神主に必要な資格の取り方!大学や通信教育がある?

最近のスピリチュアルブームの影響で神社で働く神主さんに興味を持った方もいらっしゃることでしょう。ですが神主になるには資格が必要なことをご存知でしょうか?今では就職サイトや情報誌などで簡単に職業訓練の情報が手に入りますが、神主の資格については記載がありません。

目次

  1. 意外と知らない神主の資格取得
  2. 神主の由来と神社での役割
  3. 神主のなり方 ~神職の資格取得~
  4. 神主の世界 ~神主の階級と職階~
  5. 神職の資格試験 ~上位の階位になるため~
  6. 神主の資格は長い道のり

意外と知らない神主の資格取得

古くから日本には親の職業を代々引き続けていくという伝統がありました。
現代では誰でも様々な職種になれますが神社で働く神主になれる人は
代々神主の家の人だけだと言われています。
現代では誰でも神主になることができますが
今の神社界においても、生家が神主の家系の人の方が就職や出世に有利
という風潮が残っているのも事実です。

しかし出身がどうであれ、神主になるためには神主の資格取得が必須
なことは意外と知られていません。
今回は神主に必要な資格と資格の取り方をご紹介します。

神主の由来と神社での役割

神主とは、神社で働いている人のことをいいます。
一般には「神主」と呼びますが、正確には「神職」と言います。
現代ではどちらも同義語として使われているので神主でも間違いではありません。

神社で働くことを「奉職」と言います。
由来は神主の仕事で一番大切なことは神社にいらっしゃる神様にお仕えすることです。
そこから神社に就職することを奉職と呼びました。
神主の起源は大変古く、古代日本で神道が誕生したと同時に
神職も誕生したと言われています。

神主の仕事は神様への奉仕が最大の理由ですが、
ほかにも
➀神社の維持・管理
②神事・祭事を行う
③参拝者への対応・祈祷を行う
これらも大切な神主の仕事の一環です。

神主のなり方 ~神職の資格取得~

神主になるためには出自は関係なく神職の資格の取得が必要です。
資格取得には特別な養成機関に入学して、専門課程を修了しなければいけません。
この資格のことを「階位」と言います。

神主の養成機関

資格取得ができる養成機関は以下の3つに分類されます。
➀大学の神道科を卒業する(4年課程)
②各神社で行う神職養成所を修了する(2年課程)
③神職養成通信教育を修了する(2年課程)

➀神職の大学

全国でも2校しかない神道科のある大学に入学する方法です。
大学の入試試験に合格すれば誰でも神職への道が開かれるため、
神職を志す人たちには一番の近道といえます。

國學院大學(東京都)と皇學館大學(三重県)のしかありません。
大学卒業者には神職の階級で上から3番目の「正階」(せいかい)
になれる資格が取得できます。
さらに専門課程を履修すれば一つ上の階位である「明階」
を得ることもできます。

②各神社の神職養成所

全国に6カ所ある神職養成所に入学する方法です。
出羽三山神社神職養成所(山形県)
志波彦神社  塩竈神社神職養成所(宮城県)
熱田神宮学院(愛知県)
京都國學院 (京都府)
神宮研修所 (三重県)
大社國學館 (島根県)
これらの養成所に入学するためには神社本庁からの推薦状が必要です。

神職養成通信教育

全国で唯一の神職の通信教育を行っているのが大阪國學院です。
ただし受講資格は緊急事態が起きて急いで神職の資格が必要な者のみが対象です。
こちらの方法も神社本庁の推薦状が必要です。

どの養成機関で受ける授業の内容は
神社での礼儀作法、神道学、宗教学、古文、歴史、法規、祝詞の読み方、発声練習…など
すべて神社の神様にご奉仕する基礎を身に付けます。

どの養成機関を卒業しても
神職資格の最低の階位である「直階」(ちょっかい)を取得できます。
ただし大学を卒業した場合は県社の宮司になれる「正階」の資格を得るため
他の専門課程修了者よりは出世が早いです。

神主の世界 ~神主の階級と職階~

神主として神社で働くためには一般の就学生と同じく
奉職先の神社を見つけなければいけません。
奉職の情報は各学校に集まります。
奉職先が決まれば晴れて神主としての第一歩が始まります。
神社は複数人の神職が奉職しています。
それらの神職たちには細かい身分と階位そして職階が定められています。
この3点が複雑に重なり合って神職の地位が決まります。

神社

神主の身分

神職は6階級の身分が存在します。
上から
特級 → 一級 → 二級上 → 二級 → 三級 → 四級
となります。

各身分によって身に着ける衣装である袴の色と柄が変わります。
・特級   白紋入り白袴
・一級   白紋入り紫袴
・二級上  紫紋入り紫袴
・二級   紫袴(紋無し)
・三級   浅葱色(紋無し)
・四級   白色
普段の衣装は身分に関係なく上に着る着物は白色です。
袴の色でその神職の身分を一目で分かるように区分されています。

神事を行う際は神職は白い着物の上に袍(ほう)と呼ばれる上着を着用します。
袍は神職たちの「正装」です。

神職の衣装の色と柄は身分の違いにあります。
上の身分になるためには上位の「階位」の資格取得が必要になります。

神主の階位

神職は5つの階位で分類されます。
この階位は神社本庁で定められたものです。
階位の名称の由来は神道で徳目とする「浄明正直」(浄く明く正しく直く)から取られました。

上から
浄階(じょうかい)→明階(めいかい)→正階(せいかい)→権正階(ごんせいかい)→直階(ちょっかい)
となります。

階位は神社内での職階とも大きく関係してきます。
・浄階(じょうかい)    神職の最高位。
              長年神社界に貢献してきた者に与えられる名誉階位。
・明階(めいかい)     宮司・権宮司になるために必要な資格。
              伊勢神宮の大宮司以外ならどこの神社の宮司にもなれる。
・正階(せいかい)     県社の宮司、禰宜(ねぎ)になるために必要な資格。
・権正階(ごんせいかい)  県社以外の神社の宮司になるために必要な資格。
・直階(ちょっかい)    神社の権禰宜に必要な、基礎的な階位。

浄階以外の明階までは所定の研修を受けることで階位の昇進が可能となります。
研修を修了した上で、昇進試験に合格することで上位の階位の資格を得ることができます。
この研修は各地の養成所や大学、神社本庁で行われます。
研修を受けるためには所属する神社の上の階位の神職からの推薦状が必要になります。

神主の職階

神社内での役職の順位で5つに分類されます。
神社の規模によって役職が複数人いる大規模な神社や
神主が一人しかいない小規模な神社まで
すべての神職に職階がつけられています。

上から
宮司 → 権宮司 → 禰宜(ねぎ)→ 権禰宜(ごんねぎ)→ 出仕(しゅっし)
となります。

職級と階級、身分は連動して変わります。
例えば県社の「宮司」の場合は、階位は正階で、身分は二級の紫色の袴を着用します。

職階の役割分担は、
・宮司           神社の経営最高責任者。
              神社の代表であり、各神社に1名しか在職していない。
・権宮司(ごんぐうじ)   宮司の補佐。大きな神社にのみ在職しているため、
              一般の神社にはいない場合の方が多い。
・禰宜(ねぎ)       宮司の補佐。
             比較的大きな神社に複数人で在職している場合がある。
・権禰宜(ごんねぎ)   禰宜の補佐。一般の神職たちに該当する。
・出仕(しゅっし)    神職の資格がない見習い。学生に多い。

昨今の神社の後継者不足、人手不足の影響から神職が常駐していない神社も増加しています。
このため近隣の大きな神社の宮司が複数の神社の宮司を兼任している場合がほとんどです。

これらの職級に就任するためにはそれぞれの階位の資格を取得しなければいけません。
資格取得のためには長年の神社界への貢献度、地域への貢献、ほかの神職たちからの人望、
神道に関する深い教養…などが必要となります。
そのためには日々の精進が欠かせません。

神主

神職の資格試験 ~上位の階位になるため~

上記で説明した通り大学以外の養成機関を卒業した場合は
一番階位の低い「直階」(ちょっかい)になれます。
しかし全国の神社のほとんどが人手不足のため
神社に神職が常駐できないのが現実です。
そのため新たに神職になる若い人たちには
即戦力として期待されています。
なので「宮司」として神社を取り仕切れる神職になるためには
上位の階位の資格の取得が必要となります。

上位の階位の資格取得には
神社本庁や大学などの養成機関で行われる研修を受講します。
この研修の受講資格には
奉職先の神社への貢献度や人徳、奉職歴など様々な観点から
上位の神職の推薦状の提出が必須となります。

受講後は年1回行われる資格試験に臨みます。
上位の資格の取得には長い年月と日々の努力が必要となる
大変な苦労の連続を覚悟しなければいけません。

この階位の各試験を合格して各神社の宮司として奉職できます。

神主の資格は長い道のり

いかがだったでしょうか?

神主の資格のポイントは
資格取得には2段階あるということです。
➀養成機関で最低限の資格「直階」を取る
②奉職後は上位の階位の資格を取る

長い神主として勤めていくためには
誰もがこの2段階の方法で資格を取らなければいけません。

さらに所持している資格によって
➀身に着ける衣装の色と柄が違う
②神社内の職階が変わる

神職たちの資格には
神社でよく見かける衣装や役職名などと
重要な関係にあることがわかります。

神職は簡単になれることではないのはもちろん、
上の資格を得るためには日々の勉強が欠かせません。
それでも神様にお仕えして
地域の神社を守っていく神職は
日本文化を守るかけがえのない在なのです。

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