
香典袋の正しい書き方とは?表書きや名前、中袋の書き方をご紹介!
香典袋の正しい書き方をご存知ですか?葬儀の際に必ず持っていく香典ですが、様々なマナーがあり、疑問や不安を抱いている方も多いと思います。今回は香典袋の書き方について、表書きや名前、中袋に書く金額や住所氏名などの書き方を中心に解説していきます。
最終更新日: 2020年12月23日
香典袋の正しい書き方について

親しい方や知人の訃報を受けたら、すぐにでもお別れの挨拶に駆け付けたい気持ちでいっぱいになりますよね。
しかし、いざ葬儀に参列するとなると、普段慣れないマナーやルールがたくさんあって疑問や不安がある方も多いと思います。
中でもご遺族に渡す香典はお金ということもあり、お悩みの方も多いかと思います。
香典とは人が亡くなった時にお香を送る習慣が、お香の代わりとしてお金を渡すようになったものですが、香典袋の書き方ひとつでも様々なマナーがあってなかなかわかりづらいです。
ここでは香典に関する疑問の中で、香典袋の書き方について以下の点を中心にわかりやすくご紹介していこうと思います。
香典袋に何を書く必要があるのか
表書きや名前はどう書けばよいか
中袋に書く金額や住所氏名の書き方
香典袋を書くときに気を付けたいこと
香典に関する金額や渡し方などのマナー

「終活ねっと」運営スタッフ
香典袋の書き方のご紹介だけではなく、金額相場や渡し方などのマナーについても解説を行っておりますので知識として頭に入れていただければ幸いです。
時間がないという方やお急ぎの方も、知りたい情報をピックアップしてお読みいただけます。
ぜひ最後までお読みください。
「終活ねっと」の以下の記事では、香典に関する基礎知識やよくある疑問をまとめています。
香典の基本的なマナーを知りたい方は、ぜひご覧ください。
香典袋には何を書くか

香典を出すことになって香典袋を買ってきたけど、そもそも香典袋に何を書けば良いのかわからないという人もいるのではないでしょうか?
香典袋には以下の項目を記入します。
外袋
表書き・名前
中袋表面
金額
中袋裏面
郵便番号・住所・名前

一般的な香典の書き方は上の画像の通りです。
ただ、これらの項目は故人の宗教宗派や複数名でまとめて包む場合などによって、表書きや中袋の書き方が異なります。
また、会社や学校等の連名で包む人数が多い場合は、別紙に住所氏名や金額の明細を記入することもあります。
香典袋の書き方

香典には、表書き・金額・住所・名前などの項目を記入する必要があると紹介しました。
ここでは、香典の詳しい書き方や様々なケース別の書き方について解説していきます。
中袋の書き方
香典袋には中袋や内袋と言うお金を入れる封筒がついていることが多いです。
中袋にはご遺族が香典返しをするときの参考となる、金額や住所氏名を記入します。
これらが書かれていないと、ご遺族に余計な気遣いをさせてしまうこともあるので必ず記入するようにしましょう。
金額の書き方(表面)
中袋の表側には包んだ金額を記入しますが、いくつか気を付けたいことがあります。
旧字体の漢数字(大字)を使う
一般的に、香典の金額は簡単に改ざん出来ないように旧漢字(大字)で書きます。
「円」は大字では「圓」と書き、数字の前に「金」をつけます。
10000円の香典を出す場合は、「金壱萬圓」となります。
「金壱萬円」でも問題ありません。
また、「金○○圓也」といった感じで也を付けることもありますが、必ず付けなければいけないわけではありません。
大字の書き方を表にすると以下のようになります。
算用数字 | 漢数字 | 大字 |
3000円 | 三千円 | 参仟圓・参阡圓 |
5000円 | 五千円 | 伍仟圓・伍阡圓 |
7000円 | 七千円 | 七仟圓・七阡圓 |
10000円 | 一万円 | 壱萬圓 |
30000円 | 三万円 | 参萬圓 |
50000円 | 五万円 | 伍萬圓 |
70000円 | 七万円 | 七萬圓 |
100000円 | 十万円 | 拾萬圓・什萬圓 |
横書きの場合
香典の金額は縦書きで書くのが一般的ですが、横書きの場合は、算用数字・アラビア数字で書きます。
最近の香典袋には、金額を書く欄が中袋に横書き用に印刷されているものがあります。
その場合も漢字ではなく算用数字で金額を書きます。
住所・名前の書き方(裏面)
中袋の裏面には、会葬者の住所や名前を書くのが一般的です。
連名などで記入する人数が多くなる場合は、別紙に記入し、中袋に同封します。
中袋の記入例は以下の通りです。

中袋なしの場合
包む金額によっては水引が印刷された封筒タイプの香典袋を使うことがあります。
封筒タイプの香典袋の場合、中袋や中包みがついていないことが多いです。
また、袋が2重になっている=不幸が重なるという考え方から、中袋を使用しない地域もあります。
このように中袋がない場合は、香典袋(外袋)の裏側に住所と氏名、金額を書きます。
書き方は、香典袋の裏側に、中袋の裏面と同じように書くだけで問題ありません。
表書きの書き方
表書きは、その昔、人に贈り物をするときに、その内容を示すものとして付けられていた目録が簡略化されたものといわれています。
最近では、この表書きがあらかじめ印刷されている香典袋が多く販売されていますが、表書きが印刷されてない香典袋には自分で記入する必要があります。
実はこの表書きは故人の宗教や渡す時期によっても異なります。
ここではそんな表書きの違いについて解説していきます。
表書きが印刷されている香典袋を買うときにも参考にしてみてください。
故人の宗教による違い
表書きは故人の宗教によって変わります。
宗教によってはタブーとされている表書きもあるので、失礼とならないよう気を付けたいところです。
仏教
仏教の場合、御霊前や御仏前と書かれる場合が多いです。
基本的に仏教では四十九日の忌明け法要までは、御霊(みたま)となってこの世にいらっしゃると考えられています。
その為、通夜・葬儀・告別式では御霊前と書かれることが多くなっています。
御霊前や御仏前の他に、御香典や御香料でも問題ありません。
また、香典袋は黒白または銀一色の水引の物を選びましょう。
不幸が二度と起こらないようにという意味から、結びきりの水引が使われます。

浄土真宗
仏教でも浄土真宗では、人が亡くなると即刻浄土に召されて仏になると考えられています。
そのため御霊という考え方はなく、御霊前と書くことはマナー違反となってしまいます。
御仏前と書くようにしましょう。

神式(神道)
神式では、御榊料や御玉串料、神饌料と書きます。
御霊前と書くことはできますが、ご神前に捧げるものとなり、仏ではありませんので御仏前とは書けません。
また、水引は黒白か銀もしくは白一色のものを選んで下さい。
香典袋を選ぶ際には、蓮の花の絵が書かれている香典袋は仏教用になりますので選ばないように注意しましょう。

キリスト教
表書きの書き方は、キリスト教式の場合、2つの宗派によって変わるのでそれぞれ見ていきましょう。
まず、カトリック(カソリック)の場合、御花料や御ミサ料と書きます。
また、御霊前を使用しても問題ありません。
キリスト教ではお香を焚きませんので、御香典とは書けません。
また、仏にもなりませんので御仏前とも書いてはいけないので注意しましょう。
プロテスタントの場合、御花料や献花料、忌慰料と書きます。
注意したいのは、プロテスタントでは御霊は異教の偶像崇拝とされていますので御霊前は不適切となり失礼に当たるという点です。
キリスト教の宗派は葬儀が行われる教会名から宗派を調べることができるので事前に調べておきましょう。
宗派がわからない場合は、どちらの宗派でも使用できる御花料を使用するのが無難です。
また、一般的に香典袋は水引のない、キリスト教用の物を使います。
ただし御霊前を使用する際は、黒白もしくは銀一色の結びきりの水引で白無地の香典袋を使用しましょう。

無宗教または故人の宗教がわからない場合
日本ではいかなる宗教も信仰していないという方は少なくありませんし、そもそも故人の宗教がわからないという場合もあると思います。
故人の宗教がわからない場合の表書きは御霊前と書くのが無難ですが、浄土真宗やプロテスタントの場合はタブーとされてしまうので注意が必要です。
また、故人の宗教がわからない場合は香典袋は多くの宗教・宗派で使用できる白色のものを使用し、水引は黒白または銀一色の結びきりのものを使用しましょう。
四十九日を過ぎると表書きが変わる
浄土真宗以外の仏教では四十九日になると故人が成仏すると考えられているため、表書きは御仏前となります。
最近では、四十九日法要を四十九日前の土日などに行うこともありますが、その場合でも御仏前とするのが一般的です。
名前の書き方
次に香典袋の表面に書く名前の書き方について見ていきます。
夫婦で香典を出したり、会社の同僚など有志一同で香典を出すことも増えているので、その際の書き方についても解説していきます。
個人で香典を出す場合
個人で香典を出す際は、香典袋の水引の下の真ん中に自分の名前を書きます。
誰がこの香典を出したかがご遺族にわかりやすいように、フルネームで書いてください。
また、上司などの代理で香典を出すときは上司の名前の左横に「代」と書きます。

会社や学校などの有志の連名で出す場合
職場の同僚や学校のPTAなど、有志の連名で香典を出す場合もあるかもしれません。
これらの場合、人数などによって書き方が変わります。
2人の連名の場合
連名で香典を出す場合でも2人の場合は、1人の時と同じように香典袋の表側に名前を書くことができます。
一番目上の人が真ん中にくるようにし、左へ順にフルネームを書いていきましょう。
目上の人からではなく、五十音順で右から順に書くケースもあります。
また、2人までは中袋裏面に住所氏名を書くことができます。
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3人の連名の場合
3人の連名で香典を包む場合、香典袋の表側の書き方は変わりませんが、中袋裏面に記入していた住所氏名を別紙に記入します。
別紙には、住所氏名に加え、一人一人が包んだ金額も記入します。
別紙は手書きではなく、パソコンでプリントしたものでも構いません。
中袋には、表面にそれぞれの香典を合計した金額、裏面に代表者の住所氏名のみを記入します。
代表者の住所氏名は、中袋裏面と別紙の両方に記入する点に注意しましょう。
以下の画像で鈴木一郎を代表者とする場合、中袋の表面は「金壱萬伍阡円」、裏面は鈴木一郎の住所氏名のみを記入します。

4人以上の連名の場合
4名以上で連名で出す場合は名前を連ねるのではなく、〇〇一同と書きます。
4人以上の連名の中袋・別紙の書き方は3人での連名の場合と変わりません。
会社の部署やグループで包む場合は、会社名・部署名やグループ名も記すようにしましょう。

会社名・法人名で書く場合
企業の取引先や社員の家族などに会社として香典を出す場合、会社名だけで書くことはありません。
代表取締役名をフルネームで書き、右横に小さめに会社名・法人名を書きましょう。
中袋は香典の金額と代表取締役の住所氏名を記入します。

代表者名で書く場合
連名する人の中で代表者を決めて渡す場合は、真ん中に代表者名を書きます。
そしてその左下に外一同と書き、右側に会社名やグループ名を添えましょう。
人数がわかるように外〇名とする方法もあります。
中袋・別紙の書き方は、4人以上の連名のケースと同じです。

夫婦連名で出す場合
夫婦でお葬式や法事に参列する場合や、故人が夫婦でお付き合いのあった方だった時などに夫婦連名で香典を出すことがありますが、この際名前はどのように書けばよいのでしょうか?
夫婦で参列するとき
夫婦で参列する場合は通常、夫の名前だけを書きます。
親子や家族で連名する場合も、子供が独立していないのであれば世帯主の名前だけ書きます。
しかし、夫婦ともに参列し、なおかつ故人と夫婦ともに特に親しかった場合などは2人の名前を書きます。
その場合は夫の苗字・名前を中央に書いた後、妻の下の名前のみを夫の名前の左側に書くようにしましょう。
また、相手側に結婚の報告をしてない場合は、中袋の名前の左に旧姓も記入しておくと良いです。
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夫の代わりに妻が参列する時
夫の代わりに妻が参列する際は、真ん中に夫の名前を書き左横に小さく「内」と記しましょう。
なお、同じ代理での参列であっても、先ほど説明した上司の代わりの場合は内は使用しません。
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香典袋は何を使って書くか

ここまで香典袋の書き方について見てきましたが、そもそも香典袋はどんなものを使って書けばよいのでしょうか?
墨を使って筆で書かなくてはならないのかと不安に思う人もいるかと思います。
ここではそんな疑問を解決していきます。
原則薄墨で書く
香典袋は原則薄い墨で書きます。
これには「涙がこぼれ落ちて墨が薄まってしまった」「突然の訃報に墨を濃くすることが出来なかった」という意味があり、お悔やみの気持ちを表します。
現在は弔事用の薄墨の筆ぺンが売られているので、薄墨がない場合、自分で墨を用意して筆で書かなくても問題ありません。
また、中袋に記入する際は、受付の方やご遺族にわかりやすいように、通常の濃い墨の筆ペンや黒のインクのペンを使用するのが一般的です。
ボールペンやサインペンで書いてもよいか
筆ペンや毛筆が用意できない場合には、香典袋にペンで書いても良いのでしょうか。
訃報というのは突然やって来るものです。
急なことでどうしても用意できないという場合にはサインペンでも問題ありませんが、インクは黒色を使用して下さい。
しかし、この場合でもボールペンや鉛筆では失礼に当たる為、使用しないようにしましょう。
香典に関するその他のマナー

金額相場や香典袋の選び方、包み方や渡し方など、香典には書き方以外にも様々なマナーがあります。
ここでは簡単に解説しますが、詳しく知りたい方は各段落でご紹介する記事を参考にしてみてください。
香典の金額相場
香典の金額相場は故人との関係性や法要によって変わります。
一般的に親族の場合は一万円~十万円で故人との血縁関係が近いほど高額になります。
また、知人や同僚などの場合は五千円~一万円ほどが目安とされています。
香典は高額過ぎても香典返しなどご遺族の負担になってしまうことがあるので、相場を把握しておくことは大切です。
「終活ねっと」の以下の記事では香典の金額相場についてさらに詳しく解説していますので気になる方は合わせてご覧ください。
香典袋の種類と選び方について
今回香典袋の書き方の中でもいくつか説明しましたが、香典袋は宗教や包む金額によって、水引や表書きが変わります。
宗教によってはタブーとされているものや、金額に見合わない香典袋を使ってしまうと失礼となってしまうこともあるため、香典袋の種類は知っておくと良いでしょう。
「終活ねっと」の以下の記事では香典袋の選び方についてさらに詳しく解説していますので気になる方は合わせてご覧ください。
香典の包み方・お札の入れ方
結婚祝いなどでは祝儀袋を袱紗(袱紗)という布で包みますが、香典も同様に袱紗で包みます。
香典の場合不祝儀袋となるため、袱紗は寒色系かつ無地のものを使いましょう。
香典袋にお札を入れるときは肖像のある方が裏に来るようにし、上下をそろえて中袋に入れます。
また二枚・六枚などの偶数や四枚・九枚などは縁起が悪いとされています。
そのため、以下の金額を香典に包むことは少ないです。
2千円・2万円
4千円・4万円
6千円・6万円
9千円・9万円
そのほかに、新札やピン札を使うのもマナー違反とされています。
新札しか手元にない場合は、一度半分に折り、折り目を入れてから包むようにすると良いです。
「終活ねっと」の以下の記事では香典袋の包み方についてさらに詳しく解説しておりますので気になる方は合わせてご覧ください。
香典を渡すタイミング・渡し方
香典を渡すタイミングはお通夜やお葬式に参列した時です。
基本的にはどちらで渡しても大丈夫ですが、地域の風習によって決まっている場合もあります。
いずれにせよ、どちらかで渡せば問題ありませんが、2回以上渡してしまうと「不幸が重なる」という意味でマナー違反になってしまうので注意が必要です。
また、香典を渡すときは袱紗に包んで持参し、渡すときに袱紗から出すようにしましょう。
相手から見て香典袋が正面向きになるように渡しますが、渡す際にお悔やみの言葉を一言添えても良いでしょう。
「終活ねっと」の以下の記事では香典を渡すタイミングについてさらに詳しく解説しておりますので気になる方は合わせてご覧ください。
香典袋の書き方についてまとめ

いかがでしたでしょうか?
今回「終活ねっと」では香典袋の書き方について以下の流れで解説してきました。
香典袋には表書きと名前のほか、ご遺族が香典返しをするときにわかりやすいよう金額や住所氏名を書く。
香典袋の表書きは宗教や渡す時期によって変わる。
故人が無宗教だったり、宗教がわからない場合は御霊前を使うのが無難だが、浄土真宗やプロテスタントではタブーとされているため注意が必要。人数によって名前の書き方も変わり、個人の場合や連名の場合など、いくつかのパターンに分けられる。
中袋には表に金額、裏に住所氏名を記入するが、金額は旧字体の漢数字である大字で書く。
香典は薄墨で書くのが原則とされているが、筆ペンなどを用意できない場合はサインペンを使っても良い。
ボールペン、鉛筆は避けた方が良い。香典には書き方以外にも金額相場やお札の入れ方、渡し方などのマナーがあり、失礼にならないためにも把握しておきたい。
葬儀に参列する際に必ず持参する香典。
だからこそ、様々なルールはありますが故人の考えを尊重し、お互いに素敵な最後のお別れをするため、ご遺族に必要以上に負担をかけないためにも最低限のマナーは知っておきたいものです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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また、葬儀をするにあたって必要なあらゆる知識を記事にまとめています。
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