死亡後の年金受給や停止の手続きを一挙確認しましょう!

ご家族が亡くなられた時には様々な手続きが必要ですよね。 例えば死亡後受けとっていた年金はどうなるでしょう? そこで年金受給者の死亡後の手続きや遺族年金について解説します。 また税金の手続きや相続についても解説しています。 ぜひ最後までお付き合いください。

目次

  1. 死亡後の年金手続きについて
  2. 遺族の死亡後に必須の手続き
  3. 遺族の死亡時に受け取れる給付
  4. 死亡後4ヶ月以内に準確定申告
  5. 相続に関連する死亡後の手続き
  6. その他、死亡後に必要な手続き
  7. 死亡後の年金について〜まとめ〜

死亡後の年金手続きについて

お金

皆さんは、大事な方々が亡くなられた後に、その方が受け取られていた年金の扱い方がどうなるのかご存知でしょうか?

また自分がもし亡くなった後に、年金を家族に残せるかどうか疑問に思ったことはないでしょうか?
更にいうならば、もし残せるとしたらどれくらいの金額を家族に残せることになるのしょう?

そこで今回の記事では、年金を受け取っている家族の死亡後の具体的な手続きや遺族が受け取れる遺族年金とその額の目安などについて解説します。

また大切な方が亡くなるというイベントに関係した項目として、税金や相続の手続きについても解説を行っています。
「年金以外の手続きについても知りたい!」という方もぜひご覧ください。

解説する具体的なポイントは次の通りです。

  • まずは入り口となる「年金受給権者死亡届」の解説
  • 未支給年金請求の意味と手続き
  • 遺族が受け取れる遺族年金とその金額
  • 死亡後に必要な税金と相続の手続き
  • この記事の総まとめ

以上についてお話し致します。
万が一のことがあった場合でも慌てないための予備知識としてご活用していただければ幸いです。
ぜひ最後までお付き合いください。

遺族の死亡後に必須の手続き

お金

年金を受け取られている方やまだ年金を受け取っていないけど保険料を支払っていた方の死亡後、残された家族がとらなければならない手続きが存在します。
一つ一つ丁寧にみていきましょう。

年金受給権者死亡届

これは、日本の年金を管理している日本年金機構に対して年金を受け取っていた方の死亡後に、年金を受け取る権利が無くなったことを届け出るための手続きです。
この手続きをもって、年金の受給が停止されることとなります。

では、具体的に届ける方法を解説します。

必要な書類

まずは、必要な書類から解説します。
「年金受給権者死亡届」はもちろんのことですが、年金受給者がお亡くなりになったことを証明するために以下の添付書類が必要となります。

  • 亡くなった方の年金証書(提出できない場合は必要ありません)
  • 本人の死亡を証明できる書類(住民票、死亡診断書、戸籍謄本または抄本など)

ただし死亡届を7日間以内に提出し、日本年金機構に対して住民コードと呼ばれる番号をあらかじめ届け出ている場合は、年金受給権者死亡届を提出する手続きそのものが必要がありません。

なお、「年金受給権者死亡届」と呼ばれる書類は最寄りの役所や年金事務所でもらうことができます。

また、印刷ができる環境がある方は日本年金機構のホームページよりコピーすることができます。

手続きの期限

次に手続きを行うまでの期限について解説します。
これは、お亡くなりになった方がどのような種類の年金を受け取っていたかによって異なります。
では、具体的な期限がどれくらいなのか見ていきましょう。

  • 厚生年金は、受給者の死亡から「10日以内」
  • 国民年金は、受給者の死亡から「14日以内」

このように手続きの期限は比較的短いものとなっています。
ご家族が亡くなられ、お葬式やお通夜などといった祭事が一段落したら早めに手続きを行うことをおすすめします。

提出が遅れると年金を返還

ここで、注意していただきたいことがあります。
もし手続きの期限をすぎてしまった場合、亡くなった後に振り込まれた年金については原則、日本年金機構へ返還しなければなりませんので、十分注意してください。

書類の提出先はどこ?

書類の準備ができたら、いよいよ手続きを行うために窓口へ行って提出をします。
具体的には以下の窓口で提出します。

  • お住まいの地域の市役所や町役場に設けられている年金窓口
  • お住まいの地域を管轄している日本年金機構の年金事務所
  • 街角の年金相談センター

なお、お近くの「年金事務所」と「街角の年金相談センター」の場所は日本年金機構のホームページに掲載されています。
時間がある日に立ち寄って相談をしてみるといいかもしれません。

未支給年金請求

次に未支給年金と呼ばれる年金を請求するための手続きを行います。
先ほどの手続きと比べると複雑になりますが、難しいものではありませんのでしっかりと確認していきましょう。

そもそも未支給年金とは?

手続きの説明に移る前に、「未支給年金」とはなんなのかを解説しましょう。

通常、年金の支給は2か月ごとに後払いで、支払を行う月の15日に支払うという形で行われています。

もう少し詳しく説明すると、12~1月分は2月15日、2~3月は4月15日、4月~5月分は
6月15日・・・といった具合に支払いを行っています。
しかし、このような支払い方をするとある問題が起こってしまいます。

例えば、亡くなった月が1月だとします。
通常であれば、1月分の年金は2月15日にもらえるということになりますが、年金がもらえる頃には既に年金を受け取る方が亡くなられていて、受給できないということが起こってしまいます。

この受給できない分の年金のことを「未支給年金」といいます。
そのため、救済措置として「未支給年金請求」という手続きがあるということになります。

必要な書類

それでは、具体的に必要な書類を確認していきましょう。
以下の通りとなります。

  • 未支給年金請求書
  • 亡くなった方の年金証書(提出できない場合は必要ありません)
  • 本人の死亡を証明できる書類(住民票、死亡診断書、戸籍謄本または抄本など)
  • 亡くなった本人と請求を行う方の身分関係が確認できる書類(戸籍謄本、戸籍の抄本など)
  • 亡くなった方の住民票の除票
  • 年金を請求する方の「世帯全員」の住民票(死亡した方と請求する方の住所が違う時は不要)
  • 生計同一についての別紙の様式(こちらは亡くなった方とご遺族の住所が違う場合)
  • 未支給年金を受け取るための銀行や郵便局の通帳
  • 印鑑

なお、「未支給年金請求書」と「生計同一についての別紙の様式」と呼ばれる書類は最寄りの役所や年金事務所でもらうことができます。

また印刷できる環境があれば、日本年金機構のホームページよりコピーすることも可能ですので確認をしてみることをおすすめします。

このように提出する書類だけでかなりの数があります。
いざというときは、年金を担当する窓口の職員の方に確認してもらうことが大切です。

手続きの期限

今回解説している、未支給年金請求にも手続きを行うまでの期限が決まっています。
具体的には、亡くなった方の年金の支払日の翌月の初日から数えて5年以内となっています。

これをすぎてしまうと、時効となり年金を受け取ることができません。
よって、先にご説明した「年金受給権者死亡届」といっしょに手続きされることをおすすめします。

書類の提出先はどこ?

書類の準備ができたら、手続きを行うために窓口へ行って提出をします。
具体的には以下の窓口で提出します。
ただし、亡くなった方が受け取っていた年金の種類によって窓口が異なりますので注意してください。

  • 国民(基礎)年金の場合は「最寄りの市役所や町役場など」
  • 厚生年金の場合は「お住まいの地域を管轄している日本年金機構の年金事務所」や   「街角の年金相談センター」
  • 共済年金の場合は「各共済組合」や「年金事務所」

未支給年金を受け取る権利がある人

未支給年金を受け取るための条件として、「亡くなった方と生計を同じくしていた」というものがあります。
具体的には、「住民票で同じ世帯になっている時」や「単身赴任や就学などで住所が別々となっているが、仕送りなどといったお金の支援を受けていて、定期的に連絡をとりあっている時」などをいいます。

さらに亡くなった方との続柄に応じて優先順位が決められています。
優先順位が高い順に並べていますので、確認してみてください。

  • 配偶者
  • 父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹
  • 上記以外の三親等内の親族

未支給年金は税金がかからない

未支給年金は亡くなった方がもらうはずの年金を死亡後遺族の方がもらう形になるため、一見「相続税」がかかってしまうように見えます。
しかし未支給年金は相続税の課税対象外となるため、税金はかかりません。

ただし「一時所得」という扱いを受けるため、一定の条件を満たす場合は「所得税」がかかることがありますので、十分注意してください。

遺族の死亡時に受け取れる給付

お金

未支給年金のほか、死亡時にこれらの年金や一時金を遺族の方々は受給できる場合があるので請求しましょう。

遺族基礎年金

遺族基礎年金とは、主に亡くなられた方が「老齢基礎年金」を受給していたか、「国民年金」に加入していた場合に遺族が受け取れる年金になります。

受け取ることができる年金額や条件などのポイントを簡単に解説します。

  • 支給される対象者は、亡くなった方の「配偶者」と「その子ども」
  • ここでいう子どもとは「18歳になる年度の末日(3月31日)を経過していない子ども」などをいう
  • 支給される年金額は、年額「77万9,300円」(平成29年度現在)
  • 子がいる場合、1人目と2人目までは1人当たり「22万4,300円」が加算される
  • 3人目以降は、1人当たり「7万4,800円」が加算される
  • 必要な書類は、「年金請求書」や「戸籍謄本」、「死亡者の住民票の除票」など
  • 手続き先は、最寄りの市役所や町役場の「年金担当窓口」や「年金事務所」など

なお子どものいない配偶者は、遺族基礎年金の対象外となりますので注意しましょう。

遺族厚生年金

次は、主に亡くなられた方が「老齢厚生年金」を受給していたか、「厚生年金」に加入していた場合に遺族が受け取れる年金です。

受け取ることができる年金額や条件などのポイントは簡単に次のとおりです。

  • 支給される対象者は「妻」・「55歳以上の夫」・「子ども」・「孫」・「父母」、 「祖父母」
  • ここでいう「子ども」とは、遺族基礎年金でいう「子どもと同じ」
  • 支給される年金額の目安は、亡くなった方が受け取る予定だった          「老齢厚生年金額の3/4」
  • 亡くなった方との続柄に応じて優先順位が決められており、             順番は「未支給年金と同じ」
  • 必要な書類は、「年金請求書」や「戸籍謄本」、「死亡者の住民票の除票」など
  • 手続き先は、最寄りの「年金事務所」か「街角の年金相談センター」

遺族基礎年金に比べ支給される対象者が大きく広がる形になるため、「子どものいない配偶者であってももらえる」ということが大きなポイントです。

寡婦年金

夫が国民年金に加入している場合、夫の死亡後に妻は寡婦年金と呼ばれる年金を受け取ることができます。
受け取るための主な条件や目安となる金額を簡単に説明していきます。

  • 支給される対象者は「妻のみ」
  • 亡くなった夫との婚姻関係(結婚している状態)が「10年以上」続いていること
  • 夫の国民年金の保険料を納めた期間(免除された期間を含む)が「10年以上」あること
  • すぐに受け取れるわけではなく、妻が「60歳から65歳」になるまでの間だけ支給される
  • 亡くなった夫が障害基礎年金や老齢基礎年金を受け取っていた場合は「受け取れない」
  • 年金額は、夫の国民年金だけ加入していた期間で計算した「老齢基礎年金額の4分の3」
  • 必要な書類は、「年金請求書」・「戸籍謄本」・「死亡者の住民票の除票」など
  • 手続き先は、最寄りの「市役所や町役場の年金担当窓口」・「年金事務所」か    「街角の年金相談センター」

また重要なポイントとして、後ほど解説する「死亡一時金」と一緒に受け取ることはできませんので注意してください。
「寡婦年金」か「死亡一時金」かのどちらかを選択する必要があります。

死亡一時金

最後に「死亡一時金」の説明となります。
寡婦年金や先に説明した遺族年金と大きく違う点は、一度だけしか支給されないということです。

そのため、寡婦年金と死亡一時金のどちらを選択するのかという問題は、「受け取れる金額はどれくらいか」ということを念頭において考えてみることをおすすめします。
それでは、具体的な条件や受け取れる金額の目安を簡単に解説していきます。

  • 支給される対象者は亡くなった方と生計を共にしていた「配偶者」・「子」・「父母」「孫」・「祖父母」・「兄弟姉妹」
  • 亡くなった方が国民年金として、保険料を納めた期間が「3年以上ある」
  • 亡くなった方が老齢基礎年金と障害基礎年金のどちらかを「受給したことがない」
  • 遺族基礎年金を受給できる場合、遺族基礎年金が優先されるため「受け取れない」
  • 亡くなった方との続柄に応じて優先順位が決められており、             順番は「未支給年金と同じ」
  • 受け取れる金額は保険料を納めた月数に応じて違うため、「120,000円~320,000円」と開きがあることに注意する
  • 必要な書類は、「国民年金死亡一時金請求書」・「亡くなられた方の年金手帳」   「戸籍謄本」・「亡くなった方と一時金を受け取る方の住民票の写し」など
  • 手続き先は、最寄りの「市役所や町役場の年金担当窓口」・「年金事務所」か    「街角の年金相談センター」

以上、ご遺族が受け取れる遺族年金や給付について解説しましたがいかがでしたでしょうか?
制度によって細かく条件が決められているため、複雑で分かりにくい内容となっています。

そのため万が一に備えて、どの遺族年金や給付を受けることができるのかということを考えてみるといいでしょう。

死亡後4ヶ月以内に準確定申告

お金

ここからは、「準確定申告」という手続きについて解説します。
大切な方が亡くなられた後は、先ほどまで説明した年金関係の手続きとは他に、税金面の手続きが必要になります。
それでは、ポイントを一つ一つ見ながら確認していきます。

そもそも準確定申告とは?

通常何らかの収入を得ている方は、一年間の収入を計算した後に所得税がいくらかかるのかを計算して税務署に申告し、税金を納めなくてはなりません。
これを確定申告といいます。

ただし申告する方が亡くなった場合は本人が申告と納付することはできません。
そこで、その亡くなった方の財産を相続する遺族が本人に代わって所得税の申告と納税をする必要がでてきます。

この手続きを準確定申告といいます。

なお、この手続きは「ご本人の死亡後4か月以内に申告しなければならない」点に要注意です。
遅れてしまうと、滞納されたと判断されてしまい「延滞税」という名前の罰金が課されてしまいます。

源泉徴収票が必要

これは、亡くなられた方が会社員であった場合です。
遺族の方が準確定申告を行うためには、亡くなった方が在籍している会社から源泉徴収票を発行してもらう必要があります。

源泉徴収票とは、給与をもらっていた人が1年間にどのくらいの金額をもらっており、そこからいくらの所得税が課税されていたかなどを証明した書類となります。

通常社員が亡くなった場合、その会社は相続を行う遺族に対して源泉徴収票を発行することとなっています。
発行を受けていない場合は、発行するよう要求する必要があります。

副業・個人事業主の場合

亡くなられた方が個人事業主であったり、副業を行っていた場合などでも準確定申告が必要となります。
通常であれば、亡くなる前に当人が通常の確定申告を行っていることがほとんどですので、その方が残された「帳簿や取引先との領収書など」を準備する必要があります。

ただし何らかの理由により今まで確定申告を行っていなかった場合、その方がどれくらいの事業収入があり、費用がかかっているかという資料を集める必要があります。

これを当人が亡くなられてから遺族が行うことは大変苦労する作業となってしまいますので、事前にご本人に確認することをおすすめします。

確定申告をしなくていい場合

なお、次の条件に該当する方は準確定申告をする必要がありません。
よって、ご遺族の方が行う手続きはありません。
細かい条件が多いものとなりますので、基本的な条件だけを今回は解説します。

会社員であったの場合

  • 給与の年間収入金額が「2,000万円」を越えない
  • 会社の給与を1か所のみからもらっており、給与以外の収入が合計「20万円以下」
  • 会社の給与を2か所以上からもっている人で、主な給与以外の給与の収入金額と、それ以外の所得の合計額が「20万円」を超えない
  • 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っていない
  • 給与が、災害減免法により所得税の支払いの猶予や還付を受けていない
  • 医療費控除や住宅ローンによる控除、泥棒に入られたなどで財産を失った場合に受ける雑損控除などといった、所得税を安くするための制度を利用しない

個人事業主であった場合

  • 年間の事業所得が38万円以下である

公的年金を受給していた場合

  • 公的年金の金額が年400万円以下で、年金以外の所得金額が年20万円以下である

公的年金というとは、「国民年金」・「厚生年金」・「障害基礎年金」・「障害厚生年金」などといった公共機関が運営している年金制度をいっています。

保健会社などが提供している「個人年金保険」というものや企業が運営している「企業年金」などといった年金は対象外となる点に注意が必要です。

準確定申告を行う場所と必要な書類

亡くなられたご本人が住んでいた地域の税務署で手続きを行います。
税務署であればどこでもいいというわけではありませんので、注意してください。

また、手続きに必要な書類をご紹介します。

  • 準確定申告書(税務署でもらうことができます)
  • 準確定申告書の付表(こちらも税務署でもらうことができます)
  • 亡くなった当人の所得を証明するための書類(源泉徴収票や帳簿など)

なおここでのポイントとして、相続を行う遺族の方が二人以上いる場合は「準確定申告書の付表」に相続される方全員の署名を行う必要があります。

ですが、何らかの事情により他の相続される方と連絡を取れない場合はおひとりで手続きをおこなうことができます。
ただし、手続きした内容を他の相続される方に知らせなければなりません。


以上、準確定申告について解説しました。
こちらも年金関係の手続きと同じくらいの作業を行う必要がでてきます。
いざという時のためにもお近くの税務署で相談をしたり、場合によっては税理士さんに相談してみることをおすすめします。

相続に関連する死亡後の手続き

お金

相続を行う際の手続きとそれに関係した手続きについてに解説していきます。
亡くなられたご本人の意思を無駄にしないためにも確実に行うことが大切です。

相続を行うということ

手続きの解説に移る前に相続を行う意味についてお話しします。

一般的に、相続を行うと聞くと亡くなった方の土地や家、預金といた財産を受け継ぐというふうに考えがちです。
しかし必ずしも受け継ぐ財産がプラスになるものとは限りません。

それは相続でいう「財産」という言葉に込められた意味に理由があります。

実は、ここでいう「財産」とは「生前に借りた借金」「まだ支払っていない公共料金」「生前にご本人が署名した連帯保証の義務」などといったマイナスになる財産も含まれています。
そのため、相続を行う財産の中身をしっかりと確認していく必要があります。

相続放棄の決定

相続を行う財産を確認した結果、マイナスの財産が大きく相続を行う必要があまりなかったり、何らかの原因により相続をしたくない場合などは相続を放棄することができます。
それでは具体的な手続きを見ていきましょう。

家庭裁判所に対して申し立てる

相続放棄の手続きは、亡くなった日から「3ヶ月以内」に亡くなった方の最寄りの家庭裁判所にて様々な書類を提出することで済ませることができます。

必要な書類は、相続する人が亡くなった方とどういう関係になるかで違います。
そのため、ここでは基本的な書類をご紹介します。

  • 相続放棄申述書(裁判所でもらうことができます)
  • 亡くなった方の住民票の除票または戸籍の附票
  • 相続放棄をする方の戸籍謄本
  • 収入印紙800円分
  • 家庭裁判所より指定される郵便切手(裁判所と手続きをする人でやり取りを行うため)

必要が書類が揃い、無事手続きが行われると家庭裁判所より「照会書」とよばれる書類が送られてくる場合があります。
これは、「本当に相続放棄をしますか?」という意思の確認と放棄をする理由などを確認するためのものです。

裁判所によっては、照会書ではなく直接の「面談」という形で確認を行う場合もありますので、手続きが終わった後は裁判所からの連絡を待つことになります。

相続放棄をする際の注意点

相続放棄を行うということはマイナスの財産が消えるというわけではありません。

そのままマイナスの財産が他の相続する権利を持つご遺族へ受け継がれてしまいます。
家庭や親族との仲を悪くしないためにも、相続放棄を行う時はよく話し合うことが肝となります。

また一旦手続きが完了し、裁判所より通知がなされると後から取り消すことは「原則」できません。
そのため手続きを行ってから莫大なプラスの資産が見つかり、「やっぱり相続したい」といった場合は大損してしまうこともありえます。

3ヶ月以内という期限を最大限利用して考えてみることを強くおすすめします。

遺言書の発見と検認

ここからは亡くなった方からの遺言書を発見し、相続放棄をしないでそのまま財産を受け継ぐ場合での手続きとなります。

相続を行う場合は、家庭裁判所に対して検認という手続きをしてもらう必要があります。
検認とは遺言書が後から書き換えられたり、偽造されることを防いだりといった裁判所が行う確認作業のことをいいます。

必要な書類と手続きを行う場所は次のとおりです。
なお書類の関しては、こちらも亡くなられた方と相続を行う方との関係で提出するものが違いますので、基本的なものを解説します。

  • 申立書(裁判所でもらうことができます)
  • 亡くなった方の生まれてから、亡くなるまでの「すべての戸籍謄本」
  • 相続する方の「全員の戸籍謄本」
  • 亡くなった方の子どもの中で死亡者がいる場合は、その方の生まれてから亡くなるまでの「すべての戸籍謄本」
  • 収入印紙800円分(遺言書1通あたり)
  • 家庭裁判所より指定される郵便切手(裁判所と手続きをする人でやり取りを行うため)
  • 手続きを行う場所は、「亡くなった方が住んでいた地域の最寄りの家庭裁判所」

無事手続きが完了すると、後は家庭裁判所からの連絡を待つこととなります。

相続税の申告・納税

無事相続が完了し、財産が受け継がれて一安心といきたいところですが、相続した財産には「相続税」と呼ばれる税金が発生します。
そのため、その相続税を計算・申告して納付する手続きも必要になります。

ここでは課税される条件や申告に必要な書類と手続きについて、ポイントを絞って解説していきます。

ここで注意となりますが、申告は当人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に行います。

相続税がかからない場合がある

相続した財産が一定の金額を下回る場合は、原則として相続税がかからないため、申告が不要になります。
金額の目安は、

「5000万円+法定相続人の人数×1000万円=非課税となる財産の限度額」

という計算式で知ることができます。

なお、「配偶者の税額軽減」 や 「居住用宅地の特例」とよばれる相続税を安くするための制度を利用する場合は課税される相続税が「0円であっても申告が必要」となります。
注意してください。

申請に必要な書類と手続きの場所

申告に必要な書類と提出先は次の通りとなります。

  • 相続税申告書(税務署でもらうことができます)
  • 亡くなった方の生まれてから亡くなるまで戸籍謄本
  • 亡くなった方の住民票の除票
  • 亡くなった方の戸籍の附票
  • 相続する方全員の戸籍謄本
  • 相続する方全員の住民票
  • 相続する方の戸籍の附票
  • 相続する方全員の印鑑証明書
  • 遺言書のコピー
  • 遺産分割協議書のコピー(相続人同士で話し合って財産を分割した場合に発行される)
  • 相続した財産の価値を証明できる書類                      (土地であれば、登記簿謄本・固定資産税評価証明書、               株式であれば、証券会社の預り証明書・配当金の支払通知書など)
  • 提出先は、亡くなられたご本人が住んでいた地域の税務署

このように必要となる書類がかなり多く、相続する財産の種類によっても書類が変わっていく形となります。
かなりの負担となりますので、場合によっては税理士さんに委託することをおすすめします。

名義変更

受け継いだ財産によっては、死亡後に持ち主が変わる結果となるため名義変更が必要になります。
主に名義変更が必要なケースを簡単に解説します。

  • 不動産の所有者が変わった時
  • 自動車の所有者が変わった時
  • 銀行口座を受け継いだ人の名義に変更する時 など

手続きをするための書類や窓口は、受け継いだ人によって一人一人違いますのでしっかりと確認するが大切です。

世帯主の変更

亡くなった方が住民票で世帯主となっており、死亡後変更となる場合は「最寄りの市役所や町役場」などで変更の手続きが必要になります。
14日以内に届出を行ってください。

ただし、次の条件に当てはまる場合は手続きは必要ありません。

  • 2人世帯であった時(残り1人だけとなるため)
  • 2人以上の世帯で妻だけが残り、子がまだ15歳未満であった時          (15歳未満の子供には世帯主になる権利がないため)

その他、死亡後に必要な手続き

お金

今回は解説しませんが、その他にもこのような手続きが場合によっては必要となります。

  • 死亡届
  • 埋葬許可申請
  • 介護保険資格喪失届
  • 住民票の抹消届
  • 雇用保険受給資格者証の返還
  • 所得税準確定申告
  • 所得税の納税
  • 生命保険金の請求
  • 埋葬料・葬祭費の請求
  • 遺族補償給付の請求
  • 高額医療費の申請

死亡後の年金について〜まとめ〜

人々

それでは死亡後の年金について、以下の点を解説してまいりました。

  • 大切な方の死亡後の年金手続きには「年金受給権者死亡届」が必須。
  • 「未支給年金」を請求することも忘れずに。
  • 年金の加入状況によって「遺族年金・寡婦年金」が支給される。
  • 遺族基礎年金での年金額は年額77万9,300円。(平成29年度現在)
  • 遺族厚生年金は亡くなった方が支払った年金保険料によって「金額が変化」する。
  • 税金面の手続きとして、「準確定申告」が必要。
  • 相続を行う時に遺言書を見つけたら家庭裁判所の「検認」の手続きが必要。
  • 相続を放棄する場合も手続きが必要。

いかがでしたか?

年金に加入をしていたり、受け取っていただけでも実に様々な手続きが存在しています。
しかし、大切な方を失った遺族のお金面での負担を少なくするために実に様々な年金制度があることを学んでいただけたのではないでしょうか。

また今回は、誰かが亡くなると切っても切れない税金面や相続の手続きも補足として解説させていただきました。
この記事がもしものための備忘録となるとうれしいです。

最後まで読んでいいただきまして、ありがとうございました。
終活ねっとのこの記事が、皆様の年金への理解が深まるきっかけとなりましたら幸いです。

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