
仏式の葬儀ではどんなマナーがある?焼香や数珠の持ち方なども解説
葬儀では、宗教による考え方の違いがマナーとなってあらわれます。仏式の葬儀を執り行う場合や参列する時にはどのようなマナーを頭にいれておけば良いのでしょうか?今回は仏式の葬儀がどのような流れでおこなわれるのか、焼香作法や数珠の扱い方とともに解説します。
最終更新日: 2020年12月02日
仏式の葬儀のマナーってなに?

葬儀は、宗教ごとにしきたりが違うものです。
仏式の葬儀は死者の霊をこの世からあの世へと送り出す儀式となります。
では、仏式葬儀のマナーはどのようなもので、焼香や参列者のもてなしはどのようにすれば良いのでしょう?
今回「終活ねっと」では仏式葬儀のマナー全般と、喪主側、参列する側で気をつけたいことを、以下の項目を中心に解説していきます。
仏式葬儀はどのような流れでおこなわれるのか?
準備するべき服装や持ち物
数珠の扱い方について
仏式葬儀に欠かせない焼香とは?
一般的な焼香作法と立礼、座礼、回し焼香の作法
宗派別での焼香回数
喪主側が気をつけること
参列者側が気をつけること
仏式葬儀の服装マナーや特徴的な焼香作法、周囲への気配りといった基礎知識が分かる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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仏式葬儀での流れとマナー

専門の葬儀会社にまかせるとしても、基本的な流れは理解しておいた方が良いですね。
ここでは仏式葬儀の流れや服装マナー、数珠の扱い方、言葉のマナーについてご説明します。
仏式葬儀の流れ
一般的な仏式葬儀の流れです。
仏式の考え方では葬儀は故人を極楽浄土へと送り出す儀式ですから、導き役の僧侶をお導師と呼びます。
受付
喪主側は葬儀開始前に葬儀会社と打ち合わせをして、受付準備をはじめます。
香典帳の配置や葬儀返礼品の準備もしておきましょう。
参列者側は葬儀開始時間に余裕を持って到着するようにし、受付時に香典を渡すようにします。着席
受付を済ませたらすみやかに着席します。
席順が決まっているので、参列者の方は焼香台よりも後方に座るようにしましょう。開式
導師(僧侶)が入場しますので、頭を下げてお迎えしましょう。
葬儀開始時間になったら司会が開式の辞を述べます。読経、弔辞の朗読、弔電の披露
導師が祭壇中央正面で読経を始めます。
葬儀の場では、焼香の前に弔辞の朗読と弔電披露という順番です。読経、焼香
読経の中で、喪主から焼香を始めます。
焼香の順番は喪主、遺族、近親者、会葬者、参列者の順がマナーです。喪主挨拶
導師が退場したら、参列いただいた方へのお礼や故人との思い出を語る、喪主の挨拶があります。
喪主の方は、参列者の方に対して、足を運んでいただいた感謝の気持ちを必ず述べましょう。閉式、出棺
司会が葬儀閉式を述べます。
この後、告別式に移行する場合には出棺の準備をはじめ、故人に最後の挨拶をしながら、棺に花を入れていく別れ花の儀式をおこなうのです。
故人との最後の対面が終わったら、棺の蓋を釘で打つ「釘打ちの儀式」をします。
釘打ちの義が終わったら、数人の担ぎ手(親族や友人)が棺を霊柩車へと運び入れて見送るのです。
服装
では、仏式の葬儀ではどのような服装マナーがあるのでしょうか?
喪服マナーと持ち物について解説します。
正喪服または略喪服
仏式葬儀の場合、喪主や遺族、近しい親族は正喪服を着用します。
正喪服とは以下のような服装です。
男性
ブラックフォーマルスーツを着用します。
ネクタイや靴下は黒で統一しましょう。
レギュラーカラーの白シャツに、ベストやベルトも黒を着用します。
着物の場合は黒羽二重五つ紋の羽織と袴が正礼装となりますが、弔意をあらわすために羽織の紐の色や草履の色を地味なものにするという配慮が必要です。女性
女性のブラックフォーマルウェアは光沢のない黒色無地のアンサンブルスーツやワンピーススーツとなります。
ブラウスを着用する場合はブラウスも黒色にしましょう。
ストッキングやパンプスも黒で統一します。
着物の場合は染め抜き五つ紋の黒色着物に黒帯を着用し、帯揚げも黒色を用意しますが、帯どめなどのアクセサリーは控えるのがマナーです。
正喪服には三親等までという着用する人の制限があります。
ですから、遺族や親族以外の参列者は略喪服が望ましいのです。
男性
ブラックフォーマルとは異なり、ダークグレーなどの暗い色目のものを着用します。
ネクタイや靴下は黒で統一し、レギュラーカラーの白シャツを準備しましょう。
靴は基本的には黒色が望ましいのですが、正喪服ではないので飾りのついてないダークカラーの靴でしたら大丈夫です。女性
女性の略喪服は地味めの色のダークカラースーツとなります。
なお、パンツスーツも略喪服なら可となるのです。
華美な印象にならないよう、パンプスやブラウスは黒色か地味な色目を合わせましょう。
なお、より詳しく葬儀での服装について知りたいという方はこちらの記事をお読みください。
持ち物について
仏式葬儀で持っていく物にはどのような物があるのでしょうか?
持ち物やアクセサリーについてご説明します。
香典
喪家へのいたわりの気持ちを込めた香典を香典袋(不祝儀袋)に入れて持参しましょう。
袱紗(ふくさ)
香典袋や不祝儀袋は袱紗に包んで持参します。
数珠
本式数珠は百八煩悩を磨くということで百八個の珠が連なりますが、略式数珠と呼ばれる十八個から五十四個の珠で構成された短めの数珠でも問題ありません。
ハンカチ
葬儀の持ち物としてのハンカチは白か黒色、ダークグレーの無地などに限られます。
アクセサリーについて
喪に服す式ではキラキラと光を放つものはNGです。
例外として、真珠やブラックオニキスといったネックレスやイヤリングは許されます。
結婚指輪はつけていても問題ありませんが、その他の指輪や派手なネイルは避けましょう。
数珠の持ち方
珠の数が多い本式数珠の場合は二重にし、房を下に向けます。
宗派による違いはあるものの、両手にかけるか左手に持つのが一般的です。
略式数珠の場合も同じように房を下に向けて持ちます。
言葉遣い
普段使う時には問題なくても、葬儀の際は気をつけなければならない言葉遣いがあります。
忌み言葉と重ね言葉は使わないようにしましょう。
忌み言葉
「死ぬ」や「浮かばれない」という不吉な出来事を連想させるような言葉を忌み言葉といいます。
このような言葉は周囲を不快にしますので使用を避けるべきです。
「苦しい」、「迷う」、「悲しみ」といった言葉も不幸なイメージがしますので使わないようにしましょう。
重ね言葉
「重ね重ね(かさねがさね)」、「くれぐれも」という言葉は日常で使用するには問題ありませんが、葬儀の場では不幸が重ねて起こる不吉を連想させます。
不幸が二度と起こらないよう、重ね言葉は使わないようにしましょう。
仏式葬儀の特徴である焼香

仏式葬儀では焼香がおこなわれます。
この焼香の意味とマナーをご説明しましょう。
仏教における葬儀の意味
焼香の説明に入る前に、仏教における葬儀についての考え方をご説明します。
諸説ありますが、天国である極楽浄土にいらっしゃる仏様の元に故人の魂を送り出す儀式だという考え方があるのです。
仏様の弟子として迎えられるよう、読経で導くのが僧侶(導師)の役割となっています。
焼香を行う意味
仏式の葬儀では焼香が行われます。
焼香は神式やキリスト式では行わず、仏式葬儀にしかない儀礼です。
焼香は葬儀の場の穢れを祓い、参列者の心身を清めるためにおこなわれます。
これから極楽浄土へ送り出す故人に現世の穢れが影響しないように香を焚き、清浄な空間を作るのです。
焼香のやり方
仏式葬儀において焼香は欠かせない儀式の一つであり、大きな役割があります。
大事な焼香作法について解説していきましょう。
抹香を使用する
葬儀の焼香で使用する香は線香ではなく抹香を用います。
線香は長持ちするので、略式や墓参の際に使用するものとされているのです。
抹香は粉末状の香で、指でつまんで香炉にくべることで香りを出します。
立礼焼香
それでは焼香の手順についてご説明しましょう。
まずは立礼焼香です。
自分の番になったら、周囲の参列者に会釈して仏前(祭壇)へ進む。
遺族に一礼、僧侶に一礼して焼香台へ向かう。
本尊に向かって一礼。
左手に数珠をかけ、右手で香をつまみ、香炉にくべる。
その際、額のところでおしいただくかどうかや焼香の回数は宗派によって異なる。数珠を両手にかけ合掌。
本尊に一礼したあと、遺族に黙礼して着席する。
座礼焼香
次は座ったままおこなう座礼焼香の手順です。
基本的に畳の敷いてある場所でおこなわれるもので、移動は膝をついたまま腕の力をつかって進んだり退いたりします。
自分の前になったら、腰を低くかがめた姿勢で仏前へ進み、正座する。
遺族に一礼、僧侶に一礼する。
本尊に向かって一礼。
膝をついたまま両手で体を支えて、祭壇前の座布団へと移動。
座布団の上に座ったら焼香開始。
焼香が終わったら合掌し、膝をつけたまま座布団から降りる。
この時に本尊に向かって背を向けないこと。
向きはそのままで後ろへ下がる。僧侶に一礼、遺族に一礼した後立ち上がり、中腰の姿勢で自席へ戻る。
回し焼香
焼香には抹香と香炉が自分の席へと回ってくる回し焼香という方法があります。
自席で焼香をするのが大きな特徴です。
自席へ香炉が回ってきたら、前の方と次の順の方に黙礼をしながら受け取る。
スペースがある場合は香炉を自分の前に置く。
ない場合は膝の上に乗せましょう。祭壇へ一礼したあと、焼香をおこなう。
焼香後は祭壇へ向かい合掌し、次の方へと香炉を回す。
宗派による違い
天台宗は焼香回数の決まりがありませんが、一回か三回おこなうとする菩提寺が多いようです。
曹洞宗の焼香は従香(じゅうこう)と呼ばれ、二回とも額の前へおしいただく作法になっています。
浄土宗は焼香回数にこだわりがなく、心をこめる一回、身と心を清める意味での二回、仏・法・僧の三宝を敬う三回と人によって違うのです。
浄土真宗は本願寺派、大谷派ともに香を額へおしいただきません。
日蓮宗は導師(僧侶)は三回おこないますが、それ以外の方は一回という決まりがあります。
宗派 | 焼香回数 |
真言宗 | 3回 |
天台宗 | 決まりなし |
曹洞宗 | 2回 |
臨済宗 | 1回 |
浄土宗 | 1回~3回 |
浄土真宗 | 本願寺派は1回 大谷派は2回 |
日蓮宗 | 1回 |
喪主側の仏式葬儀のマナー

仏式葬儀を執り行う喪主側のマナーをご説明します。
参列者側とどのような違いがあるのでしょうか?
正喪服を着る
儀礼を行う側の喪主や遺族は、参列してくれる方々に失礼がないよう、第一礼服である正喪服を着用すべきです。
故人より三親等までは正喪服を着用し、それ以外は略喪服を着るのが正式となっています。
僧侶へのもてなし
仏式での僧侶は仏弟子となった故人を極楽浄土へと導く役割を担い、お導師と呼ばれます。
故人の魂を導いていただくわけですから、お導師へのもてなしはきちんとしましょう。
葬儀会場へ導師が到着したら茶菓を差し上げ、御布施(おふせ)を渡します。
半紙に包んだ紙幣を仏事用の熨斗袋に入れて渡すのがマナーです。
葬儀・告別式の後に精進おとしをおこなう時には導師も招待してください。
導師が参加できない場合は、御膳料(おぜんりょう)を渡します。
御布施を渡すタイミングと同じがよいでしょう。
精進おとしの会食では導師を最上位の席へ案内し、気を配ります。
参列者への振る舞い
葬儀後の喪主挨拶では参列してくれた方々へ感謝の念を述べ、精進おとしの会食を準備します。
現代では火葬場でおこなったり、火葬から戻った後におこなったりするのが一般的です。
なお、「終活ねっと」では、一般葬のプランをご提案しております。
一般葬のプランは、565,000円(税抜)よりご用意しており、「終活ねっと」の登録割で最大71,000円の割引もご利用いただけます。
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参列者側の仏式葬儀のマナー

喪主側の仏式葬儀のマナーはご理解いただけましたでしょうか?
今度は参列者側のマナーをご説明します。
時間厳守
葬儀の開始時間はあらかじめ知らされているはずですので、遅れないようにしましょう。
受付をおこなう時間も考慮して、余裕を持って到着できるようにします。
また、似たような名前の会場と勘違いすることもありますので、場所のチェックもしておいてください。
香典は袱紗に包む
葬儀の持ち物の一つである香典は、きちんと表書きをしたうえで袱紗に包んで持ちます。
剥きだしのままや買った時のビニール袋のまま持ち歩くことは失礼にあたりますので、注意しましょう。
袱紗の詳しいマナーについて書かれた記事はこちらになります。
ぜひお読みください。
通夜振る舞いは長居しない
基本的に喪主からの会食の誘いは断らないようにするのがマナーです。
しかしながら、酒に酔い、だらだらと長居すると会をお開きにできなくなります。
喪主の迷惑になることは避け、常識の範囲内で滞在を切り上げましょう。
子連れは避ける
仏式葬儀では読経や焼香が儀礼としてあります。
子供がいると読経が聞こえなくなり、焼香もスムーズに進行できなくなる可能性があるのです。
おごそかな雰囲気の儀礼に子供を連れての参加は極力避けましょう。
但し、子供の友達など故人が子供の時は例外です。
大人のマナーに準じながら、友達の葬儀に列席します。
仏式の葬儀のマナーについてまとめ

いかがでしたでしょうか。
今回「終活ねっと」では仏式葬儀のマナー、流れにともなう服装や焼香方法について解説してきました。
以下、本記事の中心内容です。
仏式葬儀の流れを把握しておくこと。
服装は喪主側は正喪服、参列者は略喪服が望ましい。
アクセサリーは基本的につけない。
例外としてパールやブラックオニキスのアクセサリーや結婚指輪は許される。葬儀での持ち物は香典、袱紗、数珠、ハンカチ。
百八珠の本数珠は二重にし、房を下に向ける。
忌み言葉や重ね言葉は不吉を連想させるので使わない。
葬儀での焼香は抹香と呼ばれる粉末の香を使い、線香は使わない。
焼香には立礼焼香・座礼焼香・回し焼香の3種類があり、それぞれ作法が異なる。
仏式の中でも、宗派によって焼香回数が異なる。
葬儀が終わったら精進おとしという会食の席をもうけ、僧侶も招待する。
宗派や葬儀場の状況で、焼香作法に違いが出ます。
仏式葬儀に関わる時に、それぞれの宗派と状況に応じた焼香マナーを参考にしていただければ幸いです。
数珠などの持ち物は一般的なマナーに従い、喪主側は正喪服、参列者は略喪服を準備するのが正式です。
今回ご紹介したマナーはあくまでも基本的な考え方で、菩提寺によって変わる細かい作法は直接問い合わせてみるとよいでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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