意外と簡単な分骨のタイミング別手続き方法

亡くなった方の遺骨は一か所に納めるのが基本ですが、手続きさえすれば遺骨を分けることも可能です。これを分骨といい、手元に置いて供養したり、近場の墓所に納めたりということができます。また分骨は納骨前と納骨後で手続きが違いますので確認しておきましょう。

目次

  1. 分骨をする理由は人それぞれ
  2. 遺骨の取り扱いは慎重に
  3. 納骨前に分骨する際の手続き
  4. 納骨済みの分骨手続きの場合
  5. 分骨にかかる費用について
  6. 遺骨を海外に持ち出すには?
  7. 故人の想いを反映できるケースも
  8. 終活の専門家に相談してみよう

分骨をする理由は人それぞれ

手元に置いたり近場に納めたり

基本的に亡くなった方のお骨は、その方の入るべきお墓に納めます。しかしいろいろな事情で分骨が必要なケースがあります。ケースとして多いのは「お墓が遠い」という理由です。特に東京や大阪などの都会に住む方に多い悩みで、亡くなったご先祖のルーツが地方の場合、必然的にお墓も地方になります。こうなるとなかなかお墓参りに行くこともできなくなります。こういったケースでは分骨をして、自宅に近いところにその方の墓所を用意すれば、お墓参りの苦労が一気に軽減されます。
また、自宅近くに墓所を用意できない場合でも、自宅の仏壇などにお骨を納める手元供養などを希望するケースでも分骨が必要となります。

「分骨」と「改葬」の違い

分骨とは遺骨の一部を取り出すことで、改葬とはお墓自体を変更することです。当然手続きの過程も、やり方も違いますので間違えないようにしましょう。
ちなみに改葬の場合は、その土地の市区町村長の許可が必要になりますが、分骨に関しては市区町村長の許可は必要ありません。

遺骨の取り扱いは慎重に

散骨

分骨して散骨をする方が増えていますが、やり方を間違えると…

やり方を間違えると違法行為にも

最初に書いた通り、分骨をすること自体は比較的簡単で手間もかかりません。とはいえ取り扱うのは亡くなった方の遺骨です。その扱いを間違えると、当然法に触れる可能性もあります。
もっとも気をつけるべきは「散骨」です。故人の希望や、遺族の希望で遺骨の一部を海などに散骨される方は近年増えているようです。しかしこの散骨、基本的には違法です。
遺骨ということは亡くなった方の骨ということ。つまり亡くなった方のご遺体の一部ということになります。これを勝手に好きなところに撒くということは、「死体遺棄罪」に触れる可能性があります。また、お墓に関する法律「墓埋法」にも抵触する可能性があります。
とはいえ、法務省は非公式ながら「節度がある範囲であれば罪に問わない」と見解を示しており、やり方を間違えなければ問題はありません。

正しい散骨の方法

散骨の正しい方法は、分骨した遺骨の一部を、粉末状にすりつぶし、港や岸からある程度離れた場所まで船で出てから撒くのが正解です。
つまり間違いなく法に触れない散骨を希望するのであれば、散骨を行っている業者に依頼するのがベストでしょう。

手元供養でも扱いは慎重に

分骨して遺骨の一部を自宅で管理することを手元供養といいます。
遺骨を自宅で保管することは法律で認められているのでしょうか?

法律的には大丈夫なのか

1948年制定の「墓地、埋葬等に関する法律」には、第4条に「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない」という条文があります。
これだけを見ると、「遺骨は墓地に埋める以外はすべて違法」とも読み取れますが、正確には「墓地以外の場所に埋めてはいけない」というルールになります。つまり、遺骨を自宅で保管すること自体は違法にはなりません。それこそ分骨をしないで、遺骨のすべてを自宅で保管することは合法です。
ただし注意すべきは前述の法律にある「埋めてはいけない」という部分。自宅の仏壇等で保管するのは合法ですが、自宅の庭などに埋葬するのは違法になります。これだけは覚えておきましょう。

納骨前に分骨する際の手続き

手続きは火葬場で

まだ納骨する前に分骨を希望する場合、手続きは火葬場で行います。従来火葬場では「火葬許可書」が発行されますが、仮想の前に火葬場の職員に「分骨」を希望する旨を伝え、分骨用の骨壷を用意して手続きを行えば、分骨した分だけ「火葬証明書」が発行されます。この「火葬証明書」が「分骨証明書」となります。
手続きといっても難しいことはなく、準備するのは骨壷のみ。あとは火葬場の職員に伝えるだけですので、希望する方はこの手続きだけ行いましょう。
また、この手続きを経て分骨をした場合、「分骨証明書」はかならず分骨した骨と一緒に保管し、紛失しないように注意しましょう。

分骨証明書の紛失に注意

「分骨証明書」は、後に分骨した骨を改めてお墓に埋める場合や、菩提寺の総本山に納めたい時などにも必要になりますので、紛失しないように管理してください。

納骨済みの分骨手続きの場合

お墓

納骨済みでも分骨可能

手続きは墓所管理者へ

納骨済みの遺骨に関しても分骨は可能です。この場合手続きをするのは、遺骨が眠っている墓所の管理者の元で手続きをします。
遺骨が納められている墓所、もしくは寺院などに分骨したい旨を伝え、「分骨証明書」を交付してもらいます。「分骨証明書」は正式には「遺骨の埋蔵の事実を証する書類」といい、墓所使用者から請求があった場合、墓所管理者は必ず発行しなければいけません。
また、納骨済みの分骨を希望する際は、他に準備が必要なことがありますので確認しておきましょう。

分骨先の使用権限を証明する書類

分骨先が自宅や散骨ではなく、自宅付近のお墓や、菩提寺の総本山の場合、分骨先の使用権限を証明する書類の提出が求められる場合があります。分かりやすく言えば、分骨した遺骨をどこに納めるかを証明する書類ですから、墓所や納骨堂に納める場合は永代供養証明書などを提出します。
もちろん自宅で手元供養したり、散骨をする場合はこの証明書は必要ありません。

菩提寺に連絡して魂抜きの準備を

お墓で眠っている遺骨を異動させる際には、「魂抜き(閉眼供養)」が必要な場合があります。分骨を希望される場合は、手続きに入る前に必ず菩提寺に連絡を入れて、法要のスケジュールを組みましょう。

分骨にかかる費用について

保険・相続

分骨手続きにかかる費用

分骨の手続きに関しては、大きな費用はかかりません。各種手続きにおける書類代が数百円かかる程度です。この点に関しては費用の心配は必要ありません。
ただし、手続き以外の部分で費用が必要になるケースがありますので、ケース別に細かく確認しておきます。

分骨用の骨壺を用意する

分けた遺骨を保管するには骨壺が必要になるケースもあります。その場合は分骨の作業をするタイミングで骨壺が必要となります。
骨壺のお値段はピンからキリまで。入れる遺骨の量によってサイズも変わってきますし、デザインなどによっても価格はかなり変わってきます。事前にインターネットなどで、目的にあった骨壺を探しておきましょう。

お墓から遺骨を出す場合

お墓

納骨後のお墓から分骨をする場合、お墓を開ける必要があります。お墓の形状によっては、専門の業者(石材店)の協力が必要になります。こういった場合の相場は約30,000円程度。もちろん業者によって価格は違いますので、事前に確認しておきましょう。

また「閉眼供養」に関しても、墓所までご足労いただきお経をあげていただくことになります。もちろん費用は必要になり、相場では50,000円前後となっていますが、こちらも事前に菩提寺に相談しておきましょう。

散骨や海外に持ち出す場合は「砕骨」の必要も

分骨の後、海に散骨をする、海外に持ち出すなどの予定がある場合は、分骨した遺骨を粉末状に砕く「砕骨」の必要性があります。この砕骨に関しては、ご自身で行っても違法行為にはなりませんし、むしろ仏様には最高の供養になるかもしれません。ただし、遺骨とはいえ部位によっては相当堅い骨もあります。素人が道具を使ってもきれいに粉状にするのは難しいかもしれません。
きれいに粉末状にするのであれば、専門の業者に依頼するのが確実です。その費用に関しては遺骨の量などによってもかなり違いがありますので、「遺骨 砕骨」などで検索して、費用を確認しておきましょう。

遺骨を海外に持ち出すには?

飛行機

必ず手荷物で持ちこむ

遺骨を海外に持ち出す場合、骨の形状のまま持ち出すのは違法になります。またスーツケースに入れて持ち出すのもNGとなりますので、骨は粉末状に砕骨し、手荷物で持ちだす必要があります。

海外持ち出しに必要な物

海外に遺骨を持ちだす場合、一応用意した方がいいのが「死亡診断書」や「火葬埋葬許可証」といった、その粉末状のものが、遺骨であることを証明する書類です。
特に一緒に提出するなど特別な手続きは必要なワケではなく、入国の際「これは何か?」と聞かれたときに適切に答えることができるように準備する物になります。
可能であれば「死亡診断書」や「火葬埋葬許可証」を現地の言葉に翻訳したものも一緒に提出できれば、確認は早いかと思います。

国や地域によってルールは異なります

遺骨の取り扱いに関しては、国や地域によってルールが異なります。国によっては散骨に寛容で、どこで撒いても問題ない国もあれば、厳格なルールを定めている国もあります。
例えばハワイ。ハワイでは海洋散骨を認めてはいますが、陸地からの距離や、一緒に撒いていい物などの細かい決まりがあります。こういった定めについては事前に調査が必要となります。

故人の想いを反映できるケースも

分骨に関しては、火葬の際に手続きをしないとできないと思っている方も多いと思います。また、手元供養や散骨は違法行為と思っている方も多いでしょう。しかし、手続きの方法さえしっかり知っていれば、納骨後でも分骨は可能です。

また、一度納骨した遺骨をお墓から出すという行為のせいで、一度成仏した霊魂が成仏できなくなると信じている方もいるようです。しかし、分骨の際にしっかり閉眼供養を行えばその心配はありません。そもそも一度成仏した魂は、改めて成仏できなくなるなどということはありません。

思い立った時にでも分骨をして、故人の希望や遺族の希望に合わせて供養することで、仏様となった故人がより安らかに過ごせることになるかもしれません。また、強い希望のある方は、今のうちに自身の遺骨をどうして欲しいかの希望をご家族に伝えておくと、残された家族はスムーズに手続きができますので、伝えておくといいかもしれませんね。

終活の専門家に相談してみよう

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終活ねっとを運営するにあたり、【お墓・葬儀・仏壇・介護・相続・保険・遺品整理】などなど様々な分野の専門家の方に協力していただいております。
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