
浄土宗の葬儀の流れや特徴って?お布施や葬儀後にすべきことを解説
浄土宗における葬儀では、他の仏式の宗派では見られない儀式がいくつかあります。教義に由来する儀式の意味を理解しておくことで、より正しく故人を送り出すことができます。この記事では、浄土宗の葬儀の流れや特徴、お布施や葬儀後に行うことなどを解説します。
最終更新日: 2020年12月01日
浄土宗の葬儀について

浄土宗の葬儀についてご存知でしょうか?
日本における仏教は主に十三の宗派がありますが、宗派ごとにどのような違いがあるかについて、強く意識する機会は少ないでしょう。
仏教に関わらず宗教では、主に死生観について学ぶことが多く、必然的に葬儀は宗派ごとの教義の特徴が出やすい大切な儀式です。
そこで、今回終活ねっとでは浄土宗の葬儀にテーマを絞り、以下のような流れで解説して行きます。
浄土宗とは
浄土宗の葬儀の流れ
浄土宗の葬儀の特徴
浄土宗の葬儀のお布施について
浄土宗の葬儀後の流れについて
ご遺族の方々も、参列者の方々におかれましても故人のご冥福をお祈りし、正しく送り出すために浄土真宗の葬儀について解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
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浄土宗とは

浄土宗は1175年に法然上人によって開かれた仏教の宗派です。
ここでは、南無阿弥陀仏という念仏を唱えることで、極楽浄土で生まれることができるという教えがあります。
浄土宗の総本山は京都府の東山にある知恩院となっています。
また総本山に加えて、東京都の増上寺や神奈川県の光明寺、長野県の善光寺大本願など6つの大本山があります。
浄土宗については以下の記事より詳しく解説しています。
あわせてご覧ください。
浄土宗の葬儀の式次第・流れ

浄土宗は鎌倉時代に法然を開祖として開かれた宗派であり、専修念仏の教えが中心になっています。
これは、「いついかなる時でも弥陀を称え、念仏を唱えることこそが極楽往生できる道だ」という教えです。
似た考え方に法然の弟子、親鸞が開いた浄土真宗があり、こちらでは念仏を唱えるという行為よりも心構えを重視しています。
浄土宗では必然的に葬儀においても、念仏の唱和が重要な意味を持ちます。
以下では浄土宗の葬儀の流れをご紹介します。
通夜
故人のご遺体は仏間や広間に北枕にして寝かせます。
お顔には白い布を被せ、胸元に守り刀を刃先が足元に向くように置いておくのが一般的です。
死装束として白い着物が使われますが、近年では故人が好んで着ていた服装でお見送りする場合も増えています。
ろうそくやお線香の火を絶やさないように注意しながら、静かに死者を弔うのが作法です。
通夜の服装については、ご遺族は喪章をつけた黒のスーツにピンなどをつけない黒のネクタイ、光沢のない黒い革製の靴、未成年の方の場合は学生服を着用する場合が多いです。
参列者の方々は哀悼の意を示せるのであれば地味な平服でも問題はないとされていますが、急に駆けつけたなどの理由がない限りはやはり黒でまとめるのが無難です。
また、弔問時間についてもお悔やみの言葉と故人へのお別れの気持ちを伝えたら、ご遺族の負担も考えあまり長居をするべきではないでしょう。
葬儀
通夜の翌日には、葬儀が執り行われます。
浄土宗の葬儀の大まかな流れは以下のようになります。
1.授戒の儀式
奉請(ぶじょう)
仏の入場を願います。
懴悔(さんげ)
仏様に対し、生前の罪の赦しを請います。
剃度作法、十念
頭を剃る仕草をし十念を唱えます。
三帰三竟(さんきさんきょう)
仏・法・僧に帰依することを故人にお伝えします。
授与戒名
開経偈(かいきょうげ)、誦経(ずきょう)、発願文(ほつがんもん) 、摂益文(しゅうやくもん)
仏の教えを説く儀式です。
念仏一会(ねんぶついちえ)
参列者も一緒に念仏を唱えます
回向(えこう)
念仏を唱えることで極楽浄土に行けるよう願います。
2.序文
入堂、香偈(こうげ)、三宝礼(さんぽうらい)、奉請(ぶじょう)、懺悔偈(さんげげ)
仏様を堂内にお迎えする儀式です。正式には鐘や太鼓を鳴らします。
3.正宗分(しょうしゅうぶん)
念誦(ねんじゅ)、下炬引導(あこいんどう)、念仏一会(ねんぶついちえ)、回向(えこう)
引導を含む葬儀の中心となる部分です。焼香もこの間に行われます。
4.流通分(るつうぶん)
総願偈(そうがんげ)、三身礼(さんじんらい)
阿弥陀仏への帰依を誓います。
送仏偈(そうぶつげ)
仏様と故人を極楽浄土へと送り出します。
葬儀は基本的に僧侶の主導によって執り行われますが、念仏一会(ねんぶついちえ)と焼香はご遺族や参列者も参加します。
服装は喪服、数珠については男性は三万浄土、女性は六万浄土という数珠を使うのが作法です。
数珠は合掌しないときにも左手にかけておき、床に置かないようにしましょう。
両手の間で音を鳴らすこともマナー違反なので注意してください。
出棺・火葬
参列者の焼香が終わり僧侶が退場したら、遺族と親族は故人と最後の対面を行います。
参列者の方から対面の申し出があった場合、ぜひ対面させてあげてください。
その後、祭壇を飾っていたお花を、別れ花として棺に入れていきます。
この時に故人の愛用品などを入れてもよいですが、燃えないものや溶けてしまうものは木箱などに入れ、火葬が終わった後にお墓に一緒に埋めてあげるようにしましょう。
その後、無事に成仏できるように願いを込めて棺に釘打ちを行います。
出棺では遺族や親族を中心に5~6人で棺を霊柩車に乗せます。
この時も申し出があった方に手伝ってもらうのもよいでしょう。
棺を安置したら会葬者に向けて喪主が出棺の挨拶を行い、続けて火葬場へ移動し野辺送りを行います。
火葬場での立会いは遺族や親族、親しい友人が同行します。
僧侶が最後のお経を唱えてくださる場合もあります。
ご遺骨は骨壷に入れて持ち帰り、仏壇に納骨式の時まで安置します。
浄土宗の葬儀の特徴

浄土宗の葬儀の流れは、他の仏教の葬儀と比べて大きく変わりません。
しかし、冒頭でご紹介したように専修念仏が教義の中心的な役割を果たしており、浄土宗でしか見られない儀式もいくつかあります。
ここでは、浄土宗の葬儀の特徴をご紹介します。
引導下炬(いんどうあこ)がある
浄土宗の葬儀には引導下炬と呼ばれる儀式があります。
これは、浄土宗の葬儀の中でも重要な意味を持つ儀式になっています。
引導下炬とは
引導とは故人を極楽浄土に引き導くこと、下炬とは松明(たいまつ)で火を点ける火葬の意味を表します。
この儀式の終了をもって故人は現世の苦難から解放され、極楽浄土へ旅立てるとされており、葬儀の中で最も大切な瞬間です。
引導下炬の終わりまでが故人の魂を送り出す儀式、それ以降が遺族を中心に故人のご冥福をお祈りする告別の儀式といえるでしょう。
流れ
正宗分の儀礼の中の引導下炬の儀式では、僧侶が棺の前に進み出て焼香を済ませた後、二本の松明を取り上げ、その内の一本を捨てます。
これには現世の煩悩を捨て去るという意味があるとされています。
残った一本の松明で円を描き、下炬の偈(あこのげ)を読んだ後にもう一本も捨てます。
これは故人が無事に極楽浄土へ着けるように願う意味合いがあります。
皆でお経を唱える
浄土宗の葬儀で特徴的な儀式に、念仏一会(ねんぶついちえ)と呼ばれる儀式があります。
念仏一会とは遍数(回数)を特に定めずに念仏を唱えることで、浄土宗では南無阿弥陀仏が用いられます。
葬儀では僧侶と共に参列者も一緒に南無阿弥陀仏を唱え、故人が極楽浄土に行ける手助けをするという意味で行います。
浄土宗の持つ専修念仏の教義の特徴が出た象徴的な儀式だといえるでしょう。
焼香の仕方
浄土宗では焼香の回数は特に決められていませんが、1~3回が基本です。
焼香台の前まで進み出たら遺族と僧侶に一礼、続けて焼香台に一礼をします。
親指と人差し指、中指でお香をつまみ、額に当ててから香炉にくべます。
その場で合掌し、終わったら遺族に再度一礼をしてから席に戻ります。
焼香の順番は喪主、遺族、親族、一般参列者の順に行うのが基本です。
席次順に行うと覚えておくとよいでしょう。
鳴り物を使う
浄土宗の葬儀で、木魚や鉦(しょう)と呼ばれる鳴り物がよく使われます。
鉦とは金属製の皿状の楽器のことで、日本の仏教では念仏を唱える際によく使われます。
念仏一会の際、南無阿弥陀仏を繰り返し一定時間唱和しますが、この際に合いの手として木魚や鉦を使い、最初はゆっくりと、徐々に早く間断なく打ち鳴らし、念仏を唱えるのが一般的です。
祭壇に花を投げる
引導下炬の儀式の際、僧侶によっては松明の代わりに花を用いる方も居られます。
最初に棺や祭壇に花を投げてから松明を使う方、松明の代わりに二本とも花を使う方、一本を花、一本を松明で行う方などさまざまです。
どの場合も引導下炬の本質的な意味合いは変わりません。
また花は菊の花が選ばれることが多く、これは阿弥陀仏の慈悲を得て極楽往生できるようにという意味が込められています。
香典の表書き
浄土宗の葬儀でお渡しする香典の表書きは、ご霊前を用います。
他にも「御香典」や「御香料」を用いても結構です。
浄土宗の葬儀の香典マナーは、4や9の数字は避ける、お札の向きは揃えるなどの基本的な香典マナーと変わりはありません。
浄土宗の葬儀のお布施

お布施とは、葬儀や法要にお招きした僧侶に渡すお金です。
勘違いしやすいですが、供養のために行われた儀式に対する謝礼ではなく、あくまで感謝の気持ちを表わすものとなります。
そのため、金額は明確に決まっておらず、また直接尋ねても「お気持ちで」とお答えされるでしょう。
金額相場
地域によってお布施の相場はまちまちで、大体30~80万円の間であることが多いようです。
また、お車代や御膳料をお布施に含めるか含めないかによっても変わってきます。
不安な場合は同じ檀家の方や年配の親族、葬儀社の方などに尋ねてみるのもよいでしょう。
渡し方
一般的には葬儀前の僧侶に挨拶をするときに渡すことが多いです。
この際手渡しではなく、お盆にのせてお渡しするのがマナーになります。
また、グレーや、深緑といったシックな色の袱紗(ふくさ)にお布施を包んで持っていくと良いです。
浄土宗の葬儀後から一周忌までにやること

葬儀が無事終わったら、四十九日まで七日ごとに忌日法要を執り行い、その後百箇日を行ったあとは年忌法要でご供養するというのが一般的です。
法要とは別に一周忌までに行っておきたいことを解説します。
香典の整理
香典とは、急な弔事での遺族の負担を少しでも軽くできるようにしたいという周囲の方の配慮の表れです。
葬儀後、落ち着いたら四十九日後に香典返しをするため、できれば香典リストを作成しておきましょう。
香典返しは基本的に半返しがよいですが、一家の働き手が亡くなった場合や、未成年のお子様が居る場合は三分の一、あるいはなくてもよいとされています。
お礼のための挨拶
仏式では忌日法要を四十九日まで執り行い、五十日目を持って忌明けとし服喪期間を終了します。
その際、参列者の方々に忌日法要を滞りなく終えられたこと、参列に対する感謝の言葉などを香典返しに添えて挨拶状を送るのが通例です。
挨拶状や香典返しは、忌明け二週間以内に送るのがマナーです。
挨拶状については、以下の記事で例文を挙げながら詳しく解説しています。
ぜひ、こちらもご覧ください。
精算
急な訃報への配慮として、葬儀社への葬儀費用や飲食代の支払いは後日に行われることが一般的です。
葬儀費用の相場は平均で135万円程度です。
また、お布施を渡せていない場合はなるべく急いでお渡しする必要があります。
また一般葬のプランは、565,000円(税抜)よりご用意しており、終活ねっとの登録割で最大71,000円の割引もご利用いただけます。
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浄土宗の葬儀についてまとめ

いかがだったでしょうか?
今回終活ねっとでは浄土宗の葬儀について以下のことについて解説してきました。
浄土宗は1175年に法然上人に開かれた宗派で、南無阿弥陀仏の念仏を唱える。
浄土宗の儀式は通夜、葬儀、火葬の順に進行していく。
その中で、引導下炬や念仏一会といった、浄土宗特有の儀式が行われる。引導下炬の際に松明の代わりに花を用いることもある。
焼香の回数は定まっておらず、基本的に1~3回となっている。お布施は30~60万円が相場となっており、葬儀前に僧侶に挨拶した際に渡すとよい。
葬儀後から1周忌までの間には、香典リストをつくり、いただいた香典を整理する。
また、香典返しとともに忌明けの挨拶状を送る必要がある。
故人が極楽浄土に旅立てるよう願い、ご冥福をお祈りするために浄土宗の葬儀について理解いただければ幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
終活ねっとでは、葬儀の費用に関する記事も紹介しておりますので、ぜひご参照ください。
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