お墓を取り巻く【継承者問題】と解決策を紹介します。

今、お墓をめぐる様々な問題があふれています。継承者のいないお墓が増加する一方、お墓を持たないことを選ぶ人も少なくありません。少子高齢化や未婚率の上昇、経済の低迷など、目まぐるしい社会の変化と共に表面化してきたお墓が抱える問題についてご紹介します。

目次

  1. お墓を継ぐ人について問題が起こっている
  2. お墓の継承者問題
  3. そもそも、お墓ってなんのために必要?
  4. お墓離れ問題の原因
  5. 問題の解決策:供養方法の広がり
  6. 供養についての見識の違い
  7. お墓の管理人がいない問題
  8. お墓の問題についてまとめ

お墓を継ぐ人について問題が起こっている

お墓

自分が死んで埋葬された後、そのお墓の維持や管理について考えたことはありますか?

先祖代々が眠っているお墓があり、自分もそこに入るつもりでいる方も、また自分が入るお墓を新しく購入しようと思っている方もおられると思いますが、自分がいなくなった後にお墓を継ぐ者は誰なのか、きちんと決まっているでしょうか?

また、自分がお墓の維持管理で苦労したからこそ、残された者に負担をかけたくないと思っている方もおられると思います。

そこで、この記事では

  • お墓を継ぎたい・継ぎたくない、それぞれの考え
  • お墓離れの原因
  • お墓にこだわらない様々な供養方法
  • 供養に関する価値観の違い
  • 継承者がいなくなったお墓はどうなるか

について調べてみました。
誰もが考えなければならない自分の最期とその後について、一緒に考えてみましょう。

お墓の継承者問題

家や山、田畑を長男が相続する「長子相続」が行われていた時代は、長男がすべてを得る代わりに、お墓の面倒も引き受けるという形がとられていました。

戦後の民法改正で、兄弟姉妹の相続権は平等となり、お墓の所有者については「祖先の祭祀を主催すべき者」が継承するとされています。

お墓を継ぎたい

子供や親族でお墓を継ぎたいと思っている人がいる場合は、その人がお墓を継承するのが一番です。
結婚して姓が変わっていても、親族ならば継ぐことは可能です。
先祖代々引き継いできたものを残したい、お墓は先祖と子孫を繋ぐもの、無くしてはならないものと考える人もいるでしょう。

ただ、継ぎたくても継げないという場合もあります。
最も多いのは、親が高齢で亡くなり、継承者もすでに高齢というケースです。
お墓の維持管理には費用も手間もかかるため、高齢者にはなかなか難しい問題です。

お墓はいらない

様々な価値観や考え方が認められるようになってきた今、お墓というもの自体に疑問を持つ人も少なくありません。

骨を入れるためだけの場所に高額な土地代と墓石代を払ったり、立派なお墓を建てるのは無意味だと感じる人や、お墓の負担を子供に負わせたくない、お墓にお金をかけるなら、そのお金を子供や孫に残してあげたいと考えている人もいるでしょう。
また、姑と折り合いが悪かったので夫側のお墓には入りたくないという話もよくあります。

そもそも、お墓ってなんのために必要?

お墓

お墓の役割は、ただ遺骨を収納するためだけのものではありません。
お墓の前で手を合わせて故人を偲び、残された者の心の拠り所となる場所でもあります。
また、ご先祖様への感謝やつながり、自分のアイデンティティを感じる場所と思う人もいます。

お墓離れ問題の原因

親から子供へ、またその子供へと先祖代々受け継がれていくのが当たり前だったお墓。
今、何がお墓離れの原因となっているのか、その問題について考えてみましょう。

少子高齢化

現代社会において、将来的にお墓を継承する人を確保することは難しい問題です。
核家族化・少子化に歯止めがかからない現在、子供が1人だけの家族や、子供を持たない夫婦、また生涯結婚をしない人も珍しくありません。
身寄りのない1人住まいの高齢者もどんどん増えています。

厚生労働省のデータによると、1人世帯や2人世帯、3人世帯の数が1990年代から急速に増加している一方、4人世帯やそれ以上の世帯は減少し続けています。

後継者のいない高齢者の場合、お墓を購入したくても断られるケースもあります。
家族の形が変わってきた現代では、継承を前提としたお墓というシステムに無理が生じていると考えられます。

都市への人口流入

戦後から現代に至るまで、人々は仕事や利便性を求めて地方から都市部へとどんどん移り住んでいきました。
そんな中、先祖代々のお墓はあるが現在の住所からは遠く離れており、訪れるのに時間も費用も掛かる、また、親の故郷にお墓はあるらしいが、親戚との付き合いもなくお墓参りをしたこともない、という場合も多々あります。

そういったお墓が管理されないまま荒れ果て、無縁墓となってしまうケースが増加しており、近年お墓をめぐる問題の一つとなっています。

経済低迷による諸費用の問題化

新しくお墓を建てるには、場所にもよりますが、墓石代と土地代でおよそ200万前後の費用がかかると言われています。
また、建てたお墓の維持管理にも費用はかかります。

経済の低迷に加え、寿命が延びだ現在では、定年後の自分の生活や医療にお金を確保しなければならず、お墓にそんなお金をかけられないと考える人々が増えてきました。
また、子供や残された者に金銭的負担を負わせたくないと考えている人も少なくありません。

宗教意識の希薄化

戦後の目まぐるしく変化した社会の中で、お葬式やお墓という葬送に関するものは、多くの部分が形だけの儀礼になってきている傾向があります。

時間の短縮のため、葬儀と一緒に初七日を済ませるのはもはや一般的ですし、お寺と檀家という付き合いも、お葬式と法事の時だけということが多く、その関係はかなり希薄になってきています。
仏教を心の拠り所とし、お寺と檀家という制度に則っていた時代とは大きくかけ離れてきているのが現状です。

そんな宗教観が薄れた現代において、お墓の必要性や、金額が不明瞭な戒名、お布施などへの出費について疑問を持つ人が増えているのは不思議なことではありません。

問題の解決策:供養方法の広がり

お墓

永代供養

永代供養とは、お寺や霊園が責任をもって長期にわたって供養・管理をしてくれる供養方法です。
宗旨・宗派を問わず、一度料金を支払えばその後の管理費などは一切必要ないことから、永代供養を望む人は年々増加しています。

永代供養には、個別墓や、集合墓、共同の納骨堂や霊廟に納められる合祀式など、多種多様な方法があります。
一般的には、骨壺から遺骨を出してまとめて土に還す形、また、個別に骨壺のまま安置し、三回忌や十七回忌、三十三回忌など希望する一定期間を過ぎると合葬される、という形を取っている場合が多いようです。

最初から合葬にする場合は費用が抑えられますし、遺骨が混ざることに抵抗がある人には、個別で永代にわたって供養してもらうという方法もあり、利用者のニーズに合わせた様々な方法を選択することができます。

永代供養についてより詳しく知りたい方は以下の記事をお読みください。

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散骨

散骨

散骨とは、遺骨を粉末状にし、海や山、空、宇宙などに撒く供養の方法です。
船をチャーターして沖で遺灰を撒く海洋散骨をはじめ、山の中やヘリコプターから空に撒いたり、バルーンに入れて空へと放つなど、様々な散骨が行われています。

日本を含め、世界中では古来より風葬や水葬、鳥葬といった自然葬が行われていました。
また日本には古くから「自然万物のあらゆるものに神が宿る」という考えがあり、「死後は自然に還る」という供養方法はとても自然な形に感じられる人が多いようです。

お墓を持たない、費用を抑えたいというだけでなく、故人の好きだった場所、思い出の場所に送ってあげたいという遺族の思いにも寄り添える方法と言え、近年注目を集めています。

散骨をはじめ、自然葬についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

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より気軽な手元供養

手元供養とは、遺骨の一部を手元に置いて供養する方法です。
故人をいつも身近に感じていたい、いつもそばで見守っていてほしいと望む遺族はたくさんおられます。
また、お墓が遠くて頻繁にお参りできない人や、遺骨のすべてを散骨してしまうことに抵抗のある人にも、手元供養はより良い供養の形と思われます。

デザイン性の高い陶器やガラスの骨壺に遺骨の一部を入れて部屋に置いたり、ペンダントや指輪に内蔵して肌身離さず持ち歩いたり、遺骨をプレートやオブジェ、ダイヤモンドなどに加工するといったこともでき、残された人々の心の拠り所となっています。

手元供養に関する記事もご用意しております。興味がある方はぜひこちらもお読みください。

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供養についての見識の違い

人々

永代供養は先祖に悪い?

永代供養は、ある一定の期間遺骨を個別供養し、それが過ぎると他の人の遺骨と一緒に合葬される形式が多くの場合取られています。
また、宗旨・宗派は問わないというところがたくさんあります。

そのため、「合葬なんて故人を大切にしていないようだ」「先祖代々うちはこの宗派だったのに他の宗派の人とごっちゃにされるなんて…」と思う人もいるようです。
特に、先祖代々のお墓を受け継いできていた場合や、宗教を重視する人、従来の価値観が強い地域に住んでいる人などには、永代供養は故人や先祖に敬意を払っていないように感じられ、受け入れにくいのかもしれません。

散骨で供養されるのか?

散骨についての問題でよく聞くのが、「散骨した後の供養はどうするのか?」「散骨してしまったらお墓参りをする場所がない」というものです。

故人や遺族の意向で散骨をしたものの、実際、“お墓”という手を合わせる場所が無いことに、戸惑い、寂しさを感じる人もいます。
お墓をきれいにし、花を供えて手を合わせるという行為が供養の形であると考える人には、散骨は何も残らないように思えてしまうのかもしれません。

お墓の管理人がいない問題

お墓

『お墓離れの原因』でも取り上げたように、少子高齢化や非婚化、都市への人口流入によって、継承する人がいないお墓というのがどんどん増え、大きな社会問題となっています。

無縁仏の問題

子供のいない夫婦の場合、2人とも亡くなった後はお墓の世話をする人はいなくなってしまいます。
現在故郷にお墓がある人でも、故郷の両親が亡くなった後、お墓の維持管理のためだけに時間と手間をかけて訪れるのは大変です。

このように訪れる人の絶えた管理のされていないお墓は無縁仏となり、その数は年々増加の一途をたどっています。

管理するものがいなくなったお墓はお寺や霊園によってやむなく撤去されることととなり、遺骨は供養、処分されます。
撤去された墓石は通常、業者によって砕石され再利用されます。
しかし近年、その処分数の増加にともなって墓石の不法投棄が日本各地で起こっており、それも大きな問題となっています。

供養の頻度・方法を例に具体的な話し合いを

核家族化や都市部への移住によって、家族が集まる機会というもの自体が減りつつあり、お盆や年末年始ぐらいしか顔を合わせないことは珍しくありません。
そんな中ではなかなかお墓の話をする時間もなく、いざ必要になった時に慌てて…というケースが多く見られます。

また、本人が希望する供養方法であっても、家族に受け入れられるとは限りません。
そのようなトラブルを避け、納得のいく形で供養するには、生前から具体的に話し合うことが大切です。

お墓の問題についてまとめ

いかがでしたでしょうか?
ここでは、お墓を取り巻く様々な問題についてみてきました。

  • お墓を継ぎたいけど継げない人、お墓はいらないという人がいる
  • 少子高齢化や経済の低迷、宗教に対しての意識の変化などでお墓離れが起きている
  • 永代供養や散骨、手元供養といったお墓にこだわらない供養方法もある
  • 継承者のいないお墓、無縁仏が増え、問題となっている

というようなことが分かりました。
お墓を取り巻く問題は、現代社会が直面している大きな課題と言えそうですね。

死というものは誰にでも必ずおとずれるものです。
今一度、自分の死後のお墓や供養の方法について考えてみてはいかがでしょうか?

継承者のいないお墓をどうするか、またお墓を持たない供養方法についてなど、もっと知りたい方はこちらの記事をお読みください。

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