公務員が退職した時、年金の扱いはどうすればいいの?

公務員は在職中に共済年金に加入しています。したがって公務員を退職する際には共済年金の資格喪失をすることになります。資格喪失をすると今後の年金はどうなってしまうのでしょうか?退職後に必要な手続きについて具体的にご紹介します。

目次

  1. 公務員が退職すると年金はどうなる?
  2. 共済年金と厚生年金の一元化
  3. 退職したら種別の切り替えが必須
  4. 公務員が退職したときの特例免除
  5. 公務員の定年退職の年齢
  6. 公務員の退職後の年金についてまとめ

公務員が退職すると年金はどうなる?

人々

公務員の方が退職をすると、退職をした日の翌日をもって共済年金の資格を喪失するのをご存知でしょうか?

つまり、これまで分類されていた第2号被保険者から第1号被保険者へと切り替わることになります。

これには、どのような手続きを踏むことになるのでしょうか?

今回は公務員の方が退職される時に必要な年金の切り替え手続きをテーマに、以下の4つのトピックをご紹介します。

  • 年金一元化ってなに?
  • 公務員の退職に年金切替は必須!
  • 公務員への特例免除について
  • 公務員の退職年齢は何歳?

年金切り替え手続きは公務員から退職をする皆さんに必須となる手続きです。
規定上は、退職の日から一定の期間内で手続きを完了する必要があります。
慌てることのないように終活ねっとで手順を把握しておきましょう!

共済年金と厚生年金の一元化

お金

平成27年10月より、共済年金と厚生年金が一元化されることになりました。
年金の支給・年金記録の管理・適用徴収業務などの業務は従来通り共済組合で行われます。

これまで、共済年金と厚生年金の間には制度の格差があり、この格差は「官民格差」と批判の対象とされており、この問題を解決すべく年金の一元化が実現されました。

共済年金とは?

共済年金とは公務員が加入する公的年金のことを指します。
共済年金は個人の職域によって大きく以下の3つに分かれます。
他にも共済組合は存在しますが、新規加入を停止しています。

  • 国家公務員共済年金(国家公務員)
  • 地方公務員共済年金(地方公務員)
  • 私立学校教職員年金(私立学校の教職員)

給付の内容は「退職共済年金」「遺族共済年金」「障害共済年金」の3種類です。

名称の違いはありますが、厚生年金にも同じ役割のものはあります。
このことから、公務員が加入する共済年金は会社員が加入する厚生年金と同じ役割を担う年金であることがわかります。
しかし、共済年金には「職域加算」というものがあります。

職域加算とは?

共済年金の特徴である職域加算とは年金の上乗せ制度と呼ばれており、このような制度は厚生年金にはありません。

この職域加算は年金の一元化に伴って廃止されましたが、年金払い退職給付という名称に変更されて継続されます。
終身支給が特徴であった職域加算と比較すると年金払い退職給付の場合は終身支給部分と有期支給の併給となるため、従来よりは水準が低下することになります。

共済組合員の保険料率の増加

一元化されたといっても共済組合がなくなったわけではありません。
したがって、これまで個別に扱われてきた厚生年金と共済年金との間には保険料率の違いがうまれることになります。
平成21年の財政再計算結果による見通しでは、保険料率を毎年0.354%ずつ増加させながら、平成35年以降には19.8%で一定となり、それぞれの均衡が保たれる予定でした。

しかし、平成27年に被用者年金一元化法が交付されてからは、この保険料率引き上げスケジュールが法律に位置づけられ、公務員は平成30年に、私立教職員は平成39年に18.3%で統一されることになりました。
厚生年金は平成29年に18.3%となります。

転給制度の廃止

共済年金には遺族年金の転給制度というものがありますが、年金の一元化に伴って転給制度が廃止されることになりました。
ところで転給制度とはどのような制度なのでしょうか?

共済年金に加入する公務員が死亡すると、遺族へ遺族共済年金が支払われることになります。

この遺族共済年金は先の受取順位者が死亡などで失権した場合に次の受取順位者に権利が移る性質を持っていました。
これこそが転給制度となります。

一方、厚生年金にはこのような制度がありません。
したがって一元化に伴い転給制度が廃止されることになりました。

退職したら種別の切り替えが必須

困った人々

公務員が退職をするとそれまで分類されていた第2号被保険者から第1号被保険者へかわることになります。
では、再就職した場合はどうなるのでしょうか?

また、定年を迎えて退職した場合と定年以外で退職した場合に違いはあるのでしょうか?
切り替えの手続きについてもチェックしておきましょう。

定年退職後の年金種別切り替えについて

定年を迎えて公務員を退職した場合について例を挙げながら説明します。
ここでは、公務員:夫60歳、被扶養配偶者:妻55歳 という設定で説明します。

再就職しないケース

再就職しないケースについてお話します。
まず、夫が公務員を定年退職した場合、夫は第2号被保険者から第1号被保険者となります。
これに伴ってこれまで扶養されていた妻も第1号被保険者となります。

ここで夫は保険料の支払いが終わって一段落つくわけですが、55歳の妻には国民年金保険料の支払い義務が生じます。
定年する時に想定しておかなくてはいけない大きな出費です。

再就職するケース

再就職するケースについてお話します。
定年退職後に再就職などで仕事をする方は、引き続き、社会保険や厚生年金に加入することになりますので、第2号被保険者のままとなります。

この場合、扶養の妻も引き続き、第3号被保険者となるため、保険料の支払いは必要ありません。
しかし、勤務状況によって社会保険に加入できない場合や自営業者となる場合は再就職をしないケースと同様に国民年金保険料の支払いが必要になります。

途中退職後の年金種別切り替えについて

続いて、定年以外で退職した場合について説明します。
公務員の方が退職すると、退職をした翌日で共済年金の資格を喪失します。
定年退職の時同様に第1号被保険者へと切り替わって国民年金保険料の支払い義務が発生することになります。
※配偶者が厚生年金に加入しており、その被扶養者になる場合は厚生年金へ切り替えをします。

国民年金への切り替え手続きには期限があります。
必要なものは以下の通りです。
退職をしたら出来るだけ早めに手続きをするようにしましょう。

  • 手続き期限…退職した日から14日以内
  • 手続き場所…住まいのある市区町村の国民年金窓口
  • 必要なもの…年金手帳・印鑑・離職票・身分証明書

種別変更の手続きをしなかったらどうなる?

公務員の退職に伴う年金種別の切り替えを行わない場合どうなるのでしょうか?
これまでにご紹介してきた手続きは自分で手続きをしない限り、自動で手続きが完了するものではありません。

日本では、20歳以上60歳未満の方であれば必ず第1・2・3号被保険者のいずれかに該当します。
そのため、この手続きをしないままで放置していると、「必要な手続きを経た支払いを開始していない国民年金の滞納者」ということになってしまいます。

手続きを期限内に行わない場合でも国民年金保険料の支払い義務は発生していますので、いずれ支払い請求を受けることになります。
長期間滞納があると滞納分の大きな金額をまとめて請求される可能性がありますので注意しましょう。
また、年金には免除や猶予という制度も用意されていますので、切り替えの際に相談されてみてください。

公務員が退職したときの特例免除

お金

公務員を退職して収入がなくなると、退職による特例免除の申請が可能になります。

特例免除の詳細

では特例免除の詳細についてお話します。

特例免除とは、国民年金保険料の全額免除を受けることが出来るものですが、免除されていた期間の年金部分は年金額が半分になります。

ご自身の状況を考慮しながら検討してください。

退職に伴う特例免除で審査対象になるのは世帯単位での収入です。
同居している家族に収入がある場合は世帯としての収入がゼロではありませんので、全額免除にはなりません。
このようなケースの場合は、夫婦間でなければ世帯分離をすることで全額免除が可能になります。

国民年金保険料の免除申請を行うと、1~2ヶ月後に年金事務所から免除決定の通知が届きます。
まれに免除決定の通知が届く前に年金の納付書が送付される場合がありますが、免除された期間については支払いの必要がありませんので、期間を確認して該当する部分は破棄して構いません。

特例免除の手続きに必要なもの

特例免除の手続きは住まいのある自治体の窓口で行います。
必要なものは以下の通りです。

  • 年金手帳
  • 源泉徴収表
  • 人事異動通知書
  • 身分証明書
  • マイナンバーカード
  • 印鑑

特例免除の更新

免除期間の単位は1年度単位となっています。
ここでいう年度とは免除等の申請が可能な期間のことで、7月から翌年の6月までです。
免除を受けている方は毎年7月に更新をすることになります。

特例免除の追納

国民年金保険料の免除や猶予を受けた部分の保険料に関して、10年以内であれば追納することができます。
追納とは保険料の後払いのことを指します。

公務員の定年退職の年齢

人々

公務員といってもさまざまな職域があります。
職域によって定年する年齢は異なります。
長い場合、裁判官の70歳から自衛官の53歳までとその差は小さくありません。

高齢化で国内の労働人口の減少は加速しつつあります。
これには労働力を効果的に増やす対策が必要といわれており、定年期間の延長が指摘されています。
また、年金制度にあわせた定年退職年齢の引き上げの可能性もあります。

公務員の定年退職について詳しいことは以下の記事を参考にしてください。

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公務員の退職後の年金についてまとめ

お金

今回は公務員の退職に伴う年金の取り扱いについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
以下にまとめたポイントでおさらいしておきましょう。

  • 共済年金は厚生年金と一元化された
  • 公務員を退職したら必ず種別切り替えをする
  • 公務員退職後の特例免除を活用する
  • 公務員の退職年齢は今後変更になる可能性も

日本の年金制度は老後の暮らしや事故で障害をおった場合、働き手を失った家庭など国民一人ひとりの生活を国民みんなで支え合う制度です。

予測困難な自分の将来や経済変動にも対応して水準が変わるため、老後の安定した生活の礎となります。
老後の生活に必要なお金を考えることも終活の一つとされています。

手続きに疑問があるときはいつでも終活ねっとで確認することができます。
制度や手続きを正しく理解して、人生の思わぬアクシデントに備えておきましょう。

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