにとって疑問の元です。
執り行う側がしっかりと明示しておくことで、参列者は安心して参列することができます。
服装や香典の指定については、下記「生前葬での注意点」にて解説を行いますので、そちらでご確認ください。
生前葬の流れ

それではここからは生前葬の流れについて、解説をさせていただきたいと思います。
何をやるかは執り行う側の自由ですが、ある程度の流れはほとんど決まっていますので基本に忠実な流れについて解説を行います。
開式
まずは生前葬の開始を知らせる開式の辞を述べましょう。
できれば司会の人を立てて、司会の方に開式の宣言をしてもらうと良いですね。
特に改まった宣言などは不要で、「これより○○○(名前)の生前葬を執り行わせていただきます」といった簡単なもので結構です。
葬儀会社に依頼をしている場合は葬儀会社の方が司会をしてくださることがほとんどです。
そうでない場合は身内の人に頼んでもよいでしょう。
本人の挨拶
開式の辞が済んだら、生前葬の対象である本人から挨拶を行います。
まずは参列いただいたことへのお礼、そして生前葬をするにあたった理由を簡単に説明しておくと参列者のすっきりするのではないでしょうか。
そして来ていた方々へのお礼や思い出の披露、今後の動向についても触れておくとよいですね。
DVDの上映や演奏
ここからが生前葬をする人が自由に盛り込める葬儀の内容となります。
DVDを作成して生い立ちから現在までの流れを上映してもかまいませんし、写真を使ったスライドショーも良いですね。
普通の葬儀では考えられないオーケストラの生演奏を取り入れてもいいですし、趣味があればその趣味の披露の場にしてもかまいません。
カラオケが趣味の方でカラオケ大会を開いた方だっていらっしゃいます。
実際まだ亡くなったわけではありませんから、基本的には明るい葬儀が展開されます。
そして何をやってもかまわないので、主催者や参列者の心に残る生前葬を執り行うとよいでしょう。
やれる内容は葬儀会社によって違いがありますので、したいことができる葬儀会社かどうかも確認しておきたいものです。
来賓者・友人のスピーチ
続いて来賓の方からスピーチをいただきます。
事前にお願いをしておき、主催者との思い出について語っていただけると良いですね。
続いて、長年の友人にも1,2人程度お願いをしてスピーチをしてもらいましょう。
会食
普通の葬儀と違って生前葬は、生前葬中に会食を行うことがほとんどです。
火葬がありませんから、葬儀中に会食をするということになります。
まだ亡くなっているわけではありませんから特段質素な食事にする必要もなく、主催者の好みや年齢層に合わせた料理を選ぶと良いですね。
閉式
会食が終わりましたら司会者が閉式の辞を述べて終了となります。
主催者が仏教を信仰していたとしても生前葬ですから、読経もなければ焼香もありません。
生前葬は葬儀というよりも、お世話になった人とのお別れ会のような、死と向き合うための前向きな会といった位置づけが最適かも知れません。
生前葬のメリット・デメリット

ここまでの説明で生前葬の概要はご理解いただけたかと思います。
メリットの多そうな生前葬ですが、もちろんデメリットも存在します。
ここでは生前葬のメリットとデメリットをご紹介させていただきたいと思います。
メリット
まずは生前葬のメリットからです。
生前葬には大きなメリットがあり、ここでは主に2つのメリットをご紹介させていただきたいと思います。
自分で葬儀の内容を決めることができる
生前葬の一番のメリットは、自分の葬儀を自分でプロデュースできるところにあります。
葬儀は死後のことですから、どのように執り行われるかわからないものです。
もしかしたら故人にとって不本意な葬儀になっている可能性があります。
しかし生前葬ならその心配はありません。
全て自分が内容を知ることができますから、心から納得のいく葬儀をすることができます。
予算も自分で知り、用意することができますから後々遺族に心配や迷惑をかけることもありません。
関係者に自分の口から直接お礼ができる
生前葬をしなかった場合、友人や恩師に挨拶をする機会はかなり限られます。
一度生前葬として皆さんをお招きすることで、お礼をすることが可能となります。
あのとき言えなかったこと、改めて伝えたいことがあるのであれば生前葬はとてもおすすめです。
それに生前葬を開けば、疎遠になっていた方たち同士も顔を合わせることができます。
同窓会のような雰囲気になり、昔を思い出して思い出話に花を咲かせることもできます。
なかなか友人や恩師を一同に集めることは難しいので、生前葬を開くことでそれを可能にしてしまえるのです。
デメリット
素晴らしいメリットのある生前葬ですが、デメリットも存在します。
ここでは生前葬のデメリットについて解説をさせていただきたいと思います。
親族の了承を得る必要がある
葬儀は主催者のものとはいえど、親族の了承を得る必要があります。
勝手に行っておいて、死後また葬儀が執り行われれば参列者にも迷惑をかけることとなってしまいます。
生前葬をする場合は、必ず親族の了承を得て行うようにしましょう。
生前葬は一般的になりつつありますが、まだまだ理解がされない部分が多いです。
特に宗教を信仰している人たちにとっては、生前にやることに何の意味があるのかと否定的な考えを持つ人も少なくありません。
こういった人たちを説得し、みんなが納得のいく葬儀を執り行う必要があります。
参列客への気遣いが必要
参列客への気遣いも必要となります。
まず生前葬に招かれたことのある人はまだまだ少ないです。
生きているうちに、本人の目の前で葬儀に参列をしないといけないわけですから違和感がないはずがありません。
そういった方たちは生前葬に対して不安を持ちながらも、参列をしてくれています。
開式の辞のあとの挨拶で、しっかりと生前葬を行うに至った理由と皆さんに直接お礼を述べたかったことなどを伝えるようにしましょう。
また案内状を送ったあとにも、フォローの電話などを入れておくと良いかもしれませんね。
皆さん戸惑って尋ねたいことがあるのにこちらを気遣って尋ねることができない可能性もあります。
参列してくださる方を大切にしたいところです。
生前葬での注意点

最後に生前葬の注意点を解説させていただきたいと思います。
生前葬にまつわる疑問を解消していただけますと幸いです。
生前葬をしたら再度葬儀はしなくても良い?
生前葬をしたのであれば、再度葬儀をする必要はありません。
しかし火葬はしないといけませんよね。
死後の安置から枕経や火葬場の手配、火葬から納骨まで様々なやるべきことが残っています。
ですから死後は極々身内のみが集まって、再度密葬のような形でお別れをすることになります。
生前葬をした方は、このときの費用のことを忘れずにいたいところです。
生前葬に出席する際の服装
参列者が一番疑問に思うところであろう、生前葬の服装ですが喪服にする必要はありません。
一番は会場に合わせることをおすすめします。
葬儀会社の敷地で行ったり、ホテルなどのかしこまった場所で行う場合はスーツの着用が好ましいですね。
もっとラフに行う場合は、普段着よりも少しフォーマルな格好が良いですね。
このように、主催する側が判断してドレスコードを決めないと参列者は困ってしまいます。
必ず服装をどうすべきなのか、案内状に明記するようにしましょう。
生前葬に香典は必要?
生前葬の香典についても、主催側がしっかりと決めるようにしましょう。
一般的には生前葬なら香典は辞退し、代わりに会費をいただくことがほとんどです。
その会費から場所台や会食費、参列いただいた記念品を捻出するとよいでしょう。
この場合も必ず会費が必要なこと、香典は不要であることを案内状に明記しましょう。
していない場合は香典として持参してくる可能性があります。
葬儀会社を通して生前葬をする場合は助言をいただけるかと思いますが、個人でやる場合は忘れずに指定しましょう。
生前に行う葬儀に関するまとめ

いかがでしたでしょうか。
今回「終活ねっと」では、生前葬の開き方や内容、注意点やメリットデメリットをお伝えしてきました。
葬儀の形は今かなり広がりを見せており、生前葬もその中のひとつと言えます。
葬儀の形は自由になりつつありますが、まだまだ理解が進んでいないのが難点です。
参列者には十分な案内とケアを行いながら、思い描く葬儀を執り行っていただければ幸いです。
ここで総括です。
生前葬とは生前に行う葬儀のことである
生前葬のメリットは葬儀をされる本人が好きなように葬儀の内容を決めることができ、元気なうちに友人や恩師などにお礼を直接伝えることができること
生前葬のデメリットは親族たちの了承が必要なことと、まだ招かれたことがない人が多いので親切な説明と参列者の精神的なケアが必要であること
生前葬には決まったひな形はなく、主催者が好きなように執り行うことができるため生前葬の相場というものは存在しない
しかし宗教が絡むことがほぼないため、一般的な仏教の葬儀よりは格安となることが多い
生前葬を執り行う場合は服装や香典の有無、会費などについてしっかりと明記をしておくことが必要
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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