夏の季語を使った俳句とその作り方を紹介します

俳句には必ず季語が必要だとされています。5,7,5の17文字でも、季語がなかったり、切れ字を使ってなかったり、口語調であったりすると俳句ではなく、川柳(せんりゅう)と呼ばれます。この記事では、夏の季語や夏の俳句の作り方も簡単に説明します。

目次

  1. はじめに 夏草や兵どもが夢の跡
  2. 俳句の季語とは
  3. 夏の季語の具体例
  4. 季語と俳句の作り方
  5. まとめ

はじめに 夏草や兵どもが夢の跡

夏草や兵どもが夢の跡

「夏草や兵どもが夢の跡」(なつくさや つはものどもが ゆめのあと)
意味:(学研全訳古語辞典)」
今見れば夏草が生い茂るばかりだが、ここは昔、義経(よしつね)ら武人たちが功名を夢みて奮戦した跡である。そんな功名も一場の夢と消えて、ただ夏草が無心に茂っている。」
松尾芭蕉が奥州平泉で詠んだ有名な俳句で、出典は「奥の細道」す。季語は「夏草」、季節は「夏」です。
また、「夏草や」と、切れ字として「や」が使われているため、芭蕉がが夏草に感動したことが伝わってきます。
切れ字というのは、俳句や連歌で、句の切れ目や末尾に置いて詠嘆の意を表し、言い切った形にする語です。「や」「かな」「けり」などがあります(明鏡国語辞典)。
表現技法としては、さらに「夢の後」と体言止めになっていて、余情や余韻のある素晴らしい俳句です。

俳句の季語とは

風鈴

俳句は季節感を感じる文学であり、直接的でも間接的でもかまいませんが、春、夏、秋、冬の季節を表す言葉が必要です。この季節を表す言葉を季語といいます。
短歌には、季語を詠み込むという決まりはありません。しかし、俳句には、季語を詠み込むのが作法です。
季語は、昔の旧暦(太陰暦)を基にして分類されているので、現在の新暦(太陽暦)の感覚とずれが生じています。

俳句では8月は夏ではありません

夏というのは、新暦の5,6,7月のことです。
したがって、8月の出来事を夏の季語とすることはできません。
季語は旧暦で分類しているので、旧暦では4,5,6月となります。
つまり、旧暦と新暦が重なる5月と6月の出来事は、夏の季語とすることに問題はありません。
しかし、4月の出来事と7月の出来事は、微妙な問題となっています。
例えば、「七夕(たなばた)」は、旧暦なら7月7日で秋になります。新暦では8月7日になります。実際に、以前には七夕を新暦の8月にお祝いしていたのです。
ところが、現在では七夕は新暦の7月7日にお祝いすることが多いです。新暦では、梅雨の時期でもあり、天の川をよく見ることができないでしょう。旧暦の7月なら新暦の8月ですから、星がよく見えるのです。
したがって、俳句の季語として、「七夕」は秋の季語になります。しかし、「夏休み」は新暦7月からということで、夏の季語なのです。

夏の季語の例

夏らしい季語

夏らしい夏の季語としては、「水中花、日傘、向日葵(ひまわり)、虹、昼寝、風鈴、蛍、夕立、浴衣」などがあります。

紛らわしい夏の季語

「紫陽花、柏餅、鯉幟(こいのぼり)、五月(さつき)、五月晴れ、五月雨、新緑、梅雨、麦の秋」
などは、夏の季語です。

これらは夏の季語ではありません

夏の季語のように見える秋の季語には、「七夕」以外にも「朝顔」「天の川」「蜩(ひぐらし)」「残暑」「墓参り」などがあります。

最近の季語分類の傾向

最近は、実生活に近い感覚で季語を分類することも行われています。
たとえば、「元旦」「初日の出」「若菜」「賀状」「鏡もち」は、春の季語ですが、特別に「新年の季語」という項目で分類される場合もあります。

夏の季語の具体例

紫陽花

夏の季語をいくつか紹介します。
アイスクリーム 向日葵(ひまわり) 虹(にじ)
あやめ 行水(ぎょうずい) 蝸牛(かたつむり)
うなぎ 紫陽花(あじさい) 日傘(ひがさ)
かぶと虫 若葉(わかば) 日焼(ひやけ)
キャンプ 暑さ 日盛(ひざか)り
さくらんぼ 菖蒲(しょうぶ) 入道雲
ソーダ水 新緑 入梅(にゅうばい)
たけのこ 鯉のぼり(こいのぼり) 梅雨(つゆ)
トマト 西日(にしび) 梅雨明け
ボート 青がえる 柏餅(かしわもち)
鮎(あゆ) 青葉 風かおる(風薫る)
雨がえる    蝉(せみ) 風鈴(ふうりん)
雨蛙(あまがえる) 川開き 噴水
燕の子(つばめのこ) 扇風機 夕焼け
夏の海 打水(うちみず) 夕立(ゆうだち)
夏休み 滝 浴衣(ゆかた)
花火 団扇(うちわ) 雷(かみなり)
蟻 昼寝 冷素麺(ひやそうめん)
金魚 田植 苺(いちご)
蛍(ほたる) 土用(どよう) 薔薇(ばら)
蛍狩(ほたるがり)

季語と俳句の作り方

ポイントは文字数と季語

俳句を作るときに気を付けなければならないのは、基本的に次の点です。
 ・基本的に5,7,5文字の合計17文字で書く。
 ・季語を入れる。
しかし、考えすぎることはありません。
5,7,5の17文字になっていない俳句もたくさんありますし、季語も難しく考えなければ簡単です。

小学生・中学生の夏休みの宿題

子どもが夏休みの宿題で俳句を作るのは、比較的簡単です。
なぜなら、「夏休み(なつやすみ)」は夏の季語で、5文字です。
したがって、
なつやすみ  (7文字)  (5文字)
   (5文字)  (7文字)  なつやすみ
5,7,5を上記のように配置すればよいのです。これで季語が入っていますから、できばえはさておき俳句になっているのです。

夏の季語はどうしますか?

本来は書籍などで夏の季語を調べる必要があります。
しかし、「夏の~」「~の夏」で、「~」の部分に平仮名で2文字の何かを入れることで、夏の季語を作ることができます。
夏の空、夏の海、 夏の旅 などいろいろ作れます。文学性を気にするあまり、季語で悩みすぎると、俳句は作れなくなります。

夏の季語を作るときの注意点

「暑い夏」を夏の季語にして良いかどうかは、判断が分かれます。
なぜなら、俳句で夏とは旧暦の5,6,7月のことですから、現在の暦では4,5,6月が夏だと考えます。
例えば「七夕(たなばた)」は、7月の行事なので、秋の季語になります。
その意味で、「夏休み」は微妙な位置にありますが、夏の季語とされています。
しかし、「夏みかん」は春の季語とされています。

字数は後から考えよう

俳句を作るときは、季語を決めて、配置し、字数については最後に調整するつもりで行えば比較的簡単です。
まず、たとえば季語を「夏の夜」と決めると、
  夏の夜 ~ ~
  ~ ~ 夏の夜
この2つのパターンができます。
そこで、「夏の夜」について、体験や思うことをとにかく書き出して、文字数を整えるのです。
たとえば、きのう飲んだビールがおいしかった、と思ったら、
「仕事して ビールがうまい 夏の夜」
              というような具合どうでしょうか。

俳句をよくする工夫

季語が重複したり、直接感情を表現するのは避けた方が良いです。
つまり、「うれしいな」「たのしいな」というような言葉は、そのときだけの感情です。それでは、俳句の文学性が低下します。

たとえば、
「夏休み 宿題いっぱい 悲しいな」
と言った具合です。
「宿題で 昼寝もできない 夏休み」
と言うように、「昼寝もできない」という状況を利用して、「いやだなあ」という感情を表現する方がよいのです。

また、季語を複数入れることもかまいませんが、17文字しかないのですから、季語を複数入れる必要があるのかどうかよく考えましょう。
たとえば、
「夏休み 飛ぶ蚊がうるさい 夏の夜」
と言うような場合です。
この場合「夏休み」「蚊」「夏の夜」と3つも季語が入っていますが、その効果があるとは思えません。

まとめ

夏

季語が難しいのは、旧暦と新暦の違いによる違和感があるからです。
しかし、できるだけ数多くの俳句を鑑賞すると、日本人の心、文化を感じることができます。
皆さんも、ブログやツイッターなどで、どんどん自作の俳句を発表して下さい。

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