介護老人保健施設での看護師の役割とは?働きやすさを解説

介護老人保健施設は、高齢者が自立し在宅復帰を目的とするための支援を行う施設です。従って介護老人保健施設での看護師の役割は医療行為だけでなく、日常生活の介助やリハビリも大きな役割となってきます。ブランクのある看護師やゆとりを持ち働きたい人にはおすすめの職場です。

目次

  1. 介護老人保健施設で看護師復帰を考えている
  2. 3つに分けられる介護施設の違い
  3. 介護老人保健施設における看護師の役割
  4. 求められる看護師像とは
  5. 介護老人保健施設での他職種との関わり
  6. 介護老人保健施設で働くメリット
  7. 介護老人保健施設での看護師の役割まとめ

介護老人保健施設で看護師復帰を考えている

介護

子育てがある程度終わったり、結婚生活が軌道に乗ってくると、以前の看護師の仕事に復帰したいと思う人も多いでしょう。しかしブランクが相当期間あると、スムーズに復帰できるか不安になる方も多いに違いがありません。

病院や診療所での看護師の仕事は医療行為を中心としていますので、専門的な分野が多く、しばらく現場から離れていた方は心配に感じてしまいますよね。

他方、老人保健施設での看護師の仕事は日常の健康管理が主で、基礎的な看護技術と高齢者を思いやる優しい気持ちがあればきっとやり遂げることができるでしょう。

そこで今回は、介護老人保健施設(老健)で看護師復帰を考えている方が、すんなりと復帰できるよう、不安や疑問と思われる点について解説したいと思います。

  • 介護老人保健施設と他の介護施設の違いはなにか?
  • 介護老人保健施設での看護師の働き方や役割とは?
  • 介護老人保健施設で求められる看護師像は?
  • 介護老人保健施設で他種職種とどのように関わっていくか?
  • 介護老人保健施設で看護師になるメリットはなにか?

これから各項目についてご説明をいたしますので、看護師復帰の参考にしていただきたいと思います。
ぜひ最後までお読みください。

3つに分けられる介護施設の違い

介護

介護施設は大まかに介護老人保健施設と特別養護老人ホーム・有料老人ホームの3つに分けられます。
それでは各施設にはどのような違いがあるのでしょうか?
各施設の入居者及びサービスの内容・人員の配置などについて具体的に比較してみたいと思います。

介護老人保険施設

介護老人保健施設は入居者が在宅復帰が可能になるようケアすることが役割であり、病院と自宅の中間的な位置づけとされています。

・入居者
医療ケアやリハビリが必要な65歳以上の高齢者で要介護1以上であることが入居のための条件となります。
在宅復帰を目指すため施設ですので入居者は終身での利用はできず、1年未満の入居となります。

・提供されるサービスの内容
提供されるサービスは身体機能の回復を目指したサービスが主体となります。医師や看護師による医療行為や介護職員による入浴や食事・入浴・排泄など介護及び理学療法士などのリハビリなどを受けられます

・人員の配置
介護老人保健施設ではリハビリ専門の職員がいることが特徴で、理学療法士や作業療法士・言語聴覚士などを置かなければなりません。
また看護師は入居者100人に対し9人と比較的多く配置することが決められています。
ほかには常勤の医師や介護護職員・ケアマネージャー・ソーシャルワーカー・栄養士・調理員など置くことが義務付けられています。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、在宅での日常生活を送ることが難しい人のために介護を行うための公的な施設です。

・入居者
特別養護老人ホームの入居の条件は、要介護3以上の介護度の高い人が対象となっています。
日常生活をケアする場ですので、定期的な医療ケアを要する人は入居することはできません。

・提供されるサービスの内容
提供されるサービスは、週二回の入浴や食事時間など法律により定められています。
他に介助や排泄など日常生活における生活支援サービスやリハビリ、レクリエーションなどのサービスを受けられます。

・人員の配置
特別養護老人ホームでは最も多いのが介護職員で、看護師は入居者100人の場合には3人と法律で定められています。
ほかにもいろいろな分野のスタッフの人数が法律で定められ、医師や生活相談員・栄養士・ケアマネージャー・機能訓練指導員など専門知識を持つ人が配置されています。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、健康な人から介護の必要な人まで幅広く入居でき、日常の生活を快適に送ることができるよう民間で運営される施設です。

・入居者
概ね65才以上の人を対象とし、自立できる人から要支援・要介護の人まで介護度合いにかかわらずに入居することができます。

・提供されるサービス
介護付・住宅型・健康型の3つのタイプがあり、快適な日常生活を送れるよう、食事から介護までサービスの種類が豊富なことが特徴です。
居室は個室が多く、設備や医療ケアも充実しているところが多くなっています。

・人員配置
住宅型では人員の基準はありませんが、介護型では介護保険法により入居者100人の場合には3名の看護職員を配置しなければなりません。他に介護職員や生活相談員・計画作成担当者・機能訓練指導員管理者を置くことが定められています。

介護施設の違いまとめ

介護老人保健施設及び特別養護老人ホーム・有料老人ホームの違いを表にまとめると次のようになります。

入居者サービス人員配置看護師数(入居者100人の場合)
介護老人保健施設在宅復帰が目標の人身体機能の回復リハビリ専門の職員の設置9名
特別養護老人ホーム要介護3以上の人日常生活の支援介護職員が主体3名
有料老人ホーム自立の人から要介護の人まで食事から介護まで豊富住宅型では基準はない介護型では3名

介護老人保健施設では在宅復帰が目標であり、リハビリ専門の職員が配置され、他の施設と比べると看護師も多く置かれています。

介護老人保健施設における看護師の役割

介護

介護老人保健施設は在宅介護と医療の中間に位置づけられ、最終的には在宅復帰が目標です。
その目標達成のために看護師は広範囲で重要な役割を担っています。

長期間にわたり生活復帰を支える

介護老人保健施設での入居者の在所日数は、平均で約1年弱と医療機関と比べて長期のお付き合いとなります。

この間、看護師は入居者及び他のスタッフと綿密なコミュニケーションをとり、健康管理を行い在宅復帰ができるよう支援を行うのが基本的な役割です。

健康管理が中心の役割

介護老人保健施設での看護師の重要な仕事は、入居者の身体の状態を常にチェックし健康管理を行うことです。
入居者と身近に接し、普段の状態との違いなどを見て判断することも大事な役割です。

医療機関との連携の要

介護老人保健施設では看護師は24時間駐在することが義務付けられていますので、夜勤などの医師が不在の場合で入居者の体調が急変した場合には、医療機関に連絡をすることも重要な役割です。

看護師としての役割以上の業務

介護老人保健施設では医療行為の他に食事介助や入浴介助・排泄介助など生活面での援助や、リハビリなどの、介護の仕事を行うことも看護師の役割の一つとなってきます。
また医師が不在の際に入居者の体調が急変したときなどは、看護師が見立を行わなければなりません。

看護師の主な役割

看護師の主な役割をリストにまとめると次のようになります。

  • 体調管理
  • 異常の早期発見
  • 薬の管理
  • 医療機関との連携
  • 他職種との連携
  • 病院への付き添い
  • リハビリテーション
  • 食事や排せつ介助など日常生活のサポート
  • レクリエーション

医療行為だけでなく、介護やリハビリの仕事も大事な職務になっています

求められる看護師像とは

人々

介護老人保健施設で求められる看護師像はなんでしょうか?

介護老人保健施設は高齢者が在宅復帰を目的とする施設であり、日常生活のサポートやリハビリが中心になります。

したがって健康管理はもちろん、他の職種のスタッフとも密接なコミュニケーションをとり、入居者が早く自宅に帰れるよう働く姿が理想像です。

入居者・他職種とコミュニケーションが必須

入居者が在宅復帰をするために、看護師は利用者一人一人と真心を込めて接し「体調はいつもと変わりないか」「何を求めているのか」などコミュケーションをとることが大事です。

また、介護老人保健施設では介護職員や理学療法士などリハビリ担当のスタッフも多く、他職種の人と連携をとりサポートすることが重要です。

医療知識を活かせる

介護老人保健施設では看護師は、介護スタッフほど多く配置されていません。
そのため、夜間などで医師が不在の時には中心となって、医療知識を活かし介護スタッフと協力し合い対処することが求められます。

介護の仕事も拒まずに行う

介護老人保健施設はどこでも人が潤沢であるということはなく、一担当が複数の役割を兼ねている場合が多くあります。
それゆえ看護師は医療分野だけでなく介護の分野やリハビリの仕事も厭わず行うことが望まれます。

ケアスタッフと協力関係を築くことにより、入居者の自立が可能になり早期在宅復帰が可能になることは間違いありません。

介護老人保健施設での他職種との関わり

人々

介護老人保健施設では病院ほど医師は多く配置されていませんので、看護師が医学的管理の要として入居者をサポートしなければなりません。
またリハビリや介護など他の職種とコミュニケーションをとり、利用者が快適な日常生活を送れるようサポートします。

ともに働くことになる職種

看護師と共に働く職種は次のようになります。

  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)
  • その他の介護職員
  • 社会福祉士
  • 理学療法士(PT)
  • 作業療法士(OT)
  • 言語聴覚士(ST)
  • 臨床心理士
  • 管理栄養士・栄養士
  • 事務職

介護職員やリハビリ職員の他の分野と人とも連携をとる必要があります。

介護士との関わりが最重要

介護老人保健施設では看護師と介護士は大事なパートナーであり、一緒に業務を行うという形式をとっています。
病院と比べると看護師の医療行為は少なく、入居者の日常生活の介護を行うことも大事な役割となっているのです。

一般的に看護師が医療的な立場で入居者に接し、介護士は日々の快適な生活を提供するという立場から齟齬が生まれる場合もあります。
しかし、そんな中でも協力し合い仕事をすることが重要です。

介護士の方の働き方について知りたい方は、こちらの記事をお読みください。

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介護老人保健施設で働くメリット

人々

介護老人保健施設の目標は入居者の自宅復帰ですので、そこで働く看護師は病院とはまた異なるメリットがあります。
入居者や施設内で働く様々な人との関わりは、看護師を人間的にも仕事の面でも大きく成長させるに違いありません。

勤務時間が一定である場合が多い

介護老人保健施設においては看護師は、病院と違い一日中忙しく働かなければならないことはさほどありません。夜勤もありますが一般的に残業は少なく、ゆとりを持って仕事をしたいと考えている看護師にはおすすめの職場です。

介護について異なる眼で考えられる

介護老人保健施設には様々な専門職がいて、お互いに連携をとりながら介護を行います。
それゆえ、医療の立場からだけでなく、介護やリハビリなど異なった立場からケアというものを学ぶことができます。

誇りと充実感を得ることができる

介護老人保健施設は機能回復の場であり、入居者に対し長期間ケアをしながら自宅復帰を目指します。
自分が関わった入居者が目に見える形で状態がよくなり、帰宅できるのを見れば自分の仕事に誇りと充実感を覚えるに違いありません。

介護老人保健施設での看護師の役割まとめ

介護

いかがでしたか?

今回は介護老人保健施設での看護師の仕事・役割についてご説明しました。
お話しした内容は以下のようになっています。

  • 仕事は医療行為だけでなく、介護やリハビリまで及ぶこと
  • ブランクがあり医療行為に不安のある人には、おすすめの職場であること
  • 他職種の人と十分なコミュニケ―ンをとることが大事であること
  • 医師が不在の際には見立てを行い、対処することが求められること
  • 勤務時間がほぼ一定であり、ゆとりをもって仕事をしたい人に向いていること

以上ご説明してきたように、介護老人保健施設の目的は入居者の自宅復帰です。
そのために看護師は医療行為だけでなく、他の分野の職種の人と連絡を密にとり、日常生活のサポートやリハビリなど広範囲な仕事をする必要があります。

苦楽を共にしてきた入居者が、晴れて自宅復帰をする姿を見れば、充実感や感激を味わうことができるに違いありません。
ぜひ、介護老人保健施設で看護師として働くことをご検討ください。

最後に、介護老人保健施設で一緒に働くことになる介護士についての記事をご用意したので、ぜひお読みください。

この記事が参考になれば幸いです。

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