近年注目の高まる散骨 でも違法性はないの?

今、核家族化や少子化といった現代事情などにより、お墓を持たない散骨という葬送方法に注目が集まってきています。遺骨を好きなところに撒いていいの?違法じゃないの?など疑問に思う方に向けて、散骨の方法や違法性などについてご紹介します。

目次

  1. 散骨とは?
  2. 散骨の方法
  3. 散骨って違法?
  4. 違法にならないために注意すべきこと
  5. 散骨でのトラブルや問題
  6. ペットの散骨は?
  7. 散骨の方法や違法性についてのまとめ
  8. 終活の専門家に相談してみよう

散骨とは?

散骨

お墓を建てたり、先祖代々のお墓に納骨するのではなく、火葬した後の故人の骨を粉末状にして、一部または全部を海や山、空などへ撒く埋葬の仕方。

お墓に入らないという選択

お墓

近年、核家族化や地方の過疎化、少子化といった変化により、先祖代々のお墓を継承したり、維持管理することが難しくなっている実情が数多くあります。

先祖のお墓は実家にあるけど遠方のためなかなか墓参りに行けない、継承する子供がいない、自分の死後に子供に負担をかけさせたくない、お墓を建てたり維持する費用がないなど、お墓について悩んでいる方は少なくありません。
また、そもそもお墓に入ることに意味や価値を感じない、費用の面などに納得がいかない、形式にとらわれたくないという考えもあります。

急速に変化する現代社会において、従来の日本の葬儀や仏教に対する意識が変わりつつあり、お墓についての問題は現代の日本社会の大きな問題のひとつとなっています。

注目される供養方法のひとつ散骨

そのような問題を背景として、今注目を集めているのが散骨という供養の仕方です。

日本は仏教を基盤として発展してきた半面、古来より万物には八百万の神が宿るとする精霊信仰、自然信仰としての神道という宗教観があります。そのため、死後は自然に還る、土に還るという感覚を多くの人がごく自然に持っています。

従って、散骨や樹木葬といった自然葬は人々に違和感なく受け入れられる埋葬方法であり、今後も広がっていくと考えられます。

散骨の方法

一口に散骨と言っても、さまざまな方法があります。

海への散骨

青い綺麗な海へ散骨を希望する人はたくさんいます。思い出の海だったり、生前は行けなかった憧れの南の海など、散骨場所として最も人気が高いのが海洋散骨です。
船を貸し切って家族や故人の親しい人達の立ち合いによる散骨を行う方法や、複数の遺族が同船して合同で散骨を行う方法、遺骨を業者に預けて任せる方法など、海洋散骨はやり方も様々です。

野山など陸地への散骨

故人が子供のころに遊んだ故郷の野山や、思い出の場所、見晴らしの良い山などへ散骨を希望する人も年々増えているそうです。登山家の間では山への散骨は一般的で、登山仲間だった個人の遺灰を山頂で撒く「弔い登山」というものがあるそうです。

空や宇宙への散骨

宇宙

航空機による空からの散骨。セスナなどの小型航空機やヘリコプターをチャーターして行います。また、巨大なバルーンに遺灰を詰め、宇宙に向けて空へと放つ宇宙葬という形もあります。

散骨って違法?

困った

散骨についての法的見解

遺骨の管轄である厚生労働省は、「遺骨を山や海に撒く葬送は規定していないため、この法律の範囲外として抵触することはない」との見解を1991年に述べたと言われています。従って現在の法律では散骨は違法行為とはされていません。
また、同じく法務省では「葬送の目的のために厳粛に節度を持って行う限りは違法行為ではない」との見解を述べています。
さらに環境省も「法律による規制はない」と、散骨についての違法性はないとしています。

合法でも違法でもないグレー状態

しかしこれらの見解は、法律を定めた時に散骨というものが社会的に認知されておらず、想定されていなかっため法律がないとも言えます。従って、「違法というわけではなく、ルールが確立していない」というのが現在の状況と言えます。

また、お墓に入る場合には墓埋法と呼ばれる「墓地、埋葬等に関する法律」があり、それに従って各所への届け出が必要です。しかし散骨する場合については現在何も決まっていないため、公的機関などへの許可や申請などは必要ありません。

違法にならないために注意すべきこと

散骨自体は決まったルールもありませんし、今のところ違法とはされていません。しかし、散骨方法に気を付けないと他の法律に触れることがあり、違法とみなされる場合があります。

土に埋めるのは違法

墓埋法では「焼骨の埋蔵は墓地以外区域にはしてはならない」とされています。従って、墓地以外の土中に骨を埋めたり、遺灰の上に土をかけたりする行為は違法とみなされます。そのため、土に埋める方法での散骨は原則的に禁止されています。また、墓標を建てるのも違法となります。

遺骨をそのまま撒くのは違法

遺骨を骨の状態のまま散骨すると刑法第190条「遺骨遺棄罪」となり違法です。そのために、散骨には遺骨をお骨と分からない程度に粉末化した形にして行う必要があります。

他人の土地・漁業権が付与された場所はNG

故人の思い出の場所といっても、他の人の所有地である場合に、その場所に無断で散骨してはいけません。テーマパークや様々な施設などへの散骨を希望する人もいるかもしれませんが、競艇場に散骨された横山やすし氏など、有名人でない限りおそらく許可はおりないと考えられます。

また海洋散骨の場合、漁場や養殖場、海上交通の要所などは避けなければなりません。各葬儀社では、海外での法規制などを参考にした自主ガイドラインにおいて「海岸から20km以上沖合いで行う」などと決められています。

近隣住民などへの配慮

遺族にとってはかけがえのない故人の遺灰ですが、他の人にとって身近に人の遺灰が撒かれるというのは気持ちの良いものではないということを理解しておかなければなりません。生活水源の近くや海水浴場、農作物を栽培している場所の近くなどは避けるべきです。違法にはならないかもしれませんが、配慮が必要です。

散骨でのトラブルや問題

海や空への散骨の場合はほとんど問題はありませんが、陸地での散骨はトラブルが生じることもあります。法律では散骨を違反とはしていませんが、自治体によっては散骨についての禁止条例を設けているところもあります。

北海道長沼町の例

平成16年、NPO法人によって樹木葬森林公園の施設設置の届け出が行われたところ、地域住民の反対にあいました。農作物を生産している近隣の住民が、生産物に対する風評被害や地価の下落を懸念したためです。これによって平成17年5月に、日本で初めて散骨を規制した条例が制定されました。

自宅の庭への散骨

故人の住み慣れた場所であったり、いつも故人をそばに感じていたい、見守っていてもらいたいという遺族の思いから、自宅の庭に散骨したいと考える人も多いと思います。しかし、隣近所の人達から苦情がきてトラブルになったり、土地を売却したいと思った時に買い手がつかなくなるといった可能性が出てきます。

海外での散骨

旅行に行った先での散骨を考える人も多いですが、国によって散骨の法律や規制が異なります。知らずに散骨してしまった場合、違法性を問われ罰金や懲役となることもあるので、事前によく調べることが必要です。

ペットの散骨は?

現在、子供の総人口よりもペットの飼育数の方が上回っているとも言われている中、愛犬や愛猫がなくなった後の葬送方法にも注目が集まっています。人間同様に火葬して骨壺に入れ、埋葬することを望む人が増えたことにより、ペット専門の葬儀社なども増加傾向にあります。

飼い主と共に同じ墓に入れる霊園もありますが、数はまだ多くありません。また、飼い主にとっては子供同然の存在であっても、動物と人間を同様に扱うことに嫌悪感のある人もおり、先祖代々の墓にペットを入れることに反対される場合もあります。

ペット

そんな中、注目されているのが散骨です。現状、動物の埋葬方法については法律もなく、ペットの散骨にも違法性はありません。人間と同様に行うことが可能です。飼い主がなくなった際に一緒に散骨することもできます。注意すべき部分は人間の散骨と同様です。

散骨の方法や違法性についてのまとめ

散骨

散骨について、その方法や違法性、問題点についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?明確なルールが確立されていない中、今後ますます増えて行くと思われる散骨。トラブルにならないためにも事前によく調べ、自身や故人、遺族が望む形の葬送方法が送れるといいですね。

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