
葬儀に込められた意味とは?お通夜や告別式との違いについても解説
葬儀とは人が亡くなるとおこなわれる儀礼だと知っていても、その儀礼に込められた意味についてはどうでしょうか?今回は葬儀のしきたりを振り返り、込められた意味を探るとともにお通夜や告別式との違いについても解説していきます。
目次
最終更新日: 2020年03月08日
葬儀の意味について

人が亡くなると、葬儀の準備が当たり前のようにおこなわれます。
なぜ、このような葬制の儀礼をおこなうのでしょうか?
また、お通夜と告別式ではどのような違いがあるのでしょう?
今回「終活ねっと」では、葬儀に込められた意味をお通夜や告別式との違いを解説しながら、以下のリストに従って読み解いていきます。
なぜ、葬儀やお葬式をするのでしょうか?
お通夜はどのようなセレモニー?
告別式はなぜおこなわれるのか?
葬儀とお葬式の違い
宗教により葬儀の意味は異なる
法要をおこなう意味について
お通夜・葬儀・お葬式の流れと段取り
葬制の一つとして、葬儀がどのような意味を持つのかをご説明し、お通夜や告別式それぞれの儀礼的役割を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
葬儀・お葬式をする意味

大切な家族や自分の人生の締めくくりにおこなわれるのが、葬儀やお葬式です。
弔いのしきたりとなっている慣習ですが、本来の葬儀・お葬式の意味や目的はどのようなものなのでしょうか?
ここでは、宗教、社会、文化の3つの視点から葬儀・お葬式の意味を読み解きます。
宗教的な意味
日本では古くより、人間は肉体と霊魂から成り立ち、肉体に死がおとずれても魂は永遠に続くのだと考えられてきました。
したがって葬儀やお葬式は、誕生や結婚式などと同じくらい大事な死の通過儀礼と考えられてきたのです。
埋葬する前には魂を鎮める儀式をおこない、亡くなった人の霊魂が現世をさまよう事なく死者の国へ行けるよう見送る意味があります。
仏教義では、亡くなった人は仏となり、あの世(極楽浄土)にいる御仏様の弟子として迎えられるという考え方です。
ですので、死者を供養してあの世へ送り出す儀式として葬儀をおこないます。
これらの考え方が日本古来からの祖霊信仰に受け入れられてきたのです。
社会的な意味
人は生きている間に、地域や社会といった様々なコミュニティの中で功績を残したり、たくさんの人と交流を持ったりするものです。
葬儀やお葬式は、故人が亡くなったという事実を告知する機能も持っています。
故人が亡くなったことを認識してもらい、世代の交代をお知らせするという社会的な意味があるのです。
別れを惜しむ場として式典を設ける理由の一つとなります。
文化的な意味
葬儀やお葬式では、地域独特の個性があらわれる所もあります。
古くから残る葬儀の風習が後世に引き継がれ、日本の文化として残っていくのです。
また、葬儀は故人の魂を送り出す意味を持ちますが、遺されたものの悲しみを癒す機能も持っています。
大切な人の死を認識することで、新たな生活を始める区切りがつけられるのです。
このように、葬儀やお葬式を通じて生の尊さを再確認する意味合いも含みます。
お通夜・告別式・お葬式の意味

それでは、お通夜・告別式・お葬式、それぞれの儀礼についてご説明します。
どのような儀式で、どんな意味があるのでしょうか?
お通夜について
お葬式を出すという段取りを組む際、一番最初におこなう儀式がお通夜です。
どのような意味を持つのでしょうか?
お通夜とは?
特に暦上の制約がなければ、死亡の翌日におこなわれるのが一般的です。
急な報せに集まった内輪でのお別れの会で、読経や焼香、通夜ぶるまいがあります。
通夜終了後はその名の通り、夜通しローソクと線香の灯を消さないようにするのがならわしです。
お通夜をする意味
あの世への見送り前夜におこなわれる故人とのお別れを惜しむ儀式で、遺族の者が夜を徹して遺体のそばに付き添ったしきたりが由来です。
まだ送り出されない死人には、魔の穢れが入り込みやすいので、魔を祓う意味があります。
喪家ではローソクと線香の灯を絶やさぬように、朝まで寝ずの番をするのです。
元は夜通し行われた通夜でしたが、人々の暮らしが多忙に変わってきた現代では夜18時頃から1時間ほどの半通夜のセレモニーが多くなっています。
告別式について
通夜の翌日におこなわれるのが、葬儀・告別式です。
葬儀と告別式は混同されがちですが、それぞれに意味があります。
その違いをご説明しましょう。
告別式とは?
故人との最後のお別れをする儀式のことで、出棺の直前におこなわれます。
故人と最後の対面を果たし、仏式では棺に花を入れる『別れ花』や棺の蓋を釘で打つ『釘打ち』の儀礼があるのです。
告別式をする意味
告別式は宗教的な儀式ではなく、故人と最後のお別れをする会という社会的な儀礼です。
本来は葬儀の後で、故人を埋葬地まで見送り、最後のお別れをする儀式のことを告別式といいました。
そのため、葬儀とは別の日におこなわれることもあったのです。
現在では葬儀と火葬を同日におこなうことが多いので、葬儀と告別式を続けておこなうことが多くなりました。
葬儀とお葬式は違う?
宗教的な葬制の儀式の内の一つが葬儀です。
葬儀・告別式と別々の儀礼を続けておこなう時は、一続きの式典としてお葬式と呼ばれます。
広い意味において、葬送一般をまとめて呼ぶ時にお葬式となることが多いです。
他宗教の場合の葬儀の意味

宗教によって死に対する考え方が異なり、葬儀のしきたりも違います。
それぞれの宗教での葬儀の特徴と、式の名前の違いをご説明しましょう。
神道
仏式の葬儀・告別式にあたるものを神式では『葬場祭』と呼びます。
神道では”人は死後にその家の氏神となり家を守る”という考え方があり、葬場祭は故人の霊魂を守り神として祀る儀式です。
キリスト教
仏式の葬儀・告別式にあたるものがキリスト教式の『葬儀式』です。
キリスト教では、死は神の御許(みもと)に召されることと考えられていますので”天国での故人の安息を祈り、神様に感謝する”意味がこめられています。
さらに”キリスト再臨の際に一緒に復活できる希望”も願われているのです。
浄土真宗
浄土真宗は仏教宗系の一つですが、一般的な仏式葬儀とやや考え方が異なります。
人が求めずとも阿弥陀様が苦難から救ってくださるので、冥福や成仏を祈るのではなく、御仏のおかげで故人が極楽浄土で成仏できていると感謝する儀式です。
”死後すぐに極楽浄土で仏様に生まれ変わることが出来る”ことへの感謝の気持ちをこめて、念仏を唱えます。
初七日、一周忌など法要の意味は?

法要とは故人の供養を改めておこなう追善儀式であり、生きている者にとっては仏事のしきたりを学ぶ大事な機会です。
初七日
あの世では七日ごとに七回、来世の行き先を決める裁判があるとされていて、最初の七日は特に大切に法要を営み故人の成仏を願う。
四十九日
七日ごとに七回おこなわれたあの世での裁判が終わり、故人が成仏する日。
この法要で納骨をするのが一般的で、四十九日が終われば忌明けとなる。一周忌
亡くなった日からちょうど一年目の命日に故人と親しかった人を招いて、年忌供養をする。
葬儀・お葬式の流れ

お葬式を出す、ということはどのようなセレモニーなのでしょうか?
葬儀・お葬式の流れを把握しましょう。
ご臨終
葬儀社へ連絡し、あらかじめ決めた搬送先へ遺体を搬送してもらう。
葬儀の打ち合わせと通知
寺院や葬儀社と打ち合わせして、葬儀方針と日時を決定する。
親族や関係者に連絡し、必要なら世話役も依頼する。枕勤め(枕経)
僧侶を呼び、お経をあげてもらう。
通夜
参列者に対応し、通夜ぶるまいでもてなす。
終了後、一晩中線香を絶やさないように見守り番をするのが一般的。葬儀・告別式
参列者に対応する。
出棺
別れ花の儀式で故人と最後の対面をしてから棺を送り出す。
火葬
火葬の間は軽食や昼食をとって待機する。
火葬が終了したら、親しい人たちで骨揚げをし、骨壺と埋葬許可証をもらう。
お通夜・葬儀の日程の決め方

お通夜や葬儀の日程の決め方をご説明しましょう。
お通夜は死亡日の翌日におこなうのが基本です。
死亡時刻や暦によっては死亡当日におこなう例や、通夜を省くケースがあります。葬儀は、その日に葬儀会場の空きがあるかと、火葬場の使用許諾が取れるかどうかの確認が必要です。
自宅で葬儀をおこなう場合には、僧侶の都合も確認しましょう。『六曜』における友引の日は葬儀をおこなわない古くからの慣習で、火葬場が閉まっていることが多いので避けた方が無難です。
葬儀の意味についてまとめ

いかがでしたでしょうか。
今回「終活ねっと」では葬儀に込められた意味をご説明し、お通夜や告別式との違いを解説してきました。
以下が本記事の中心内容です。
仏式の葬儀・お葬式には以下の意味がある。
・仏教のしきたりで、死者を供養してあの世へ送り出す儀式。
・故人が亡くなったことを世間に知らしめて、世代交代をお知らせする機会。
・葬儀を通じて生の尊さを再確認する。お通夜とは急な別れを惜しむ内輪の会で、葬儀の前日におこなわれる。
亡骸に穢れが入り込まないよう、夜通し線香の灯を絶やさない寝ずの番をするのが名前の由来。葬儀とは宗教的な魂を送り出す儀式で、告別式は親しかった人達が故人にお別れを告げる最終最後の儀礼と、それぞれ別の役割がある。
神道での葬儀・告別式にあたるものは葬場祭。
人は死後にその家の氏神となり家を守るという信仰があり、守り神として祀る儀式をおこなう。キリスト教での葬儀・告別式にあたるものが葬儀式で、神の御許へ召される故人の安息と、神への感謝の意味がこめられる。
仏宗の一つ浄土真宗では、人は祈らずとも阿弥陀様が救い上げて極楽浄土へ導いてくれるという教義がある。
葬儀には、死後すぐに仏になれる感謝の意味がある。あの世では七日ごとに魂の行き先を決める裁判がおこなわれるという考え方から、初七日から四十九日まで七日ごとの法要がある。
一周忌はちょうど一年目の命日に追善供養をするとともに、故人の思い出を偲ぶ。死亡日の翌日にお通夜、翌々日に葬儀・告別式が一般的であるが、斎場や僧侶のスケジュールによって調整が必要なこともある。
六曜における友引の日は葬儀をおこなわない古くからの慣習が残る。
お葬式を出すということは、ご臨終から枕勤め、通夜、葬儀・告別式へと続き、火葬で終式という一般的な流れがあり、それぞれにこめられた意味があります。
宗教的な意味、社会的な意味、文化的な意味から、葬儀一般のしきたりを理解しましょう。
今回ご説明した意味以外にも、様々な感じ方や地域に残る風習があります。
現代の葬儀と法要のあり方を考える時の参考にしていただければ幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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