なぜスカーフを巻いているの? 服装で理解するイスラム教

イスラム教徒といえば顔の周りにスカーフを巻いている女性が思い浮かびますが、その服装には様々な種類があるということをご存じでしょうか。彼女たちはなぜ顔や体を隠すのでしょうか?服装という身近な観点からイスラム教を紐解きます。

目次

  1. イスラム教徒の服装
  2. インドネシアと中東の違い
  3. なぜ露出しないのか
  4. おしゃれの楽しみ方
  5. ニカブ・ブルカの禁止運動
  6. イスラム教徒の服装まとめ

イスラム教徒の服装

困った人々

世界情勢で取り上げられることが多いイスラム教ですが、その文化をきちんと理解している人は意外にも少ないのではないでしょうか?

イスラム教徒は特に服装に大きな特徴があります。
まずはその種類からご紹介します。

男性の服装

男性の伝統的な服装は、「カンドゥーラ」という長いシャツ姿に「クドゥラ」というヘッドスカーフを「イガール」という黒いバンドで留めているのが一般的です。

カンドゥーラは「トーブ」という生地でできているのですが、なんとこの「トーブ」、日本製が大人気なのだそうです。
日本製のトーブは中東で消費されている全体数の約40%を占め、なかでも高級品はほぼ100%が東洋紡、シキボウなどの日本製です。

中東の人々の民族衣装にいたるまで日本製の品質の高さが認められているとは、日本人として誇らしいですね。

女性の服装

続いて女性の服装です。3種類続けてご紹介します。

ヒジャーブ

ヒジャーブとは、頭を覆い隠す布のことを意味します。

ニカブ

ニカブは目以外の顔、身体をすべて隠す服装です。色は黒が多いです。

ブルカ

ブルカは体のみならず、目の部分もメッシュで隠します。露出がほとんどないタイプの服装です。
アフガニスタンなど非アラブ圏のイスラム教徒が着用します。

インドネシアと中東の違い

インドネシアの女性は顔が見える服装で、胸から下も軽装であることが多いですが、
中東の女性は顔までしっかり隠していることが多いようです。
なぜ、同じイスラム教で違いがあるのでしょうか?

イスラム教の啓典、クルアーンでは
「女性は自分自身の飾りとなるところを露出してはいけない」と定められています。

身体のどの部分を「飾り」、つまり「美しい」とみなすかは文化によって異なります。
従って、インドネシアは髪を隠せばよい一方、中東やアフガニスタンでは顔や身体も隠さねばならないというように地域によって差が出るのです。

なぜ露出しないのか

困った人々

理由1:イスラム教の戒律

先にも述べたとおり、イスラム教の啓典、クルアーンでは
「女性は自分自身の飾りとなるところを露出してはいけない」と定められています。
これは夫以外の男性の視線から女性の身を守るためです。
イスラム教は、「(偉大な神の前では)人間は弱い生き物である」ということを前提としています。
特に男性は女性の誘惑に勝てない為、女性が肌を見せること=誘惑することが禁じられているのです

理由2:強烈な日差し

そのような教義が受け入れられ、根付いた要因として
イスラム教が普及している地域の気候も関係しているといえるでしょう。

中東やインドネシアは日差しが1年を通して非常に強い国です。
そのような国で生活する人々にとって、身体を隠すという服装の規定は
有用な習慣であったと考えられます。

おしゃれの楽しみ方

人々

私たちがヘアスタイルを変えるように、イスラム教徒の女性はヒジャブの布や巻き方でおしゃれを楽しみます。
特に最近の若い人たちの間ではファッショナブルなヒジャブが流行しているようです。

無地のものだけでなく、柄が入ったものも服装に合わせると可愛らしいですね。
両端の写真の女性は、巻き方が個性的でおしゃれです。

ニカブ・ブルカの禁止運動

ヒジャーブがひとつのファッションとして確立している一方で
フランス、オランダ、ベルギー、イタリア、スイスなど
ヨーロッパの各地でニカブやブルカの禁止運動が起こっています。

イスラム諸国からの移民の流入が大きな問題となっている中、
移民を排斥すべきと考える人々がいるのは事実です。

表向きは「公共の場において顔を隠すものの着用を禁止する」ということになっており
イスラム教徒だけにターゲットを定めた法令ではないとのことですが
実際の理由としては反イスラム教徒の票を獲得しようとしている政府の画策がありそうです。

かに顔が見えない人とコミュニケーションをとるのは難しいです。
街中にそのような人々がいるだけで不安を感じる人はいるかもしれません。

しかし、イスラム教徒の人々に深く根付いた文化を制限するとなると
信仰の自由などの人権を侵すことにもなりかねないので、慎重な議論が必要です。

イスラム教徒の服装まとめ

終わらない紛争や「イスラム国」をはじめとする過激な集団の影響で、よく知らない人にとっては危険なイメージのイスラム教。
しかし、事件になっているのはあくまで少数の過激派の人々であり、イスラム教そのものは決して悪い宗教ではありません。

日本人の私たちがいきなり教義を理解するのはハードルが高く感じますが、服装という身近な切り口から文化を知ることなら、何だかできそうな気がしませんか?

2020年の東京オリンピックに向けて、日本を訪れるイスラム教徒の数も増えていくことでしょう。
すべての人が気持ち良く過ごせるよう、それぞれの国の文化を学び、受け入れる準備を整えておきたいですね。

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