陶器と磁器の違いは何? 作り方から見分け方、使い方まで

陶器も磁器も日本では縄文時代の土器というものから発展してきたものですが、その違いは何か?原料や焼き方の違い、見分け方、使い方などを通じて陶器、磁器について今一度見つめ直してみませんか。

目次

  1. 焼き物にも色々 陶器や磁器の他にも
  2. 陶器と磁器の違いはどこから?
  3. 陶器と磁器の違い その見分け方
  4. 生活のなかの陶器と磁器
  5. 「陶器と磁器の違い」のまとめ
  6. 終活の専門家に相談してみよう

焼き物にも色々 陶器や磁器の他にも

陶器や磁器などの「焼き物」には、土をこねて形を作り天日で乾燥させて彩色や絵付け、さらに焼くことで強度を持たせて完成させるという工程のなかで、その条件や方法の違いから色々な種類のものがあります。
焼き物の日本での発祥は縄文土器の時代に遡ることになりますが、この「土器」の時代にはまだ「窯」がありませんでした。
「野焼き」なので焼成温度は700℃程度と低く、うわ薬を使う技術もなかったので、強度が弱く水の漏れやすい器だったでしょうね。
縄文土器、弥生式土器のあと、古墳時代以降に「土師器(はじき)」、「須恵器(すえき)」、「瓦器(がき)」などという焼き物が、朝鮮半島などから伝わった窯の技術などもあって焼成温度の高温化、ろくろ技術の向上などで生まれてきました。
「土器」を含め、これらは広い意味での「陶器」と言えるものでしょう。

現在、生活の場で使われている焼き物では「陶器」、「磁器」の他に「炻器(せっき)」という分類のものがあります。
信楽焼や備前焼、常滑焼の朱泥の急須などに代表されるもので、特性が陶器と磁器のあいだくらいのことから「半磁器」とも呼ばれています。
日本でも色々な種類の焼き物があるわけですが、世界的にみれば地域ごとに独自の技術、文化に育まれた焼き物が数多くあることは言うまでもありません。

陶器と磁器の違いはどこから?

原料と焼き方の違い、それが陶器と磁器とを分ける、作る過程でのファクターです。産地や形状などの造形面での違いなどは区別するうえで基本的なことではありません。 

原料のどこが違うのか?

素地となる原料は土や石を砕いた粉に水を加えた粘土ですが、産地によってその成分、組成が異なります。今は色々な産地の粘土を調合して使っているところが多いようです。
陶器は「陶土」という粘土、磁器は「陶石」という岩石を砕いた粉がおもな材料になりますが、おおむね次のような組成になっています。
陶器:花崗岩の風化によって出来た粘土を主な原料としていて、組成は粘土が50%、珪石40%、長石が10%程度です。
磁器:陶石、長石、珪石、カオリンなどを粉砕し粘土質にしたものを主原料としていて、組成は粘土が30%、珪石40%、長石30%程度です。
それぞれの成分が、焼き上がったあとの陶器、磁器の特徴を生み出します。磁器に多く含まれるカオリンや長石は磁器の特徴の白さや光沢の素になります。

焼き方の違いは?

陶器の焼成温度は1100~1200℃ですが、磁器の場合はそれよりも100~200℃高い1200~1500℃弱の温度で行なわれます。
磁器の素地に多く含まれる長石などは1200℃以上で溶融してガラス化する性状があるので、より高い温度での焼成で光沢や透明感などを生む有効な効果が生み出されるわけです。 

焼成には酸化焼成と還元焼成という方法があります。
酸化焼成というのは酸素が十分にある状態で焼くことで、還元焼成というのは酸素が不十分な状態での焼成なので少しテクニックが必要です。
焼き入れ後の色調などの効果を考えてどちらかが選択されますが、磁器の場合には還元焼成が多く用いられます。
酸素が不十分な状態での還元焼成で、磁器のなかの組成、鉄分や長石のなかの色々な酸化物が酸素を求めて焼き物表面に噴出して、斑点ができたり、青く発色したり微妙な反応を醸しだすようです。

陶器と磁器の違い その見分け方

さて、陶器と磁器の原材料などの素材、製作工程のなかの違いなどをみてきましたが、私たちが触れあうのは今実際に使っている食器とかお店に陳列されている商品です。
それが陶器なのか磁器なのか、どのように見分けられるのかということですが、どちらであっても大きな問題ではないように思えるのですが如何でしょうか。
とはいえ、陶器にも磁器にも適材適所というものがありますから、何かしらかの目安が必要かもしれません。

以下、素人目での見分け方です。
・色について:磁器の色は青磁とか白磁といわれるようにほぼ白色に近い色のものが多いのに対して、陶器は白、赤、黒、青、緑等多種多様な色があります。

・たたいた時の音について:フチを指ではじくと陶器は鈍い音がしますけれど、磁器はピンピンとかカンカンとか金属製の高い音がします。

・透明性:日にかざすと、陶器は透けませんが磁器は若干透けて見えます。

・吸水性:これは使ってみないと解りませんが、陶器は生地が水分を吸い込みます。磁器には吸水性はほとんどありません。

・細かなヒビについて:焼成後の冷却時にできる細かなヒビを貫入と言って、陶器でうわ薬が厚い場合によくでるものです。キズではありません。磁器の場合はうわ薬が薄いので肉眼ではほとんど見えません。

・高台の違い:陶磁器の底の部分を高台と言いますが、ここが茶色くざらついているのが陶器、磁器は大体は白く滑らかになっていることで判別ができます。

生活のなかの陶器と磁器

と磁器の作り方の違いや見分け方を見てきましたが、それらの陶磁器を私たちは生活の中で上手に生かしていきたいものですね。

陶器には暖かみがありますね

陶器にはどんなものがあるかというと、たぬきの置物で有名な信楽焼き、備前や唐津、萩焼きなどがあります。
和洋どちらかというと和食器に多くつかわれるのは、その暖かい味わいや素朴な風合い、優しい手触り感が好まれるからでしょう。
また、陶器の生地の中には無数の小さな空気が磁器よりも多く含まれています。
そのことによって保温性に優れている、温度が伝わりにくく器の中のものが冷めにくいという特徴もでてきます。
ほのぼのとした手作り感の味わいを楽しんで、愛着のある陶器を数多く大切にしたいものですね。

磁器にはキリっとした清々しさが

磁器の技術が日本に伝わったのは17世紀で、佐賀県の有田で初めて焼かれました。
今では九谷焼き、清水焼き、美濃焼き、伊万里、瀬戸、波佐見など全国各地で生産されています。
海外ではマイセン、ボーンチャイナ、中国などでの青磁や白磁と呼ばれるものなどがあります。
磁器はガラスのような滑らかさ、硬質さが魅力で、陶器に比べ強度があるので日常食器としても幅広く愛用されています。
表面がガラス化して透き通るような輝きを放つ磁器の白さが、一種純真性や高貴性をも表しているように見えるのも人気の一因なのではないでしょうか。
食器として日常的に接している磁器ですが、気に入ったものをちょっと飾ってみるのも良いですね。

「陶器と磁器の違い」のまとめ

陶器と磁器の違いを原料や焼き方の違いなどからみてきましたが、それぞれに良いところがありますね。
古今東西の陶芸に関わる方々の創意工夫があって現在の素晴らしい陶磁器の世界ができあがっています。
暖かみのある陶器、気品すら漂うものがある磁器、食器などで生活に密着しているものですが、愛用しているものや自分のお気に入りの一品を眺めると心の落着きが得られることもあるでしょう。
どれも心をこめて作られている陶磁器なので大切に扱いましょうね。

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