お供えの決まりとは?お仏壇で故人と向き合う

お仏壇は、亡くなった方に思いを寄せる大切な場。好物をお供えしてあげたい、きれいな花をお供えしてあげたい、などの気持ちがあると思います。ですが、お仏壇には様々なしきたりやマナーがあるもの…。お供えの際にはどんなことに気をつければよいのか、まとめてみました。

目次

  1. お仏壇にはさまざまな決まりがある
  2. なぜお供えをするの?
  3. お花、ご飯…お仏壇の一般的なお供え物は?
  4. 花の向きは?お供えの意味からわかる心構え
  5. お仏壇にお供えしてはいけないご飯って…?
  6. いつもと違うお供え物
  7. 宗派や地域によっても違う
  8. お供えは故人を大切に思う心を表すもの

お仏壇にはさまざまな決まりがある

仏壇

お仏壇は日本人にとって、日々の生活の中で亡き人に向き合う大切な場所。
好きだった食べ物やお花をお供えしてあげたいという方も多いかと思います。

ですが、お仏壇は本来、仏様をお祀りする場所でもあります。
そのため、お供えにもさまざまな決まりや作法があります。

正しいお供えのし方ってあるのかしら?
これはお供えしてもよいものなのだろうか?

そんなふうに悩まれる方のために、
お仏壇のお供えについて解説してゆきたいと思います。

なぜお供えをするの?

そもそも、なぜお仏壇にお供え物をするのでしょうか?

お供えの習慣は、仏教誕生の地、インドから伝わってきたものです。
インドではお供えを「プージャー」と呼び、特別な来客をもてなすときと同じように神様を供養します。

ですから、お仏壇への「お供え」も、仏様やご先祖様など、敬うべき方をおもてなしするためのもの、と考えられます。

お花、ご飯…お仏壇の一般的なお供え物は?

宗派などによる違いもありますが、仏壇には基本的に、次の五つのものをお供えします。

・お香…お線香、抹香など。
・お花
・灯明(とうみょう)…ろうそくの明かり。
・浄水(じょうすい)…お水。
・仏飯(ぶっぱん)、飲食(おんじき)…食べ物。

これらは「五供(ごく、ごくう)」と呼ばれます。
「お供え」というと食べ物を連想する方が多いかと思いますが、
お香やお花も「お供え物」なのですね。

花の向きは?お供えの意味からわかる心構え

五供にはそれぞれ、お供えする意味、なぜこれをお供えするのか?という理由があります。
どのようなものなのか、一つずつ見てみましょう。

お香

お香のよい匂いによって、お仏壇にお参りする人の心身を清める意味があるとされています。
また、かつてお香は貴重品でしたので、仏様への敬意を表す意味もあったと考えられます。

お花

お花は仏様の慈悲の心を表すものと言われています。
ですから、お仏壇に花を供えるといっても仏様に見せるように活けるのではなく、
お参りする私たちの方に向けて活けるのですね。

灯明(とうみょう)

灯明とは、ろうそくのことです。
ろうそくの光は、「悟り」の光明を表しているとされます。

仏教では、人間は普通、煩悩にとらわれて暗闇をさまよっているような状態だと考えられます。
煩悩による苦しみをすっと吹き払う「悟り」のイメージが、
ふっと灯せば暗闇を照らしてくれるろうそくの姿に重ねられているようです。

浄水(じょうすい)

お水のことですが、お茶をお供えする場合もあります。
仏壇にお水を供えるのは、仏教の生まれたインドでは水が大変貴重であったからという説、
同じくインドで、来客に身を清めるための水を出す風習があったから、などの説があります。

ですので、お水をお供えするといっても、飲み水としてのお水ではないのですね。
諸説ありますが本来は、清浄さや生命のエネルギーの象徴としてお供えされているようです。

仏飯(ぶっぱん)

お仏壇に朝一番にお供えするご飯のことです。
仏飯は「召し上がっていただくもの」ではなく、
「敬意や感謝を表すためにお供えするもの」です。

仏様は飢えや渇きは感じないものとされています。
そのため食べ物のお供え物も、仏様がお腹を空かせているからお出しするのではなく、仏様を敬う気持ちを伝えるためにお供えする、と考えるのです。

お仏壇にお供えしてはいけないご飯って…?

食べ物をはじめ、お供え物にはさまざまなルールがあります。
これも宗派によって違いがありますが、一般的なところをいくつか見てみましょう。

お香

お香には線香と抹香があります。
抹香は火種の準備が必要であったりと、日常的にお供えするのは少し大変ですので、お仏壇には線香をお供えするのが一般的です。

お香の供え方は宗派によって様々ですので、不安なときは確認された方がよいでしょう。
お線香は1本から3本を香炉に立てる場合が多いですが、宗派によっては寝かせて置くところなどもあります。

お花

普通、仏花としては小菊などが売られていますが、特に「この花でなければならない」という定めはありません。

ただし毒のある花や、薔薇などトゲのある花、匂いのきつい花、ツル性の植物などはふさわしくないとされています。

これは宗教的なルールがあるわけではなく、活けるのに向かない、手入れをする人が大変だから、といった理由のようです。
同じ理由から、花粉が多い花を避けたほうがよいとする意見もあります。

また、四十九日までは色のない花(白い花)の方がよい、赤など派手な色の花を避けたほうがよい、などとも言われます。

灯明

ろうそくの火を息で吹き消すことはよくないとされています。
仏教では人の息は「穢れている」「不浄のものである」と考えられているからです。

ろうそくの火を消すときは、手で払うか、ろうそく消しという道具を使います。
お線香の火も、手で払って消すのがマナーです。

仏飯

昔は朝一番に、炊き立ての白米を、真っ先にお仏壇へお供えするものとされていました。
ですが現代では、朝はご飯を炊かないというご家庭も増えていますので、
パンをお供えしたり、その日一番に炊いたご飯をお供えするという場合もあります。

お供えした仏飯は「お下がりをいただく」のが基本です。
食べ残しのように捨ててしまうのは失礼にあたるようです。

昔は「朝お供えしたものを、昼にお下げしていただく」というのが普通でしたが、
仕事などの都合で日中にお下げできないといった場合は、
朝のお参りをしたらお下げして、そのままいただくのがよいでしょう。

白米以外のご飯をお供えすることもあります。
しかし、仏教では動物の肉を食べることは殺生であり、よくないこととされていますので、肉やお魚など、いわゆる「生臭もの」のお供えは控えたほうがよいと言われます。

浄水

仏教には不飲酒戒(ふおんじゅかい)という戒めがあり、飲酒は慎むべきとされています。
ですので、お仏壇にお酒のお供えは控えた方がよいとされます。

「故人はお酒が好きだったから…」という方もいらっしゃるかと思いますが、仏教では、仏様となった方は不満足を感じるということはないとされていますから、大好きなお酒を我慢させて…などと心配なさらなくても大丈夫です。

また、浄土真宗ではお仏壇に水やお茶をお供えしません。
これは「仏様になれば喉が渇かれることはないから」という理由があるそうです。

恐らく、お供えの水はもともとは「飲み物としての水」ではなかったのですが、時代が下るにつれ、日本では「仏様も喉が渇かれるのでは」という心情が生まれたのでしょう。
浄土真宗では「仏様は飢え渇かれることはない」と門徒に伝えるために、このようなしきたりになっているのではないかと思われます。

いつもと違うお供え物

お菓子?お金?のしは?法事などのお供え物

法事などで他家のお仏壇にお供え物をする場合には、どうしたらよいでしょうか。

地域や慣習にもよりますが、お供え物のかわりにお金を包むのが一般的です。
法事の際には食事や引き出物がでることが多いので、その金額に相当する程度のお金をお供えとして包みます。

のしの水引は四十九日までは黒白、それ以降は双銀または黄白の結び切りのものを用います。
水引の色は地域によって異なりますので、注意してください。

表書きは、四十九日までは「御霊前」四十九日以降は「御仏前」とするのが一般的です。
(ただし、浄土真宗では葬儀から「御仏前」を使います。)
お金ではなく、お菓子やお線香などをお供えする場合は「御供」「粗供養」などとします。

他家へのお供え物をする場合、自分で勝手にお仏壇に上げてはいけません。
法事の施主の方やご家族にお渡しし、お供えしてもらうのがマナーです。

頂き物はまず仏壇に

法事などでいただいたお供え物をお仏壇に供えるのはもちろんですが、お中元やお歳暮、お土産などで頂き物をしたときも、まずお仏壇にお供えします。
その後、お下がりをいただくのがよいとされています。

宗派や地域によっても違う

お供えに関するさまざまな注意点を挙げてきました。
宗派や地域の慣習などによって、こうした決まりが非常に厳しいところもあれば、
故人の好きだったものをお供えするのが一番の供養、と考えるところもあります。

もし疑問に思うことや不安に感じることがあれば、
お寺の方や親戚の方などに聞いてみるのがよいと思います。

お供えは故人を大切に思う心を表すもの

ご供養において何よりも大事なのは、遺された方が故人を大切に思う心、その心が安らぎ、満たされることだと思います。

故人への思いや「お供え」に込められたさまざまな意味と向き合い、ご供養をされる方自身の納得できるやり方を見つけて頂ければと思います。

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