墓地の永代使用権ってどんなもの?内容や注意点を詳しくご紹介します

お墓を建てた際に、墓地の敷地を手に入れたと考える方も少なくないのではないでしょうか。ところがお墓を建てる際の権利は使用権でありあくまで所有権ではないという点に注意が必要です。所有とどの点が違い、どのように注意すべきなのか、墓地の使用権について見ていきましょう。

目次

  1. お墓の使用権について
  2. 墓地におけるお墓の使用権とは
  3. 永代使用権の承継の仕組み
  4. 永代使用権って消滅するの?
  5. お墓の使用権についてまとめ

お墓の使用権について

お墓

お墓を建てるにはさまざまな手間がかかります。
特に、お墓を建てるうえで最も頭の痛い問題となってくるのが、そのための費用つまりお金の問題にあるといえるでしょう。
実際のところ、お墓を建てるには平均で100万円から300万円もの金額が必要です。

さて、あなたはお金の問題を無事にクリアして、無事に墓地・霊園の敷地の一角を取得してお墓を建て終えたとします。
おそらくこの時点で、多くの方が土地も含めてお墓を持つようになったと喜ぶことでしょう。

ところが、お墓を建てるということは、墓地・霊園の敷地の一角を手に入れることとはまた異なる話になってきます。
「何のこっちゃ?」と驚く方も、また不思議そうな顔をする方も多くいらっしゃるでしょう。

そこで今回終活ねっとでは、墓地・霊園におけるお墓の使用権についてお話していきます。
具体的な内容については、

  • 墓地・霊園におけるお墓の使用権とはどのようなものなのか?
  • 永代使用権の承継の仕組みとはどのようなものなのか?
  • 永代使用権が消滅する場合はあるのか?

という3つのポイントを軸としつつ見ていきます。

終活の一環でこれからお墓を建てようと考えている方は、特に参考としていただければ幸いです。

墓地におけるお墓の使用権とは

お墓

一言で「お墓の使用権」と言いましても、どのような権利なのか、またお墓の所有権とはどのように異なってくるのかということが気になるという方も少なくないでしょう。

そこでここでは、墓地・霊園におけるお墓の使用権についていったいどのようなものなのかについて見ていきます。

お墓の所有権ではなく墓地での使用権

お墓を建てる時には、墓地・霊園の中の空いている敷地を購入したうえで、そこに墓石を建てて使用します。

お墓を建て終えた段階で、その敷地のお墓の所有権を得たと考える方も多いことでしょう。
しかし、実は厳密にいうとこれは「お墓の所有権を得た」のではなく、「その墓地でのお墓の使用権を得た」というのが正確といえます。

つまり、あくまでもその墓地・霊園でお墓を建てることのできる権利を取得したのであって、お墓の敷地の所有権はあくまでも墓地や霊園の管理者が握ったままということとなります。

土地を購入したわけではない

それでは、お墓を建てる際に支払うことになる永代使用料(土地使用料)とはいったいどのような位置づけになるのでしょうか?
これは一言で言うならば、「その土地でお墓を建てるための権利を手に入れるために支払うお金」ということになります。

似たものとして考えられる賃貸住宅のたとえでいえば、アパートやマンションなどに入居する際に初期費用を支払うことになりますが、これはあくまでもアパートやマンションの部屋や一軒家そのものを購入するためのお金ではなく、あくまでもその部屋を利用する権利を得るために支払うお金です。

それと同じように、永代使用料を払うことは、いわばその土地を購入するためではなく、あくまでその土地を使うための権利を取得する目的で払うということとなります。

永代使用料を支払う

以上の目的のために支払うこととなる永代使用料ですが、具体的にそれを支払う際にはどのような点がポイントとなってくるのでしょうか?
ここでは、永代使用料の支払いについてもう少し詳しく見ていきましょう。

墓地の購入時に一度に支払う

まず、永代使用料を支払うタイミングは、墓地・霊園の中の敷地を買う時に一括して支払うこととなります。
多くの場合は、その敷地にお墓を建てたうえで、墓石代やその工事費用などと一緒に支払うこととなります。

先ほどの賃貸住宅の契約のたとえでいえば初期費用を支払うものと考えれば、理解しやすいでしょう。
ちなみに、毎年のように墓地・霊園の管理者に支払う年間管理料は、賃貸住宅でいえば毎月支払う家賃に相当します。

費用はお墓の立地条件により様々

なお、永代使用料の金額についてですが、土地などの不動産にかかるお金であるため、お墓、ひいては墓地・霊園の立地している地域の地価の影響を直接受けます。
したがって、お墓の永代使用料はお墓の立地条件によって異なることを理解しておきましょう。
このため、永代使用料は都心部であるほど高く、地方の方は比較的安い傾向にあります。

また、それ以外にも墓地・霊園へのアクセスの良し悪しや、人気の高さ、周辺環境の良し悪しによってもさまざまに変わってきますので、いろいろな視点で検討する必要があるといえます。

永代使用権の承継の仕組み

お墓

お墓を建てるための土地を使用できる権利である永代使用権ですが、実はご自身の跡継ぎの方に承継(引き継がせること)ができます。

それでは、永代使用権の承継についてはどのような点がメリットとして挙げられ、またどのような点に注意する必要があるのでしょうか?

祭祀主宰者が使用権を承継する

まず、永代使用権を承継することができるのは、その家の祭祀主宰者ということとなります。
祭祀主宰者とは、その家の人間のうち、その家の祖先代々の方に対する祭祀を主宰するという方で、一般的な言い方では「家のお墓を守る方」を指します。

伝統的には祭祀主宰者は、その家の長男ということになりますが、近年では少子高齢化や核家族化といった社会の変化の影響で、とてもその家の長男の方が承継できるような状況ではないという家庭も増えてきています。
そのため、祭祀主宰者が長女の場合や、またその家の人間以外の他人など、祭祀主宰者は長男以外でも構いません

さて、お墓の永代使用権はこの祭祀主宰者が引き継ぐこととなります。
それによって、定期的にお墓の管理(お墓関係の金銭面の負担、お墓そのものメンテナンスなど)をする権利と責任とを受け継ぐことになります。
そして、毎年の年間管理料も永代使用権を引き継いだ祭祀主宰者が負担していくこととなります。

ちなみに祭祀主宰者のほか、祭祀継承者は口頭でも遺言書のような書面でも指名することができます。
ただし、トラブル回避のために基本的に誰か1名だけを指名するというのが一般的です。

承継するのに相続税はかからない

お墓関係については、新しい祭祀主宰者に承継する際には相続の一環であるから相続税がかかってくるのではないか、と心配な方もいるのではないでしょうか。
まず結論から言えば、お墓関係の承継に関しては相続税の対象にはなりません

これはお墓や仏壇などに関しては、それにまつわる権利も含めて法律上で「祭祀財産」と規定されているからです。
祭祀財産とは、民法897条で規定されている、その家の祭祀を行うのに欠かせない財産を指し、相続財産とは別に扱われます。

このため、相続税の課税対象とはなりませんので、永代使用権をそのまま受け継いだことで税金を取られるということはないです。

永代使用権は譲渡・貸与・転売ができない

高いお金を払って手に入れた墓地・霊園の永代使用権ですが、あくまでもその土地の使用権を取得したという前提、つまり墓地・霊園の管理者から土地を借りているということになっているために、他人に譲渡や貸与、転売することはできません。

ただし、借りているとはいっても、お墓に関して使う限りどのような施設(五輪塔や墓誌など墓石以外の施設)を建てようと使用権を持っている方の自由となります。

賃貸住宅のたとえでいえば、住宅そのものを借りていても、中にどのような家具を置くことができる自由があるのと同じといえます。

使用権は放棄できるのか

何らかの事情で永代使用権を放棄したいという場合は、使用権を放棄しその土地を墓地・霊園の管理者に返すことはできます。

ただし、その場合は購入時に支払った永代使用料は返ってきませんので、永代使用権の返上を決める時には、その点についてもよく考えることが必要です。

永代使用権って消滅するの?

困った人々

あまり考えたくないことかもしれませんが、墓地・霊園の永代使用権が消滅する場合というのはあり得るのでしょうか?

残念ながら場合によってはあり得る話であるといえます。
ここでは、永代使用権が消滅してしまうケースについていろいろと見ていきましょう。

規定に反すると権利は消滅する

墓地・霊園の永代使用権が消滅するケースは、基本的には墓地・霊園の管理者が定めた規定に違反した場合ということとなります。

具体的には、毎年支払う年間管理料の滞納が長期にわたって続いた場合や、使用できるようになってから連絡もなしに一定期間以上放置した場合、永代使用権の承継者がいない場合、無断で他人に転売や貸与を行った場合などが挙げられます。

これは賃貸住宅のたとえでいえば、家賃の滞納が続いたり、ペット禁止であるにもかかわらず勝手にペットを飼ったりした場合、最悪の結果として退去させられるのと同じです。

さらに寺院墓地の場合は、これらに加えてその寺院の宗派以外の方法で法要や供養を行った場合や、名義人が他宗派や他宗教に改宗した場合も含まれます。

このため、その墓地・霊園で永代使用権を取得する契約をするときは、管理者が提示する規定をよく読んで、きちんと守るようにしましょう

永代使用料は返還されない

永代使用権を返上した場合、購入時に支払った永代使用料は返還されないということは先ほども触れましたが、返上ではなく消滅した場合でも同様になります。

むしろ、永代使用権が消滅した場合というのは、墓地・霊園の管理者の規定を守らなかったことに対する結果であるため、返上の場合よりも永代使用料が返ってこないというのはもっともなことといえるでしょう。

それは言い換えれば、一度失われた永代使用権については、そこにどのような事情があっても永代使用料の返還の理由にはならないということです。

永代使用料は10万円単位の金額が相場ですので、もしこのお金を無駄にしたくないということであれば、なるべく永代使用権を失うなどということにならないように心がけることが大切といえます。

お墓が無縁仏にならないために

そのお墓の承継者と連絡が取れなくなったり、年間管理料の滞納が長期(3年から5年ほど)にわたって続いたりしたことで永代使用権が失われたお墓は、無縁墓という扱いで一定期間の間(約1年間)墓地・霊園の管理者によって公示が行われます。

この公示の方法としては、管理者側が役所の発行する官報や敷地内に立札を用いて、承継者やその縁者の方に名乗り出るように依頼するという手段が使われます。

それでも1年経って、誰からも申し出がない場合はお墓の中に納骨されている故人のご遺骨は無縁仏とみなされて、無縁仏の供養塔などに合祀されます。
そして、お墓そのものも撤去工事が行われて、最終的にその敷地は管理者の元に戻ることとなります。

このようなことにならないためにも、墓地・霊園の管理者には毎年のようにきちんと年間管理料を納め、また定期的な連絡を怠らないようにすることが大切です。

お墓の使用権についてまとめ

お墓

墓地・霊園の永代使用権についていろいろと見てきましたが、いかがでしたか?
今回の内容をまとめますと、以下のようになります。

  • 墓地におけるお墓の使用権は永代使用権と呼ばれており、あくまでもお墓の所有権ではなくその墓地・霊園における敷地の使用権である。そして、永代使用権を取得するにはお墓を建てた際に永代使用料を墓石代などとともに払うこととなる。その費用は、墓地・霊園の立地条件によって変わってくる。
  • 永代使用権の承継の仕組みとしては、まずその家の祭祀主宰者に指名された人物が承継していく。そして、永代使用権も民法のいう祭祀財産に数えられるため、その承継の際には相続税は課税されない。一方で永代使用権の発生している土地はあくまでも管理者からの借り物であるため、他人への譲渡や貸与、転売はできない。さらに、永代使用権を自己都合で放棄することは可能だが、その際に永代使用料は返還されない。
  • 永代使用権は年間管理料の長期にわたる滞納など墓地・霊園の管理者が定めた規定に違反する行為が見られた場合に消滅する。その際も永代使用料の返還は行われない。そして、長期にわたって承継者と連絡が取れなかったり、年間管理料の滞納が続いたりした場合は無縁墓という扱いで最終的にそのお墓は撤去され、納骨されていたご遺骨は無縁仏として合祀される。

今回の墓地・霊園の永代使用権の説明に際しては、文中で賃貸住宅のたとえを引き合いに出すことが多かったですが、それは永代使用権を得て使用することは、賃貸住宅を借りてそこで生活することと非常によく似ているためです。

これから終活の一環でお墓を墓地・霊園に建てるということであれば、あたかも大家さんからアパートやマンション、一軒家を借りるような気持ちで永代使用権を大切にしていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

終活ねっとではお墓を値段(見積り)やアクセス・特徴などで比較して納得のいくお墓を建てられるよう、情報をまとめています。いざという時の為に資料請求や電話対応も無料で承っていますので、是非ご利用ください。

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