神主の仕事って何?服装からご紹介します。

祭祀やお参りで神社に行った時、神主の服装が違っていることに気付いていましたか。神職世界も身分社会。ここでは、そんな神職の身分によって異なる神主の服装をご紹介します。

目次

  1. 神主ってそもそも何なの?
  2. 神社の祭祀を知ろう。
  3. 神主の服装① 正装(衣冠)
  4. 神主の服装② 常装(狩衣)
  5. 神主の服装③ 礼装(喪服)
  6. その他の神職の服装
  7. 神主の袴の色で身分を見分けよう。
  8. 最後に

神主ってそもそも何なの?

困った人々

最初に言っておきたいのは、そもそも神職世界に神主という名前の役職は存在しません。
神主は、よく神社の責任者と思われがちですが、神職世界では普通の神職と同じ意味で用いられます。
そして、責任者は宮司と呼ばれます。会社でいうと神職(神主)は社員、宮司は代表者ですね。

神職(神主)になるには、神道系の大学を卒業することか神職養成所を出ることでなれます。しかし、神職にも身分に対する規定があり、特級、一級、二級上、二級、三級、四級という区分があります。そして当然、身分に応じて着る服装も異なります。

神社の祭祀を知ろう。

大祭

例大祭

毎年行われる祭祀で、もっとも重要とされます。
毎年、祭神や神社に特別由来のある日に行われ、由来のない神社では春祭りや秋祭りを例大祭とする神社もある。例祭とも言われる。

祈年祭・新嘗祭(にいなめさい)

祈年祭はどの神社でも毎年2月に行われ、一年の五穀豊穣を祈る祭祀である。

新嘗祭も同様に五穀豊穣を祈る祭祀だが、祈年祭の対として11月に行われる。

中祭

歳旦祭  毎年1月1日に宮中三殿(賢所・皇霊殿・神殿)で行われる年始を祝う祭祀。

紀元祭(紀元節)  2月11日(建国記念日)に行われる祭祀。

天長祭  12月23日(天皇誕生日)に行われる祭祀。

元始祭  1月3日に行われる宮中祭祀。天皇自ら皇位の元始を祝い、祖霊を祭る祭儀。

大祓式

天下万民の罪や穢れを祓う浄化の儀式として、毎年6月と12月に行われる。

地鎮祭

建設や土木工事の前に行われる儀式で、安全祈願祭とも呼ばれる。
その土地の神(氏神)を鎮め、土地を利用することに対して許しを得る。

神主の服装① 正装(衣冠)

正装は、例大祭や記念式、新嘗祭などの大祭の時に神主が着る服装です。上着は袍(ほう)を身に着け、袴は奴袴(さしぬき)を付けます。

身分ごとに柄が違い、
特級:黒袍(輪無唐草紋)、白奴袴(白八藤紋)
一級:黒袍(輪無唐草紋)、紫奴袴(白八藤紋)
二級上:赤袍(輪無唐草紋)、紫奴袴(薄紫八藤紋)
二級:赤袍(輪無唐草紋)、紫奴袴(無紋)
三級:紺袍(無紋)、浅葱奴袴(無紋)
となります。

神主の服装② 常装(狩衣)

常装は、月ごとに行われる恒例祭や大祓式、地鎮祭、各種祈願祭等に着用する服装です。神職にとっては最も着る機会が多い服装です。一般の人が目にするのも普段はこちらでしょう。
常装は、神職身分による区別はなく色や紋様などは自由に選べますが、袴に関しては身分に応じた色の袴を身に着けます。

また、特に清浄を必要としない祭に関しては身分に拘らず無紋の白狩衣・無紋の白差袴・烏帽子の組み合わせの「浄衣」を着ます。

神主の服装③ 礼装(喪服)

礼装は、正装に次ぐ上位の服装で、中祭の時に着用します。
喪服とも言い、身分にこだわらず、すべて白一色の服装です。ただし、浅沓(あさぐつ)という神職の履物に関しては、「神職の祭祀服装に関する規程」に則って、特級と一級では「沓敷白綾有文」、二級上・二級・三級・四級では「敷白平絹」という区別がされます。

その他の神職の服装

白衣袴

神社での事務仕事全般である社務を行うときに着用する服装。
袴は身分によって区別される。

作務衣

神社での清掃作業時に身に付ける服装。
藍染めの木綿などで作られます。

冠(かんむり)

平安時代以降、正装や礼装を着るときに身に付ける帽子です。
階級により紋が異なり、特級・一級・二級上・二級が、繁紋。三級が遠紋となります。
地位や階級を示すためにかぶります。

烏帽子(えぼし)

烏帽子は絹や紙に黒漆を塗っ手固めたものを形にした帽子で、平安時代以降、男性が和装での礼服着用時にかぶります。
いくつか種類がありますが、神職がかぶる烏帽子は最も格式が高い「立烏帽子」です。
女性神職の場合は異なり、薄い絹でできた帽子で額当(ぬかあて)といいます。

笏(しゃく)

笏は神職が持っている板状の板で、儀礼用として威儀を正すために持ちます。
女性神職の場合は、笏の代わりに扇を持つこともあります。

神主の袴の色で身分を見分けよう。

特級神職

特級神職の袴で、「八藤丸文大文白」という名で白地に白紋がついています。
全国に数えるほどしかこれを着られる神職は少なく、大規模な神社の宮司や神宮の大宮司がこれを身に着けられます。

一級神職

「八藤丸文紫緯(よこいと)白」という名で紫の生地に藤の紋が入っています。
会社でいうと、取締役級の神職が身に着けられます。

二級上神職

「八藤丸文紫緯共」という名で、二級上神職の袴です。
一級神職の袴よりも紋が薄くなります。

二級神職

紫色の袴で紋はありません。
部長クラスの神主が身に着けます。

三級・四級神職

三級・四級の神職は浅葱色の袴をはきます。
会社でいう平社員がこれにあたります。

最後に

神棚

神主の服装はご覧の通りいくつも種類がございます。
神社の祭祀に赴き、日ごろ目にしている服装と比べてみると、また違った楽しみ方もできますよ。

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