金仏壇についてのあれこれをご紹介します。

浄土真宗の仏壇は金色が多いですが、他の宗派の唐木仏壇との違いや、その成り立ちと金仏壇の形状や価格などについて解説します。

目次

  1. 金仏壇は、なぜ金色?
  2. 金仏壇とは?
  3. 唐木仏壇との違い
  4. 金仏壇を購入する
  5. 金仏壇の掃除と修復
  6. 金仏壇についてのまとめ

金仏壇は、なぜ金色?

浄土真宗の檀家には金色の仏壇があることをご存知の方は多いと思います。
では、なぜ金色なんでしょうか? どのように広まったのでしょうか?
よく目にするけれど、知らなかったこれらについて調べてみました。

金仏壇とは?

金仏壇は、材料の木材に漆を塗り金箔や金粉を施し全体的に金色に輝く仏壇です。
日本古来の伝統工芸である彫刻・蒔絵・錺金具などが施されており、江戸時代から続く産地が全国にあり、以下の15産地は経済産業大臣指定産地になっています。

・山形仏壇 
・新潟白根仏壇
・三条仏壇
・長岡仏壇
・飯山仏壇
・三河仏壇
・名古屋仏壇
・金沢仏壇
・七尾仏壇
・彦根仏壇
・京仏壇
・大阪仏壇
・広島仏壇
・八女福島仏壇
・川辺仏壇

また、産地ごとに彫刻・蒔絵・塗りなどにそれぞれ独特の技法が用いられており、各宗派の本堂内部を模していると言われており豪華な作りが特徴です。
仏壇としてはもとよりその工芸品としての価値も高いものです。

金仏壇のつくり

・仏壇には扉があり、その内側には障子がついています。扉は山門を、障子は寺院本堂の巻障子を模しています。
・仏壇の内側は3段になっており、最上段を須弥壇と呼びます。須弥壇の上に各宗派の本尊をまつります。金仏壇を用いる浄土真宗では、仏像や位牌は置かずに本山から授与された阿弥陀如来の絵像を本尊とし、左右に蓮如上人と親鸞聖人の絵像をまつります。
なお、須弥壇の上を空殿(くうでん)と呼び、各宗派の本山寺院の内陣を模して作られています。

複雑な製造工程

工程ごとに専門職人がいて、複雑な作業により完成まで3か月前後かかるとされています。
おもな工程は以下のとおりです。

木地
檜・松・欅・杉などで仏壇の木地を作り仮組みします。漆を塗った後の漆の厚さをあらかじめ考慮して作られます。

下地
仮組みを解いて、部品ごとに下地を塗ります。この作業は仕上がり具合に大きな影響を与える重要な工程です。

漆塗り
古くから天然漆が使われてきましたが、近年ではカシューや化学塗料などの漆の代用品も使われています。
天然漆は刷毛で塗りますが、代用漆は吹付塗装ができるため作業の簡略化が可能です。
漆塗りの回数が多いほど高級品になります。

金箔・金粉
金箔は漆を使って貼り付けます。仕上がりの光り方によって「光り仕上げ」と「消し仕上げ」とあります。最近は光沢の少ない「消し仕上げ」が多く作られているようです。
また、金箔よりも重厚感を求める場合、金粉を蒔く仕上げ方法があります。金箔よりも金の使用量が多いため高価になります。

蒔絵
漆を筆に付け絵柄を描き、その上に金粉や銀粉を付着させます。伝統的な蒔絵の手法には高蒔絵、平蒔絵、研出蒔絵などがあります。
シルクスクリーン印刷を使って作る蒔絵などもあります。

彫刻
仏壇の欄間、障子の腰、柱飾りなどに精巧な彫刻が施されます。
近年では多くの彫刻が中国などの海外で作られています。

錺(かざり)金具
補強や装飾の目的で仏壇に取り付けられる金具のことをいいます。素材は銅・真鍮・アルミ・鉄などで、鏨(たがね)と呼ばれる道具を使って手打ちで加工する方法が伝統的ですが、近年ではプレスやNC加工機などが多く使われています。

浄土真宗との関わり

室町時代に蓮如上人が、本尊である阿弥陀如来の名号である南無阿弥陀仏と書いたものを信徒に授け道場や家庭で礼拝することを奨励しました。
その後、各家庭で本山から菩提寺経由で授けられた名号の南無阿弥陀仏または阿弥陀如来の絵像を本山寺院の内陣を模した仏壇に安置することが広まりました。
また、阿弥陀如来の浄土を荘厳に示す意味から、浄土真宗では金箔や金粉を多く用いた金仏壇が推奨されています。

どんな種類がある?

金仏壇は、作られる産地や宗派によってそれぞれ違いがあります。
基本的な構造は先に述べたとおりですが、宗派によって下記のような特徴があります。

・浄土真宗大谷派(東本願寺)
浄土真宗の他の宗派よりも金箔が少なく漆塗り部分が多く荘厳なイメージがあります。
屋根は二重、柱は黒漆塗り、須弥壇は黒塗りです。

・浄土真宗本願寺派(西本願寺派)
全体的に金箔面が多くきらびやかなイメージです。
柱・小柱は金箔押し、屋根は一重、須弥壇にも金箔を押しています。
小柱の柱間に昇竜・降竜の彫刻があります。

・浄土真宗高田派
本願寺派の作りに似て、きらびやかなイメージです。
柱・小柱は金箔押し、屋根は一重、須弥壇にも金箔を押しています。
本願寺派と同様に柱間に昇竜、降竜の彫刻を入れます。また、小柱に沙綾形(さやがた)と呼ばれる彫刻を施し、本尊が安置される場所の中柱にも昇竜、降竜の彫刻をします。

唐木仏壇との違い

仏壇の種類は金仏壇と唐木仏壇に分けることができます。
唐木仏壇は、黒檀、紫檀、かりんなどの木材を使用して、美しい木目と艶を生かした落ち着いた雰囲気の仏壇です。
おもに浄土真宗以外の宗派で用いられることが多く、本尊とご先祖の位牌をまつります。

金仏壇を購入する

金仏壇に限らず仏壇は、長い年数使い続けるもので、先祖から伝わる仏壇を代々守っている家庭も少なくないと思います。
また、使う材料が高価であったり、複雑な工程を経て出来上がるため価格も高いものです。
特に金仏壇は工芸的にも緻密な作品と言えることから、購入に際してはもちろん、その後のアフターサービスのことも考慮して信頼できる仏壇店から購入したいものです。

価格の相場

仏壇の価格は、材料・構造・手間のかかり方によって変わってきます。
特に金仏壇は漆塗りの回数や使う金箔・金粉の量、彫刻などの細工の繊細さなどにより価格に大きな幅があります。
また、長い年月使い続けることによって、安い(手間のかかっていない)仏壇と高い(手間がたくさんかかっている)仏壇の差がはっきりしてきます。
おおよその相場は以下のとおりです。
・金仏壇 80万円~130万円
・唐木仏壇 50万円~100万円
なお、工芸的価値の高い金仏壇では1000万円を超えるものもあるようです。

サイズについて

金仏壇のサイズは、浄土真宗のご本尊が描かれた掛け軸のサイズの単位である「代(だい)」が基本になっています。

例:50代の場合
50代サイズの掛け軸が3幅掛けられる幅のある金仏壇のサイズを50代といいます。
産地や宗派によって若干の違いがありますが、50代は1尺6寸(約48cm)です。

そのほかに30代、50代、70代、100代、120代、150代、200代があり、70代は1尺8寸(約52cm)です。

金仏壇の掃除と修復

掃除

できれば以下の道具を用意しましょう。
・仏壇掃除専用の毛ばたき
・細かい部分を掃除するやわらかい筆
・金箔に傷をつけない柔らかい布

掃除の手順
・掃除の前に仏具を全部おろしますが、仏具が金箔に擦れると金箔が剥げることがありますので注意深く作業します。
・金箔の部分は擦らずに毛ばたきで埃をはらいます。細かい部分は筆で埃を取り除きます。
・汚れのひどい部分は、やわらかい布を水で濡らして拭きます。
・仏具に汗などが付着すると変色することがありますので、仏壇に戻す時にやわらかい布で拭きます。

修復と再生

金仏壇は、基本的に金箔が剥がれたり傷んだ場合に、修復・再生ができるように釘をなるべく使わずに作られています。
仏壇を分解して木地の修復や塗替えを行い、金箔を施すこれらの修復・再生作業を洗濯や塗替えと呼び、多くの手間がかかることから時間もかかり、料金は安い海外製仏壇程度かかります。
最近の海外製の安い金仏壇はこれらの洗濯や塗替えができないものもありますので事前に確認しましょう。

金仏壇についてのまとめ

いかがでしょうか?
浄土真宗の檀家の皆さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、他の宗派の檀家の皆さんにとって新たな驚きがあったかもしれませんね。
この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

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