
火葬の際のペースメーカーは?爆発するか、事故の種類や対策を紹介
ペースメーカーは心臓の機能を補助するものですよね。ペースメーカーは火葬されるとどうなるかご存知でしょうか。今回はペースメーカーを一緒に火葬する際に起こりうる現象や事故の種類、その対策について解説していきます。
目次
最終更新日: 2020年12月18日
ペースメーカーを埋め込んだ状態での火葬

あなたはペースメーカーをご存知ですか。
普段生活している中では、機械自体を見る機会は少ないと思います。
しかし、保険の授業などで認知している方が多いのではないでしょうか。
話が大きく変わりますが、日本では、人が亡くなると葬儀を執り行い最後に埋葬をするのが一般的です。
埋葬方法は数多くありますが、現在の日本では公衆衛生や土地不足の観点から、ほぼ100%で火葬が選ばれています。
ここで一つの疑問が生じます。
ペースメーカーを埋め込んだ方が火葬されると機械はどうなるのでしょうか。
機械ということもあり、爆発を引き起こしそうです。
そこで、「終活ねっと」ではペースメーカーを埋め込んだ方が火葬される場合について解説していきます。
その内容と順序は以下のようになります。
そもそも、ペースメーカーとは?
火葬するとペースメーカーは爆発するの?
火葬に伴って予想される事故
事故を未然に防ぐには
具体的な事故のパターンや事前に防げる対処法まで触れています。
ペースメーカーが埋め込まれている方や、そういった方が親族にいる人にとっては見逃せない内容となっています。
事前に防げる事故ならば、必ず回避しなければなりません。
他人ごとにならず、お互いが気を配っていきましょう。
ぜひ、最後までお読みください。
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ペースメーカーとは?

一般的にペースメーカーとは、「心臓ペースメーカー」のことを指しています。
これは、心臓が正常な運動をするように手助けをしてくれる機械です。
主に不整脈の患者さんがペースメーカーを必要とします。
心臓の鼓動が速くなったり遅くなったりするのを不整脈といいます。
ペースメーカーが有効なのは、心臓の遅くなる徐脈の患者さんです。
ペースメーカーが埋め込まれる部位としては、ほとんどが鎖骨周辺、稀に腹部です。
リードと呼ばれる導線で、ペースメーカーと心臓を繋ぐことで、ペースメーカーからの電気刺激を心臓に伝えることができるのです。
ペースメーカーは爆発せずに破裂する

では、ペースメーカーを埋め込んだ方が、火葬される場合はどうなるのでしょうか。
映画やアニメなどで、車が炎上した後に爆発するシーンがあります。
このイメージから、ペースメーカーも燃やされると爆発するような想像ができます。
実際には、どうなのでしょうか。
その真偽を確認していきましょう。
そもそも爆発とは、化学反応によって生じたガスが破壊作用を伴って拡散することです。
爆発は化学反応が連鎖するため周囲への影響が大きいです。
一方で破裂とは、容器内の空気や水が容量の限界を超えてしまい、容器が破壊されることを指します。
容器が飛散するだけなので、比較的小規模に収まります。
ペースメーカーは燃やされると破裂する事例が確認されています。
その原因はペースメーカーに内蔵されるリチウム電池です。
これは、加熱されると破裂する危険性があるからです。
火葬炉の中なので、大きな被害が出るわけではありませんが、大きな音が出るといわれています。
ペースメーカーの火葬によって起きうる事故

爆発というほどひどい影響があるわけではないにしろ、ペースメーカーを装着したままご遺体を火葬すると、通常では発生しない事故につながってしまうことがあります。
ペースメーカーの火葬によって起きうる事故は、主に3つ考えられます。
炉師がケガをする事故
炉師とは、火葬炉を管理する人のことです。
炉師は、火葬炉の点検口から内部を確認する作業があります。
この点検口を開けた際に、破裂したペースメーカーの残骸が炉師に当たってケガをする事故が実際にありました。
炉師が失明しかけるという事故もあったそうです。
ペースメーカーの火葬によって起きうる事故の中で、最も起きてはならない事故といえるでしょう。
遺体に不要な傷がつく
火葬しているので、結果的には遺体は遺骨のみとなってしまいます。
しかし、ペースメーカーの破裂によって、遺骨の中でも最も大切にされている喉仏が損傷してしまう可能性があります。
喉仏が大切にされる理由は、喉仏は身体の中でもっとも重要な首の部分にあること、またお釈迦様が座禅を組んでいる姿に似ていることが挙げられます。
それに、亡くなってから不要な傷がつくのは、あまり良いものとは思えません。
火葬炉が壊れやすくなる
火葬炉は消耗品であるとも言われていますが、ペースメーカーの破裂により火葬炉の消耗が激しくなります。
火葬炉は決して安価なものではありません。
火葬場によっては破損を恐れ、ペースメーカーを埋め込んだ方の火葬を拒否することもあるようです。
火葬炉について、より詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。
ぜひ、ご覧ください。
火葬での事故を未然に防ぐためには

前の段落で、起こりうる事故を見てきました。
では、それらの事故を防ぐことはできないのでしょうか。
決してそうではないです。
また、防ぐことはできなくてもやれることはあります。
実際にそれを見ていきましょう。
できる限り火葬前に摘出する
事故を未然に防ぐためには、火葬前に遺体からペースメーカーを取り出すことが最も理想的です。
現在では、病院で取り出すことを推奨しています。
摘出した後は、感染性廃棄物として処分されます。
故人がペースメーカーをしている際に葬儀社へ申告します。
葬儀社が代理で、その方のかかりつけの病院へ連絡します。
病院側が勝手にペースメーカーを取り出すと死体損壊罪が適用されてしまいます。
必ず、遺族側から動くようにしましょう。
また、亡くなった方がペースメーカーを装着していたかどうかわからなくても、医者が死亡確認をする過程でペースメーカーの有無を教えてくれます。
学会は反対しており、厚労省の規制はなし
日本不整脈心電学会によると、技術の進歩によりペースメーカーの装置は年々小型化してきており、摘出するのが非常に困難なっているようです。
そのうえ、手術の費用が掛かってしまうことも摘出を難しくする要因といわれています。
現在は、火葬場側も学会側も満足のいく結果には至っていません。
また、厚労省はこの問題に対して規制はしていません。
あくまで、火葬場ごとの判断基準に委ねているという状況です。
摘出が不可能なら、家族の申告が重要
本人や家族の意向でペースメーカーを取り出せない場合については、家族が葬儀社にペースメーカーが埋め込まれていることを伝えましょう。
すると、葬儀社から火葬場へ連絡がいきます。
前もって火葬場へ連絡がいくことで、火葬炉を管理する炉師が火葬中に火葬炉の点検口を開けないような対処をすることができます。
ペースメーカーを火葬することのまとめ

いかがだったでしょうか。
今回「終活ねっと」では、ペースメーカーを埋め込んだ方の火葬について解説してきました。
その内容をまとめると以下のようになります。
ペースメーカーとは、心臓が正常に機能する役割を補助する機械である
ペースメーカーは、内臓されているリチウム電池が原因で火葬されると破裂することがある
この破裂は比較的小規模のものであるペースメーカーを火葬することに伴い起こりうる事故は3種類ある
1つ目は、炉師が火葬炉の点検口から内部を確認した際に、破裂した残骸が飛んできて当たるものである
2つ目は、遺骨の中でも大切な喉仏が破裂し損傷するものである
3つ目は、破裂により火葬炉自体が損傷するものである事故を未然に防ぐために、火葬の前にペースメーカーを摘出することが最適である
摘出の際には、葬儀社に申告して葬儀社から病院に摘出を依頼してもらう
いずれにせよ、遺族から行動を起こす必要がある
また、摘出が不可能ならば、その旨を葬儀社に伝える
ペースメーカーとは、不整脈の患者さんにとってなくてはならないものです。
しかし、装着したまま遺体を火葬すると、本来起こるはずのなかった事故につながってしまうことがありえます。
そんな事故を未然に防ぐためには、本人やご遺族の協力が必要不可欠です。
ペースメーカーはできる限り摘出する方向で考えましょう。
摘出する意向を葬儀社へ伝えれば、代理で病院へ連絡してもらえます。
それが難しい場合は葬儀社へペースメーカーが埋め込まれていることを申告し、火葬場へ連絡がいくように取り計らいましょう。
必ずどちらかを行ってください。
そうすることで、火葬中の事故を防ぐことができます。
自分がペースメーカーを装着している身であれば、家族と意向をすり合わせておくことも必要になります。
前もって準備しておくことが大切です。
「終活ねっと」では、他にも多数の記事を掲載しております。
また、下記の記事では葬儀の費用や内訳、安くする方法について解説しています。
ぜひこちらの記事もご覧ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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