終活ではどんな文書を用意すべき?文書の種類ごとの特徴について解説

終活ではどんな文書を用意すべき?文書の種類ごとの特徴について解説

終活の時に用意する文書について、迷われる方は多いのではないでしょうか。手紙のように心情を綴った文書から法的拘束力を持った文書まで、その種類は様々です。終活としてどのような文書を残しておくと良いのか、具体的な例を交えてご紹介していきます。

2019-06-28

終活で必要になる文書について

困った人々

ご自身の人生のエンディングをより充実したものにするための終活。

亡くなられた後に残されるご家族を思いやり、その後の事務処理がスムーズになるよう多種多様な文書を作成する方も多いことでしょう。

しかし実際に作業を始めてみると、

  • どのようなことを文書にすればいいの?

  • 法的な文書とはどのようなもの?

  • エンディングノートはなんのために必要?

という疑問を持ってしまいますよね。

今回の終活ねっとでは、終活で準備をしておくと良い文書を詳しくご紹介して、このような疑問を解決するお手伝いをさせて頂こうと思います。

終活の際に文書にしておくと良いこと

お金

終活と聞いて一番最初に思いつくのは、ご自身の所有する財産のことや終末期のことではないでしょうか。

実際に遺産相続やご供養を経験なさった方々の声を聞くと、

  • 自分の知らない不動産があり後から納税で苦労した

  • 親族の間でご供養に関して揉め事があった

  • 何をどうしていいのかが分からず時間がかかった

というご意見が多いのです。

このような問題を解決するために用意するのが、終活における文書です。

ここでは、どういったことを文書にすればいいのか具体的な内容を例に挙げてご紹介していきたいと思います。

相続

現在所有している財産についての目録を作り、一目で分かるように文書として残しましょう。

相続出来る財産は積極財産と消極財産という二種類に分けられます。
積極財産とは相続してプラスになる財産、消極財産とは今現在残っているローンや借金などを指し、共に合わせて相続対象となります。

  • 所有している不動産(土地家屋・アパートやビル・事務所)

  • 所有している動産(骨董品や貴金属・自動車・その他高値がつきそうなもの全て)

  • 株券や貸付金の権利書など、金品に返金出来る権利書

  • 特許権

  • ローンや借入金といった負債

万が一負債が相続した財産よりも上回る場合、相続を放棄する可能性も出てきます。

相続するか否かを判断する上でも必要な情報となりますので、相続としてマイナスになる部分についてもきちんと記入しておくようにしましょう。

葬儀

どのような葬儀を行って欲しいのかを具体的に書いていきます。

最近では終活の一環として生前から葬儀場を見学して葬儀の積み立てを行ったり、生前予約をするなどの準備を進めている方もいらっしゃいます。

もしそのような具体的な準備をなさっているのなら、連絡先などを記入しておくと良いでしょう。

残されたご家族は大切な方を亡くした悲しみの中で準備を行うことになるため、どのような方にご連絡をすれば良いのかまでなかなか思いつくことは出来ません。

ご自身が亡くなられたことを知らせたい友人・知人がいらっしゃる場合には、その方々のお名前や住所を記載してご連絡がつきやすいようにしましょう。

納骨場所

火葬後のご遺骨のご供養について、どのようにして欲しいかご希望を記入します。

生前にお墓の整理をしてお世話をしやすいようにしたり、お墓や納骨堂を準備なさる方、墓じまいをして自然葬にて散骨供養をご希望なさる方などご供養方法・納骨場所は千差万別です。

すでに具体的な準備をなさっている方はその内容と連絡先を記入しておき、ご家族が動きやすいようにしておくと良いでしょう。
その際、残されたご家族のお気持ちも考えられた上で事前にお話し合いをすることも大切です。

終末期の医療について

終活を進めていくと、ご自身がどのような最期を迎えたいのか終末期に希望する医療の形が見えてきます。

もし胃瘻や人工呼吸器といった延命治療を望まないのであれば、ご家族とご相談の上でその旨を書き記しておくことが大切です。

同時に、臓器移植に関しても同意するのか否かといった部分について明文化しておくと良いでしょう。

自然な死を望む尊厳死を選ばれる方が増えてきていますが、医療機関としてはまだ生きられる可能性がある方に対して医療を施さないわけにはいきません。
ご家族にとっても心が痛む選択となります。

口頭での意志表示だけでは、いざその瞬間を迎えた時に望まれる最期とならない場合もあるのです。

その場合は尊厳死を望むことを公正証書として書き残し医療機関に提示したり、弁護士や行政書士といった代理人に公正証書を提示して貰う方法があります。

この他にも、日本尊厳死協会という民間団体に加入して署名捺印し、ご家族やご本人では医療機関が納得しない時に働きかけを行って貰うといった方法を取られる方もいらっしゃいます。

終末期はご自身では身動きが取れないことが多いので、確実に文書として残しておくことが大切です。

介護

介護について知識を深め、いざという時にどのような介護を望まれるのかを文書に記入します。
少子化の影響で自宅介護が難しいご家庭が増えたことで、自立支援型の高齢者マンションを検討したり、早期から老人ホームの申し込みを行う方もいらっしゃいます。

また、公的な介護保険では現金支給がないことから民間企業の介護保険に加入し、いざという時の備えをする方も増えてきています。
どのようなサービスを利用してどのような介護を望まれるのか、それがわかると金銭的な面での計画も立てやすくなります

申し込まれた老人ホームや高齢者マンション、加入した民間の介護保険の情報、いざという時のための相談窓口などを記載して、スムーズに介護に関する手続きが済むように準備をしましょう。

法的拘束力のある文書

お金

法的拘束力のある文書は、もしもの時に故人の意見を優先して尊重するものとなります。

どうしても守って欲しい遺言や相続に関する意見などがある場合には、民放で定められた方法に従って文書を作成するようにします。

ではどのような文書に法的拘束力があるのか、注意点と共にご紹介致します。

遺言書

遺言書とは、亡くなられた方の意志を記した文書です。

何をどのように考えているのか、どうして欲しいのかといった点を、できるだけ明確に分かりやすく書くことが重要となります。

遺言書の種類は下記の三種類に分けることが出来ます。
状況に合わせてどのような遺言書が一番良いのかを考えるようにしましょう。

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、民法968条に従って全文を自筆で書いた遺言書のことを言います。

公証人に頼る必要がないため費用がかからず、思った時にすぐに書くことが出来るという利点はありますが、民法968条と照らし合わせて問題がある場合には適用されにくく、厳密に書かなければならないという欠点もあります。

  • 必ず自筆で書くこと(一部分でも代筆やワープロなどがあった場合には不可)

  • 誰が読んでも分かりやすい文章にすること

  • 必ず書いた日付を正確に記入すること(平成29年12月8日、2017年12月8日は問題ないが、12月吉日という記載は不可)

  • 筆記具に制限はないが、丈夫な用紙と消せない筆記用具で書くこと(改ざん防止)

  • 署名捺印をすること(できれば実印が望ましい)

書きあがったら封筒に入れて口を閉じ、実印で封印します。

自筆証書遺言の場合は封をしていなくても問題はありませんが、口が開いている証書の場合は改ざんを疑われることが多いので出来るだけ封印するようにしましょう。

封筒の表に遺言書、裏面に作成日と署名捺印をし、開封せずに裁判所へ持っていくよう注意書きをするようにして下さい。

公正証書遺言

公正証書遺言は、民法969条で定められた最も確実な遺言書となります。

公証役場の公証人に希望を伝えて作成してもらい、原本は公証人が保管するため改ざんされる心配がなく、遺言書が正当かどうかの判断を裁判所で確認する必要もありません

遺言を作る本人が病気なので公証役場に出向くことが出来ない場合には、公証人に出向いてもらって作成することが出来ます。

しかしこの公正証書遺言を作成するためには、ご本人の他に二人以上の証人が必要となります。
証書にどのような内容が書かれているのか、作成する内容に問題がないかなどを逐一確かめていく作業を一緒に行うことになりますので、証人となった人には遺言の内容を知られることになります。

また、公正証書遺言を作成するには費用が掛かります。

財産の総額が100万円の場合は5千円、1000万の場合は2万3千円というように費用は決まっていくのですが、残される財産の総額と相続する人数によって金額が変動するため一概には言えません。

一度作った公正証書遺言を無効にする手続きにも費用が必要となります。

ご興味がある方は、一度お住いの自治体の公証役場にてご相談されてみてはいかがでしょうか。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言書の内容を秘密にしたまま、遺言書があるということだけを公証人に証明してもらう遺言書です。

簡単に言うとそれが正式な遺言であるという証明をしてもらった遺言書のことで、公証人は証明をするだけで原本である遺言書は書いたご本人が保管することになります。

秘密証書遺言の場合は自筆でなくてもよく、代筆やワープロなどで作成された遺言書に署名と捺印をして公証役場に出向き、公証人に遺言書であることを証明してもらいます。

この場合にも二人以上の証人が必要となりますが、すでに封印してある遺言書を持って出向くことになりますので内容を誰にも知られる心配はありません。

ただし、公証人も内容を確認できないことからその遺言書が法的に問題がないかどうかは分からず、開いてみたら遺言書として不十分なため無効になるケースもあります。

費用は一律11000円と決まっているので頼みやすいのですが、わざわざ公証人にお願いしているのに無効となる可能性があることから、実際に頼まれる方は少ないようです。

任意後見

手続きや契約などにおいてご自分で判断することに不自由さが出てきた時、事前に契約をしていた人に代行して貰うことを任意後見と言います。

代行してくれる人は任意後見人と呼ばれ、まだご自分での判断が十分可能なうちに代理人を指名して公証役場にて契約し、公正証書を作ります。

例えば、認知症などを心配してもしもの時のために任意後見人を立てておき、判断にご不安が出てきたら裁判所へ申し立てて任意後見監督人を選出、任意後見人が代行している内容に問題がないかどうかを確認して貰うといった具合です。

後見をお願いする内容は、話し合いによって指定することが可能です。

財産管理委任

財産管理委任は、ご本人の判断能力がまだ十分にあるうちから主に財産管理を目的として委任する方法です。

この場合の責任者は契約するご本人となり、委任される側は受任者となります。

まだ判断能力がしっかりしている段階から行動することが可能な点が、任意後見と大きく違う点といえます。

しかし、基本的にはご本人がしっかりしていることが前提となっているため、判断能力がなくなった後のことだけを考えての契約は非常にリスクの高いものとなります。

契約の際には専門の第三者に介入して貰い、契約する相手の言いなりにならないように気をつけて信頼ある人にお願いするなどの注意が必要です。

尊厳死宣言

尊厳死宣言はリビングウィルと呼ばれ、回復の見込みがない場合に延命措置をせず、自然な死を迎えたいという意思を文書にしたものです。

現代医学が発達し治療においての延命技術が進む中で、ご自分の意志を尊重した死を迎えることは、終活を考えている人たちにとっては重要な項目なのではないでしょうか。

尊厳死宣言の内容は

  • 植物状態になった場合の生命維持装置の停止

  • 延命措置の停止

  • 苦痛を和らげる治療については最大限に行う

となっており、これまでの判例や医師会からの提案を元にして作られています。

公的証書となるため、尊厳死宣言の証書を作る場合には行政書士などの専門家にお願いしましょう。

死後事務委任

ご本人が亡くなられた後、様々な事務手続きを代行して貰う方法が死後事務委任です。

ご遺族が行う手続きを代行する、という風にお考え頂くと良いかと思います。
亡くなられた後の事務処理は死亡手続き、葬儀、納骨やご供養、遺産整理などと多岐に渡ります。

事務処理の内容によってはご遺族だけではなかなか手が回らないこともあるかも知れません。
このようなご不安がある方は、終活の一つとして死後事務委任の契約を結んでおき、亡くなられた後も安心してお任せ出来るように準備をするのです。

内容を選んで契約することも可能ですので、亡くなられた後の事務処理に不安のある方は一度専門家にご相談してみましょう。

法的拘束力のない文書

ノート

終活と聞いて最初に思いつくのはエンディングノートではないでしょうか。

最近では専用のノートも手に入りやすくなり、大切なことや遺言といったものを書き留めている方も多いと思います。
しかしこれらの文書には法的拘束力がないため、それだけでは安心することは出来ない場合もあります。

法的な拘束力のない文書の代表例として、エンディングノートの上手な活用方法や遺言についてご説明していきたいと思います。

公正文書との違いは

エンディングノートと公正文書の違いは、法的拘束力があるかどうかです。

公正文書となり得るものは、法律や判例に従って書かれていたり専門家による確認作業が入っていることがほとんどです。
逆にいえば、法律や判例に従うという行程を踏むことが法的拘束力を生み出すのです。

エンディングノートは法的に定められた規定はなく、自由に書くことが出来ます
それゆえに、公正文書とはならないのです。

エンディングノート

終活でエンディングノートを準備することは、残されたご家族がこれから先どのように行動していったら良いのかを示す、大切な地図を作り上げることになります。

そしてご本人にとっても、エンディングノートの作成はご自分の歴史を振り返る大切な機会となるのです。

そもそもエンディングノートって何?

エンディングノートは、残されたご家族が様々な手続きをする上で迷われることがないように、情報を書き残すためのノートです。

事務的なことは勿論ですが、例えば葬儀の時に知らせて欲しい友人・知人の連絡先、希望するご供養の具体的な方法、これまでの人生に対する思い出などを綴ります。

エンディングノートに書く内容

エンディングノートに書かれている内容は、財産・解約手続き・希望する葬儀やご供養・介護、自分の人生についてと様々です。

しかし、エンディングノートを受け取ったご家族にとって一番の宝物となるのは、ご家族に対しての暖かな言葉が綴られている点です。

家族の思い出やなかなか口に出せない感謝の気持ちで溢れているノートは、これから先を生きていくご家族にとって大きな勇気となるのです。

エンディングノートを書くことで気持ちが前向きになり、死への恐怖がなくなったとおっしゃる方もいらっしゃいます。

必要事項から心を動かす言葉まで、ご自分のお気持ちを表現してみましょう。

遺書

これから訪れる死を前にして、残される人々に対しての思いやお別れの言葉を綴ったものが遺書です。
遺言書とは違い、遺書ではご自身の心が大きく反映された言葉を綴ることになります。

死へ旅立つ前に大切な人へ向けて書く手紙、それが遺書となるのです。

終活で必要な文書まとめ

文書

終活において用意をする様々な文書についてご説明させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
終活での文書作成をする時には、

  • 終活で用意する文書はできるだけ詳しく情報を残しておく

  • 必要に応じて法的拘束力のある文書を作成する

  • エンディングノートは残された家族の道しるべとなるよう情報を書く

という点が重要になるのだなあと、改めて感じました。
皆様の終活がより充実したものになりますよう、お手伝いできましたら幸いです。

終活ねっとでは、今回の記事以外にも終活に関する様々な情報をご提供させて頂いておりますので、是非一度ご覧になってみて下さい。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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