神社の矢について

神社に初詣に行ったときに、お正月飾りとして破魔矢を入手されたことがある方も多いですよね。
神社によって、様々なデザインの破魔矢がご用意されています。
では、なぜ破魔矢を飾るようになったのでしょうか?
また、授与された破魔矢はどこに飾り、いつどんなタイミングで処分すればよいのでしょうか?
破魔矢に関してこのような疑問を持った方もいらっしゃるでしょう。
今回終活ねっとでは、破魔矢の由来や種類を紹介し、家の中での飾り方や処分の仕方について解説しています。
- 破魔矢の由来
- 破魔矢の種類
- 破魔矢の置き場所や置き方
- 破魔矢は神社に返すのか
以上の項目を中心に解説していきます。
破魔矢について詳しくお知りになりたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
破魔矢とは

そもそも、破魔矢の「はま」とはどういう意味を持つのでしょうか?
また、破魔矢を飾るようになった理由や、破魔矢の種類についても気になりますよね。
ここでは破魔矢の由来や種類などを解説していきます。
矢の名前は何という?意味や由来は?
もともと破魔矢の「はま」とは、「的(まと)」のことでした。
古代より日本では、作物の豊凶を占うために「弓射(きゅうしゃ)」が行われていました。
弓で的を射て、その結果で占いをしたそうです。
この弓射で使われていた弓と矢が、「はま弓」・「はま矢」と呼ばれていました。
元々「はま」は、「浜」の字が使われていました。
後に、魔を破るという意味の「破魔」にも通じることで、当て字されました。
男の子が無事に成長することを祈願して、装飾をつけた弓矢「破魔弓・破魔矢」を正月に贈る風習が生まれたそうです。
その風習が時代とともに変化し、矢だけが正月の縁起物や魔除けとして神社で授与されるようになりました。
「矢」とはいえ、先は尖っていません。
何かを射るためではなく、「邪気を払う」ための矢ですので、現在のような形になっています。
破魔矢の種類
破魔矢は、神社で授与されるものが一般的です。
しかし一方で、上棟式で供えるもの、又は男の子に贈る破魔矢もあります。
神社で授与される破魔矢には、いろいろなデザインのものがあり、値段もさまざまです。
もともとは、矢のみを飾っていたのですが、最近では絵馬つきのものがポピュラーになっています。
物にもよりますが、1000円~3000円のものが一般的です。
上棟式(じょうとうしき)は、建物を建てる途中で工事の無地を祈る祭祀です。
この祭祀のときに、鬼門に向けて破魔矢を飾ります。
また、男の子の初正月や初節句のお祝い用として、破魔弓・破魔矢のセットが作られています。
五月人形を制作している会社等で製作・販売されています。
こちらも物によって異なりますが、1万円~5万円前後で販売されています。
男の子のための装飾では、現在では兜飾りの方が人気です。
破魔弓・破魔矢を贈るのは、地方の風習となっているようです。
破魔矢・絵馬の置き場所や置き方

神社で授与された破魔矢は魔除けのお守りですので、基本的にはお札などと同じ取り扱いをします。
家の中に神棚がある場合は神棚に、ない場合は床の間や玄関に飾ります。
置く位置は、神様に失礼のないように大人の目線より高い場所が望ましいです。
破魔矢の羽が、上になるように立てて置きます。
太陽神(天照様)に矢のとがった方を向けないようにするためです。
置く場所に困ったら、「破魔矢立て」という専用のスタンドもあります。
凶の方角に矢のとがった方を向けると言われることもありますが、厳密には決まっていないそうです。
前述した上棟式においては、鬼門に向けて矢を飾る決まりがあり方角が重要になってきますが、家庭に飾る上では方角を問題にする必要はありません。
どうしても気になる方は、破魔矢の授与を受けた神社にご相談ください。
神社で授与された絵馬についても、家の中の置き場所は、破魔矢と同じです。
破魔矢についている絵馬も、そのまま破魔矢と一緒に飾ります。
破魔矢とセットになっている絵馬にも、願い事を書いて構いません。
神様に失礼のないように、破魔矢と絵馬、どちらもきれいに掃除をして、丁寧に扱いましょう。
神棚の拝み方については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
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破魔矢は神社に返すの?

家の中に飾っている破魔矢は、ずっと飾ったままでよいのでしょうか?
破魔矢の効果は一般的に、神社で授与されるお札や絵馬同様に一年間と言われています。
そのため、一年経ったら授与された神社に返納しましょう。
翌年の初詣の際に、一緒に持って行くとよいでしょう。
また、授与された神社が遠くにある場合は、近くの神社に返納しても構いません。
神社には、古札奉納所などの古いお札やお守りを納める場所があります。
お札やお守り、絵馬などと一緒に、破魔矢もこちらに納めましょう。
賽銭箱が置いてある場合は、初穂料として破魔矢と同じぐらいの金額を入れておくとよいでしょう。
神社に返納された破魔矢は、他の古いお札やお守りと一緒に「お焚き上げ(おたきあげ)」をして、火で燃やして浄化処分されます。
1月15日の小正月に、「どんど焼き」と呼ばれるお焚き上げをする神社が多いので、それまでに返納するとよいでしょう。
神社の矢についてまとめ

いかがでしたでしょうか?
今回終活ねっとでは、神社で授与される破魔矢について、以下のことを解説してきました。
- 「破魔矢」の名前は、弓射の的(まと=はま)からきた
- 「はま矢」が当て字されて、「破魔矢」になった
- 破魔矢には、神社で授与されるものと、上棟式で供えるものと、装飾用のセットがある
- 神社で授与された破魔矢は、高い位置に飾る
- 神社で授与された破魔矢を飾る方角は決まっていない
- 神社で授与された破魔矢は、一年経ったら神社に返納する
終活ねっとでは、他にも伝統的な習慣や、神社に関する記事を多数掲載しております。
ぜひそちらもご覧ください。
下の記事では神社に参拝する際の作法について紹介していますので、よろしければこちらもお読みください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。