桜を題材にした短歌ってどんなのがあるのか知ってますか?

短歌は数多くありますが、その中から今回は桜を題材にした短歌を選んでご紹介します。これから、もうすぐ春になり桜の季節になります。そんな時、ふと短歌を読んでみてはいかがですか?

目次

  1. 短歌とは
  2. 百人一首の桜の短歌
  3. 古今和歌集の桜の短歌
  4. 万葉集の桜の短歌
  5. 桜の短歌まとめ

短歌とは

桜

韻文(一定の規則に則って書かれた文章)とされる一つで、「五・七・五・七・七」の形式の五句体で作られた歌になります。作られるようになった頃から近代以前までの短歌を、和歌と呼ぶことが多いです。

百人一首の桜の短歌

桜

皆さんも知ってらっしゃるであろう有名な百人一首の中から、桜を使った短歌をいくつかご紹介します。

恋情小野小町作「花の色は・・・・・」

全文は、「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世(みよ)にふる ながめせしまに」です。

訳としては、「春、盛りを過ぎた桜の花の色がすっかり色あせてしまったのと同じように、私の容姿もすっかり衰えてしまったなあ。桜に降る春の長雨を茫然と眺め、むなしく恋の思いにふけってしまった間に。」になります。
私は訳すとなんだか直球すぎて、情緒もなにもない気がしてしまいます。恋をしている歌なのに、どちらかというと虚しさとかそういうものが強い気がします。でも、現代でも共通するような小野小町の女性としての気持ちがみえて、共感できそうです。

紀友則作「久方の・・・・・」

全文、「久方の 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ」です。

訳としては、「日の光があふれるのどかな春の日がゆったりと過ぎているのに、どうして桜の花だけが落ち着いた気持ちもなく、慌ただしく散っていってしまうのだろうか。」になります。桜の美しさをいつまでも眺めていたいからこその、散ることに対しての嘆きの感情を表しています。

伊勢大輔作「いにしへの・・・・・」

全文、「いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重(ここのへ)に にほひねるかな」です。

訳としては、「昔、栄えた奈良の都で咲き誇っていた八重桜が、今日は京の都でいちだんと美しく咲き誇っていることである。」になります。奈良から献上された八重桜を、その際居合わせた伊勢大輔が命じられ、詠んだ歌です。

大僧正行尊作「もろともに・・・・・」

全文、「もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし」です。

訳としては、「深山の山桜、私が思うようにお前にも思ってほしい。心を寄せ合っていよう。お前以外に私には心通わすものはいないのだから。」になります。修験僧として霊山に入った際、春ももうすぐ終わる人などいない深山に山桜が咲いていたので、桜に対する感動と、人々から忘れられたような自分を思った歌です。

前中納言匡房作「高砂の・・・・・」

全文、「高砂の 尾上(をのへ)の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ」です。

訳としては、「遠くの山の頂きに山桜が美しく咲いている。近いところの山の霞よ、どうか立たないでおくれ。遅れて咲き始めた、あの美しい山桜がおまえで見えなくなってしまうから。」になります。これは、酒盛りをしながら詠んだ歌で、実際のものではなく、前中納言匡房にとって霞と桜が春の代表的な景物であったので、二つが混ざった感じに春という思いを込めているようです。

入道前太政大臣作「花さそふ・・・・・」

全文、「花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり」です。

訳としては、「桜を誘って白く散らす激しい風が吹く庭。そこに散り敷くのは雪かと思える。しかしふる(降る)のは雪ではなく、老いていく私なのだ。」になります。落ちた花びらに、老いと無常を感じた歌です。

古今和歌集の桜の短歌

桜

聞いたことがあると思います古今和歌集から、今回は一つご紹介します。

紀貫之作「ことしより・・・・・」

全文は、「ことしより 春しりそむる 桜花 散るということは ならはざらなむ」です。

訳としては、「今年初めて花をつけた桜よ、散ることは他の桜に見習わないでほしいものだ。」になります。

万葉集の桜の短歌

さらに万葉集からも桜の短歌を二つご紹介いたします。

若宮年魚麻呂作「去年(こぞ)の春・・」

全文は、「去年(こぞ)の春 逢へりし君に 恋ひにてし 桜の花は 迎へけらしも」です。

訳としては、「去年の春にお会いしたあなたのことが恋しくて、桜の花が咲いて迎えているようですね。」になります。若宮年魚麻呂(わかみやのあゆまろ)が詠んだ歌です。去年も咲いた桜があなたに逢うために今年もまた花を咲かせた、と歌っているのです。

柿本人麻呂作「桜花・・・・・・」

全文は、「桜花 咲きかも散ると 見るまでに 誰れかもここに 見えて散り行く」です。

訳としては、「桜の花が咲いて、すぐに散ってしまうように、誰なのだろう、ここに集い、そして散り行く人々は」になります。桜の花が散っていく様子と、花を求めて集まった人々が、まもなく散り散りになっていなくなっていく様子を重ねているようです。

桜の短歌まとめ

桜

百人一首や古今和歌集などから、今回桜を題材とした短歌を選びご紹介させていただきました。知ってる短歌はありましたか?遥か昔の時代の方が詠んだ作品ですが、その心情などは現代の私たちともそんなに変わらないですよね。
これから春になり、桜が咲いたらご紹介した短歌を思い出していただけると、また一層風流ですね。

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