終活での遺言書の役割って?遺言書の書き方や種類ごとの特徴を解説!

終活での遺言書の役割って?遺言書の書き方や種類ごとの特徴を解説!

終活で遺言書を用意しておこうとされる方もいらっしゃいます。ところで遺言書には法的に書き方が決まっているのをご存知でしょうか?法律に沿った書き方でないと無効になってしまうこともあります。終活の中で興味を持たれることも多い「遺言書」について知っておきましょう。

最終更新日: 2020年02月18日

終活の遺言書について

お金

「遺言書」という言葉を聞いたことがある方はたくさんいらっしゃるでしょう。

各地で行われている終活セミナーでも、「遺言書」をテーマにした講義内容はよく見かけます。
また、テレビドラマや映画などで相続に関して、遺言がキーワードになっている事件も多いですね。
それだけ遺言書は多くの方の興味、関心を惹き寄せている事柄なのでしょう。

しかし、遺言書って何?と聞かれても、きちんと説明できる方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回「終活ねっと」では、遺言書の書き方や種類、エンディングノートとの違いに触れながら、終活の遺言書について解説していきます。

  • 終活、遺言書とは何か

  • 遺言書の書き方

  • 遺言書の種類

  • 遺言書が解決できるトラブル

  • エンディングノートと遺言書の違い

以上のことを中心に内容を読み進めていきます。
終活の一環で遺言書について考えている方はぜひこの記事を参考にしてみてください。

そもそも終活・遺言書とは

人々

「終活」も「遺言書」も、よく耳にする言葉だとは思いますが、そもそもの意味はご存知でしょうか?
ここではまず、終活と遺言書とはどのようなものなのか見ていきましょう。

終活とは

終活とは、自分の生の終わりを意識し、身辺整理をしておくこと、死亡時の葬儀や相続などについて考え、準備しておくことなど、今までの人生を振り返り、残された時間をより良く生きるために行う活動のことです。

また、何歳から終活を始めなければならないということはありません。
終活を20代から始める方もいらっしゃいますし、50代前後で終活を始められる方もいらっしゃいます。

万が一の際、どうなるのかという自分の不安感を解消することを主な目的として終活をされる方もいらっしゃいますが、どちらかと言えば、“自分の為に”というよりは、“残される方の為に”という考えで終活される方が多いようです。

終活は、自分の老後、死後に、家族や友人の方が困らないように、という思い遣りの気持ちで行なわれることが多いということですね。

遺言書とは

遺言は正式には「いごん」と読みます。

遺言書とは、自分の死後、主に財産(遺産)の処分方法に関する意思を明記した法的な書類のことを言います。

財産に関すること以外に、遺言執行者の指定、相続人の排除や排除取消、婚外子の認知などの意思も残すことが可能です。

また、遺言書は法的な書類となり、民法の規定に従って書き残すことが必要です。

そして、満15歳以上の方であれば遺言書を残すことができます。
成年被後見人に関しては、医師2名以上による判断能力回復の診断などの要件を満たせば、遺言書を残すことができることになっています。


今回の記事でお伝えする遺言書の書き方や、遺言書の種類、エンディングノートと遺言書の違いはぜひ知っておきたい知識です。

遺言書の書き方

ペン

遺言書は、民法の規定に従って書く必要があります。
遺言書の種類によって書き方も異なる点がありますが、遺言書を書く際の基本的なポイントを知っておきたいですよね。

ここでは、遺言書の書き方について見ていきましょう。

遺言書は本人が書く

遺言書は、遺言書の内容を残す本人が書くようになります。

また、遺言書を書く際に、パソコンでワードなどを使用して書くのは不可です。
全て自筆でなければなりません。
これは、他人による改ざんを防ぐためでもあります。

なお、書いている途中で間違えてしまった場合、修正液や修正テープを使用してはいけません
訂正方法も定められたルールがあり、このルールから外れているとその記入された内容も効力を持たなくなってしまうので、いっそのこと最初から書き直しましょう。

書いた日付を記載する

遺言書にとって日付は、重要な要素のひとつです。
遺言書に書いた内容がいつの時点における意思なのかを示すからです。

従って、書いた日付を記載することはとても重要になります。
また、“平成27年1月吉日”といった表記も不可となりますので、書いた日付は明確に記載しましょう。

氏名を記載する

せっかく遺言書を書いても、氏名が書かれておらず、誰の遺言なのか分からなくなってしまったら困ります。
これも他人による改ざんを防ぐ目的もあり、また自分の意思であることを示すためにも、氏名を記載することも忘れないでください。

最後に押印を押す

氏名を記載したらその横、もしくは下に押印をします。
押印は、認印でも法的には問題ありませんが、改ざんや偽造を防ぐためにも実印を使用することが望ましいでしょう。

遺言書の種類

人々

ここでは、遺言書の種類について見ていきましょう。

民法では、遺言を大きく2つの方式に分けています。
ひとつは「特別方式」、もうひとつは「普通方式」と呼ばれます。

特別方式の遺言は、病気や遭難などで死期が迫った人が、普通方式では間に合わない場合の緊急対応として例外的に行われる遺言であるため、通常は普通方式で遺言書を残すことになります。

さらに普通方式は、いくつかの種類に分かれており、直筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。
自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つについて、それぞれの特徴などを知っておきましょう。

下記の説明の中で、「証人(しょうにん)」とは、「遺言者が、自己の意思により遺言して、その内容を公証人が正確に遺言書に記載していることを確認する人」のことです。
証人になれる人は、年齢や、相続人になる予定がない人などの条件が定められています。

また、「検認(けんにん)」とは、遺言書の改ざんや偽造を目的として、家庭裁判所に、現時点で遺言書が存在すること、その内容を確認してもらう手続きのことです。

ではここから、普通方式の遺言を示した遺言書の種類について見ていきましょう。

直筆証書遺言

直筆証書遺言は、普通方式の中で、最も費用や手間がかからず、いつでも作成出来るということで、使用されることが一番多い遺言書です。

作成方法 全文・氏名・日付を
自書し、押印する
証人 不要
保管 被相続人が保管
検認手続 必要
メリット ・費用がかからない

・内容を秘密に出来る
デメリット ・書き方がルールに沿ったものでないと、遺言書が無効になるリスクがある
・遺言書が本物かどうか証明できない
・紛失や盗難のリスクがある

公正証書遺言

公正証書遺言は、事前に謄本や財産に関する書類を用意する必要があり、また公証役場に行かなければならないなど、費用や手間はかかりますが、最も安全で確実な遺言方法です。

作成方法 公証役場へ行き、
本人が遺言内容を口述し、
それを公証人が記述する
証人 必要(2人以上)
保管 公証役場で保管
検認手続 不要
メリット ・遺言の方法としては、一番安全・確実
デメリット ・費用がかかる
・遺言内容を秘密にできない

秘密証書遺言

秘密証書遺言は、遺言をする人が遺言書を書いて封をし、その封書を公証人と証人の前に提出します。

その後、公証人に遺言者の自己の遺言書である旨の申述や、提出した日付などを書き入れてもらった後、遺言者と証人がそれぞれ署名・捺印するというものです。

作成方法 遺言に署名・押印した後、
封筒に入れ封印して、
公証役場で証明してもらう
証人 必要(2人以上)
保管 被相続人が保管
検認手続 必要
メリット ・遺言書が本物であることを証明できる
・内容を秘密に出来る
デメリット ・費用がかかる
・書き方がルールに沿ったものでないと、遺言書が無効になるリスクがある
・紛失や盗難のリスクがある

遺言書は全てのトラブルを解決できるのか?

困った人々

遺言書は全てのトラブルを解決できるわけではありません。
遺言書の内容で法的拘束力を持つのは、主に財産(遺産)に関することや、関係者の身分や立場に関する内容です。

ここでは具体的にトラブルになりうるケースについて触れながら、遺言書で解決できるトラブルについて見ていきましょう。

金銭的な遺産の分け方

ほとんどの方が金銭は多くもらえれば嬉しいものです。
逆に少なければ不満を感じる方もいます。
この金銭的な遺産の分け方への不満が、家族間・親族間のトラブルに発展することもあります。
中には、遺産の分け方への不満から裁判まで進展してしまうケースもあります。

しかし、遺言ではっきりと誰にいくら、誰にいくらと金銭的遺産の分け方を明示しておくことでこのトラブルが回避できる場合もあります。

相続人や周囲の家族との心情的ないざこざ

金銭的遺産の分け方に加え、相続人や周囲の家族との心情的ないざこざによってもトラブルが起きる場合があります。

たとえば、「長男夫婦なんて、父さんの面倒を何も見ていなかったんだから、うちの方が遺産を多くもらってもいいんじゃないか」と、長年、自宅で父親の介護をしてきた次男夫婦がそのように考えるのはよくあるケースです。

また、父親からすれば、次男のお嫁さんには長年自分の介護をしてもらっていて、できることならお嫁さんにも遺産を渡したいという場合もあると思います。

通常であれば、長男と次男が受け取ることができる遺産は同額となってしまいます
また、法定相続人に含まれない次男のお嫁さんには遺産を直接渡すことはできません。
しかし、遺言書に次男夫婦への割り当てを多く書いたり、また次男のお嫁さんに直接渡すことを書いておけば、その思いは実現の方向にむかいます。

気持ちの問題まで、遺言書は法的効力を持つことはありませんので、心情的ないざこざ全てを解決することはできませんが、間接的に影響を与えることはありますね。

また、「終活ねっと」には相続に関する無料ご相談窓口があります。
提携している相続診断士やファイナンシャルプランナーが遺言や生前対策など相続全般に関するご相談を伺います。

遺言書についても、もちろんご相談いただけます。
ご相談は初回無料ですので、些細な疑問でも下記のリンクからお気軽にご相談ください。

エンディングノートと遺言書の違い

ポイント

エンディングノートも終活を行う中で、よく利用されるツールです。
しかし、多くの方が遺言書とエンディングノートの違いについて知らない方が多いかと思います。
エンディングノートと遺言書の違いを理解し、上手に双方を使い分けることも大事です。

そこで、ここではエンディングノートと遺言書の違いについて見ていきましょう。

法的効力

遺言書とエンディングノートとの違いにまず挙げられるのが、法的効力の有無です。

エンディングノートは、法的効力を持ちません
一方、遺言書は、先に述べたような遺産相続のことなど、内容によっては法的効力を持ちます。
ただし、遺言書に法的効力を持たせるには、民法の規定に沿った書き方・残し方をする必要があります。

書き方

次に、書き方の違いについても双方では違いがあります。

基本的に、エンディングノートの書き方は自由です。
おそらく多くの方は、書店やインターネットを通じて購入されたエンディングノートを利用されるものと思いますが、エンディングノートに記載されている項目どおりに内容を記入をしていれば問題ありません。

これに対して、遺言書は民法に則った書き方をする必要があります
また、曖昧な表現ではなく具体的に表記しなければなりません。
たとえば、「長男に土地を譲る」ではなく、「長男鈴木太郎に、〇〇県○〇市〇〇町1038番の土地(宅地)、567.55平方メートルを譲る」というように詳細まで書くことになります。

費用

遺言書とエンディングノートの違いとして最後に挙げられるのが、費用の違いです。

エンディングノートは、ノートの購入費用として1,000円~2,000円程度が目安です。
また、葬儀社や仏壇屋さんで、無料にて配布しているノートもあります。

一方で、遺言書の場合は、普通方式であってもどの種類で遺言書を残すかによって費用は変わります
直筆証書遺言であれば、基本的に費用はかかりません。
公正証書遺言については、公証役場で公正証書を作成する際に手数料が発生します。
この時に発生する手数料は、ご自身が公正証書に記載する財産の価額によって変動します。
たとえば、500万円超から1000万円までで1万7千円、1000万円超から3000万円までで2万3千円、3000万円超から5000万円までで2万9千円、5000万円超から1億円までで4万3千円といったように段階的に手数料が定められています。

その他、謄本を取得する費用や、不動産の評価証明など必要に応じて費用が発生するものがあります。

秘密証書遺言では、公証役場への手数料として一律11,000円が必要となります。

終活の遺言書まとめ

本

今回「終活ねっと」では、終活の遺言書についてお伝えいたしましたが、いかがでしたでしょうか。

終活において、自分の財産について現状の把握しておくことも大事なことのひとつですが、その一環として、自分の身に何かあったときの財産の行先を遺言書としてまとめておくということも、良いのではないでしょうか。

この記事では

  • 遺言書とは何か

  • 遺言書の書き方について法的効力を持たせるためのポイント

  • 遺言書の普通方式には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言がある

  • エンディングノートと遺言書の違い

以上のことを中心に解説しました。

終活において、自分の財産について現状の把握しておくことも大事なことのひとつですが、その一環として、自分の身に何かあったときの財産の行先を遺言書としてまとめておくということも、良いのではないでしょうか。

遺言書が有るのと無いのでは、万が一の際に遺された家族や親族の負担も大きく異なってきますね。

ぜひこの記事を参考にして遺言書について考えるきっかけにしてくださいね。

今回「終活ねっと」では、「終活における遺言書の書き方や種類」について解説しましたが、他にも終活に関する記事を多数掲載していますのでもし良ければ参考にしてみてください。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

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