浄土真宗本願寺派の法事についてお供えやお焼香まで徹底解説します

十三回忌は亡くなってから何年後?浄土真宗本願寺派のお焼香は何回?法事は日本の昔ながらの習慣ですが、やり方や時期がまちまちで意外と大変。日本で一番多いお寺の浄土真宗本願寺派の法事の時期や作法をわかりやすく解説します。

目次

  1. 浄土真宗本願寺派の法事について
  2. 浄土真宗本願寺派とは
  3. 浄土真宗の故人の考え方
  4. 浄土真宗本願寺派がする法事の種類
  5. 浄土真宗本願寺派の仏壇のお供え
  6. 浄土真宗本願寺派のお焼香
  7. 浄土真宗本願寺派の法事についてまとめ

浄土真宗本願寺派の法事について

葬儀

「四十九日」「三回忌」など法事を表す言葉がたくさんあります。
皆さんは自分の家の宗派が何で、自分の家の宗派がどのようなしきたりで法事を執り行うか、ご存知ですか?

今回終活ねっとでは日本の仏教系宗派の中でも最もお寺の数が多い、浄土真宗本願寺派の法事や仏壇の作法について、以下のような項目で説明しています。

  • 浄土真宗本願寺派とは?

    他の宗派との違い、香典の表書きなどを解説します。

  • 浄土真宗での「故人」とは?

    「霊」にはならないとする浄土真宗特有の考え方をご紹介します。

  • 浄土真宗本願寺派の法事はいくつあるの?

    法事種類から法事の年の数え方まで、浄土真宗本願寺派での法事のイロハを教えます。

  • 浄土真宗本願寺派の仏壇はどんなもの?

    細かい仏具の種類をきちんと抑えましょう。

  • 浄土真宗本願寺派のお焼香のやり方は?

    お焼香は1回だけ。合掌礼拝はしません。

並べてみると結構ややこしく感じるかもしれませんが、一つ一つの考え方、作法をわかりやすく解説しますので、ぜひ最後まで読んで、浄土真宗本願寺派の法事、しきたりについてきちんと理解しましょう。

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浄土真宗本願寺派とは

仏壇

浄土真宗とは日本史でもおなじみの鎌倉初期の僧・親鸞の没後、その弟子によって広まり、開かれた仏教の一派です。

中でも本願寺派は京都の人たちに「お西さん」として親しまれる西本願寺を本山とし、全国に1万を超す所属寺院を擁し、信者の数も日本の仏教系宗派の中では最大です。

浄土真宗はまた、お盆の風物詩である迎え火や送り火を行わないこと、般若心経を唱えず南無阿弥陀仏の念仏を用いること、冥福や霊前といった言葉を使わないことなど、独特の死生観や人生観に基づく教えがたくさんあることで知られています。

この記事の後半ではそういった浄土真宗特有の死生観からくる本願寺派の法事について、詳しく解説しています。

本願寺派について

京都には西本願寺と東本願寺があります。
もともとは別れていなかった2つの寺院ですが戦国時代に分裂し、西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派、東本願寺を本山とする浄土真宗東本願寺派が存在するようになりました。

歴史ファンの方なら、戦国の世において織田信長を仏敵として激しく争った本願寺顕如の名を聞いたことがあるかもしれませんが、本願寺顕如はこの浄土真宗本願寺派、浄土真宗東本願寺派の両方に第11代宗主として記録されています。

他の浄土真宗との違い

歴代当主全員が用いたかは定かではありませんが、浄土真宗本願寺派は「下り藤」と呼ばれる有名な紋所を家紋としています。
政治的には西洋由来の三権分立を取り入れ、明治政府の仕組み作りにも影響したと言われています。

下がり藤のマーク

下り藤の紋所は平安時代より権勢を誇った藤原家やその所縁の戦国武将も用いたマークとして有名ですが、西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派もこの下り藤を用いています。
藤の花が持つ優雅さ、柔和さがにじみ出ていて、家紋として非常に人気の高いものと言えます。

香典の表書き

浄土真宗本願寺派のお寺で執り行われる葬儀では、香典には「御仏前」もしくは「御香典」と書きます。

ほとんどの仏教式の葬儀では「御霊前」と表書きした香典を備えます。
しかし、本願寺派の葬儀で供える香典には厳密には「御霊前」と書かないこととなっています。
これは次の項目で説明する浄土真宗における亡くなった人についての考え方に深く関わります。

浄土真宗の故人の考え方

仏壇

浄土真宗では亡くなった人について「霊になる」とは考えません。
浄土真宗の中でも各宗派、お寺によって考え方は微妙に異なるかもしれませんが、ここでは浄土真宗に特有の故人についての考え方、そこからくる風習について簡単に解説します。

霊にはならない

浄土真宗での「死」は、西洋的な「霊魂が肉体から離れること」という考え方とは異なります。
浄土真宗における「死」は、肉体や精神というのではなく、「私」「自我」そのものから解放されて御仏になること、極楽浄土に還ることと言われます。

難しいとお感じになるかもしれませんが、「霊」にはならず、「仏様」になることだと考えてください。

従って、「49日の法要を守らねば霊が成仏できずにさまよってしまう」「お盆に迎え火を焚いて先祖の霊をお迎えする」といった他の仏教宗派におなじみの考え方も、浄土真宗においてはそぐわないと言えます。

香典に「御霊前」と書かない理由も、こういった訳があるからです。
そもそも「霊」がいないので、むしろ仏様の前にお供えするという意味で、「御仏前」と書くのですね。

法事は冥福を祈る場ではない

浄土真宗での法事は「故人を極楽浄土に送る」場ではなく、冥福を祈る(死後の幸せを願う)場ではありません。
法事は故人のためではなく、むしろ法事を行う人々が故人を偲び、平安を祈る場とされています。

厳密にはそもそも浄土真宗では「冥福」という言葉が相応しくない、とも言われています。
亡くなると同時に阿弥陀仏様に救われ、浄土で仏となる往生即成仏の考え方が浄土真宗の基本だからです。

日常的にそこまで神経質になる必要はありませんが、ご遺族の方には「ご冥福をお祈りします」ではなく、「この度は御愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」と申し上げるようにしましょう。

浄土真宗本願寺派がする法事の種類

お墓

法事というと「死者の冥福を祈る」というイメージがあるかもしれませんが、やはり浄土真宗ではそのような考え方はしません。

忌日法要にしろ、年忌法要にしろ、故人のためというより法事を執り行なう人々のための時間、と考えて良いようです。
ここでは浄土真宗本願寺派のお寺で行われる法事について、行う時期や種類を解説しています。

忌日法要

「忌日法要(きにちほうよう)」とは、人が亡くなった日を1日目として7日ごとに49日目まで7回行われる法要のことです。
初七日、二七日、三七日と続いていきますが、最近では初七日と四十九日の法要の2回だけを行うというのが一般的です。

また、7日後、49日目といった日取りも現代人のライフスタイルに合わせてそれほど厳密なものではなく、それを超えなければ良いという家もあれば、火葬、環骨の後に両方いっぺんに行ってしまうという場合もあるようです。

  • 初七日(しょなのか)

    火葬の後、お骨を持ち帰ることを環骨と言います。
    最近では初七日の法要を環骨の直後、つまり葬儀の日に行うのが一般的になってきました。

    僧侶に読経をあげて頂き、遺族の精進明けの意味合いがあるようです。

  • 四十九日(しじゅうくにち)

    浄土真宗における四十九日の法要は、故人のことを偲び、仏様の教えに改めて感謝を抱くという意味合いが強いです。
    故人のためというよりも、ご遺族などの残された人のため、といって良いでしょう。

年忌法要

一般に法事というと、この年忌法要(ねんきほうよう)をさすことが多いです。
年忌法要も忌日法要と同じく、故人の死後の幸せを祈るというより、故人の命日を機に縁ある者が集い、故人を偲びながら仏様に感謝を捧げるというのが趣旨のようです。

亡くなった年の一年後の命日を一周忌、その翌年を三回忌といいます。
その後は亡くなった年を1年目と数えて、7年目に七回忌、13年目に十三回忌、十七回忌、二十五回忌、三十三回忌、五十回忌と続いていきます。

以降は50年ごとに法要を行う、というのが正式なようですが、地域や家によって考え方はまちまちなので、無理のない範囲で執り行いましょう。

また、二十三回忌、二十七回忌を行う宗派などもあるようですが、浄土真宗本願寺派では基本的に行わないようです。

以下の表は「2019年に亡くなられた方への法要」を行う年をまとめたものです。

法要名 法要を行う年
一周忌 2020年
三回忌 2021年
七回忌 2025年
十三回忌 2031年
十七回忌 2035年
二十五回忌 2043年
三十三回忌 2051年
五十回忌 2068年

また、以下のサイトでは命日を入力すれば自動で法要の年を教えてくれるので、わかりにくいという方でも簡単に法事の年を知ることができます。

浄土真宗における四十九日

仏教の他の宗派では、亡くなってから四十九日の間は故人の霊がさまよい、極楽浄土に行けるよう遺族が祈る期間とされていますが、浄土真宗では亡くなると同時に成仏すると考えられているので、他の宗派とは四十九日についての考え方が異なります。

他の宗派では四十九日まではあの世とこの世の間をさまよっており、四十九日に生まれ変わる先が決まるとされています。
しかし浄土真宗における四十九日は、信心を深め、仏様に感謝する日とされています。

終活ねっとではこの四十九日についてさらに掘り下げて解説していますので、そちらもぜひご覧になってください。
法要の流れや持ち物、当日の服装まで、詳しく解説しております。

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浄土真宗本願寺派の仏壇のお供え

仏壇

お供えというと、丸く盛ったご飯、というイメージがあるかもしれませんが、宗派によってご飯の盛り方も異なりますし、果物やお菓子の備え方にもそれぞれ流儀があり、それに合わせて使用する仏具もバリエーション豊かです。
浄土真宗本願寺派ならではの仏壇のお供えについて解説していきます。

仏壇を飾るために準備するもの

浄土真宗本願寺派では仏壇をどのような仏具で飾るのか、どの仏具に何をお供えするのか、見てまいりましょう。

打敷

打敷(うちしき)とは仏壇を飾るきらびやかな布のことで、仏壇の卓の天板の下に挟んで用います。
もともとはお釈迦様が外で説法をなさる際、弟子が自らの着物を敷物として差し出したり、花で飾ったのが打敷の始まりと言われています。

宗派によって紋が異なるので、紋付きの打敷はどこの宗派の紋所があしらわれているのか、注意して用意しましょう。

仏飯器

ぶっぱんき、と読みます。
普段のお供え物として、ご飯を仏飯器に盛ってお供えします。

浄土真宗かそれ以外の宗派か、また浄土真宗の中でも本願寺派なのか大谷派なのかで用いる器具、作法が異なるので、自分の宗派がどこに所属するのか、特に注意が必要です。
浄土真宗本願寺派では黒色の仏飯器を3つ、お供えするのが一般的です。

高坏

高坏(たかつき)は浄土真宗本願寺派では正式には用いられませんが、一般家庭では使いやすいということで広く使用されています。
正式な作法では、この後解説する供笥(くげ)という仏具を用います。

普段のお供え物は主食のご飯などですが、お盆や法事などの仏事の際にはお餅、お菓子、果物をお供えします。

段盛

段盛(だんもり)は読んで字のごとく、お供え物を段状になった盆の上に置くことのできる仏具で、大型の仏壇に備えるのが一般的です。

いくつも段が重なっているので、法事で親戚一同が集まりお菓子などを持ち寄った際に、何種類か同時にお供えすることができます。

香典などのやりとりの際、盆と呼ばれる長方形の器を用いることがあります。
家紋入りのものもあるので、宗派によって用いる盆は選んだ方が良いでしょう。

供笥

くげ、と読みます。
こちらも高坏などと同じくお供え専用の仏具です。
浄土真宗本願寺派では上から見ると6角形のものを2つ用いて、お餅をお供えします。

供える物

仏壇はお供えの順番、ランクが決まっています

  • 仏飯(主食)
  • お餅
  • お菓子
  • 果物

の順です。
仏壇が何段にも別れているようであれば上から順に、中央から順に並べましょう。

ご飯の盛り方

ご飯は仏飯器に盛ります。
本尊の前に1つ、その両脇の脇侍(きょうじ)の前に1つずつです。
ご飯は蓮のつぼみに似せて盛るのが良いとされ、真ん中が小高くなります。

浄土真宗本願寺派では、一般家庭では3つの仏飯器をお供えします。
しかし、小型のお仏壇で3つ置くのが難しい場合は、他の宗派と同じく1つ、または2つで良いようです。

最近では朝はもっぱらパンを食べるという家庭も多く、お供えは主食であればパンでも良いとされ、またお供えのご飯を形どった模型も販売されています。

正式なやり方に仏具を整え、毎日炊きたてのご飯をお供えできるのに越したことはありませんが、それ以上に気持ちが大事ということです。
毎日続けられるやり方を自分で決めて、心を込めてお勤めしましょう。

お菓子

季節に合わせて、それほどこだわらずに選びましょう。
お盆の時期であれば水ようかん、定番の落雁など
カステラやプリンなどの洋菓子でも大丈夫です。

ただし、水気の多いものはカップなどから出さずにお供えしましょう。
基本的にお供えものは、下げた後食べることになるので、暑い時期はなおさら衛生面に気をつけましょう。

果物

お菓子と同じく、時期に合わせて出回っているもので構いません。
匂いの強いものは避けましょう。
またこれも同じく、水気に気をつけて、切らずにそのままお供えするのが良いです。

お餅

上でも述べたとおり、供笥(くげ)という仏具にのせてお供えしますが、それほど厳密にこだわらなくても良いようです。
スーパーなどで売っている普通の丸餅をこんもりと盛るのがコツのようです。

お餅の種類については、以下のページに詳しいのでこちらもご参考に。
新しく仏壇を購入された場合は、紅白の餅を供えるようです。

浄土真宗本願寺派のお焼香

困った人々

ここでは浄土真宗本願寺派でのお焼香のやり方について説明します。
ポイントは以下の2点です。

  • 焼香前に合掌せずに一礼する。
  • 焼香は一回だけ、額に押しいただくことはせずに香炭にくべる。

お焼香の作法は宗派や地域によってまちまちです。
例えば同じ浄土真宗でも、大谷派は焼香は2回くべるようです。

焼香を行う理由としては、香りをお供えするという意味の他、我が身を良い香りで清めて御仏に手を合わせる、慈悲深い仏の心に身を包むといった意義があるようです。

浄土真宗本願寺派の法事についてまとめ

お墓

浄土真宗本願寺派の様々な作法を見てきましたが、いかがでしたか?
結構盛りだくさんでしたが、ざっとおさらいすると以下のようになります。

  • 浄土真宗本願寺派は鎌倉時代の親鸞に始まる仏教の一派であり、下り藤の家紋を用いる。
  • 浄土真宗の香典の表書きには「御霊前」とは書かず、「御仏前」「御香典」と書く。
  • 浄土真宗では「霊」という考え方をせず、人は亡くなると同時に成仏するとされる。
  • 浄土真宗の法事は遺族など残された人が故人を思い、仏に感謝する場である。
  • 法事には大きく分けて忌日法要と年忌法要がある。
  • 宗派によって仏壇の設え、お供え物の盛り方が異なるため、注意が必要。
  • 浄土真宗本願寺派のお焼香は1回のみ、合掌礼拝はしない。

最初に述べたとおり、全部を頭から覚えて完璧にするのは大変ですし、またこれらの作法を完璧にすることが目的でもありません。
浄土真宗で大事なのは、故人へのご縁に感謝し、仏様に心から向き合うことです。

無理なく続けられる形で、法要を行なっていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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