【葬儀花の種類と献花のマナー】~最期のときに心を込めて~

葬儀に「花」は欠くことのできないものです。「葬儀の花」には、その用途や役割によって名称や花の種類、マナーも異なります。中でも「献花」は接する機会の少ないものです。心を込めて行う「献花」について、花の種類やマナーをその他の葬儀の花の種類と合わせてご紹介します。

目次

  1. 葬儀・葬式に欠かせない「花」の存在
  2. 葬儀の花 その種類と用途
  3. 献花とは
  4. 献花のマナー
  5. 葬儀の花 その種類と目的を心得て

葬儀・葬式に欠かせない「花」の存在

通夜・告別式を問わず、「葬儀」に花は欠かせないアイテムです。
厳粛かつ沈痛な場である葬儀にあって、式場に飾られた花々は、参列した人々の心を落ち着かせ、故人へ思いを馳せ、冥福を祈ることや悲しみの淵にある遺族の心を慰める一助となる、大切な存在でもあります。

しかしながら、葬儀の場の花と一口に言っても、さまざまな種類があり、それぞれに呼び方や用途・役割が異なります。
まずは、「葬儀の花の違い」をしっかりと認識しておくことが大切です。

葬儀

葬儀の花 その種類と用途

葬儀の花には、主に3つの種類があり、それぞれに特徴や用途に違いがあります。

枕花(まくらばな)

枕花(まくらばな)は、亡くなった方の枕元に飾る花のことです。
通夜式の前から、血縁の方々や故人と特別に親しかった人が故人の枕元にお供えする花ということになりますので、亡くなられて一番最初に飾る花が「枕花」です。白い生花を用いるのが一般的で、花の種類に特別なきまりはありません。

供花(きょうか くげ)

最近では、訃報とともに「香典、供物、供花の儀は、お断りいたします」という一文が添付されることが増えて「供花(きょうか くげ)」という言葉は目にすることがあるという方も多いと思います。
供花は、祭壇や式場などに飾られるもので、お悔みの気持ちを伝えるための花です。
贈った個人の名前や会社、団体名などの入った札がつけられて飾られます。
花の種類に特別のきまりはありませんが、式場に申し込めば、祭壇の設えや故人、遺族の意向に沿ったものを選んでもらえます。

献花(けんか)

献花は、参列した人が祭壇に供える花のことを言います。
「供花」と「献花」を混同されている方もあるようですが、用途の違いで覚えておくと間違いがありません。
供花は、祭壇を飾るという用途に使うものであり、「献花」は、故人に手向ける花です。
献花は、一人が一本ずつ、順番に祭壇に供えて冥福を祈るもので、キリスト教式の葬儀では、仏教式の焼香の代わりとなります。
また、無宗教での葬儀、あるいは、「お別れの会」などでも、この献花が行われることがあります。
献花用の花は、式場で用意されていますので、参列者が持参していくものではありません。
花の種類としては、原則として、一本の茎に一輪の花が咲くもので、白い花が使われることが多いのですが、「お別れの会」などでは、故人が好きだったという理由で色のある花の場合もあります。

その他の葬儀の花

「枕花」「供花」「献花」以外にも、地域や宗派によって葬儀の花として用いるものがありますが、代表的なものは、「花輪」「立ち花」などがあります。

いずれにしても、葬儀の場が殺風景で寂しいものだと故人とのお別れがますます悲痛なものになってしまいます。
特に、「供花」は、故人の遺志やご遺族の意向に沿うことを第一に考えるべきです。

献花とは

葬儀の花の種類や用途を理解した上で、今回のメインテーマである「献花」について、その本義をご説明しましょう。

キリスト教における献花の歴史

先にもご紹介した通り、「献花」といえば、キリスト教式の葬儀では、絶対不可欠のものです。

その淵源は、イラク北部のシャニダール洞窟から発見されたネアンデルタール人の遺骨のまわりに、その洞窟では生息しない種類の花の花粉が発見され、何万年も前から死者に対して、花を手向けるという行為があったのではないかと推測されているところにあるようです。

献花の花の種類

献花に使われる花の種類としては、キリスト教式の葬儀では、「白のカーネーション」が最も多いと言われています。

①一輪咲きであること
②茎がしっかりしていること
③持ちやすい長さがあること
④白色の花の品種があること
などが主な理由とされています。

この条件を満たす花としては、葬儀ではよく使われる「菊」が想起できますが、「菊」には仏教のイメージがあるところから、キリスト教式では、あまり使われないようです。

と同時に、白のカーネーションでなければならないというきまりがあるわけでもありませんので、理由の①②③を満たしているものであれば、故人が好きだった花という理由で、カーネーション以外の種類の花を使われる場合もあります。

キリスト教の献花の意義

葬儀

献花の説明の箇所で「献花は故人に手向けるもの」「仏教式葬儀の焼香に代わるもの」と記しましたが、これは、あくまで日本におけるキリスト教、あるいは、無宗教での葬儀での意味合いになります。

本来、キリスト教式の葬儀では、「遺体や棺を飾る」ために行うのが献花です。
なぜなら、キリスト教では、「捧げる」ものは、どんな種類のものでも、主である神にするものであって、故人といえども、人に対してするものではないという考え方があるからです。

また、キリスト教と仏教とでは、「死者」に対する考え方も異なります。
しかしながら、仏教思想が強い日本の風習のなかでのキリスト教式葬儀では、本来のキリスト教の在り方だけを強調したのでは、異端視されたり、誤解を生じたりするところから、広義的に「故人に手向ける」という意志を持って行われた献花も容認されているということのようです。

献花のマナー

実際に献花を行うときのマナーについて、ご紹介しておきましょう。
自分自身の宗派、信教はどうであれ、縁のあった方との最期のお別れの瞬間です。
心から冥福を祈り、心を込めて献花するというのは、言うまでもないことですね。

献花の手順

献花の手順は、以下の通りです。
 ①会場の係員から花を両手で受け取る
  この時、花がついている側を右手でもち、左手は根元の方を持ちます。
  
 ②遺族へ一礼して祭壇に進む

 ③祭壇に一礼する

 ④花がついている側を自分に向けて、祭壇に供え、遺影を見て黙とうする
  花を置くときに、持っている手を離さないようにして、花を時計回り(右回り)に回して
  花が自分の方に向いたらそのまま、祭壇に静かに置くようにします。
 
 ⑤牧師や神父、遺族に一礼してから祭壇前を離れる

キリスト教式葬儀では「御花料」

仏教式葬儀での「お香典」にあたるものが、キリスト教式、あるいは無宗教での葬儀の場合は「御花料」になります。

不祝儀袋に「御霊前」と記して、お香典同様にお渡しするかたちでもいいのですが、どうしても参列できなかった場合などは、「故人へ手向ける献花の代わりに」という意味を込めて「御花料」として送ります。

この場合の金額相場としては、お香典の一般的な相場を参考にされるといいと思います。
供花と同様、故人の遺志や遺族の意向などで、辞退される場合もありますので、よく確認する必要がありますね。

葬儀の花 その種類と目的を心得て

日本で営まれる葬儀は、仏教式が圧倒的に多く、キリスト教式葬儀に参列する機会が少ないという現実もあるなかで、悲しみの極みという非日常な感情の中で、最期のお別れの時に行うのが「献花」です。
深い思いがあるほど、きちんとした正しい作法、手順で行うことが、故人に対しても、ご遺族に対しても真摯な気持ちが伝わります。
いざというとき、落ち着いて、心を込めて献花できるよう、手順をしっかり覚えておきたいものです。

訃報は、突然届くものです。
その驚きや悲しみは、経験したことがないという人の方が少ないと思います。
仮に、長い療養期間があったとしても、必ずや快癒され、再び、語り合い、笑い合える日が来ると信じて待っていた者としては、無念のお知らせが、途方もなく、寂しく、悲しいものです。

遺族はもとより、参列する有縁の人々の寂しく、つらい痛みを少しでもやわらげ、慰めてくれるのが「葬儀の花」であり、それ故に、その種類と役割、目的に応じて正しく心得ておく必要があります。

葬儀の花の種類の多様さに故人への思いを重ね、ご遺族の悲しみに寄り添い、心静かにお別れの時を過ごしたいものです。

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