おひとりさまの終活に関する準備や制度についてわかりやすく解説!

独身の人間を意味する、いわゆる「おひとりさま」は今や年代を問わず多く見られます。そのおひとりさまでも終末期を迎える中で終活に取り組む方々は多いです。おひとりさまが終活を行う際にはどのような準備が必要で、またそれを支援する制度にどのようなものがあるのでしょうか。

目次

  1. おひとりさまの終活について
  2. おひとりさまと終活って何?
  3. おひとりさまの葬儀やご遺骨はどうなる?
  4. おひとりさまの終活の準備
  5. おひとりさまの終活に適応される制度
  6. おひとりさまの終活に関する本
  7. おひとりさまの終活まとめ

おひとりさまの終活について

人々

近年では、終末期を迎えた年配の方々を中心に、残された人生の期間を前向きに過ごしたり、亡くなった後に向けた準備をしたりするための終活がブームとなっています。

ご年配の方といえば、今では何らかの理由で独身の状態となっているいわゆる「おひとりさま」も増えています

おひとりさまはご年配以外の年代でも多く見られます。
しかし、ご年配のおひとりさまの場合、多くは長年連れ添ったパートナーの方との死別が原因でなったほか、近年では熟年離婚が原因でなったという方も少なくはありません。

いずれにしても、ご年配のおひとりさまであれば一人暮らしで今後のことをじっくり考える時間がある分、2人そろって健在であるご年配の夫婦以上に、何かあった時への備えをきちんとしておく必要があるともいえます。

そこで今回は、おひとりさまが取り組む終活がどのようなものかについてご紹介していきます。

なお、今回の記事は、

  • おひとりさまと終活とはどのようなものか?
  • おひとりさまの場合、葬儀やご遺骨はどうなるのか?
  • おひとりさまのやる終活の準備とはどのようなものか?
  • おひとりさまの終活に適応される制度にはどのようなものがあるのか?
  • おひとりさまの終活に関する本とは?

の5つのポイントを中心に話を進めていきます。

おひとりさまと終活って何?

人々

そもそも、おひとりさまと終活って何なのか、気になる方も多いと思います。
まずは、おひとりさまと終活にについてどういうものかについてをそれぞれ簡潔に見ていきましょう。

おひとりさまとは

おひとりさまとは、本来は「婚期を逃した独身の女性」を意味する言葉で、特に自立した女性で、自分らしく悠々自適に生きている人物のことを指しましたが、現在では性別に関係なく独身の状態の人間を指します。

「おひとりさま」という言葉が世間一般に知れ渡ったのは、2009年にTBS系列で放映された同名のテレビドラマがきっかけです。

現代社会ではパートナーとの離婚や死別、さらに理想的な相手が見つからないといったさまざまな理由で独身で一人暮らしをしている方が少なくありません。
さらに、65歳以上のご年配の方の中にもおひとりさまが急増しているという状態です。

終活とは

終活とは、人生の終末期を迎えた人や、迎えつつある人がこれからの人生について考え、最期まで有意義かつ幸せに生きるために行う活動を指します。

2010年ごろから行われるようになり、今では世間で広くブームとなっており、取り組む人も増加傾向にあります。

イメージとしては亡くなった後に備えてお墓や葬儀の準備をするといったことが挙げられますが、終末期を前向きに生きるための身辺整理やエンディングノートの作成なども含まれます。

おひとりさまの葬儀やご遺骨はどうなる?

葬儀

ご年配のおひとりさまは身寄りとなるご家族と離れているか、もしくは身寄りすらいない状態で一人暮らしをしています。

このため、健康面で何か起こった場合、対処が遅れて孤独死という形で亡くなってしまう場合も少なくありません。

孤独死などで亡くなった場合、葬儀やお墓、ご遺骨の引き取りといった面でいろいろと問題が発生してきます。
ここでは、おひとりさまの葬儀やご遺骨の問題について見ていきましょう。

葬儀から納骨までの流れ

次に、葬儀から納骨までの流れについて解説します。
おひとりさまの状態で孤独死した場合、もし身寄りのご家族がいるのであれば、その方たちがうまく葬儀から納骨までを執り行ってくれる場合があります。

しかし、そうでない場合は、まず一般的な葬儀が行われません。
行旅病人及行旅死亡人取扱法という法律に基づいて、その方が亡くなった土地の自治体の手で火葬のみが行われます。
ただし、一般的な葬儀ではないため、僧侶の方による読経などは一切ありません。

おひとりさまのご遺骨

さて、そうなると火葬が終わった後にのおひとりさまのご遺骨はどのようになるのであ証か?

まず、ご親族の方がいる場合であればその人たちのもとに返還されます。
しかし、そうでない場合は自治体の方で一定の管理期間(約5年間)ほど保管し、それを過ぎると無縁仏という扱いで無縁塚に埋葬されます。

なお、一度無縁塚に埋葬されたご遺骨は2度と取り出すことができません

おひとりさまの終活の準備

人々

ここまで見てきたように、おひとりさまが孤独死した場合は、ほとんど自治体の手によって火葬とご遺骨の保管、埋葬が行われますが、もしできればご自分らしい最期を迎えたいと思う方が多いのではないでしょうか。

そこでここではおひとりさまがするべき終活の準備についていろいろと見ていきましょう。

家族や友人とコミュニケーションをとる

まず、ご家族やご友人とのコミュニケーションは必要不可欠です。
孤独死が起こる要因として大きいのが、周りとのコミュニケーションの不足によるものです。
そして、孤独死した場合、身寄りとなる方々がいないために葬儀やお墓などもすべてご自分の遺志の反映されない形で行われます。

孤独死を避けるためには、あらかじめ元気なうちにご家族やご友人とよくコミュニケーションを取っておくことが大切です。
そうすれば、ご自身に何かが起こった場合でも気づいてもらえる確率が高まり、それが孤独死を防ぐことにつながります。

葬儀や相続の相談を事前にしておく

同時に信頼できるご家族やご友人、専門家の方などにご自身の葬儀や相続の件について相談しておくのも大切なことです。
ご年配の方はただでさえいつ最後が訪れるのかがわからないうえ、孤独死した場合は機械的に火葬のみの葬儀などが行われるため、そこにご自身の遺志は反映されません。

また、財産などを残したまま孤独死した場合、どのようにすればよるかという遺志が不明確な場合、相続を巡るトラブルのもとになってしまいます。

このようなことを防ぐには事前に信頼に足る方たちに葬儀や相続の相談をしておき、どのような葬儀やお墓を希望しているか、また残るであろう資産をどのように相続したり処理したりしたいのかを伝えておくことが大切です。

遺言書やエンディングノートを書いておく

信頼に足る方たちへの相談と並行して行うべきこととして、遺言書やエンディングノートを残しておくことも大切です。
ご家族やご友人などに口頭で伝えても、時が過ぎるとともに内容に対する記憶があいまいになり、結果的に本来の希望がかなえられなかったということにもなりかねません。

だからこそ、文字という形で残しておくことで、葬儀や相続などに関する希望を明確に伝えることができ、それがご自身の希望通りの葬儀などが行われることにもつながります。

不用品は断捨離しておく

身辺整理を通じて不用品を断捨離するなどの作業も必要です。
おひとりさまが孤独死しした場合でよく問題になるのが遺品などの整理をどうするかという問題です。

孤独死した場合、ご遺族がいてもこれらの遺品をきちんと処分するには心身ともに相当な負担がかかってしまいます。
ましてや、身寄りのいない場合であればそのまま放置されて、ものによっては衛生的な問題にまでなりかねません。

これらの状態を防ぐためにもご自身が元気なうちに不用品はきちんと処分しておくことが大切です。

おひとりさまの終活に適応される制度

建物

おひとりさまが増えている現在、おひとりさまを支援するための制度を知っておくことはいざという時に備えるうえでも非常に重要なことです。

ここでは、おひとりさまの終活に適応される制度について簡潔に紹介しておきます。

成年後見人制度

成年後見人制度は、主に自らの財産管理や介護・医療関係の手続きについて、自身で管理できる能力が何らかの理由で衰えるなどしている場合、別の方が成年後見人としてご本人に代わって管理などを行うことができる制度です。

大きく分けると法定後見制度と任意後見制度とがあり、おひとりさまにとって一般的なのが任意後見制度となります。

任意後見契約

任意後見契約とは、任意後見制度に基づいて成年後見人と取り交わされる事務契約を指します。

財産などに対する将来の判断能力が不十分であった場合、特定の信頼のおける方を代理人として指名したうえで、財産管理や介護・医療関係の手続きなどの代理権を与えるというものです。

契約は公正証書の形で結ばれ、必要な場合に必要な支援・保護を受けることができます。

任意代理契約

任意代理契約は判断能力がある状態であっても、特定の信頼できる人を代理人に指名し、その方に財産の管理や万が一の際の手続きを代わりにやってもらえるようにするための契約のことです。

任意後見契約がご本人の判断能力が不十分であると認められた段階で効力を持つのに対し、こちらは現時点で判断能力があっても将来的にどうなるかわからないからという理由でも結ぶことができます。

なお、この契約は任意後見制度によるものではなく、通常の委任契約という扱いとなります。

死後事務委任契約

死後事務委任契約は、身寄りのない方などがご自身の亡くなった時に備えて、その際の事務的な手続きを信頼できる他の人に依頼することができるという契約のことです。

この契約を結んでいることによって、亡くなった際の死亡届の提出や火葬・納骨などの手続きといった事務的な手続きをこの契約を結んでいる方に委任することができます。

おひとりさまの終活に関する本

本

次に、おひとりさまの終活に関する本について紹介します。
おひとりさまの終活について事前にいろいろと知っておきたい場合は、それに関する本を読んでおくこともおすすめです。

特に要点をつかみやすいのが、中澤まゆみ氏の「おひとりさまの終活―自分らしい老後と最後の準備」という本です。

この本では、老後のおひとりさまの生活上の問題(住まいや年金、介護・医療)から、亡くなった際の葬儀などに至るまでを網羅した、いわばご年配のおひとりさまが終活の中で知っておくべきことややっておくべきことに関する情報が多く載っています。

最新の情報についても載っているため、おひとりさまの終活について考えたり行動したりする際には欠かせない本です。

おひとりさまの終活まとめ

人々

おひとりさまの終活についていろいろと見てきましたが、いかがでしたか?
今回の内容をまとめると、以下のようになります。

  • おひとりさまとは、独身の男女を指す用語で、現代ではさまざまな理由で急増しており、65歳以上の世代の中でも増えてきている。終活とは、人生の終末期を迎えた人や、迎えつつある人がこれからの人生について考え、最期まで有意義かつ幸せに生きるために行う活動を指す。
  • おひとりさまが孤独死した場合、葬儀は火葬のみがとりおこなわれ、そこに読経などは伴わない。ご遺骨についても5年間ほどは役所の方で保管するが、それでも引き取り手が現れない場合は無縁塚に埋葬される。
  • おひとりさまが終活の準備の際にとることのできる方法として、ご家族やご友人などとコミュニケーションを取ったりしておくことや、葬儀などについて事前の相談をしておくこと、エンディングノートや遺言書の作成、そして不用品の整理が挙げられる。
  • おひとりさまの終活で適用できる行政上の制度として、成年後見人制度(任意後見契約)や任意代理契約、死後事務委任契約が挙げられる。
  • おひとりさまの終活にまつわる本の代表格として、中澤まゆみ氏の「おひとりさまの終活―自分らしい老後と最後の準備」がある。

現代社会では核家族化やコミュニティの希薄化などが原因で、年配の方であっても一人暮らしをするということが珍しくなくなってきています。
そして、人間関係が希薄になりがちであるために、孤独死するおひとりさまも少なくなく、時折ニュースなどで取り上げられることもあるほどです。

だからこそ、おひとりさまが万が一に備えて終活しておくことは、いつ訪れるかわからない最期を有意義に、かつ自分らしく迎えるうえでも非常に大切です。

おひとりさまの終活を考えている方はぜひこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。

「おひとりさま・終活」に関連する記事

「おひとりさま・終活」についてさらに知りたい方へ

この記事に関するキーワード

ランキング

よく読まれている記事です

  • 終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!のサムネイル画像

    終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!

    終活のことを調べた時にエンディングノートという言葉を目にする方も多いのではないでしょうか?エンディングノートとはいったい何のことでしょう。そこでこの記事では、終活に使うエンディングノートの意味と書き方などをご紹介します。

    1
  • 20代から始める終活?20代から行う終活の意義・内容とはのサムネイル画像

    20代から始める終活?20代から行う終活の意義・内容とは

    近年よく耳にするようになった「終活」という言葉。20代から終活を始めるという人もいるのです。20代から終活を始める意義とは何なのでしょうか?どのような内容にすればよいのでしょうか?20代からの終活について考えてみましょう。

    2
  • 終活で今話題の墓友って一体何?墓友の探し方や注意点も紹介!のサムネイル画像

    終活で今話題の墓友って一体何?墓友の探し方や注意点も紹介!

    今、終活で話題になっている墓友と言う言葉をご存知ですか。墓友とは、さまざまな事情から一人でお墓に入る予定の人が集まり、永代供養墓などに一緒に入る友達のことを言います。仲の良い友達とお墓に入ることは終活でお墓を考えるとき、新しい形態と言えるでしょう。

    3
  • 今のうちにやっておきたい終活準備について紹介します!のサムネイル画像

    今のうちにやっておきたい終活準備について紹介します!

    最近では終活準備を行う方が多くなってきています。自分も終活準備を行いたいと思っているけど何から始めたらよいかわからないという方もおられることでしょう。そこで終活で何を準備すればよいのかなどを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

    4
  • 終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介しますのサムネイル画像

    終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介します

    終活という言葉は定着したものの、ご自分の終活の取り組みは何から始めればよいのか?迷ってしまう方は多いかもしれません。そんな時におすすめなのが終活セミナーです。この記事では終活セミナーの内容や主な開催団体について詳しく紹介します。

    5

シェアする

関連する記事

「おひとりさま・終活」についてさらに知りたい方へ

老後のおひとりさまの終活って?やることや注意点についてもご紹介!のサムネイル画像

老後のおひとりさまの終活って?やることや注意点についてもご紹介!

【おひとりさま】の女性は老後の資金をどうすればいいの?のサムネイル画像

【おひとりさま】の女性は老後の資金をどうすればいいの?

一人暮らしの終活の方法や孤独死を避ける方法についても紹介します!のサムネイル画像

一人暮らしの終活の方法や孤独死を避ける方法についても紹介します!

孤独死したらお墓には入れるの?生前から出来る準備を紹介しますのサムネイル画像

孤独死したらお墓には入れるの?生前から出来る準備を紹介します

終活を始める年齢っていつがいいの?若い年齢でできる終活も解説!のサムネイル画像

終活を始める年齢っていつがいいの?若い年齢でできる終活も解説!

終活で取り組む内容ってどんなものなの?注意点とともに解説しますのサムネイル画像

終活で取り組む内容ってどんなものなの?注意点とともに解説します

独居者の終活は何をする?生前予約や死後委託制度について解説しますのサムネイル画像

独居者の終活は何をする?生前予約や死後委託制度について解説します

終活ですることって一体何?終活をすることのメリットとあわせて紹介のサムネイル画像

終活ですることって一体何?終活をすることのメリットとあわせて紹介

終活にはどんな種類があるの?種類やその方法について徹底解説!のサムネイル画像

終活にはどんな種類があるの?種類やその方法について徹底解説!

今話題の終活について、メリットや注意点についてわかりやすく解説!のサムネイル画像

今話題の終活について、メリットや注意点についてわかりやすく解説!

人気のキーワードの記事一覧

キーワード記事一覧へのリンクです

ランキング

よく読まれている記事です

終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!のサムネイル画像

終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!

1
20代から始める終活?20代から行う終活の意義・内容とはのサムネイル画像

20代から始める終活?20代から行う終活の意義・内容とは

2
終活で今話題の墓友って一体何?墓友の探し方や注意点も紹介!のサムネイル画像

終活で今話題の墓友って一体何?墓友の探し方や注意点も紹介!

3
今のうちにやっておきたい終活準備について紹介します!のサムネイル画像

今のうちにやっておきたい終活準備について紹介します!

4
終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介しますのサムネイル画像

終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介します

5

関連する記事

「おひとりさま・終活」についてさらに知りたい方へ

老後のおひとりさまの終活って?やることや注意点についてもご紹介!のサムネイル画像

老後のおひとりさまの終活って?やることや注意点についてもご紹介!

【おひとりさま】の女性は老後の資金をどうすればいいの?のサムネイル画像

【おひとりさま】の女性は老後の資金をどうすればいいの?

一人暮らしの終活の方法や孤独死を避ける方法についても紹介します!のサムネイル画像

一人暮らしの終活の方法や孤独死を避ける方法についても紹介します!

孤独死したらお墓には入れるの?生前から出来る準備を紹介しますのサムネイル画像

孤独死したらお墓には入れるの?生前から出来る準備を紹介します

終活を始める年齢っていつがいいの?若い年齢でできる終活も解説!のサムネイル画像

終活を始める年齢っていつがいいの?若い年齢でできる終活も解説!

このページの先頭へ

終活ねっと 〜マガジン〜  Copyright© 株式会社 終活ねっと