日本における火葬の歴史は?その他の国の火葬についても解説!

現代の日本ではご遺体は火葬でご供養することが一般的です。しかし、この文化がいつから定着したのかご存知の方は多くはないのではないでしょうか。今回終活ねっとでは、日本における火葬の歴史や、その他の国の火葬の歴史や文化についても解説いたします。ぜひご覧下さい。

目次

  1. 日本における火葬の歴史は?
  2. 日本では火葬ではなく土葬が主流だった?
  3. 日本の火葬の歴史について
  4. その他の国の火葬について
  5. 日本における火葬の歴史についてまとめ

日本における火葬の歴史は?

葬儀

現在の日本は火葬率99%を超える「火葬大国」となっています。
欧米では現在も土葬が多く見られますが、なぜ埋葬方法にこのような差異が見られるのでしょうか。
世界的に見ると、イスラムなどをはじめとして火葬を禁忌とする文化も見られる中で、どうして日本ではここまで火葬が普及したのか改めて考えると不思議ですね。

そこで、今回終活ねっとでは、日本における火葬の歴史について解説します。

  • 日本では火葬ではなく土葬が主流だったって本当?
  • 日本の火葬の歴史について解説
  • 世界の火葬事情について

以上の内容を解説いたします。
終活に興味がある方だけではなく、日本の文化や歴史がお好きな方もぜひ最後までご覧ください。

火葬式とはどういったものかを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

日本では火葬ではなく土葬が主流だった?

お墓

現在の日本では火葬は圧倒的な普及率ですが、かつては日本では土葬が主流でした。
それも歴史的には遠くない明治時代までは土葬が主流だったということはご存知でしょうか?

火葬という文化自体は仏教の伝来とともに日本に伝わり一部の上流階級で行われていましたが、一般に浸透するには長い時間を要しました。
以前の日本では火葬はご遺体を損壊する行為にあたるとして忌避された風潮があったことや、火葬を行うには技術や時間・燃料エネルギーが必要であることが土葬が一般的であった理由と言われています。

現在の日本では、土葬は法律上は認められていますが、条例で禁止されている場合が多く実施可能な地域が限定されています。
大きな災害があったなどの特別な事情がある場合は、特例的に許可が下りることもあるという位置づけになっています。

日本の火葬の歴史について

困った人々

続いて、日本の火葬の歴史に目を向けていきたいと思います。
奈良時代から現代までの日本での埋葬方法の変遷について見ていきましょう。

奈良時代

日本では旧石器時代にはお墓らしきものが作られていた可能性があり、人類の起こりの時代から埋葬が行われていたことが示唆されています。

続いて縄文時代には明確な埋葬行為が行われていたことが明らかになっており、貝塚や土坑墓での土葬が一般的でした。

その後古墳時代・弥生時代は少しづつ形を変えつつも土葬のみが行われていましたが、奈良時代ではこの情勢に変化が訪れます。

仏教の伝来によって火葬の文化がもたらされ、火葬墓が登場したことが確認されています。
しかし火葬を行っていたのはごく一部で、庶民のご遺体は河原や道端などに遺棄されていたのが実情だったようです。

平安・鎌倉・室町

平安時代になると、貴族や僧侶などの身分の高い人々の間ではより火葬が広がっていきました。
庶民の間では仏教が浸透していなかったこともあり、まだ火葬は一般的な文化には至っていません。

火葬するには大量の燃料が必要となりますので、これを用意できる一部の富裕層の間でだけ行われていました。
一般的には土葬や風葬が主流で、奈良時代よりも埋葬事情は改善されていたようですが遺棄葬も多かったようです。

また、このころには玉殿という霊廟が建てられるケースが見られるようになりました。
これは木造の建物内にご遺体を安置し、半月経過した後に霊廟ごと火葬するという形態で、依然として「ご遺体を焼却する」という行為に心理的な抵抗があったことから生まれた火葬への過渡期的な埋葬方法であると考えられています。

そのため、玉殿にご遺体を安置しても実際には火葬せずそのまま放置されることもしばしばありました。

鎌倉時代には浄土宗や浄土真宗をはじめとした鎌倉仏教が庶民にも広がり、仏教に則った供養方法が周知されていきました。
このことにより埋葬に対する意識も変化し、葬送自体が一般化していった時代です。

貴族や皇族たちは、墓地などに抗を掘って土器や石器で火床を用意した簡易的な火葬場を用いるようになります。
庶民が火葬を行う場合は平地に薪や木の枝などを積んでその上にご遺体を乗せて焼く野焼きで行われ、広い地域でこの光景が見られるようになりました。

室町時代に入ってからは、戦乱や天災が続いた影響で死者が増加した影響で僧侶による火葬が行われる機会が増えました。
寺院の境内に多くのお墓が建てられるようになった時期でもあります。

江戸時代

江戸時代になると寺院や墓地内に火家と呼ばれる葬場が建てられるようになり、庶民のあいだでの火葬の普及率が上がります。
火家は小屋の中に簡単な火葬炉を設置したもので、野焼きと比較して現在の火葬の形にかなり近づいたと言えるでしょう。
しかし、火葬が行われていたのはまだ一部の話で、多くの地域では土葬で埋葬するのが主流でした。

火葬が広まらなかった要因の一つに、煙や臭いの問題がありました。
当時は今ほど技術が発達していなかったので火葬を行っても火力を上げるのが困難で、ご遺体を焼くのに長い時間が必要でした。
火力不足でご遺体を焼くと強い臭いが発生し、長時間にわたって火にかけられるので煙も大量に発生します。
この公害が問題となったため、江戸内の火家のいくつかは幕府の指定した場所へ移転させられたこともありました。

明治時代

明治時代では、神道派の反発などがあり一時的に火葬禁止令が出された期間がありました。
しかし、仏教徒の数が多かったことや、衛生面・近代化に伴う埋葬スペースの不足といった理由から解禁となります。

その後、伝染病による死者や人口の多い地域では土葬を禁止する措置が取られるなどして、政府主導の下で土葬から火葬への転換が行われていきます。
充分な火葬設備が整っていなかったためその後もしばらくは土葬が主流でしたが、レンガ造りで煙突を備えた火葬炉が作られ徐々に環境が整えられていきます。
こうして、

  • 火葬に必要な人出が減る
  • 薪の消耗を抑えることができる
  • 高火力と煙突により臭い・煙を抑えられる
  • ご遺体の焼け残りが少ない
  • 利用者の経済的な負担を軽減できる

などの理由で各地に火葬炉を完備した火葬場が建てられるようになります。
その後全国に火葬場の数が増え、昭和初期頃からは火葬の普及率が急速に伸びていくことになります。

現代の火葬

現代ではほぼすべての埋葬方法が火葬となり、特殊な事情を除いて土葬が行われることはほとんどありません。
火葬を行うことが当たりまえになり、葬儀の一連の流れに組み込まれています。

また、技術の進歩により火葬も発展し、いくつかのバリエーションが見られるようになりました。

棺を火格子上に載せて焼くロストル式は、焼却時間が短く済み比較的コストも抑えられるため海外で多く用いられています。

台車の上に棺を載せて消却を行う台車式は、ご遺骨がきれいに残るため収骨を行う日本の文化との親和性が高く、現在国内で最も多く見られる火葬炉となっています。

ほかにも煙突が長大化したり斎場と一体化したりと、火葬事情は普及し始めた当時よりもさまざまな面で発展しています。

その他の国の火葬について

お墓

ここまで日本での火葬の歴史について解説してきました。
では、世界の火葬事情はどうなっているのでしょうか?
ヨーロッパ・中国・韓国の火葬についてご紹介いたします。

ヨーロッパ

ヨーロッパキリスト教圏であるため、歴史的に土葬が行われていきました。
キリスト教では死者の復活が信じられているため、肉体を失ってしまう火葬は避けられていました。
ではヨーロッパでは火葬文化がないのかというとそんなことはなく、近年では火葬されることが多くなってきています。

キリスト教は大別してカトリック系とプロテスタント系に分かれますが、比較的自由な考え方をするプロテスタント系が多い国では火葬の習慣が浸透してきており、国によっては火葬率が70%を超えている場合もあります。

中国

中国では火葬を推奨しており、一部の地域を除いて土葬を禁止する条例が施行されています。
しかし、中国では歴史的に土葬が主流だったという背景もあり、土葬禁止の地域での火葬率は60%程度にとどまっているようです。

近年でも中国政府の火葬強要に反発した住民のデモが起こり、警察と衝突したという事件がありました。
中国は今土葬から火葬への過渡期にあるのかもしれません。

韓国

韓国では儒教が盛んであり、李氏朝鮮時代に政策で火葬が禁止されていたこともあって長らく土葬が主流でした。
しかし、やがて土地不足などの問題から火葬を求める声が大きくなり、火葬率は次第に上昇していきました。

現代の火葬率は80%を超えており、都市部では土葬を行うのは元大統領や宗教指導者など一部の人物に限られています。
また、火葬率の増加に伴い納骨堂などのこれまで見られなかった供養施設も建てられるようになりました。

終活ねっとではインドの火葬の実態についての記事も紹介しています。
詳しく知りたい方はぜひこちらもご覧ください。

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日本における火葬の歴史についてまとめ

葬儀

今回終活ねっとでは、日本における火葬の歴史について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
記事の内容を以下にまとめます。

  • 日本では歴史的には長い間土葬が主流だった。
  • 日本の火葬の歴史は奈良時代に仏教の伝来で始まった。
    火葬は主に上流階級の間で行われていて庶民は長い間土葬が主流だったが、宗教的・土地問題・衛生面などの観点から明治時代から徐々に火葬が一般に浸透していった。
  • ヨーロッパではキリスト教の影響で土葬が主流だが、プロテスタント系を中心に火葬が増えている。
  • 中国は現在政策で土葬を禁止しているが、土葬の文化が根強く未だ火葬率は高くない。
  • 韓国はかつては火葬が禁止されていたが土地問題などから火葬率を伸ばしており、現在は火葬が主流となった。

この記事の内容から、日本で火葬が主流なのは仏教の影響と人口に比べて国土が狭いことなどが要因となっていることが見て取れます。
葬送方法ひとつをとってみてもその国の歴史や文化事情が覗えるのは大変興味深いのではないでしょうか。

終活ねっとでは、ほかにも葬儀関連の文化に関する記事を扱っておりますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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