神道にも初盆がある? あまり馴染みのない神道のお盆!

あなたは初盆の正しい迎え方をご存知ですか?初盆の準備に追われて余裕がなくなってしまいます。多くの方は仏教の様式で準備をしますが、神道の様式で整える方もいらっしゃいます。しかし神道の様式でお盆を過ごす方は少ないためか一般にはどんな準備をするのか知られていません。

目次

  1. 神道でお祀りしている方は実に少ない!
  2. 初盆の意味と神道の関係
  3. 神道のお墓事情
  4. 初盆の準備
  5. ➀迎え火・送り火の木材を購入する
  6. ②お墓の掃除・お墓参りをする
  7. ③祖霊舎を掃除して、精霊棚を飾る
  8. ④盆提灯を飾る
  9. ⑤神主をお招きして祝詞の奏上を行う
  10. 気持ちよく初盆を送るために
  11. 終活の専門家に相談してみよう

神道でお祀りしている方は実に少ない!

あなたは初盆の正しい迎え方をご存知ですか?
ご家庭にお仏壇がある方でも初盆を迎えることは滅多にありません。
多くの人が新盆を迎えるたびに年配の方から迎え方を教えてもらって準備を進めるそうです。
愛する方が亡くなってから初めて迎えるお盆は誰でも心に余裕がなくなっているので準備に追われてしまいます。

多くの方は仏教のお仏壇に故人を弔いますが、数は少ないですが神道の方法で故人をお祀りしている方もいます。
神道の様式は圧倒的に数が少ないためか準備の仕方や迎え方については一般の方で詳しく知る人はほとんどいません。

最近は葬祭マナーも社会人の常識と考えるようになりました。
神道のお盆、ましてや初盆の正しい迎え方を知っておくといざという時に困ることはなくなります。

今回は詳しく知る機会がなかった神道の初盆の迎え方についてご紹介します。

初盆の意味と神道の関係

初盆(はつぼん)とは、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことを言います。

神道での初盆

神道では初盆(新盆ともいう)で行う神事を「新盆祭」「新御霊祭」(あらみたままつり)と呼びます。
仏教では故人の魂は極楽浄土に行くと考えますが、神道では神様の世界に行って神様の一員になると考えています。
仏教で法要を行うように新盆祭は故人の御霊の安寧を祈るための大切な儀式です。

新盆祭では、神職を呼んで祝詞を奏上を行い集まった方々と榊を奉納します。
その後に会食をするのが一般的な流れです。

仏教と神道のお盆

お盆の風習は仏教行事である「盂蘭盆会」(うらぼんえ)を指します。
盂蘭盆会は、仏教の始祖・ブッダの弟子の一人が自分の母親が極楽に行けずに餓鬼道という地獄に堕ちて苦しんでいることを知ってブッダに相談したところ、旧暦の7月15日にたくさんの食べ物や供物を捧げて供養すれば救われると諭したことが始まりと言われています。

お盆は仏教の行事と思われがちですが、先祖供養の儀式は古代からありました。
古代日本では神道の方式でご先祖の供養をしていました。
奈良時代に仏教が伝来してから仏教の盂蘭盆会と神道の先祖供養と混同して今の形になります。

現代のお盆の期間は8月13日から16日までになります。
お盆期間については旧暦の7月15日に行うなど地域によって日にちが変わる場合もあります。
またお盆に行う行事も「精霊流し」や「灯篭流し」、「盆踊り」など地域によって様々な行事を行うので観光として注目を集めています。

神道のお墓事情

神道では死とは「穢れ」と捉えていました。
穢れは神様が嫌い避けているためお墓を神社の境内の中に建てることができません。
神道のお墓は霊園などに建てることがほとんどです。

神道のお墓は大きく分けて2種類あります。
1 仏教のお墓と形状がほとんど変わらないタイプ
2 縦長の墓石で頭頂部が四角錐状になっているタイプ

墓石には「〇〇家之奥(津)城」と刻まれています。
奥(津)城(おくつき)と読みます。
( )に入る漢字は「津」と「都」の2通りが使われます。
「津」は一般の信徒の墓に使われ、「都」は神主や氏子などに使われます。
また神道には戒名はつきません。霊名が用いられます。
霊名の付け方は姓名の下に「之霊、命、命霊、霊位」のいずれかをつけます。

一見すると近寄りがたい感じを受けますが、仏教のお墓と同じようにお参りをします。
他所のお墓をジロジロと見るのはなんだか悪い…と思うかもしれませんがどんな形のお墓であれ、故人のためにお祈りをすることには変わりがありません。

初盆の準備

初盆を迎えるためには次の5つを準備します。
➀迎え火・送り火の木材を購入する
②お墓の掃除・お墓参りをする
③精霊棚を飾る
④盆提灯を飾る
⑤神主をお招きして祝詞の奏上を行う

➀迎え火・送り火の木材を購入する

迎え火と送り火に使う木材を準備します。
最近は迎え火に使う木材はスーパーやコンビニでも販売されています。
その他に迎え火・送り火を地面に直接置いて火を付けると地面に焦げ跡がついたり火がほかに燃え移る場合があります。
木材の下に使わない陶器の平皿か金属のお菓子の箱などを使って安全に火を扱う工夫が必要です。

②お墓の掃除・お墓参りをする

お墓は風雨に晒されているために汚れています。
ご先祖の御霊が帰って来る前にきれいに掃除をしましょう。

掃除の仕方は
1 箒やトングで落ち葉やごみを拾い集める
2 墓石の表面を水とスポンジを使って汚れを洗い落とす
3 表面の水分と汚れを乾いた雑巾でふき取る
4 花立やろうそく立てなどの神具をきれいにする
5 墓石の周辺の雑草を抜く

掃除の様式は決まりがありませんが、洗剤などを使うと墓石が痛む原因となるので水だけで掃除をします。

掃除が終わった後にお墓にお参りをします。
1 ろうそくの火をつけて、花立に榊をお供えする
2 神具に水、お神酒、塩、米をお供えする
3 墓石に水をかける
4 二拝二拍手一拝をしてお祈りをする

仏教のお墓と違い、神道のお墓には花ではなく「榊」(さかき)をお供えします。
また線香もあげません。

お参りの仕方は神社と同じように「二拝二拍手一拝」の作法を行います。
神道では亡くなった方の魂は神様になると考えられています。
そのため亡くなった方にも神社と同じ作法で祈りを捧げるのです。

ただし、例外があります。
故人が亡くなってから50日以上過ぎていない場合は柏手(音を立てて手を合わせること)はしません。
故人が亡くなってから忌中が明けるまでの期間は最長で50日になります。
神社では忌中が明けるまでは神社に行ってはいけないとされています。

そのためお墓参りで行う「二拝二拍手一拝」の作法も動作は同じですが、二拍手を行う時に音が出ないように手と手を合わせます。
上手くやるコツは親指同士が触れ合うくらいの感覚で手を合わせることです。

③祖霊舎を掃除して、精霊棚を飾る

神道にも仏教の仏壇と同じように故人を祀る「祖霊舎」(それいしゃ)があります。
祖霊舎は家族の祈りの場として家の中でも静かで明るい部屋にお祀りします。

祖霊舎の奥の内扉の中には霊璽(れいじ)(仏教で位牌にあたるもの)が置きます。
霊璽には故人の御霊が宿っているとされ、最も丁寧に扱わなければいけません。


まずは祖霊舎の掃除を行います。
ほこりと汚れをきれいな雑巾でふき取りましょう。
祖霊舎は木製なので洗剤を使うと痛みの原因となります。
洗剤で掃除するのはやめましょう。
花立などの神具をきれいに洗い、新しい榊を飾ります。
綺麗にした神具に水、お神酒、塩、米をお供えします。
祖霊舎の内扉の中にある霊璽を取り出して水や榊などの供物の手前にお祀りします。

祖霊舎の掃除と飾り付けができた後は、祖霊舎の前に精霊棚を飾ります。
「精霊棚」(しょうりょうだな)とはお盆で戻ってきたご先祖様を慰めるためにあります。
仏教でも同じように精霊棚を用意します。

精霊棚の飾り方
➀供物を乗せるテーブルを用意する
②テーブルの上に真菰(まこも)の綱を敷く
③花立に盆花を飾る
④ホオズキの実と迎え団子、季節のフルーツなどを飾る
⑤胡瓜の馬と茄子の牛を飾る
⑥故人の好きな食べ物を供える

地域によって供物が変わる場合があります。
胡瓜の馬と茄子の牛は仏教のお盆でも飾ります。
胡瓜の馬は早く故人が戻って来れるように、茄子の牛は少しでも遅く帰るようにという願いが込められています。

④盆提灯を飾る

初盆を迎えた故人の精霊棚に飾る盆提灯は「白提灯」を用意します。
白提灯には初めて帰って来る故人の御霊が迷わないように目印として玄関先や窓際、祖霊舎の横に吊るされます。
白提灯は清浄無垢の白と言われ、白木で作られた白紋天の提灯が一般的です。
白提灯は1つだけで良いとされています。

⑤神主をお招きして祝詞の奏上を行う

お寺の僧侶をお招きして読経をしてもらうように神道でも神主をお招きして故人の冥福を祈る祝詞を奏上します。
この祝詞は「大祓詞」といいます。
神主が祝詞を唱えて儀式を行っている間、私たちも祈りを捧げます。
その際に祖霊舎に向かって線香の代わりに榊を奉納します。

儀式が終わった後は、参加した人たちと一緒に会食を取ります。
会食の内容は自由です。
仕出し屋から注文を取るなど故人を思い出しながら会食を楽しんでください。

儀式に参加する服装も喪服が指定されているわけではありません。
自由な服装で大丈夫とは言われていますが、華美すぎず露出の激しい服装は控えるべきだとされています。

気持ちよく初盆を送るために

人々

いかがだったでしょうか?
意外にもお盆が古くから日本にあった先祖供養が仏教と混同されて今の形になっていることに驚いたことでしょう。
仏式のお盆と同じ点が多々あるので混乱しそうになりますが

神道の初盆のポイントは
➀お墓参りの時は線香をあげないで榊を供える
②お墓に「二拝二拍手一拝」をしてお祈りをする
③祖霊舎から霊璽を出して供物を供える

この3つは仏式にはない作法になるのでここをしっかりと覚えておくと心に余裕が生まれます。

精霊棚の準備や迎え火・送り火、胡瓜の馬・茄子の牛などは仏式と形式が同じなので安心してください。

お盆は宗教の違いに関係なく、ご先祖様に日頃の感謝と御霊の安寧を祈るために日本人が大切にしてきた習慣です。
昔からとてもうれしいことが起こると「盆と正月が一緒に来たよう」と言うように離れたところに暮らす身内と交流できる数少ない期間であり故人を偲びこれからを語り合う楽しいひと時です。

愛する人を亡くしてから迎える最初のお盆は緊張することでしょう。
しかし気力を取り戻して平穏な毎日を送るためにも誰もが笑顔になる初盆にしましょう。

終活の専門家に相談してみよう

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