財産放棄する場合の遺品整理について|相続放棄・形見分け

財産放棄する場合の遺品整理について|相続放棄・形見分け

財産放棄とは相続人の間で、「私は財産を相続しません」と話し合いで決めた手続きのことを言いますが、その場合に遺品整理はしても良いのでしょうか?今回は財産放棄と遺品整理との関連や注意点などについて詳しくご紹介していきます。

最終更新日: 2021年01月12日

財産放棄する場合の遺品整理はどうする?

困った人々

財産放棄とは相続人の間で、「私は財産を相続しません」と話し合いで決めた手続きのことをいいます。
それでは、財産放棄をした場合に遺品整理はどのようになるのでしょうか?

今回「終活ねっと」では、財産放棄をした場合の遺品整理や手続き上の注意点などについて、詳しくご紹介していきます。

今回ご紹介する内容は次のとおりです。

  • 財産放棄をする場合に遺品整理はどのようになるのか?

  • そもそも財産放棄とは?

  • 「財産放棄」と「相続放棄」の違いとは?

  • 相続人であると同時に連帯保証人であった場合に、相続放棄をしたらどのようになるのか?

  • 相続放棄をした場合に、故人がアパートなどの建物を借りていたら、賃貸借契約を解除することはできるのか?

今回は財産放棄をする場合に遺品整理はどのようになるのかをご紹介するだけでなく、手続き上の注意点を事例を交えてご紹介していきます。

今回ご紹介する内容は、いざというときに大変役立つものですのでぜひ最後までお読みください。

財産放棄とは?

困った人々

財産放棄とは、文字どおり財産を放棄することです。
似た言葉で相続放棄がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?
実は、二つの言葉は似ていますが、法律上の意味は全く違います。

財産放棄とは相続人の間で、「私は財産を相続しません」と話し合いで決めた手続きのことをいいます。
相続放棄とは、家庭裁判所に相続放棄の申述をして認められることにより、「はじめから相続人でなかったこと」を、法的に認められる手続きのことをいいます。

財産放棄している場合はどうなる?

困った人々

財産放棄をしている場合に遺品整理はどのようになるのでしょうか。
財産放棄をする場合は、やっても良い事とやってはいけない事が非常にシビアに定められています。

ここからは財産放棄と遺品整理との関連性や遺品整理の具体的な手続きについて、注意点などを交えて詳しくご紹介していきます。

財産を処分すると相続放棄ができなくなる

相続放棄とは、家庭裁判所に相続放棄の申述をして認められることにより、「はじめから相続人でなかったこと」を、法的に認められる手続きのことをいいます。

それでは相続放棄の手続きをする前に、財産を処分してしまうとどのようになってしまうのでしょうか?
法律上、財産の処分行為をすると財産を「単純承認」したとみなされて、相続放棄ができなくなってしまいます
処分行為とは、例えば相続財産(不動産や車)を売却したり、家屋を取り壊したりすることなどです。

遺品整理はしてはいけない

では、相続人は遺品整理はできるのでしょうか?
相続放棄をすると、法律上、「はじめから相続人でなかったこと」になるので原則、遺品整理をしてはいけません

相続放棄をすることは、故人の遺品を相続する権利を放棄したことになるので、遺品整理をする資格がないためです

市場価値のないものは処分が可能

相続放棄の手続きをした後はもちろん相続放棄を行う予定の方も、原則遺品整理をしてはいけませんが、例外として市場価値のないものについては処分が可能となります。
例えば、故人の市場価値のない衣服や身の回り品などです。

市場価値のないものとは、社会常識の範囲内で、特に上限金額などの明文規定がある訳ではないので、処分の際には注意が必要となります。
場合によっては、事前に弁護士や司法書士などの専門家に相談をするのも良いでしょう。

財産放棄・遺品整理についての注意点

遺品整理

相続放棄の手続きを行うと故人の債務の支払いを免れることができますが、相続人であると同時に連帯保証人であった場合にはどのようになるのでしょうか?
また「財産放棄」をした場合に、後に故人の債権者から債務の支払の請求があった場合は、支払いをしなければいけないのでしょうか?

ここからは相続の3通りの方法と併せて、財産放棄した場合の遺品整理の注意点を詳しくご紹介していきます。

相続についての申請は3ヵ月以内

相続の手続きには「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3通りの方法があります。
申請期限は、相続の開始を知ったとき(通常はお亡くなりになったとき)から、3ヵ月以内となっています。
ここでは、それぞれの手続きについて詳しくご紹介していきます。

単純承認

単純承認とは、相続の原則通りに何の条件も付けずに相続を受け入れることをいいます。
預貯金や不動産などの利益となるの財産も、借金などの不利益となる財産も全て引き継ぐことになります。
相続の手続きの中で最も一般的な手続きです。

ただし、相続財産がプラスとマイナスを比較して、マイナスが多い場合は相続人自らの財産で相続した負債を返済しなければいけないので、注意が必要です。

限定承認

限定承認とは、遺産を相続するときに、相続する財産を責任の限度として相続を受け入れることをいいます。
借金などのマイナスの財産があった場合は、プラスの財産の分だけ引き継ぐことになります

手続きの期限は、相続の開始を知った日(通常はお亡くなりになった日)から3ヵ月以内に、家庭裁判所に申述する必要があります。

相続放棄

相続放棄とは、全ての遺産を放棄することです。
明らかに不利益となる財産が多い場合や遺産相続のトラブルを避けたい場合等に手続きを行います。

手続きの期限は、限定承認と同じく、相続の開始を知った日から3ヵ月以内に、家庭裁判所に申述する必要があります。
相続放棄の申述が受理されれば、故人の債権者から借金などの取り立てがあっても、支払いを免れることができます

連帯保証人の場合は放棄しても支払う

もし主債務者(故人)の相続人であると同時に連帯保証人であった場合の債務はどのようになるのでしょうか?

この場合に相続放棄を行うと、連帯保証人になっていない債務の支払義務は免れることができます。
しかし、連帯保証人になっている債務の支払義務は免れることができません

連帯保証人になる際には十分注意することを心がけましょう。

財産放棄では支払い請求を拒否できない

相続放棄とは家庭裁判所に相続放棄の申述を行い認められることにより、「はじめから相続人でなかったことになる」法律上の手続きのことをいいます。

相続放棄の申述が認められた場合は、故人の負債の相続について後に債権者から支払の請求があったとしても支払いを免れることができます。

ただし財産放棄はあくまでも相続人の間で行われた話し合いに過ぎず、後に債権者から故人の債務の支払の請求があった場合はその支払いを拒否することはできません

よくある話しで、兄弟間で「自分は財産はいらないから兄に全て渡してほしい」などの話し合いをしたということを聞きます。
しかし上記の場合は、「財産放棄」にあたり「相続放棄」の手続きを家庭裁判所に行っていないため、債権者からの支払い請求を拒否することはできません

財産放棄の疑問点

お墓

相続人全員が相続放棄の手続きを行うと、「皆がはじめから相続人ではなかったこと」になります。
では、故人がアパートなどの賃貸物件にお一人で住んでいた場合などに、契約関係の手続きや残置物の撤去などは誰がどのように行うことになるのでしょうか?

また、相続放棄をした場合に故人の形見分けをすることは可能なのでしょうか?
ここでは、上記の疑問について、詳しくご紹介していきます。

賃貸の場合はどうするのか

まずはじめに、建物の賃貸借契約は契約者(故人)がお亡くなりになったとしても契約は当然には終了しません
相続放棄が認められない単純承認事由として、民法921条では以下の様に定められています。

  • 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び短期賃貸(民法602条)に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りではない。

不動産の賃貸借契約の解除は、法律上「管理行為」に該当しますので、賃貸借契約の解除には応じられないということになります。

ただし水道・電気・ガスなどの解約の手続きは、日常家事債務にあたると考えられていますので、電話などで解約の手続きを行っても単純承認事由にはあたらないと考えられています。

形見分けをすることは可能か

財産放棄をした場合に、故人の形見分けをすることは可能なのでしょうか?

故人が部屋に残された家財道具や日用品については「処分行為」に該当してしまう恐れがあるので、大家さんには「できません」と答えるしかないと思われます。

ただし形見分けとして故人の衣服や身の回り品などを受け取ることは可能であるとされています。
そういった場合でも、形見分けの品が高価な物であった場合などは、単純承認事由にあたる可能性もありますので、注意が必要です。
場合によっては、弁護士や司法書士などの専門家にご相談されると良いでしょう

「終活ねっと」には相続に関する無料ご相談窓口があります。
提携している相続診断士やファイナンシャルプランナーが遺言や生前対策など相続全般に関するご相談を伺います。

全国各地にある相談窓口で、じっくりご相談ができます。
財産放棄、遺品整理についても、もちろんご相談いただけます。
ご相談は初回無料ですので、些細な疑問でも下記のリンクからお気軽にご相談ください。

財産放棄の遺品整理についてまとめ

遺品整理

今回「終活ねっと」では、財産放棄と遺品整理について事例を交えて詳しくご紹介してきましたが、みなさんいかがでしたでしょうか?

今回ご紹介した内容を以下にまとめています。

  • 財産放棄とは、相続人の間で「私は財産を相続しません。」ということを、話し合いで決めた手続きのことをいう。

  • 相続放棄とは、家庭裁判所に申述して認められることにより「はじめから相続人ではなかった」ことにする、法律上の手続きである。

  • 財産を処分すると相続放棄ができなくなってしまう。

  • 相続人であると同時に連帯保証人の場合には、相続放棄をしても故人の債務の支払いを免れることはできない。

  • 「財産放棄」をした場合に、後に債権者から支払の請求があったときは、支払いを拒否することはできない。

  • 相続放棄をした場合には、故人が借りていた建物の賃貸借契約の解除には応じられない。

  • 相続放棄をした場合でも、一般経済価額がないものに限り形見分けは可能である。
    ただし、一般経済価額の基準は明確ではない。

相続放棄の手続きを行えば、故人の負債の支払を免れるため、相続放棄には非常に大きな効果があります。
ただし大きな効果がある反面、手続きの要件は非常にシビアなものとなっています。

今回ご紹介した内容が、相続放棄の手続きをお考えの方のお役に立てれば幸いです。

「終活ねっと」では、財産放棄や遺品整理の手続きなどについて詳しくご紹介した記事を多数掲載しています。
また、以下の記事では遺品整理の費用の相場について詳しくご紹介しています。
ご興味のある方はぜひそちらもご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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