神道と仏教の違いって何? ―数珠の取り扱い―

神道とは日本古来の宗教であり、神社や日本神話と関わりの深いものです。しかし、仏教の作法と比べて神道のことはあまりよく知られていないのが実情です。この記事では、神道における数珠の扱い、数珠の捉え方をご説明いたします。

目次

  1. 神道とは
  2. 神道における葬儀
  3. 神道と仏教の違い
  4. 数珠の役割とは
  5. 神道と数珠のまとめ

神道とは

神道は日本人の暮らしの中から生まれた信仰です。化学的な知識を持たない昔の人にとって、自然の力は恵みであり、また脅威であり、人々はそこに神の存在を見出しました。
多くの神話や寓話で自然現象を理由づけしていくうちに各地で発生した信仰を、六世紀ごろに渡来した仏教に対して神道と呼ぶようになったのです。

神道の神は、山の神、海の神のように自然をつかさどる神から、衣食住をつかさどる神まで実に様々であり、その数の多さから八百万の神と呼ばれています。

神道の特徴は教祖や経典が存在しないことです。特定の誰かが定めた戒律があるわけではなく土着の信仰に育まれた、まさに日本の歴史を映し出す宗教なのです。

神道における葬儀

神葬、神葬祭とも呼ばれる神道式の葬儀に参加したことがある方は、あまり多くないのではないでしょうか。
神道式の葬儀は神職が執り行い、通夜祭、遷霊祭、葬場祭、火葬祭そして埋葬祭と勧められます。
いずれも祭がついていますがこれは決して騒ぎ立てるの意ではなく、神道において儀式がすべて祭と呼ばれるためにこの呼称となっています。

通夜祭

仏式においては通夜に相当するのが通夜祭です。神職が祭詞を奏上し、遺族は玉串と呼ばれる道具を奉ることによって鎮魂の祈りを捧げます。
この玉串が仏式の数珠に似た役割をもつものということになります。

遷霊祭

故人の魂を「霊璽(れいじ)」に移動させるために執り行われる儀式のことです。
霊璽とは仏式で言うところの位牌に相当します。
夜中、明かりを消した中で行われるもので、この遷霊祭を経ることによって霊璽を故人の御霊代としてお祓いする、と考えられています。

葬場祭

仏式において告別式にあたるのが葬場祭です。
手水の儀、玉串奉奠(たまぐしほうてん)と呼ばれる神道の特徴的な儀式によって故人の霊に祈りを捧げます。
手水、というと神社の参拝口などでやられる方もいらっしゃるかもしれませんが、玉串奉奠はなじみがありませんね。
これは玉串と呼ばれる榊の木を紙垂(しで)などで飾り付けたものを、神前に捧げる儀式のことです。
二礼二拍手一礼のような作法がありますが、ここでは割愛します。

火葬祭、埋葬祭

大まかな部分は仏式と変わらず、火葬場にて遺体を火葬し、その後遺骨を埋葬します。
大きく違う点は、神道の埋葬祭では火葬後すぐに遺骨を埋葬にかかるところでしょうか。
現在では、遺骨をいったん家に持ち帰り安置して、50日後に行われる五十日祭にて埋葬することが多くなっているようです。

神道と仏教の違い

日本発祥の神道に対して仏教はインドから伝来したものです。どちらも多神教であることに違いはありませんが、信仰の出所が違うからには宗教としての作法や儀式は異なります。
以下にこの二つの違いについて、疑問が頻出する点をまとめました。

神社と寺

神社は神道において、祭りを執り行う神聖な場所です。
山や森に住まうと考えられている神々を人里近くまで招くための場所として神社が存在するため、そこは神様の住むところということになります。
一方で寺は僧侶(お坊さん)が修行を積む場所であり、悟りを開くための人の住むところです。
いまでこそ仏様が神格化されて仏像などが祀られるようになったものの、もともとお寺は人のための建造物なのです。

「死」の捉え方

故人は浄土に送られ御仏のもとで安息を与えられるという考え方の仏教とは異なり、神道では故人を家にとどめて守護神として祀るために葬儀(神葬祭)を行います。自然、物、そして死後の人すらも、神道においては神格化されるのです。

神道では死は穢れであると考えられているため、神聖な場所である神社で葬儀を行うことはまずありません。極楽浄土における死後の幸せを願う仏教徒はことなり、振動において重視されるのは現世、つまり生きている時間です。
神道において神社への参拝や禊など、今己の内にある穢れを祓うことを目的とした儀式が多いのはそのためです。

数珠の必要性

結論から言うと、神道において数珠は必要ありません。
数珠は法具であり、仏さまと人を結ぶものですので仏を信仰しない神道には関係がないのです。
葬儀において仏教では数珠を持って両手を合わせますが、神道では玉串奉奠(たまぐしほうてん)と呼ばれる行為を通して神霊の鎮魂を祈ります。

しかし、神道を信仰する方でも社会的な付き合いの面から数珠を一つは持っているという方は少なくありません。

数珠の役割とは

葬儀

神道において数珠は必要とされていませんが、そもそも数珠にはどんな意味が込められているのでしょうか。
もともとはお経や念仏を唱えるときに、その数を数えるために使われていたのが数珠・念誦です。
数珠を持ち心を込めて合掌することによって仏様とつながりができ、煩悩が消えて徳が高まるとされていました。単純にお守りとしても持ち歩かれていたようです。

数珠は108つの玉を繋いだもので、これは煩悩と同じ数です。たとえば数珠が切れると、煩悩が切れる=悪い縁が絶たれたとして本来は吉であると考えられていました。

現代における数珠

仏教が現代日本の主要な宗教であるため、私たちが参列する葬儀の多くは仏教の流儀で執り行われることと思います。そうなると、たとえ神道を信仰する方であっても付き合いのために数珠を持つことはよくあることです。
また、様式や出典は違えど御魂を思う心は同じとして数珠を持つ方もいらっしゃいます。
自分の家の儀式では使わないけれど、よそへ行くときはマナーとして持っていくと割り切ってみるのもよいでしょう。

神道と数珠のまとめ

仏壇

以上が神道と数珠のまとめになります。
二つの間に直接的な関係はありませんが、故人への思いを伝える道具として宗教に囚われずに数珠を見てみる、というのも現代の流れの一つなのかもしれませんね。

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