金子哲雄さんが終活を行った理由とその内容を紹介します

今でこそすっかり知名度のある存在となった終活ですが、その終活が社会的に知られるようになった経緯を語るうえで金子哲雄さんの存在は欠かせません。彼の行った終活の内容とはいったいどのようなものだったのでしょうか?金子哲雄さんの終活について詳しく見ていきましょう。

目次

  1. 金子哲雄さんの終活について
  2. 金子哲雄さんの経歴
  3. 金子哲雄さんが終活を始めたきっかけ
  4. 金子哲雄さんが終活でやったこと
  5. 終活経験者の金子哲雄さんが書いた本
  6. 金子哲雄さんの終活についてまとめ

金子哲雄さんの終活について

人々

「終活」という言葉が世の中で注目され始めたのは2010年ごろのことです。
注目され始めて間もなく2010年には流行語大賞の候補50語にノミネートされ、また2012年にはベスト10の1つにも選ばれるに至りました。

また、終活に取り組む際に欠かせない文具であるエンディングノートも同名の映画が2011年に公開されたことをきっかけに流行語の1つに数えられました。

2012年にベスト10に選ばれた「終活」ですが、その背景にはある人物の行った終活が世間の大きな反響を呼んだためです。

その人物とは、流通ジャーナリストの金子哲雄さんで、亡くなる前から彼はご自身の葬儀やお墓の細かい部分に至るまできちんと段取りをしていたため、彼の終活は最後まで悔いの残らないようなものとして、終活のなんたるかを世に示すものとなりました。

そこで今回は、金子哲雄さんが生前に行った終活がどのようなものであったかについて見ていきます。
ぜひとも、ご自身の終活に役立てるうえでの一助として頂ければと思います。

この記事の内容は、

  • 流通ジャーナリスト金子哲雄さんの経歴とは?
  • 金子哲雄さんが終活を始めたきっかけとは?
  • 金子哲雄さんは終活で取り組んでいたこととは?
  • 金子哲雄さんの終活の経験を書いたとは?

の4点を中心に話を進めていきます。

金子哲雄さんの経歴

金子哲雄

はじめに金子哲雄さんの経歴について簡潔に見ていきましょう。

  • 1971年に千葉県で生まれ、神奈川県横浜市にて育つ。幼少のころよりスーパーのチラシの比較を趣味としていたため、これがのちに流通ジャーナリストを志すきっかけとなる。
  • 1994年に慶応義塾大学文学部を卒業し、株式会社ジャパンエナジー(現.JXTGホールディングス)に入社。競合各社とのガソリンの価格調査に従事。
  • 1995年、コンサルタントとして独立。1999年からは流通ジャーナリストとして流通専門誌などへの執筆活動を開始。
  • 2008年から活動の範囲を広げて、テレビやラジオにも出演するようになる。
  • 2012年10月2日、肺カルチノイドにより永眠。享年41歳
  • 主な著書として『値切りのマジック』(講談社)、『超三流主義』(扶桑社)、『「激安」のカラクリ』(中公新書ラクレ)、などがある。

金子哲雄さんが終活を始めたきっかけ

スタート

金子さんが終活を始めたきっかけとはいったいどのようなものだったのでしょうか?

金子さんは2011年6月に肺カルチノイドと呼ばれるがんの一種ともいえる腫瘍の病気にかかっていることが判明しました。
そして、その際に精密検査を受けたものの、すでに腫瘍が手におえないほどの大きさで手術による治療も不可能という状態で、余命宣告さえも受けたほどした。

そのような難病に侵されていたうえに、「いつ死んでもおかしくない」という宣告まで受けたという状態の中で金子さんは当初絶望の中で苦しみますが、やがて死を覚悟します。
そして、その覚悟を決めたうえで、「人生の始末をどうつけるか」ということと向き合い始め、またご自身が亡くなった後に残される奥さんのことも考え、それが彼の終活のきっかけとなりました。

金子哲雄さんが終活でやったこと

人々

金子哲雄さんの終活は世間から「完璧な終活」とも「見事な終活」とも言われました。
それでは具体的に金子さんはどのような終活に取り組んだのでしょうか?

専門家に相談する

まず、金子さんが行ったことは葬儀やお墓に関する専門家に相談したことでした。
相談した人物として、セレモニーみやざき代表の宮崎美津子さん、そして葬儀を執り行った東京都港区にある心光院の住職である戸松義晴さんが挙げられます。

まず、宮崎美津子さんには亡くなる1ヶ月前からご自身の葬儀のことについて相談をしつつ、一緒に綿密に葬儀のプランを組んでいきました。

そして、葬儀の場所と埋葬場所については、宮崎さんはご自身の菩提寺でもあり、東京タワーにほど近いところにある心光院と、その住職である戸松義晴さんを紹介しました。
なお、金子さんはこの案について大好きな東京タワーの近くということで快諾しました。

金子さんは戸松さんと死生観のことについてきちんと話し合い、それによって目前に差し迫っているであろうご自身の最期に対して前向きな気持ちを持つに至りました。

エンディングノートを書く

終活では欠かせない文具となっているのがエンディングノートですが、金子さんもまたエンディングノートを残していました。

ただ、正確には亡くなる1ヶ月ほど前から、自らが連載を手がけていた雑誌『女性セブン』の連載担当者と相談をしながら、死を前にして流通ジャーナリストとしてのご自身が考えていることを単行本という形で出版したというものでした。

ただし、単に仕事人としての考えや思いだけでなく、死の準備にまつわることや最愛の奥さんを残していくことに対する葛藤といった1人の人間としての思いもつづられました。
その集大成が、後で触れることになる『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』でした。

お葬式の手配

金子さんの終活の取り組みの中で最もクローズアップされるのが、ご自身の葬儀の準備に関することです。
というのも、極めて細かいレベルに至るまでご自身の気持ちを反映した内容となっていたためでした。

葬儀場や葬儀屋の手配

まず、葬儀の会場や葬儀屋の手配が挙げられます。
葬儀屋の手配に関しましては、先ほども触れたセレモニーみやざきの宮崎美津子さんに依頼し、葬儀の段取りについてプランを詰めていきました。

そして、葬儀の会場もその宮崎さんの紹介で東京タワーに近い心光院と決めました。
これには、金子さんにとっても大好きで思い出深い場所であるという意思が反映されていました。

お葬式の進行の手配

単に葬儀の会場を前もって決めていたというだけでなく、お葬式の具体的な進行のことまで手配していたのが金子さんの葬儀に関する準備の特徴であるといえます。

まず、お葬式そのものの司会進行は亡くなる1ヶ月ほど前に友人のDJであるケイ・グラントさんに依頼しました。
また、生前にご自身が出演したバラエティ番組を再編集したものを作っておき、お通夜の最中に50インチの画面に映して流すことで、賑やかな雰囲気で進むように準備をしました。

ご遺影の撮影

金子さんの葬儀に関しては、遺影についても細やかな部分まで行き届いていました。
生前にご自身の遺影を撮影しておいたのですが、その際にはトレードマークであったオレンジ色のネクタイとメガネをつけた姿で撮影に臨みました。

ちなみに、死装束のほうもオレンジ色の眼鏡とネクタイをつけた状態で、かつ仕事着であったセミオーダーのスーツを着た状態となっていました。
このほか、棺には夫婦の旅行の際の写真や大好きだったセブンイレブンのメロンパンが一緒に納められました。

参列者へのお礼の手紙

金子さんの葬儀の際には、ご自身の葬儀に参列した方へのお礼の手紙も配られました。
そこには仕事でかかわった方々への感謝とお詫びの気持ちや、41歳で亡くなることに対する前向きな気持ちなどがつづられていました。

また、文面もユニークさに富んでおりご自身の早い最期について「早期リタイヤ制度の使用」と表現するなど、あくまでも雰囲気をしんみりとしないような心がけがされていました。

葬儀の費用について

実は金子さんは、葬儀に先立ってそのための費用の200万円を生前の段階で見積もって準備していました。
そして、それを前もって奥さんの口座に移しておくことで、亡くなった後にご自身の口座が使用できなくなる状態に対処しました。

仕出しの料理のこと

一般的に葬儀の際には参列者に仕出しの料理がふるまわれますが、金子さんは生前の段階でその細かい部分についても決めていました。

具体的には、仕出し料理の内容としてにぎり寿司やオードブル、煮込み料理というようにメニューまで決めていました。

お墓・戒名の手配

終活の取り組みでもよく取り上げられるのがお墓や戒名のことですが、金子さんの場合は葬儀の会場を探す段階で埋葬される場所のことも考えていました。

その点については、葬儀の会場を宮崎美津子さんに相談した折に、葬儀を執り行う場所とともに埋葬場所として心光院の境内にある共同墓地を紹介されました。

この場所選びに関しては、金子さんご自身が思い出深く大好きだった東京タワーに近いからという理由は先ほど触れましたが、それに加えて心光院の共同墓地が夜間でも訪問可能な場所であることと、近くに見える東京タワーを見上げるたびにご自身のことを思い出してほしいという気持ちも込められていました。

また、お子さんがおらず、ゆくゆくは奥さんも同じお墓に入れるようにということで夫婦墓を選んだという事情もあります。

戒名もすでに生前の段階で決めてあって、「慈雲院殿應救哲心居士(じうんいんでんおうきゅうてっしんこじ)」というものとなりました。

遺言書の作成

亡くなる前、金子さんは遺言書も作成しております。
それも、単なるメッセージとしてではなくちゃんと形式に則った公正証書遺言(法的効力を持つ遺言書)という形でした。

その内容はご自身が亡くなった後に残されるお金のことがメインで、お金のことでトラブルにならないようにその使い方についてあらかじめ細かく決めておいたことが記されていました。
また、ご自身が亡くなった後に奥さんがお金のことで困らないようにという配慮の表れでもありました。

没後の出版の準備

エンディングノートの項目でも記しましたが、金子さんは亡くなる1ヶ月前に、ご自身が連載をしていた雑誌『女性セブン』の連載担当者とともに流通ジャーナリストとして、また1人の人間としてのご自身の思いや考えをつづった本の出版準備を進めていました。
しかも、出版時期や本の印税のことまで考えていたほどです。

こちらについてもやはりご自身が亡くなった後でも残される奥さんが生活に困らないようにという配慮であるという点が理由として大きいといえます。

終活経験者の金子哲雄さんが書いた本

本

金子さんが生前にまとめ、亡くなった後に出版されたのが僕の死に方 エンディングダイアリー500日です。

この書籍には難病や余命を宣告されてから終活に取り組み始めたいきさつや、そこに至るまでの悲しみや苦しみ、奥さんを残していくことへの葛藤などがつづられています。
また、40代という若さで死ぬことがどういうことかや、終活の中で奥さんに何を残せるかということなど、ご自身が終活に取り組む中で知ったこと感じたことなどが多く記されています。

この書籍は、現時点で終活に取り組んでいる方だけでなく、まだ若くてとても終活とは縁遠いような若い年代の方に、いかにして最期というものについて前向きに向き合うかを知るうえでおすすめといえます。

金子哲雄さんの終活についてまとめ

人々

流通ジャーナリストの金子哲雄さんの非常に参考となるような終活についていろいろと見てきました。
まとめると以下のようになります。

  • 金子哲雄さんは1971年生まれで、幼少時の趣味がきっかけで流通ジャーナリストを志すようになった。大学卒業後に石油会社に入社するも、その後コンサルタントとして独立し、1999年から流通ジャーナリストとして本格的に活動した人物である。
  • 金子さんが終活に取り組むようになったきっかけは難病である肺カルチノイドに侵されたことによる。そこで、やがて来るであろうご自身の最期や亡くなった後の奥さんのことを考えるうちに、終活に取り組むようになった。
  • 金子さんが終活で取り組んだ内容は非常に多岐で、かつ細かいレベルにまで及んでいる。専門家に葬儀やお墓のことを相談したり、葬儀やお墓の手配、正式な遺言書の作成、没後の書籍の出版などが挙げられる。
  • 金子さんが亡くなる前に記した書籍に僕の死に方 エンディングダイアリー500日が挙げられる。終活に取り組むようになったいきさつやそれにまつわる気持ちの変化、奥さんへの思いなどがつづられており、現在終活に取り組んでいる方だけでなく比較的若い世代の方にもおすすめの一冊である。

金子さんの終活はさまざまな点で細かいところにまで及んでおり、そのために「完璧な終活」や「見事な終活」という表現もされます。
その原動力となったのは、ご自身の最期に対する前向きな態度や、何よりも後に残される奥さんを思う気持ちにあるともいえます。

終活に取り組むということであれば悔いが残らないようにするという意味で、金子さんの取り組んだ終活はモデルケースにもなりえるのではないでしょうか。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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