
年賀状に使う迎春の意味とは?迎春の使い方や賀詞についても解説!
年賀状に「迎春」という賀詞を使われている人も多いと思います。年賀状における「迎春」の意味はどういうものなのでしょうか?今回の記事では年賀状で使われる「迎春」の意味や使い方を、賀詞の種類や使い方のマナーについて触れながら解説していきます。
最終更新日: 2020年12月10日
年賀状の迎春について

皆さんは年賀状の書き方のマナーについてご存知でしょうか?
年賀状によく使われている「迎春」は賀詞(がし)と言われるもので、その言葉の意味や相手の立場によってマナー違反になることを知っていますか?
今回「終活ねっと」では、年賀状の迎春をはじめとした賀詞について、以下のことを中心に解説していきます。
年賀状に使う賀詞とは
年賀状に使う賀詞について解説します。
「迎春」の使い方
「迎春」の意味や、受け取る相手の立場(目上の人、目下の人)によっての使い方の違いや、間違った使い方について解説します。
年賀状で使う元旦・元日の違い
年賀状で使う「元旦」と「元日」の違いについて解説します。
賀詞の種類や、年賀状を受け取る人が上司・年上の親戚の場合のマナーや、友達の場合に使える賀詞のマナーについて解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
年賀状に使う賀詞とは

賀詞とはお祝いの言葉のことで、年賀状に使う賀詞は新春を祝う言葉のことです。
一文字の「寿」「賀」「春」といった祝いや喜びの意味を持つ賀詞から、正月を祝うといった意味をもつ二文字の「賀正」や、四文字の「謹賀新年」の謹んで新年をお祝い致しますといったものがあります。
また、「謹んで新春のお慶びを申し上げます」のような文章の賀詞もあり、多くの種類があります。
迎春の使い方

年賀状でよく使われる「迎春」ですが、言葉の意味や使い方をご存知でしょうか?
年賀状によく使われているし、新年のあいさつというぐらいの認識で、なんとなく年賀状に使っているという人も多いのではないでしょうか。
しかし、知らずに年賀状で使うとマナー違反で恥ずかしい思いをするかもしれません。
恥をかかない為にも、ここからは迎春の意味、年賀状を受け取る人の立場によるマナーの違いなどを詳しく解説していきます。
迎春の意味は?
「迎春」の読み方は「げいしゅん」と読みます。
意味は新春を迎える、「新年を迎える」などです。
「春」という言葉が含まれますが、「冬」である正月のあいさつに用いられます。
あくまでも「迎春」とは、年始のあいさつを表しているものです。
旧暦では、立春頃から新年が始まりました。
1月~3月を「春」としていたことから、「春」=「新年」という考え方もあります。
また、「迎春」は松の内といわれる1月1日~1月7日の間は使える言葉だとされています。
松の内とは、門松などのお正月の松飾りを飾るべき期間とされています。
地域によっては、松の内が1月15日までを指す地域もありますので、注意が必要です。
この「迎春」は年賀状の賀詞として用いられることも多いですが、年賀状を受け取る人の立場(目上の人か、目下の人か)によってマナーがあるのはご存知ですか?
ここからは「迎春」を使うの時に注意すべきマナーについて解説します。
上司・年上の親戚の場合
「迎春」を年賀状の賀詞として用いる場合には、注意すべきマナーがあります。
「迎春」は上司・年上の親戚などの目上の方には用いるのは、マナー違反ということです。
「迎春」はあいさつを簡略化した賀詞だからです。
このような賀詞は、友達や親しい同僚など目上の人以外に用いるものです。
迎春は使うべきではない
「迎春」は祝いの言葉を簡単に表した言葉で、相手への敬意を省略したものになっています。
一文字や二文字の賀詞は上司・年上の親戚など目上の人に用いるのは、失礼にあたりますので使わないようにしましょう。
一文字の賀詞
「寿:祝い、めでたいこと」
「賀:祝い」
「春:新年」
「禧:よろこび」二文字の賀詞
「迎春:新年を迎える」
「賀正:正月を祝う」
「初春:年の初め」
「頌春:新年をたたえる」
一文字と二文字の賀詞は、お祝いの言葉が簡略化されたものです。
丁寧さや敬意がかけるとされているため、目上の人への使用は控えましょう。
ビジネスの場でも使える賀詞
ビジネスの場でも使える賀詞とその意味を解説していきます。
ビジネスの場で使える賀詞としては、お祝いの言葉と、相手への敬意を表した簡略化されていない賀詞が相応しいです。
「謹(つつしむ)」「頌(ほめたたえる)」「敬(尊んで礼をつくす)」「恭(礼儀正しく丁寧)」など、相手への敬意と丁寧を表す言葉が入ることで礼儀にかなった言葉になります。
基本的には、四文字の賀詞を使えば間違いはありません。
いくつかビジネスの場でも使える賀詞の例と意味を挙げておきます。
「謹賀新年(きんがしんねん)」
謹んで新年をお祝い申し上げますなどの意味
「謹賀新春(きんがしんしゅん)」
謹んで新しい春をお祝い申し上げますなどの意味
「恭賀新春(きょうがしんしゅん)」
うやうやしく初春をお祝いいたしますなどの意味
「敬頌新禧(けいしょうしんき)」
新年の幸福をたたえるなどの意味
また、四文字の賀詞以外にも「謹んで新年のお慶びを申し上げます」や「謹んで年頭の御祝詞を申し上げます」などの文章の賀詞であれば、ビジネスの場や目上の人に用いることができます。
友達の場合
友達宛ての年賀状の場合は、四文字の賀詞「謹賀新年」や文章の賀詞「謹んで新年のお慶びを申し上げます」なども使えます。
しかし、上記の賀詞を書くと堅い印象をあたえてしまいます。
もう少し柔らかい印象をということであれば、簡略化された一文字、二文字の賀詞である「寿」「賀」「賀正」「迎春」などがいいでしょう。
また、文章の賀詞であれば「あけましておめでとう」「新年おめでとうございます」「Happy New Year」などを用いてもいいでしょう。
ここで友達宛てによく使われている二つの文章について注意点をお話します。
年賀状で「新年あけましておめでとうございます」や「A Happy New Year」などをよく目にしますよね。
この2つは厳密には誤りがあります。
まず「新年あけましておめでとうございます」は「新年」と「あけまして」が重複しているとも言える表現なので、避けた方が無難です。
単に「あけましておめでとう」または「新年おめでとう」がいいでしょう。
次に「A Happy New Year」ですが、これは定型化されたあいさつ表現のようなものなので「Happy Birthday」のように「A」は無い方が一般的とされています。
迎春とあけましておめでとうございますは一緒に使わない
送る相手の立場(目上の人か、目下の人か)によって使うべき賀詞のマナーについて書きましたが、賀詞とあいさつ文の使い方にも注意が必要です。
注意するポイントは重複です。
例えば「迎春」と「あけましておめでとうございます」は一緒には使いません。
「迎春」は新春(新年)を迎えることで「あけましておめでとうございます」も新年を迎えるので、意味が重複しています。
このように賀詞が重複するのは避けてください。
他にも一緒に使うとマナー違反になるものをリストに挙げておきます。
賀詞を使った場合は、書き添え文に賀詞が入らないように注意が必要です。
「頌春」と「あけましておめでとうございます」
新春を褒めたたえる「頌春」と意味が重複しています。
「賀正」と「あけましておめでとうございます」
新年を祝う「賀正」と意味が重複しています。
「賀春」と「あけましておめでとうございます」
新春を祝う「賀春」と意味が重複しています。
「賀正」と「謹んで新春のお慶び申し上げます」
「謹んで新春のお慶び申し上げます」も賀詞です。意味の重複になります。
年賀状で使う元旦・元日の違い

年賀状で使う元旦・元日ですが、この2つの違いをご存知ですか?
まず「元日」ですが、これは1年の最初の日で、1月1日の日付を指す言葉になります。
年初の国民の祝日として、呼び名も「元日」とされています。
一方で「元旦」は、1月1日の朝(明朝~午前中)とされていて、時間を指す言葉になります。
「元旦」の「旦」は日の出を表しているとも言われていて、日の出=朝というイメージがあります。
年賀状は1月1日の朝に届くように出すのが礼儀だといわれていたり、松の内(1月7日)までに届けば失礼はないと諸説あるようです。
もし、1月1日の朝に届くように年賀状を出すのであれば、日付は「元旦」と書いてください。
その時の注意点として「〇〇年元旦」はいいですが、「1月1日元旦」という表記は誤りです。
「元旦」には1月1日の朝という意味があるので、これでは重複してしまいます。
年賀状の迎春まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回「終活ねっと」では年賀状の迎春について以下のことを解説してきました。
年賀状の「迎春」とは「新年を迎える」という意味の賀詞である。
「迎春」の賀詞は上司・年上の親戚など目上の人に用いるのはマナー違反で、一文字~二文字の賀詞は簡略化したもので、丁寧さや敬意がかけるという理由である。
目上の人に用いる賀詞は「謹(つつしむ)」「頌(ほめたたえる)」「敬(尊んで礼をつくす)」「恭(礼儀正しく丁寧)」などの相手への敬意と丁寧を表す言葉が入った賀詞が望ましく「謹賀新年」「敬頌新禧」などがある。
「迎春」と「あけましておめでとうございます」のように同じ意味を含んだ賀詞を一緒に使わないこと。
「元日」は1月1日の日付を指し、「元旦」は1月1日の朝を表し時間を指す言葉である。
「迎春」という言葉一つをとっても、意味を知らずに言葉を使っていると、知らないうちにマナー違反をしてしまって、恥ずかしい思いをすることになります。
言葉の意味やマナーを学んで、失礼のない年賀状を送りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。