歌舞伎の衣装が教えてくれます。歌舞伎の理屈ぬきの楽しさを

歌舞伎の衣装を見るだけで、その登場人物がどんな役柄で、何を考えているかがわかります。そのことを知っているだけで、歌舞伎鑑賞がグンと楽しくなると思います。歌舞伎衣装のうんちくを、ちょっとだけご紹介します

目次

  1. 歌舞伎衣装には約束事があります
  2. 時代物、世話物の衣装
  3. 衣裳と化粧の関係で役柄がわかる
  4. 歌舞伎衣装を体験、レンタル
  5. まとめ 衣装から知る歌舞伎の楽しさ

歌舞伎衣装には約束事があります

歌舞伎

歌舞伎はいまや国民的娯楽。日本文化を代表する総合芸術といっても過言ではありません。
外国からの観光客にも大変人気で歌舞伎ツアーも日常的に組まれているようです。
歌舞伎人気の秘密は、その非日常性にあるといわれます。理屈ではとても理解できない筋立てが、なぜか、その劇場空間の中では通用し、それがあたりまえに感じるところではないでしょうか。
歌舞伎にはいろいろな約束事があり、それを知らないと、見ていて理解できないということはありませんが、知っていれば、より楽しく鑑賞することができます。
とくに、歌舞伎の衣装は、年代、職業、身分などによって、形も色も柄もほとんど決まっています。衣装を見ただけで、「ああ、この人はこういう役なんだな」と理解できるようになっています。
ここでは、歌舞伎をより楽しむための、衣装の基本知識をご紹介します。

時代物、世話物の衣装

歌舞伎

歌舞伎の演目はいろいろなカテゴリーに分類できますが、まず、狂言と舞踊に分けられます。
狂言というのは普通のお芝居で、ストーリーのあるものです。舞踊は、純粋に踊りを見せるものです。
狂言を大きく分けると、時代物と世話物に分けられます。
そのうち、時代物の衣装について説明します。
歌舞伎で時代ものというのは、原則として、江戸時代より前のできごとをテーマにした話です。室町時代、鎌倉時代のお話ということですが、中には、忠臣蔵のように、江戸時代の事件ですが、そのまま描いたら差し障りがあるので、古い時代に設定を変えているものもあります。
いずれにしても、時代物というのは、かなり荒唐無稽の話が多いので、衣装も、時代考証などがしっかりされているものではなく、かなりデフォルメされたものが多いようです。
一方、世話物というのは、いわば江戸時代の現代劇ですので、だいたい、実際の風俗と同じ衣装を用います。
歌舞伎の世話物を見ることで、江戸の日常生活を伺うことができるわけです。
以下に、特徴的な演目の衣装についてご説明します。

荒事

市川団十郎家が得意とする、文字通り、荒々しく男性的な狂言を荒事といいます。
「暫(しばらく)」の主人公、鎌倉権五郎の衣装は、成田屋の「三升紋」を白く染め抜いた、異様に大きな長素襖といういでたち。体に羽か凧のようなものを着けているように見えます。
まさに、歌舞伎のスーパーマンにふさわしい衣装です。

花魁

立役の華が荒事であれば、女形の最高峰は、やはり花魁姿でしょう。絢爛豪華な花魁道中は、それだけを見に行く歌舞伎ファンがいるほどの人気舞台です。
花魁といえば、「助六由縁江戸桜」の揚巻です。そして、この衣装の豪華さは特別です。
金銀の御幣をあしらった黒い打掛。そこには、門松、ダイダイ、伊勢海老があしらわれた正月飾りが描かれています。
打掛をぬぐと、再び赤い打掛が現れる豪華さ。
そして、だらりと前に垂らした大きな帯は「まな板帯」といいます。
まさにため息が出るような壮麗さです。

花魁

引き抜きとぶっかえり

歌舞伎には、衣装による独特の演出方法がいくつかあります。
代表的なものが、「引き抜き」と「ぶっかえり」です。
引き抜きというのは、衣裳を重ねて着て、留めてある糸を、タイミングに合わせて引き抜くと、上の衣裳が外れて、一瞬にして別の衣裳に変わるという演出です。
「京鹿子娘道成寺」での引き抜きが有名です。
「ぶっかえり」というのは、引き抜きに似ていますが、衣裳の上の部分だけ糸で留めておき、糸を抜くと、上の部分が下に垂れて、やはり、別の衣裳が現れるという寸法です。
引き抜きもぶっかえりも、登場人物の性格や心を一瞬にして変えてしまう効果があります。

衣裳と化粧の関係で役柄がわかる

歌舞伎

歌舞伎の特徴の一つに、その独特の化粧法があります。よく知られているものに、荒事役や敵役には「隈取り」、真っ赤な顔なら悪人といった決め事があります。
同じように、衣裳を見ただけでも役柄がわかります。前述したような、わかりやすい役所だけではなく、真っ赤な振袖ならお姫様、黒衿がついていたら町人といった具合です。

歌舞伎衣装を体験、レンタル

歌舞伎

華麗で不思議いっぱいの歌舞伎衣装を、ただ見ているだけではつまらないという方には、衣装体験やレンタルすることも可能です。
化粧をほどこし、衣装をまとい、かつら、小物までセットで用意してもらえます。もちろん、記念写真も。
歌舞伎の化粧や衣装の意味を体で感じることで、歌舞伎鑑賞がいっそう楽しみになることうけあいです。

まとめ 衣装から知る歌舞伎の楽しさ

歌舞伎

歌舞伎は江戸時代や、そのまた昔の時代をテーマにした物語がほとんどですので、演目によっては、時代背景や風俗、言葉などがよくわからずにとまどうこともあります。
しかし、豪華な衣装、異様な化粧、大胆な髪型を見ているだけでも、とても楽しい気分になってくるものです。
外国のオペラやミュージカルも、言葉がまるで分らなくとも、その舞台美術や演出だけで楽しさが伝わってくるものです。歌舞伎も全く同じことがいえますが、それこそ、世界に通用する総合芸術だということの証明ではないでしょうか。

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