正月はお墓にも松を飾っていいの?正月のお墓参りについて

お正月になると門の前に門松を建てますが、地方によってはお墓にも松飾をするところがあるようです。お正月は神道の行事だからお墓に松飾はおかしくない?と思われるかもしれませんが、ここではお正月のお墓参りにに関して説明します。

目次

  1. お墓に飾る松について
  2. そもそもなぜ正月に松やお花を飾るのか
  3. 松をお墓に飾ってもいいの?
  4. 正月にお墓参りをしてもいいのか
  5. お墓に飾る松まとめ

お墓に飾る松について

お墓

お正月にお墓に松を飾る風習があるのをご存知ですか?
「えっ?お正月の松飾りは門松であって、それは家の門に飾るものでしょ」と、ほとんどの方は思われるかもしれません。
しかし、現在でも年末に墓掃除に行き、墓前に生花とともに松をお供えするご家族や地域は数多く存在しています。
実際に生花店でも正月用の墓前に飾る花として松を添えたセットも販売されているところもあります。

どうしてお正月の墓前に松を飾るのでしょうか?
そしてその松はどんな意味があるのでしょうか?

終活ねっとでは今回正月に飾る松の意味と、お正月の墓参りに関してお話していきます。

そもそもなぜ正月に松やお花を飾るのか

松竹梅

そもそもなぜ正月に家に松やお花を家に飾って盛大なお祭りをするのでしょう?
お正月の本来の意味を知れば、その理由もご理解いただけるかと思います。

正月はお盆と同じご先祖様をお迎えする行事

年末になるとこの家でも門松やしめ縄、鏡餅をを飾り、お正月を迎える準備を始めます。
そして元旦には初日の出を見て、初詣に出かけその年一年間の無事と幸運を祈ります。
この一連の行事を先祖代々の習わしとして行っていますが、お正月の本来の意味を皆さんはご存知でしょうか?

本来正月は歳徳神と呼ばれるその年の歳神様とご先祖様を家に迎え入れおもてなしすることで、一年の一家の安泰とその年の豊作を願う神道の行事なのです。

古代の日本ではお正月とお盆がご神様となった先祖様をお迎えするする二大魂祀りでした
正月は歳神様とご先祖様を迎えその年の豊作を祈り、お盆は先祖代々の魂を供養するものだったのですが、日本に仏教が伝来すると次第にその影響が強くなり、ご先祖様だけを供養するお盆は生死のも問題を重視する仏式で行うようになったのです。

さらに明治時代の廃仏毀釈によりお盆は仏教の行事、正月は神事の行事と完全に区別して祝うという認識が定着してしまったのです。

松は神様をお迎えする縁起の良い宿り木

その歳神様を家にお迎えするためには神様の寄り代が家になければなりません。
その寄り代とされているのが松や柏、榊といった古くから神の宿木とされている木々です。
特に松は「待つ」に通じることから、歳神様が迷わず家に入ってくれるようにその目印となる門松を家の門に設けるのです。

また正月には松竹梅を揃えて飾る習慣が生まれたのは中国の宋代に画題として頻繁に描かれた「歳寒三友」が由来で、松と竹は冬でも青々として枯れず不老長生を意味し、梅は寒くても春の到来を告げるため一番に花を咲かせることから大変おめでたいとされているからです。

また正月には南天や千両、万両、葉牡丹も飾られます。
南天は「難が転じる」、千両や万両はその名が示す通り昔のお金の単位なので招財、葉牡丹の色は「紅白」で牡丹の別名は「富貴花」と呼ばれることからやはりおめでたい花だからなのです。

このように正月に松やお花を飾るのは、迎え入れた歳神様に喜んでもらいたいからなのです。
正月は神道では「ハレ」の行事です。

神道では「ハレ」の日に盛大にお祭りをるのは神を喜ばせるためで、神様はおめでたいことを好み、そして神様が喜んで満足されるともてなした人に幸運を授けてくれると考えられているからなのです。

一休禅師の言葉に「門松は冥土の旅の一里塚」という言葉があることからも、門松は古くから魂の行き来を象徴するものと認識されていたのです。

松をお墓に飾ってもいいの?

困った人々

さて、本題に戻ろうと思います。

松の葉はご存知のとおりトゲ状になっているので、仏花として飾ってはならないとされるバラやボケと同じではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。
トゲは人を傷つけるため、トゲのある花は仏の慈悲の教えに反するというのがその理由です。

松をお墓に飾っても大丈夫

基本的には松をお墓に飾っても何ら問題ありません

確かに縁起や宗教的な所以からお墓に飾ってはいけない花はいくつか存在しています
仏前に備えてはならない草花の教えは密教の仏典で天台宗でも最重要仏典とされる大日三部経の一つである『蘇悉地経』に説かれているため、古くから僧侶の間で広く知られ民間にも流布するようになったのです。
なので特に年配の方や古いしきたりや風習を大切にする方にはこの点を非常に気にします。

しかしこの大日三部経が成立したのは現在の研究では紀元後7世紀のチベットであると考えられており、密教的な秘技を行うための経典であって仏教の開祖であるお釈迦様の直接の教えではないのです。
本来のお釈迦様の説いた仏教では生きとし生ける物に対して慈悲の心で接するので、あるものは良くてあるもの悪いなどといった差別はしません。
縁起が悪い花とされているものは迷信や語呂合わせや、生態からのこじつけなどがほとんどです。
お墓参りはご先祖様を供養する行為ですから、最終的には故人が好きで喜んでくれる花であったならば、墓前にどんな花を飾っても問題はないのです。

もちろん『蘇悉地経』に松を飾ってはいけないと直接説かれているわけではないわけですから、特別に気にする必要はないのです。
まして松は神の宿り木の役割ばかりではなく、冬でも枯れないため健康長寿や繁栄を意味する大変縁起の良い植物です。
縁起の良いものを飾ってご先祖様が気を悪くすることなどないでしょう。

しかし、宗派によっては忌む場合がありますので檀家となっている菩提寺に確認していただくことをお勧めします。

お墓の松飾りは家の松飾りと同じ

お墓は故人の終の棲家であり、生きている私たちからすれば普段の生活をしているの今の家と同じです。
お正月にこの世に生きている人が門松を建て歳神様を迎えその年の安泰を祝うのと同様に、故人であるご先祖様も新年をお祝いしてもらうのです。
ですからお正月にお墓に松をお飾りするのも、基本的に家に門松を設けるのと同じように行います

門松を設ける際には12月31日に飾るのは「一夜限り」となって慌てて用意した感じになりご先祖様や歳神様に対して大変失礼となるので避けるべきであるとされています。
また29日に飾るのも「二重苦」や「苦が待つ=九が松」に通じるため避けて方が良いとされます。
風習としては年末の13日から飾り始めて良く、29日と31日は避けて設けます。
現在は26日くらいから飾り始めるのが一般的です。

また1月15日の小正月は別名「松の内」と呼ばれています。
元旦から小正月までが歳神様やご先祖様を家にお迎えしておもてなしする期間で、お盆の送り火と同じように歳神様やご先祖様を見送りしたあとはお正月飾りはお焚き上げをして処分します。
1月15日に各地で「どんど焼き」が行われるのは、神が宿った木はありがたいものなのでそのお焚き上げの炎で焼いた餅には神の力が宿り、それを食べることで無業息災が得られると考えられているからです。

ですのでお墓に飾った松も小正月には処分されたほうが良いでしょう。

ただし喪中時は注意

ただし喪中にお墓に松を飾ることは厳禁です。

先ほども申し上げた通り、松は大変縁起が良いものです。
喪中は故人の冥福を祈りながら、静かな時間を過ごす期間です。
縁起を担いだり、まして祝い事をすることははご法度です。

正月にお墓参りをしてもいいのか

お墓

さて、話が前後してしまいますが正月のお墓に松を飾るということはお墓参りに行くということです。
おめでたい行事である正月にお墓参りをしても良いのでしょうか?

正月のお参りは問題ない

神道のお祭りである正月にお墓参りに行くの?と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし先程からご説明しているとおり、正月は古来ご先祖様をお迎えしねぎらう行事だったので、正月の期間にお墓参りに行っても何ら問題はありあません

また丁稚奉公が当たり前だった時代には、実家に戻れるのは正月やお盆ぐらしかありません。
年に一度あるかないかの休みなのですから、大切なご先祖様の棲家であるお墓に行けるのはこの機会しかない方も大勢いたのです。
地方によってはお墓に松飾りをしないまでも年末に墓掃除をして、お花をお供えし、ご先祖様と一緒に新年をお祝いする風習を残している数多く存在しています。

一年無事に過ごせたことの報告や感謝、また来年以降も平穏に過ごせることをご先祖様にお願いすることは大変すばらしい日本の習慣だと言えないでしょうか。

霊園・墓地は基本的に開いている

霊園や墓地は基本的に一年中開いています
しかし、管理をされている方は年末年始はお休みし、営業所が閉まっていたり一部施設が使えなかったり、また営業時間が短縮されている場合があります。
お正月にお墓参りをする場合には施設が使えるかどうか確認を入れ、施設が使えない場合はその代用となる生花やお水、清掃用具などを持って行った方が良いでしょう。

またお正月の墓参りは敷石などが凍ったり濡れていたりで滑りやすくなっています。
履物は普段から履きなれた滑りにくいものを用意した方が良いでしょう。

お墓に飾る松まとめ

お墓

如何でしたでしょうか。
正月に松を飾る風習があるのは正月本来の意味に関係していたことがご理解いただけたかと思います。
最後にお正月とお墓に飾る松の関係についてまとめておきます。

  • お正月は本来お盆と同じご先祖様を家にお迎えしてその年の安泰と幸福をお祈りする行事でした。お正月を神式で、お盆を仏式で行事を行うと区別して認識されるようになったのはつい最近の明治時代の政策が影響しています。
  • お正月に松を飾るのはおめでたいことなので問題はありません。ただし宗派や地域によって正月の墓参りや松飾りを忌む場合があるので、檀家となっている菩提寺に確認することが必要です。
  • お正月にお墓参りをすることは問題ありません。地域によってはむしろ推奨されたりお正月にお参りする期日が決められているところもあります。
  • お正月のお墓参りは霊園や墓地は開いていますが、営業所が閉まっていたり営業時間が短縮されていたりする場合があります。事前に営業所に確認を入れておくことをおすすめします。

お正月は単に新年を祝う行事ではなく、歳神様やご先祖様をおもてなしする行事で、松は歳神様やご先祖様をお迎えしおもてなしする縁起の良いものだったのです。
お正月にお墓参りをして松を飾ればきっとご先祖様も喜んでくれることでしょう。

以上、長い間ご拝読頂きありがとうございました。

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