お墓のことを遺言書に書く?お墓に関して法的効力をもたせる方法とは

終活においてお墓をどうするのかという問題は、多くの方が悩まれるのではないでしょうか。ある程度の方向性で動いた後、念を入れて遺言書という形で法的拘束力を持たせる方もいらっしゃいます。お墓について遺言書を用意する上でのメリットや注意点を解説していきます。

目次

  1. お墓に関する遺言書について
  2. 遺言書とは?
  3. お墓の項目に法的効力を持たせるには?
  4. 遺言書にお墓について書くメリット
  5. 遺言書とお墓についてまとめ

お墓に関する遺言書について

お墓

終活をしていく上で、遺言書について考えることはとても大切なことです。

最近ではお墓について、遺言書という形をとってご家族に希望を残される人が増えてきています。

その背景にあるのは、ご自身やご家族・ご親戚との折り合いがなかなかつかないといったジレンマを解消するべく、ある程度の方向性を持って示したいというお気持ちです。

そこで今回終活ねっとでは、お墓に関する遺言書について

  • 遺言書の持つ法的拘束力がどの程度お墓について影響を出せるのか
  • お墓に関する遺言書の具体的な例について
  • お墓に関する項目を遺言書に残すメリット

以上のことを中心にご紹介していきます。

終活をしている人だけでなく、誰にとっても役に立つ記事となっております。
ぜひ最後までお読みください。

遺言書とは?

遺言書とは、ご自身が亡くなられた後のご希望や指示について、法的拘束力を持たせた文書として残したものを言います。

まずは簡単に、遺言書についてご説明していきます。

遺言書は相続について書くもの

まず、遺言書は相続について書くものです。

遺産相続の法定相続人となるのは故人のご家族やご親戚となりますが、お墓の場合にはこのような縛りはありません。

民法897条では「系譜、祭具及び墳墓の所有者は、相続分の規定に寄らず、慣習に従って祖先の祭祀を主催すべき者がこれを承継する。但し、被相続人の指定に従って祭祀を主催するべき人があるときは、その者が承継する。」と定められています。

つまり、お墓の受け継ぐのは基本的にはご家族・ご親戚の方だけれども、それ以外でこの人が良いという希望が生前もしくは故人の遺言にある場合には、指定された人が承継しても良いということです。

万が一お墓の承継者が決まらない時には、家庭裁判所が承継者を指定することになり話し合いが長引く可能性もあります。

お墓の承継について気になることやどうしても守って欲しい希望がある場合には、法的拘束力のある遺言書を残しておくことが重要となります。

法的効力をもつ遺言書の内容

ではここで、法的効力をもつ遺言書の内容について見ていきましょう。
ご自身の希望を確実に行ってもらうために書く遺言書ですが、遺言書に書ける内容はある程度決まっています。

遺言書として書くことが出来る内容は、大まかに分けると以下のようなものになります。

  • 相続に関する全てのこと
  • 財産の処分について
  • 子供の認知といった身分に関すること

2の項目は、簡単にいうと遺贈に関してです。
遺贈は、相続人以外の特定の人物や法人への寄付といった内容となるため、特に法的拘束力が必要となってきます。

ご家族に承継者がいない場合、永代供養費として宗教法人に費用を遺贈、その代わりにお墓を守って貰うというような内容が該当します。

3の項目は、法定相続人に存在を知られていない人物(過去にお付き合いがあった人との間に生まれた子供など)について、認知を行うといった内容となります。
認知をされた子供には相続人としての権利が発生するため、法的拘束力のある遺言書に書き残しておくのです。

例え婚姻関係外で生まれた子供であったとしても、遺言書にしっかり書き残しておくことでお墓を承継することが可能です。
ただし、墓地によってはご家族でなければ承継者として認められないという決まりもありますので、法的拘束力のある文書があると話し合いを進める上で有効な手段となります。

遺言書には種類がある

遺言書が発見されると、家庭裁判所で検認という確認作業をしなければなりません。

裁判所は民法に定められた内容に従って検認を行います。

遺言書が法律にのっとって作成されたかどうか、また確実にご本人が残した遺言書かどうかの確認を裁判所が行い、認められたものだけが正式な遺言書として法的拘束力を持つのです。

もし遺言書が認められずお墓に関して遺族間で揉め事となった場合、遺言書を残された故人の思いとは全く関係なく、裁判所の決定に従わなければならないこともあるのです。

法的拘束力を持つ遺言書の種類は、以下のようなものになります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは遺言書の内容から封筒の表書きに至るまで、全て自筆で書き記された遺言書です。

  • 劣化しにくい紙に、消したり改ざん出来ない筆記用具(ボールペンや筆ペンなど)で書くこと
  • 日付を正確に書くこと(年月日を正確に書く。吉日、某日というような表記は不可)
  • 遺言書の内容ははっきりと書き、曖昧な表現をしないこと(300万円、自宅の土地全てといった、はっきりとした表現が好ましい)
  • 署名捺印を必ず行うこと(実印が一番良い)

上記の内容を守って書かれた遺言書は、封書に入れてご自身で保管します。

自筆証書遺言の場合は封筒の口を閉じても閉じなくても良いのですが、裁判所での検認の際に改ざんを疑われて遺言書として認められなくなることもありますので、封をしたあと止め口を捺印して開けられないようにしておく方が良いでしょう。

公正証書遺言

公正証書遺言は、各地方自治体の公証役場にて公証人に作成して貰う遺言書です。
役場に出向くことが出来ない場合は、公証人に来てもらって作成することも出来ます。

公証人と内容を相談しながら作成するので法的に問題がなく、裁判所での検認は必要ありません。
遺言書も公証人が保管することになりますので、誰かに改ざんされたりする心配がなくなります。
そういった意味では、遺言書として一番安心出来る種類となります。

ただし、公正証書遺言の作成には二人以上の証人が必要となり、作成時に内容確認されることから遺言書の内容を知られることになります。

作成にかかる費用は遺産の総額と相続人数によって異なり、さらに一度作成した公正証書遺言遺言を無効にするためには別途手続きと費用が掛かります。

秘密証書遺言

自筆で書いた遺言書を公証役場まで持っていき、正式な遺言書として証明してもらうのが秘密証書遺言です。
遺言書の作成はご本人が行い、手続きの際には二人以上の証人が必要となります。

正式な遺言書にしたいが内容は誰にも知られたくない、という場合に秘密証書遺言が選択されるのですが、実は大きなデメリットもあります。

秘密証書遺言は公証人が内容を確認することがないので、もし遺言書に不備があった場合には法的拘束力がなくなるのです。

秘密証書遺言を証明して貰うのには1千円の費用が掛かるのですが、遺言書が法的に有効かどうかは内容を確かめてみないとわかりません。

お金を払って証明して貰っても、確実に法的拘束力が働くかどうかはわからない秘密証書遺言は、そのリスクの高さから余り選ばれていないようです。

お墓の項目に法的効力を持たせるには?

お墓

お墓の項目に法的効力を持たせるにはどうすればよいのでしょうか。

お墓に関する遺言書の多くは、条件付遺贈か負担付遺贈の二つに分けられます。
内容的にはあまり変わりないように感じるのですが、実はこの二つには大きな違いがあるのです。

どのような点が違うのか、具体的な例をあげながらご説明していきます。

条件付遺贈とする

条件付遺贈の場合、条件が満たされたら法的効力が発生するようになっています。

例えば、「お墓を承継した場合、その費用として200万円を相続分とは別に遺贈する」と遺言書に書かれてあるとします。

この時点ではまだ法的効力が発生していません。
なぜなら条件であるお墓をまだ承継していないからです。

法的効力が発生するのは、お墓の承継者として手続きを済ませ、それを相続人全員が確認出来た時に初めて200万円を受け取れることになります。

負担付遺贈とする

負担付遺贈の場合、法的拘束力がある遺言書に書かれている内容に従ってすぐに法的効力が発生します。

「200万円を遺贈する代わりにお墓を承継して守ること」というような書き方がこれに該当します。

お墓を承継してそのお世話をする、これが相続人の義務として前提となっており、その代わりに200
万円を遺贈するのです。
このような場合には、相続手続きの段階で法的効力が働いており、すぐに200万円を受け取ることが出来ます。

ただし、義務としてのお墓の承継が果たされていないと認められた時には、他の相続人から異議申し立てをされて遺贈が取り消しとなることがあります。

遺言書にお墓について書くメリット

お墓

では、遺言書にお墓について書くメリットはいったい何なのでしょうか。

お墓の費用やお世話、その他のお墓に関する義務はご本人にとってもご家族にとっても大変頭を悩ませる問題です。
お墓に関する希望を遺言書として残しておくと、このような問題を少しでも和らげるお手伝いとなることがあります。

お墓に関する内容を遺言書として残すメリットをみていきましょう。

自分が望んだお墓に入ることができる

生前からご供養について準備をしておき、遺言書にその旨をしっかり書き残しておくことで、自分が望んだお墓に入ることができます。

相続人全員が納得する形となるため揉め事が起こらないというメリットもあります。

意思の疎通があった上で作成される遺言書は、改めて確認する上で大変効果的と言えます。

ご遺族の負担を減らすことができる

遺言書というはっきりとした故人の意思があることで、残されたご遺族の負担を減らすことも出来ます。

何も残されていない状態で話し合いを進めていくと、どうしてもお互いに遠慮したり牽制したりすることが多くなり、最悪ご遺族同士で喧嘩となってしまうことも少なくありません。

ただでさえ大切な人を亡くして心が疲弊している中で、揉め事が起こってしまうと更に大きなダメージを心に負うことにもつながります。
ご遺族のご負担を減らすためにも、遺言書という方法で揉め事を回避するお手伝いをしてみましょう。

遺言書とお墓についてまとめ

お墓

今回終活ねっとでは、お墓に関する遺言書についてご説明しましたが、いかがでしたでしょうか。

今回の内容について、もう一度振り返りながらまとめてみましょう。

  • 遺言書を作成することで、お墓に関することに法的拘束力を持たせることが出来る。
  • 遺言書に法的拘束力を持たせるためには、法律に添った内容と書き方で作成する。
  • 条件付遺贈と負担付遺贈には違いがあるので、遺言として残したい内容をよく検討してから書くようにする
  • お墓に関する項目を遺言書に残すことは、本人だけではなく残されて遺族にとっても有効な方法である

お墓の承継と遺産相続は、終活の中でも大変難しい内容なのではないでしょうか。
だからこそ、専門家の方に相談したりご家族と話し合っていきながら、遺言書という形で書き残すことが大切ですね。

今回の記事が遺言書作成の際の参考になれば幸いです。
終活ねっとでは、今回の記事以外にも終活に関する情報を多数ご紹介しております。
ぜひ一度ご覧下さい。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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