松本商店さんへの取材で和ろうそくの良さを知りました

お寺や仏壇に欠かせない和ろうそく。最近では洋ろうそくを用いる方も多くなっているようです。今回の取材では、和ろうそくの製造工程を見させていただき、店主の松本さんには和ろうそくの魅力を教えていただきました!この記事を読んで、和ろうそくの魅力をぜひ知ってください。

目次

  1. 松本商店さんにお伺いしてきました!
  2. 和ろうそくの種類と作業工程
  3. 和ろうそくの材料
  4. どんな事業を行っているのか
  5. 和ろうそくについて
  6. 和ろうそくへのこだわりとこれから
  7. 松本商店への取材を通して

松本商店さんにお伺いしてきました!

松本商店

こんにちは。終活ねっとの上田です。

今回は兵庫県の西宮市にある、和ろうそく・絵ろうそくの製造販売をされている、松本商店さんにお伺いしてきました。

松本商店さんとは、関西エンディング産業展で初めてお会いしました。

お寺や仏壇に欠かせない和ろうそくがどのように造られているのか、どんな効果があるのかを教えていただき、改めて和ろうそくの魅力を知ることができました。

今回は、

  • 松本商店の和ろうそくについて
  • 和ろうそくの作業工程と材料
  • 松本商店の事業内容
  • 和ろうそくの魅力
  • 和ろうそくの今後

と言った内容について伺ってきました。

和ろうそくの種類と作業工程

松本商店さんにお話を伺う前に、まずは、和ろうそくがどうやって造られているか、工場へ案内していただきました。

松本商店さんで造られている和ろうそくは大きく分けて、

  • お寺用の和ろうそく
  • 絵ろうそく
  • 手造りの和ろうそく

の3種類だそうです!

今回は、それら3つの和ろうそくそれぞれの製造工程を見学させていただきました。
次から1つずつご紹介します。

お寺用の和ろうそく

和ろうそく お寺

まず見せていただいたのは、お寺で使われる和ろうそくの作り方です。

お寺は注文数が多いのでこのような機械を使って造られています。
この型にろうを流し込み、地下の井戸水をかけながら30分ほど冷やして固めます。

上の写真は、その固まったろうそくを型からあげている様子です。
この方法で、お寺用のろうそくを1日で4000本作るようです!すごいですね!

絵ろうそく

絵ろうそく

次に、絵ろうそくの絵付け作業を見させていただきました。

絵ろうそくは、東北地方のような寒い地域の仏壇によく使われていたそうです。
というのも、冬になると雪で覆われ流通の悪かった時代にはお花が飾れませんでした。
そのため、鮮やかな色を使って描かれた絵ろうそくをその代わりにしているそうです。

写真は、職人さんによって招き猫の絵が描かれているところです。
このような繊細な模様を機械を全く使わずに造られている姿は圧巻でした。

手造りの和ろうそく

和ろうそく 手作り

最後に手造りの和ろうそくの造り方を見せていただきました。

まずは、木蝋を上の写真のように混ぜながら溶かします。
手造りの和ろうそく用のろうは粘り気がとても強いため、型に流して製造すること
はできません。

作業工程

そのため、手造りの和ろうそくを作るには、上の写真のようにでろうを巻きつけていきます。

灯芯

こちらは和ろうそくの灯芯です。

手造りのろうそく用のろうはやはりとても粘り気が強いため、和紙の上にい草を巻きつけたものを使用しています。
このい草の巻きつけも一つ一つ手作業で行われており、この巻きつけ方がこちらのろうそくの燃え方を左右するようです。

芯 和ろうそく

このように、1層1層丁寧にろうを巻いていくことにより、和ろうそくはら造られます。
一本一本丁寧に造られた和ろうそくは、1日で1000本ほどしか造ることができないようです。

とても手間暇がかかっており、だからこそ神秘的な炎の揺らめきがだせるのだなと感じました。

和ろうそくの材料

木蝋

和ろうそくの材料についてもご紹介していただきました!
ケーキなどによく使われている洋ろうそくは石油を原料にしたものがほとんどですが、和ろうそくは植物を材料にろうが造られているそうです。

上の写真は、手造りの和ろうそくに多く使われている、ハゼの実から抽出してとられた木蝋です。
ハゼの実からとった木蝋は化粧品に使われるほど安全性が高く、また粘り気が強いため型流しができないそうです。

ハゼの実

その木蝋の原材料である、ハゼの実が上の写真になります。
こちらのハゼの実は、「ちぎり子さん」によって手作業で収穫されています。

収穫の際には実際に木に登ってちぎるという、命がけの作業のようで、年々「ちぎり子さん」は減ってしまい原料不足になっているそうです。

米糠蝋

こちらの米糠ろうは、扱いやすいためお寺用の型流しろうそくを造るのに用いられるそうです。

どんな事業を行っているのか

絵ろうそく綺麗

ろうそくの製造工程を見せていただいた後、松本商店で店主の松本さんとお話をさせていただきました。


上田:
おはようございます。今日はよろしくお願い致します。


松本さん:
よろしくお願い致します。


上田:
まずはじめに事業内容をお伺いしてもよろしいでしょうか?


松本さん:
事業内容は和ろうそくの製造・販売です。


上田:
こちらのお店はどうして始められたんですか?


松本さん:
この店は先祖代々やっていて、僕で4代目になります。

    
上田:
創業はいつされたんですか?


松本さん:
創業は明治20年です。大阪の福島で松本亀吉という、僕の父親の祖父が始めました。


上田:
明治時代とはすごいですね!


松本さん:
はい。もともとは姫路にあったんです。
昔和ろうそく屋さんはお城の近くにあったんですよ。
和ろうそくは貴重だったので城内とか、遊郭の近くとか、限られたところでしか使えなかったんです。そうした、限られた場所から広がりました。

上田:
そうなんですね。

松本さん:
はい。姫路には姫路城があるし、福島には大阪城がありますよね。

上田:
そうですね。

松本さん:
そこでその松本亀吉は暖簾分けのような形でお店を作りました。

上田:
なるほど。

和ろうそくについて

手作り和ろうそく

上田:
ろうそくは一日にどれくらい造られるんですか?

松本さん:
造るろうそくによって違うんですが、お寺用は1日に4000本。手で造るとなると、3日で4000本といった感じです。

上田:
和ろうそくと洋ろうそくの違いって何ですか?

松本さん:
簡単に説明すると、

・風がなくても揺らぐかどうか
和ろうそくの良さはその揺らぎです。炎が安定供給できてるから、洋ろうそくは揺らがなくて、炎としては良いです。
一方で、和ろうそくは不完全燃焼なので炎としてはよくないですが、その分揺れるといった特徴があります。

視覚的には、お仏壇とか葬儀とか、仏様が喜んでくれているような雰囲気を醸し出すことができます。


・すすが取れやすいかどうか
洋ろうそくと比べて、和ろうそくはすすが取れやすいという特徴があります。もちろん、和ろうそくも全くすすが出ないというわけではありません。ですが、和ろうそくの材料は元々が植物性なのでベタベタしません。

普通のろうそくの原料はパラフィンで、元々は原油から石油を絞ったものの副産物です。
粒子が細かいから目に見えないけど、ベタっとしてるんです。
だから、洋ろうそくのすすは取れにくいので、こだわりをお持ちのお寺の本堂とか真宗系の金仏壇には和ろうそくが使われています。


・風に強い
機械造りの和ろうそくは、和紙と半紙だけで芯が作られてて、手造りの和ろうそくの芯は、和紙の上にい草の灯芯が使ってあります。
手造りのハゼ100%の和ろうそくは、糸芯では吸い上げる力が弱いので、い草の灯芯を使う事になっています。だから火力も強く多少の風では消えないんです。

だからこそ、風に強くて外で使うイベントに用いられることが多かったけど、最近はLEDとかで需要も無くなってしまいました。


上田:
お恥ずかしながら、僕は和ろうそくを知らなかったんですけど、和ろうそくはどれくらい普及しているんですか?

松本さん:
和ろうそくのピークは江戸時代です。
当時鎖国中でしたから、海外の文化が入ってこない。だから、ろうそくは照明器具として重宝されてて、その時は良かったんです。

でも、明治時代から、洋ろうそくは・安い・手間がかからへん・芯を途中で切らないでいいってことで取って代わられて、照明器具という需要も電気が出てきてなくなったんです。

今は、ろうそく全体の需要の中で和ろうそくの売り上げは5%あるかないかで、和ろうそくを専門に扱ってる店も全国で30件程です。
そのほとんどが、家内工業で成り立ってるのが現状です。

和ろうそくへのこだわりとこれから

和ろうそくのこれから

上田:
そんな中でも和ろうそくにこだわり続けておられる理由は何ですか?


松本さん:
理由は色々ありますが、一番大きいのは和ろうそくで長年、ご飯を食べさせてもらってるってことです。
それと、和ろうそくでないとだめというシチュエーションがあるからです。

清浄のもの、純植物性ものにこだわってるお寺さんは何かの儀式の時は和ろうそくじゃないとだめと言ってくださって、重宝して頂いています。


上田:
和ろうそく造りには何か特別な技術とかがあるのですか?


松本さん:
よく聞かれるんですけど、多分1年続けるとできると思います。
ただ、伝統のこういったものは続けることが一番難しい

和ろうそくを続けていく身としては、商売感覚が必要だと考えてます。
どういうものを作れば、次の世代に響くのか。
そして和ろうそくをどうやって伝えるのか

こっちから分かることでも相手からはわかってないこともあるんです。
だから僕は店の入り口にハゼの実とかも置いているんです。
あとはこうした取材があるときはできるだけ、受けるようにしていますね。


上田:
こうした取材はよくあるんですか?


松本さん:
はい。そうですね。
でも僕が27歳で継いだときは、こういった伝統にスポットライトが当たっていなかったから、どうやって和ろうそくの良さを世間に伝えていけばいいかわからなかったんです。

だから、自分でビデオを送ったり、新聞社にニュースレターを送ったりしていました。
そうすると1社ある新聞に取り上げてもらえたんです。

そこから好循環が生まれててきました。


上田:
やっぱり伝えていくことが大事なんですね。


松本さん:
はい。
最初営業しにいった時は、話すら聞いてくれなかったんです。
和ろうそくなんか「高いし手間かかる」って言われてね。

でも、まあこうした「伝統産業」とかがメディアに取り上げられるようになってからは話を聞いてくれるようになりました。


上田:
そうだったんですね。


松本さん:
それでも和ろうそくは芯を切らなあかん、高いし、良いところもありますが、もちろん欠点もあります。
だからメディアを通して伝えることもそうですが、それ以外の場所で、欠点を上回る付加価値をいかに乗せて行くかが大事だと思ってます。


上田:
具体的にその付加価値ってどういうものがあるんですか?


松本さん:
僕は、和ろうそくのもつ温かみだと思ってます。
よく和ろうそくをご覧になった方々は、「なんかあったかくなったわ」とか、「悲しいけど安らいだ」って言ってくださります。

それで、なぜ和ろうそくがあったかいかっていうと、製造工程の手の温かみだと思います。

例えば、ハゼの実のちぎり子さんは、7メートルくらいの高さのある、ハゼの木に登ってハゼの実を取ってきてくれるんです。ハゼの木は折れやすいので、落下事故とかもやはりあるようです。
それでも命がけで、ハゼの実を取ってくれるので、和ろうそくを造ることができます。

そしてそれが、九州の長崎とかでろうに変わって行く、そして鬢付け油になったり、資生堂では口紅になったり…乳液、ハンドクリーム、座薬とか。
そこでも色んな人の手を介しています。

それで何よりも伝えたかったのは、和ろうそくの灯芯は、一本一本手作業で巻いてくれているんです。
そしてここがうまくできてなかったら、和ろうそくは上手に燃えません。

要はその人たちの手の温かみが、知らず知らずのうちに出てくるんじゃないのかなと思ってます。

松本商店への取材を通して

終わりに

いかかでしたか?

今回は、和ろうそくを製造している松本商店さんにお伺いしてきました。

和ろうそくはただ綺麗なだけではなく、仏具にも優しい素材で出来ていて、更に和ろうそくの製造に関わる人達のあたたかさが美しい炎の揺らめきを作っていることを教えていただきました。

今回紹介しきれなかった商品や松本さんの想いもありますので、気になる方はぜひ松本商店さんのホームページを訪ねてみてはいかがでしょうか?

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