介護保険料の控除について解説!初心者にもわかりやすい!

所得を得ると税金を支払わなければなりませんが、余分な税金は納めたくありませんよね。介護保険料は、生命保険や個人年金保険料と同様に税金から控除を受けられます。しかし介護保険料や控除について、あまり詳しくない方も多いと思いますので、今回はその解説をいたします。

目次

  1. 介護保険料控除の仕組みを解説
  2. 控除の意味とは
  3. 介護保険と介護医療保険の違い
  4. 社会制度としての介護保険制度
  5. 生命保険控除の種類
  6. 控除される最高限度額の違いは時期次第
  7. 確定申告で介護医療保険料控除を申請する
  8. 配偶者・親族の保険料控除
  9. 介護保険料の控除についてまとめ

介護保険料控除の仕組みを解説

人々

40歳以上になると介護保険に加入し、保険料を支払わなければなりません。
これは給与や公的年金などから差し引かれますが、国民保険などと同じく社会保険料控除の対象として、年末調整や確定申告で控除することができます。

また平成22年には税制改正が行われ、今までの生命保険控除や個人年金保険料控除に加えて介護保険料控除が新設されました。
すなわち保険会社等と契約した医療保険や介護補償保険・がん保険なども、申告することにより控除されるようになりました。
多くの方が介護保険料控除については申請すればお得だというイメージしかないのではないかと思います。

介護保険料については様々な疑問をお持ちと思いますが、この記事では下記に挙げたリストについて記述していきたいと思います。

  • 控除の意味について
  • 介護保険控除の内容について
  • 介護保険料と介護医療保険の違いについて
  • 介護保険の仕組みについて
  • 生命保険の種類について
  • 契約のタイミングにより控除限度額が異なること
  • 介護医療保険控除の申告
  • 配偶者や親族の保険料控除について

控除の意味とは

困った人々

日本に住む人は所得税や住民税などの税金を支払わなければなりませんが、個々の人には生活をする上でそれぞれ事情があります。

そこで税制の公平化という観点から控除という制度があります。
控除は税金を算出する前の金額から一定の金額を引き、残額に対して税率をかけますので、課税される金額を低くすることができます。

所得税を例に挙げると

・所得税=(所得ー各種控除)×税率

となります。

従いまして各種控除額が大きくなれば所得税は低くなります。
所得税から差し引かれるものには基礎控除や配偶者控除・障碍者控除・生命保険控料除・地震保険料控除・寄付金控除などがあります。

これからお話をする生命保険控除には生命保険料控除・介護医療保険保険控除・個人年金保険控除があり、給与所得者は年末調整により還付されます。

また年末調整で手続きをできなかった人や、自営業者・フリーランスの人は、2月16日から3月15日の間に確定申告により控除の手続きを行います。

介護保険と介護医療保険の違い

介護

介護保険と介護医療保険とは同じ介護についての保険制度ですが、なにが違うのでしょうか?

介護保険は国民全員が加入する社会保険

介護保険は介護を必要とする高齢者を、社会全体で支援していこうとする制度です。
住んでいる市区町村が保険者となり制度の運営を行い、40歳以上の全ての国民が加入しなければならない公的な保険です。

介護保険は公的費用と介護保険の被保険者の支払う介護保険料により成り立っています。

これは病気の治療に使われるものではなく、介護状態にある人の費用を援助する制度であり、利用にあたっては介護認定をすることが必要です。
公的な介護保険を保管する役目として、民間の介護保険もあります

社会保険とは

社会保険は、国民が病気やケガ・失業などで困ったときに生活を保障する公的な保険制度です。
民間の会社が提供する個人保険とは異なり、条件に当てはまる人は全員加入し、保険料を負担しなければなりません。
社会保険には病気やけがに備える健康保険、高齢者や失業者に支給される国民年金、介護が必要になった時に受けられる介護保険があります。

社会保険における控除とは

健康保険や国民年金・介護保険などの社会保険料を納めた場合には、所得控除を受けることができます。
これは納税者を社会政策的に優遇するために作られた制度であり、年末調整や確定申告で処理をすることができます。
控除の対象になる人は自分だけでなく妻や子など生計を一にする人も対象となります。
民間の生命保険会社に等に治める保険料は、あとで述べますが生命保険料控除に該当します。

介護医療保険は民間の介護保険

介護医療保険とは民間の保険会社の保険商品です。
生命保険の一種とされることが多いです。

被保険者が介護の対象となった時に保険金がうけとれる仕組みとなっております。

ですが介護の対象となる基準は公的な介護保険と異なり、保険会社によって様々です。

  • 要介護状態に応じて、公的介護保険と連動し保険金を受け取れる。
  • 保険会社独自の基準がある。

場合などがあります。
保険金の受け取りも

  • 一時金として受け取る
  • 年金として定期で受け取る

の2パターンあります。

生命保険(介護医療保険)における控除とは

生命保険料控除は所得控除の一種であり、納税者が生命保険料や介護医療保険料・個人年金保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、その年の所得から一定の金額を差し引くことができます。
所得控除により所得金額が低くなりますので、所得税や住民税などの税金を少なくすることができます。

社会制度としての介護保険制度

介護

それでは、必ず知って起きたい介護保険制度について解説してまいります。

介護保険制度の仕組み

介護制度が生まれた背景は、少子高齢化の進展や単身世帯の増加・核家族化などが挙げられ、家族だけで介護をすることは難しくなりました。
そこで社会全体により高齢者及び家族を支える仕組みが、2000年にできた介護保険制度です。

介護保険法の内容は高齢者に介護が必要になった場合に、保健医療サービスや福祉サービスを行うことで自立した生活を送ることができることを目標としています。
介護保険制度では介護を受ける人が、利用するサービスを選び、事業者と契約をして利用する仕組みとなっています。

介護保険料はいつからいつまで支払うの?

介護保険は40歳以上の人が加入しなければなりません。
この加入は義務とされています。

これは二つに区分され、65歳以上の人を第1号被保険者とし、40歳以上65歳未満の人を第2号被保険者とします。
どちらに属するかで、介護サービスの条件および保険料の算出方法や納付方法も違ってきます。

介護保険は40歳から支払い開始

介護保険は40歳になった前日より徴収が始まりますが、同じ公的保険制度でも、健康保険や厚生年金と大きく違うところです。

従いまして1日が誕生日の人は、前月から保険料を支払わなければならないことになります。
支払いの方法は健康保険に加入している人は、健康保険料と合わせて介護保険料を納めます。
納付額は加入する保険の種類や収入・住んでいる地域等により決まってきます。

介護保険料の支払いは65歳まで

介護保険料控除は、40歳に達した月から徴収されますが、65歳に達した月の前月に終了します。
従いまして1日が誕生日の人は、支払い開始と同様に前月で保険料の徴収は終了します。
65歳になった月より、加入していた健康保険団体から住んでいる市区町村に、健康保険とは別途に介護保険料を支払うことになります。

保険料の治め方には特別徴収と普通徴収があります。
特別徴収は老齢年金や障害年金・遺族年金を18万円受給している人で、年金から天引きされます。
普通徴収は特別徴収に当てはまらない人、年度の途中で65歳に到達した人で納付書または口座振替により納めることとなります。

生命保険控除の種類

人々

生命保険に加入し保険料を納めていると、所得税や住民税から生命保険料控除がうけられます。
生命保険控除を受けることができる生命保険には、生命保険、介護医療保険及び個人年金があります。

  • 生命保険
  • 個人年金保険
  • 介護医療保険

それではこの3つの生命保険について、ご説明をいたします。

生命保険の控除

生命保険に当てはまるのは次のような契約になります。

  • 生命保険会社などと締結した生存や死亡に対して支払われる契約。
  • 2007年の郵政民営化前に契約した旧生命保険契約で、生存や死亡に対して支払われるもの。
  • 農業共同組合と契約した生命共済に関わる契約で、受取人が本人または6親等以内の血族と3親等以内の姻族である場合。

上記に当てはまる場合でも、保険期間が5年未満で、貯蓄を目的とする保険は対象外となります。
財形貯蓄や財形住宅貯蓄なども対象となりません。

個人年金保険の控除

個人年金保険に当てはまるのは次のような契約です。

  • 10年以上定期的に保険料を払い込む契約。
  • 年金の受取人が払い込んだ本人または配偶者であること。
  • 確定年金または有期年金の場合には、被保険者の年齢が60歳以上で受取期間が10年以上あること。

介護医療保険の控除

介護医療保険に当てはまるのは次のような契約です。

  • 生命保険会社や損害保険会社等と締結した契約で、医療費に対して支払われるもの。
  • 簡易生命保険契約で、医療費に対して支払われる契約。
  • 2012年1月1日以降に契約または更新した保険料で、本人または6親等以内の血族と3親等以内の姻族である場合。

介護医療保険についても、生命保険と同様に5年未満の契約や医療を目的としない契約は控除対象となりません。

控除される最高限度額の違いは時期次第

人々

控除の限度額は、度々改正がなされます。

平成22年の税制改革

平成22年度税制改正により、平成24年度以降に生命保険会社と結んだ保険契約から、介護医療保険料控除が新設されました。
一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除に加えて介護医療保険料控除の3つの控除枠に変更となりました。

介護医療保険料の契約時期による違い

平成23年12月31日までに結んだ保険契約と平成24年1月1日以降に結んだ保険契約では、生命保険控除の内容が異なります。
新契約では新たに介護医療保険料控除が加わり、所得税については平成24年分より、住民税については平成25年から控除対象となります。
次に生命保険料控除改正で変わった点と、保険の見直しや新規加入をする場合の注意点についてご説明をいたします。

新制度における控除額と計算方法

旧制度の控除額は、一般生命保険料控除が5万円、及び個人年金保険料控除が5万円で合計10万円でした。
新制度の控除額は、一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額がそれぞれ4万円に変更となりました。
新たに介護医療保険料控除4万円が設けられ、制度全体での所得控除限度額が、12万円に増額されることとなりました。
これを表にすると下記のようになります。

新制度の控除額(平成24年1月1日以後に締結した保険契約)
控除額
一般生命保険料控除4万円
個人年金保険料控除4万円
介護医療保険料控除4万円
合計限度額12万円

なお住民税については一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除各々2.8万円で合計7万円控除することができます。

新制度における控除額の計算方法
年間払込保険料控除額
20,000円以下払込保険料などの全額
20,000円以上40,000円以下払込保険料×1/2+10,000円
40,000円以上80,000円以下払込保険料×1/4+20,000円
80,000円以上一律40,000円

旧制度における控除額と計算方法

旧制度では、一般生命保険料控除が5万円、及び個人年金保険料控除が5万円で合計10万円で、介護保険料控除はありませんでした。

旧制度(平成23年12月31日以前に締結した保険契約)
控除額
一般生命保険料控除5万円
個人年金保険料控除5万円
合計限度額10万円

なお住民税については一般生命保険料控除、個人年金保険料控除各々3.5万円で合計7万円控除することができました。

旧制度における控除額の計算方法
年間払込保険料控除額
25,000円以下払込保険料などの全額
25,000円以上50,000以下払込保険料×1/2+12,500円
50,000以上100,000以下払込保険料×1/4+25,000円
100,000以上一律50,000円
新契約と旧契約の両方に加入している場合の控除額

新契約と旧契約の両方に加入している場合には、それぞれ次の方法の中で有利なものを選んで控除額を計算します。

  • 新契約のみ生命保険料控除を適用する場合は、新制度に基づき計算した控除額(最高4万円)
  • 旧契約のみ生命保険料控除を適用する場合は、旧制度に基づき計算した控除額(再考5万円)
  • 新契約と旧契約の両方について生命保険料控除を適用する場合には、新制度及び旧制度に基づき計算した控除額の合計となります。(最高4万円)

保険を更新すると新制度が適用される

新制度の適用については平成24年1月1日以後の契約日より対象となります。
平成23年12月31日以前に結んだ契約で、平成24年1月1日以降に保障見直しや更新等の手続きを行なっていない契約については旧制度が適用になります。

従いまして平成23年12月31日以前に結んだ契約でも、平成24年1月1日以降に更新や内容の変更した場合には新制度の適用となります。

確定申告で介護医療保険料控除を申請する

人々

続いて確定申告について解説いたします。

自営業と会社員では異なる

介護医療保険料控除を受ける手続きは、給与所得者と自営業の人とは原則的に異なります。

会社勤めの場合

会社勤めの場合は確定申告をする必要はありません。

会社員の場合の介護保険料控除手続きは、会社から年末に届けられる給与所得者の保険料控除等申告書に記入します。
それに10月頃に保険会社から送られ生命保険料控除証明書を添付すればよいだけです。
なお会社で介護保険料を給料天引きにしている場合には、生命保険料控除証明書を添付する必要はありません。

忙しくて手続きをできなかった人や退職などで年末調整ができなかった場合は、2月に確定申告をすることで控除を受けられます。

自営業・フリーランスの場合

自営業やフリーランスの人は、2月16日~3月15日までの間に所得税の確定申告を行うことで、介護保険料控除ができます。
確定申告書に生命保険料控除証明書をつけて税務署に提出します。

確定申告で準備するもの

確定申告をするためには、下記に記載した必要書類を準備しなければなりません。

  • 確定申告書…税務署に貰いに行くか、電話で送付してもらいます。
  • 源泉徴収票…年末に会社から渡されます。
  • 生命保険料控除証明書…保険会社から10月頃に送られます。
  • 印鑑…普通の印鑑で構いません

確定申告の手順

  • 生命保険料控除証明書より年間保険料支払い額を及び控除額を算出する
  • 確定申告書A第二表の生命保険料控除欄に年間保険料を記載する
  • 確定申告書A第一表の生命保険料控除欄に、1で計算した控除額を記載する。
  • 税務署に提出する

提出については税務署直接持参する、還付申告センターに持参する、税務署に郵送する、インターネットにより申告するなどの方法があります。
なお、還付金は確定申告をしてから1~2ヶ月後に、指定した口座に振り込まれます。

配偶者・親族の保険料控除

人々

納税者本人だけでなく、納税者本人と生計を同じくする配偶者・親族が負担すべき介護保険料を支払った場合も、社会保険料控除の対象となります。
これは年末調整や確定申告により控除することができます。

介護保険料の控除適用は本人のみ

年金から介護保険料を引かれている(特別徴収)場合には、年金受給者本人のみを控除の申告の対象とすることができます。

介護医療保険料の控除は家族単位で

介護医療保険料などの社会保険料控除は、納税者本人と同一生計の配偶者や親族の保険料を支払った場合には控除の対象となります。

介護保険料の控除についてまとめ

人々

いかがでしたか?

以上介護保険料の控除についてご説明してきましたが、ご理解いただけたでしょうか。

日本では40歳以上になると介護保険に加入し、保険料を納めなければなりません。
そして65歳以上になると要介護に認定された場合には、介護保険を受けることができます。

平成22年には社会保険制度が改正され、生命保険控除や個人年金保険料控除に加えて介護保険料控除ができました。
今まで控除の対象でなかった保険が控除できる可能性があります。
折角できた制度も有効に使わなければ、もったいないことです。
年末調整時や確定申告時には忘れずに申告して、納めた税金を還付してもらうようにしましょう。

最後に今回ご説明した内容をまとめると下のリストのようになります。

  • 控除をすることによって課税される金額を低くすることができること
  • 公的な介護保険は加入の義務があり、介護医療保険の加入は任意であること
  • 介護保険の利用には認定が必要なこと
  • 介護保険の支払いは40歳から開始され65歳から利用できること
  • 平成22年税制改正により介護医療保険も控除対象になったこと
  • 税制改正により介護医療保険を含め12万円控除できるようになったこと
  • 旧契約の更新や内容を変更した場合には新制度が適用になること
  • 給与所得者は原則として年末調整により、自営業者は確定申告で申請すること
  • 生計を一にする配偶者や親族の保険料も控除対象となること

年末調整や確定申告についてよくわからない、面倒であるなどの理由で控除の申請をしていない人も多くおられることと思います。
今回のご説明をよく読んでいただいて、忘れずに申告し、納めた税金を還付してもらいましょう。

終活ねっとでは、このように身の回りの方の終活も手助けできるような情報も発信しております。
介護だけでなく、お金周りのこともしっかりと終活の一貫として学ぶべきです。

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