奈良の大仏の開眼供養をご紹介。身近な仏壇の開眼供養についても

新しい御仏壇の造った時は、開眼供養して仏さまの魂を入れ込みます。開眼供養は東大寺の大仏での儀式が始まりと言われています。大仏の開眼供養は1万数千人が参列して盛大にとり行われたと言います。開眼供養の営み方なども含めて紹介します。

目次

  1. 御仏壇ができたら、開眼供養を
  2. 開眼供養の営み方
  3. 奈良の大仏は聖武天皇の発願で
  4. 大仏の開眼供養は盛大に
  5. 大仏、開眼供養のまとめ

御仏壇ができたら、開眼供養を

新しく御仏壇やお墓を完成させた時に営まれる儀式、法要のことを開眼供養(かいげんくよう)、開眼法要といいます。
「入魂式」、「入仏式」、「魂入れ」、「性根入れ」などとも呼ばれています。
この開眼供養の儀式は、御仏壇や墓石に仏の魂を迎え入れるために行なわれます。
お墓は建てただけではただの石で、御仏壇は設置しただけではただの箱です。お仏壇や墓石、ご本尊は開眼法要を済ませて初めて礼拝の対象になるのです。

仏像を作成する際には、大部分を完成させ、最後に「点睛」、つまり眼を描くことによって仏像に魂を入れて完成となります。仏の魂を入れるこの点睛を重要視して、開眼法要、開眼供養として儀式化されたものなのです。
この開眼の儀式が日本で初めて行われたのは、奈良時代の752年、東大寺の大仏についての開眼供養だったと伝えられています。

仏壇の開眼供養は、仏壇を新しく購入した時や引越しした時などに行ない、家庭で祖先を祀るという大切な法要のひとつになります。とはいえ、費用の面などで負担が多いことも事実なので、一周忌や三回忌などに合わせて仏壇を購入し、開眼供養と年回忌とを合わせて行なうことが多いようです。
供養の営み方は、宗派によっても異なりますので、お寺や仏壇を購入したお店などに相談してみるのがよいでしょう。
例外として、浄土真宗では本尊などに魂を込めるという概念が無いため、開眼供養をすることはなく、「御移徙(ごいし)」と呼ばれる慶事の法要を営むことになっています。

開眼供養の営み方

開眼供養は、始めて我が家にご本尊を迎え入れる儀式になりますので、一生に一回あるかどうかという儀式になります。
年回忌などの定期的な法要以上に大切な儀式になりますので、実施する前に、入念な準備と調査をしておきましょう。

御仏壇の準備から

宗派によって方法が異なることもありますので、一般的な準備のことを参考まで。
まず、ご飯を炊きます。
僧侶が来る前に、御仏壇の正面や両脇の仏器にご飯を供えます。
花を供え、お膳に料理を少し盛り付けます。
お箸は御仏壇の方に向くように置いて供え、果物やお菓子を高月に供えます。
このとき、高月に白の紙を引いてその上に供えるようにしましょう。
ローソクは赤を用意します。

お布施は、服装は?

お布施は年忌法要などと同額が目安ですね。
一周忌の法要などと一緒に開眼法要を営む場合でも、お布施は別々に用意しましょう。
開眼法要のお布施には「開眼供養 御布施」と表書きして包みますが、他の年忌法要などと兼ねて行なう場合はその年忌法要のお布施の半額程度でも良いとされているようです。
開眼法要はお祝い事ですから、包みに水引をする場合は紅白の結び切りとします。白黒・双銀・藍銀などの水引きを使わないように注意してください。

参列する際の服装は、開眼供養だけであれば黒の略葬服(平装)でも問題ありません。だからと言ってカジュアルにならないよう注意してください。お祝い事ですのでネクタイは白になります。
他の法要が続いてある場合は、礼服として、開眼供養と次の法要との間に小休止がありますから、その間にネクタイを黒に取り替えます。
小休止の間に、お坊さんも袈裟を着替えます。ろうそくも赤から白に取り替えます。
小休止が無い場合もあるので、通しの場合は始めから黒ネクタイが無難ですね。

奈良の大仏は聖武天皇の発願で

奈良の大仏

東大寺、大仏の開眼供養が、日本で初めて行なわれた開眼の儀式だったと伝えられています。
どのように行なわれたかが気になりますが、この大きな大仏様、どのようにして建立されたのでしょうか。

天平の時代、不安定な時代に安定を

大仏が建立された奈良時代、8世紀前半、天平時代の日本は決して安定した状況ではなかったのです。
天平9年(737年)には、当時政治の中枢にいた藤原四兄弟が相次いで疫病で死去、734年には大地震で甚大な被害があったり、天平時代は例年干ばつや飢饉が続いて、社会不安にさらされた時代だったようです。
聖武天皇はこうした社会不安を取り除き、国を安定させたいという願いから、743年に大仏造立の詔を発したと言われています。

約7年かけて完成した大仏

記録によれば、大仏造立が開始されたのは745年9月のこと、聖武天皇が746年11月に盧舎那仏の燃灯供養を行っています。これは大仏鋳造のための原型が完成したことを意味すると言われています。
鋳造は747年11月に開始され、749年12月に終了、2年強の間に大きな像を下から上へ8段に分けて鋳造したと伝えられています。

鋳造ができてもそれに、鋳加(いくわえ)、鋳浚(いさらい)という、鋳造後の表面の仕上げや、螺髪の取り付け、像表面の鍍金(金メッキ)、光背の制作など、多くの工程があって、752年5月の完成、大仏開眼供養会を迎えることになるのです。
これだけの大きな像を造立するには、想像を絶する困難があったものと思われます。
今のような溶接技術もない時代、鍍金の溶剤として用いられた水銀の中毒や、作業中の事故などで多くの人命が失われたとも言われています。

大仏の開眼供養は盛大に

こうして、752年5月26日には大仏開眼供養会が挙行されました。
聖武太上天皇、光明皇太后、孝謙天皇を初めとする要人が列席し、参列者は1万数千人に及んだと言います。
「続日本紀」、「東大寺要録」などに開眼供養の様子がこまかく記録されています。

要人の列席のもと

玉座には聖武太上天皇、光明皇太后、孝謙天皇が座り、南門からは上位の僧1026人が入場、開眼の導師を務めるのはインド僧の菩提僧正、華厳経を講ずる講師は大安寺の隆尊律師、華厳経を読み上げる読師は元興寺の延福法師だったそうです。
大仏の瞳を描き入れる儀式は、聖武太上天皇が体調不良のため、インド僧の菩提僧正が担当したと言います。

1万数千人が参加、盛大に

瞳を描き入れる筆の長さは約57センチ、その筆には「縷(る)」と呼ばれるたくさんの細い糸がつながれていて、その長さは190メートルに及んだと言います。列席の人たちは、その縷に触れて大仏と結縁することができたそうです。
この後、僧侶など9799人が南門から入場し、大安寺、薬師寺、元興寺、興福寺の四大寺の僧か数々の珍宝を大仏に献じ、さらに日本、中国、朝鮮の楽人・舞人らによる楽舞が披露されて夕方まで儀式は続いたとのことです。

大仏、開眼供養のまとめ

新しい御仏壇に仏の魂を入れる開眼供養の儀式、一生に何回もあることではないので良く調べて行ないたいものです。
仏事なのですがお祝いごとなので、ろうそくも赤色のものを使いますし、参列する男性のネクタイも白となっています。
752年に行なわれた、東大寺の大仏の開眼供養が日本で初めての儀式であったと伝えられています。
あれだけ大きい大仏を建立するには、大変な苦労があったかと思いますが、その開眼供養には1万数千人の参列者があったと伝えられています。
新しい御仏壇を造るということは、人生に一度あるかないかと思います。
丁寧に魂を入れてご先祖様を祀るようにしましょう。

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