終活では遺産相続の準備はやっておくべき?準備の仕方や注意点を解説

いつの時代も遺産相続をめぐる争いはよくあることですし、実際に非常に醜いものです。そのような遺産相続も終活の中できちんと取り組むことで未然に防ぐことができます。今回は、遺産の相続で頭を悩ます方向けに終活での遺産相続の準備の取り組み方について見ていきましょう。

目次

  1. 終活での遺産相続について
  2. どうして終活で遺産相続の準備?
  3. 終活でやっておくべき遺産相続の準備とは?
  4. 終活での遺産相続準備の注意点
  5. 終活での遺産相続まとめ

終活での遺産相続について

人々

いつの時代でも遺産をめぐるトラブルはつきものです。
そして、実際のところ、遺産相続をめぐる争いは非常に醜いものとなる傾向にあります。
このような争いが起こることで、その後のご家族やご親族の中での人間関係にしこりを残すためです。

現代においても、毎年実に1万件以上もの遺産相続関係の裁判が行われているほどです。
だからこそ、相続が「争続」となることがないように、遺産相続については前もってきちんと取り決めをしておく必要があるといえます。

そこで今回終活ねっとでは、終活での遺産相続について見ていきましょう。

具体的な内容については以下の通りとなっています。

  • 終活で遺産相続の準備をすることのメリットとはどのようなものなのか?
  • 終活でやっておくべき遺産相続の準備にどのようなものが挙げられるのか?
  • 終活で遺産相続の準備をする際の留意点にはどのようなものがあるのか?

ぜひ最後までお読みください。

また遺産相続の相談を実際にしたい方はこちらもご利用ください。

どうして終活で遺産相続の準備?

遺言

終活の中で遺産相続の準備をすることは、実は終活の取り組みの中でも主立ったものの1つに数えられ、なおかつ様々なメリットが挙げられます。
ここでは、何のために終活で遺産相続の準備をしていくのか、終活で遺産相続の準備をすることについて解説していきます。

遺産相続の準備をする意義

まずは、遺産相続の準備をする意義について見ていきましょう。

終活の中で遺産相続の準備は、ご自身が遺産を譲りたい相手(配偶者の方やお子さん、そのほかお世話になった方など)にきちんとご自分の遺産を相続させるための手続きとなるうえ、ご自分の意思を反映させることができます。

同時に遺産相続の準備をしておくことは、前もって遺産相続をめぐる争いやトラブルを避けることにもつながります。
先ほども触れましたが、近年では年間に1万件以上もの遺産相続関係の裁判が行われており、それは多くの場合で遺産を残す側がきちんと遺産相続の準備をしなかったことに原因があります。

言い換えれば、遺産相続をめぐる争いはきちんと準備をしなければちょっとしたはずみで起こりやすいものであるため、終活などの機会を通じてやっておく必要があるといえます。
なお、実際に起こった遺産相続をめぐるトラブルは次の項で見ていきましょう。

実際に起こった遺産相続トラブル

昨今急増してきている遺産相続にまつわるトラブルで多いパターンとして、財産のほとんどが不動産であるというものや、お子さんがいない状態にある兄弟姉妹間の争い、離婚していた場合の前妻と後妻のお子さん同士の争いといったものが挙げられます。

ただし、これらのトラブルはいずれも生前にきちんと遺言を残すといった手段を用いれば回避できる類のものです。
言い換えれば、ほとんどの場合で遺産相続にまつわるトラブルは、事前にきちんとした準備さえしていれば防ぐことができます。

だからこそ、次の項以後でご紹介する終活の中でやっておくべき、もしくはやることのできる遺産相続の準備の具体的な方法についてきちんと理解を深め、実践していくようにしましょう。

終活でやっておくべき遺産相続の準備とは?

お金

年を追うごとに急増してきているために、とても他人事ではないように見える遺産相続をめぐるトラブルですが、事前にきちんと遺産相続の準備をしておけばこのようなトラブルを防ぐことができるということをここまで見てきました。

それでは、実際のところ遺産相続の準備をきちんと行うには、どのようなことに取り組むことが重要なのでしょうか?
ここでは、終活でやっておくべき遺産相続の準備について具体的な方法をいろいろと見ていきましょう。

相続についての知識をもつ

まずは何よりも相続に関する知識を持つようにすることが非常に重要です。
一言で遺産相続といいましても、相続法(民法の中の相続関係規定の総称)によって定められたルールに基づいて行われるのが一般的であるためです。

この後で説明する遺言書がどのようにすれば法的効力を伴うようになるかといった点や、相続人にどのような人々が当てはまるのか、遺言がない場合に相続分が各人につきどのくらいの割合になるのかといったことをあらかじめ知っておくだけでも、終活の中で相続の準備をするうえでは非常に大きな助けとなります。

加えて、前もって相続に関する知識を持っておく方が、記憶力などの身体能力が衰えたときに相続のことを考える場合よりもはるかに冷静に遺産相続の準備に取り組むことができます。
そして、そのことは結果としてトラブルを未然に防ぐことにも繋がります。

遺言書を書く

遺産相続の中で最も有効的な方法といえるのが遺言書の作成です。
遺言書は、ご自身の遺産の相続に関して意思表示するための手段であるとともに、ご自身が亡くなった後の遺産相続について、ご遺族の方が慌てふためくことや、遺産を巡る骨肉の争いを繰り広げるということをも防ぎます。

そして、遺言書を作成しておくことの最大のメリットは、正式なルールで作成すれば法的効力を伴い、ご自身の遺産相続に関する気持ちを実現させることができるという点です。
例えば、あなたご自身が生前に非常にお世話になった方に遺産を全額譲りたいということであれば、その意思を遺言書に記しておけば、それを実現させることができます。

ただし、遺言書に法的効力が伴うようにするような正式な書き方は相続法(民法の相続関係の規定)にきちんと明記されており、このルールに基づいて遺言書を作成しないといけません。
例を挙げると、すべて直筆であること、生年月日や署名の明記がされていることなどです。

なお、遺言書によく似た言葉に「遺書」というものがありますが、これは自殺した人の生前の恨みつらみというように、これから死ぬと決めた方がご家族やご友人などにあてた個人的なメッセージで、遺産相続とは全く関係はありません。

法定相続人をきめる

法定相続人とは、相続法で決められている遺産を相続することのできる資格を持つ人々を指します。
そして、遺産相続においてはこの法定相続人になることのできる人々も法律で決まっており、相続のことを考えるうえでどのような人が含まれるのかについてあらかじめ把握しておく必要があります。

法定相続人になることのできる人々として、ご自分の配偶者の方やお子さん、兄弟姉妹の方、直系尊属(父母や祖父母など)の方が挙げられます。

ちなみにお子さんについては、役所に婚姻届を出したことで法的に婚姻関係があると認められた夫婦の間に生まれたお子さん(嫡出子)であってもそうでなくても同じように相続権を持ちますので、特に複雑な家族関係にあるという方はそのことも考慮する必要があります。

もちろん、これらの法定相続人のうちの誰にご自身の遺産をどのくらい相続させるかということを不公平感が生じないように決めることがトラブル回避には欠かせません。

相続税対策をしておく

終活でやっておくべき遺産相続の準備には、相続税対策をしておくことも含まれます。
不動産や不動産以外の資産価値のある金品といった遺産は一部の例外を除いてすべてが相続税の対象となります。

相続したものが相続税関係の基礎控除額を超えないのであれば相続税は課税されませんが、そうでない場合は課税されますので、一定以上の額の遺産を相続させるとなると相続税の準備もまた重要となってきます。

さて、その相続税への対策としてはいくつかの方法が挙げられますが、まずはご自分が相続させる遺産の情報をもれなくご家族に伝えることです。
エンディングノートといった書類に分配方法も含めてきちんと書き残しておくと、万が一の場合でもご家族の方が慌てふためかずに済みます。

そして、ほかにも相続税の節税を行う方法もあります。
最初に挙げられるのが遺産の生前分与で、これはご自身が元気なうちにご家族の方に遺産を分け与えておくことで、より具体的には年に110万円以下の範囲で行っておけば相続税の対象となる金額が減って税額が減少するだけでなく、贈与税の対象にもなりません。

また、生命保険や養子縁組による非課税枠を増やすという方法も有効な手段です。

生前整理をしておく

ご自分が元気なうちに、生前整理を行うことも遺産相続について考えたとき重要な項目となります。

遺産相続と聞くと、多くの方が受け取る側にとって遺産の全額もしくは一部を受け取ることのできる嬉しい話のように見えますが、実はその遺産の中に借金が含まれている場合はそれも受け継ぐことになります。
言い換えれば、相続で受け継いだ借金を返す義務も背負うこととなるということです。

そのためにも前もって借金のような将来的に負担になるようなものはきちんと返済し、加えてその他のトラブルのもとになりやすいような財産についても前もって公平な分け方になるように考えておくことが必要といえます。
そして、評価額の分かりにくいものは査定によって可視化しておくようにしましょう。

家族と遺産相続について話し合う

ご家族と遺産相続のことについて話し合っておくのも、遺産相続にまつわるトラブルを回避するうえでは重要なことです。

遺産を残す側のご本人としても、ご自分に意思をきちんと伝える場となりますし、また残される側のご家族(相続人)の方もあらかじめ遺留分のことについて考えたり確認したりすることができます。
トラブルになりそうな要素があったとしても、ご本人に相談すれば調整をすることも可能です。

遺産相続のトラブルが起こりやすい原因としてよく取り上げられるものの1つが、ご本人とご家族との間のコミュニケーション不足といわれています。
それは言い換えれば、ご本人が元気なうちに遺産相続についてきちんと話し合っておくことが相続人同士のトラブルを防ぐということになるということです。

終活での遺産相続準備の注意点

caution

終活の中で遺産相続の準備をしていくことは非常に大切ですが、一方で注意しておかなければいけない点があります。

ここでは、終活での遺産相続準備の留意点として4つのポイントをご紹介いたします。

資産だけではなく負債も相続の対象になる

先ほども触れましたが、遺産の相続は資産だけでなく負債も相続の対象となります。
つまり、例えば亡くなった時点で多額の借金が残されている状態であった場合、相続人の方がその借金を返す義務まで背負う羽目になるということです。

そうなると、逆にその相続人の方の負担は増しますし、より厄介なことに相続人が複数いる場合は全員で相続分に応じて負債の返済分を支払うこととなります。

だからこそ、そのような負債はできるだけ生前整理の段階できちんと片づけて、相続人の方の負担が残らないようにしておくことが大切といえます。

相続人調査を慎重に行う

相続人調査を慎重に行っておくことも重要です。
というのは、相続人の中にそれまで存在感のなかった方が遺産相続の話となるといきなり姿を現す、というようなこともあり得るためです。

特に、ご本人の家族関係が複雑な場合は要注意です。
認知されてこなかったお子さんが遺産分割の協議の場に出てきた場合はその方にも相続人となる資格があるために、トラブルのもとになりかねません。

その種のトラブルを防ぐためにも相続人についてはきちんと調査や確認をすることが必要です。

遺言書を破棄するとどうなる?

もし、遺言書を何らかの事情で破棄した場合、その遺言はどういうことになるのでしょうか?
結論から書きますと、遺言書を破棄した場合、その遺言は無効となります。

ただし、これができるのは遺言を残した本人だけで、相続人の方が勝手に発揮してしまえば、相続欠格として相続分を受け取る権利を失うこととなります。

もちろん、破棄した遺言書はまた作成し直した方が、遺産相続をめぐるトラブルを防ぐことができるというのは言うまでもありません。

相続手続きの期限がいつまでなのか

実は、相続手続きには有効期限というものがあり、その期限について知っておいた方がよいものとして相続放棄と限定承認が挙げられます。
いずれも、相続分の中に借金などの負債が含まれている場合に行われる手続きですが、その期限は熟慮期間とされ、自分のために相続があったことを知ってから3ヶ月以内と決められています。

ただし、知らなかった場合は正当な理由さえあれば熟慮期間には含まれません。
いずれにしても、終活の中で借金なども残る可能性がある場合は、その3ヶ月の間に相続分についてどのようにするか考えるようにと相続人に伝えるのがよいでしょう。

終活での遺産相続まとめ

お金

終活の中でできる遺産相続についていろいろと見てきましたが、いかがでしたか?
今回の内容をまとめますと、以下のようになります。

  • 終活で遺産相続の準備をしておくことは、ご自分の遺産を相続させたい相手にきちんと相続させるための手続きになると同時に、昨今増えている遺産相続をめぐるトラブルを回避することにつながる。なお、遺産相続をめぐるトラブルの例として、財産のほとんどが不動産の場合やお子さんのいない兄弟姉妹が争う場合などが挙げられる。
  • 終活の中でやっておくべき遺産相続の準備として、相続についての知識を持つことや遺言書の作成、法定相続人を決めておくこと、相続税対策、資産や負債の生前整理、ご家族との話し合いが挙げられる。
  • 終活の中で遺産相続の準備をする際の留意点として、遺産だけでなく負債も相続の対象となることや相続人調査を慎重に行うこと、遺言書の破棄についてのこと、相続手続きの中には期限があることが挙げられる。

遺産相続はきちんと準備してあれば相続させたい方にきちんと譲ることができますが、それを怠ると醜いトラブルに発展しがちです。

だからこそ、例えばご近所で遺産相続のトラブルが発生したという場合にも決して他人事と考えることなく、終活の一環として遺産相続の準備をしっかりとしておくことが大切です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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