賃金が下がる?定年後の再雇用で失敗しないためにできること

2016年5月、定年後の再雇用に関するある裁判が世間を賑わせました。定年後の再雇用でも労働条件や業務が同じならば賃金引き下げは違法だ、という内容のものです。今後大幅な見直しが必要となってくるかもしれない再雇用制度に注目します。

目次

  1. 再雇用とは?
  2. 定年後の再雇用、賃金はどうなる?
  3. 定年後の再雇用でトラブルをなくすために
  4. 世界の人々は定年後どう過ごしている?
  5. 定年後の再雇用まとめ

再雇用とは?

65歳まで働けるようになった法律

定年を迎え、退職した人を再び雇用することを再雇用と言います。引き続いて同じ企業で雇用する場合は継続雇用(雇用延長)と言います。定年と聞くと60歳というイメージが多いかもしれませんが、実は2013年4月に65歳までの雇用を義務付ける「改正高年齢者雇用安定法」が施行されているのです。この法律によって企業は定年年齢を65歳に引き上げる、定年後の再雇用(継続雇用)制度を導入する、定年制を廃止する、の3つのうちどれかの措置を取ることが求められるようになりました。

とは言っても、全員の定年年齢が65歳になったわけではありません。あくまで本人が希望した場合は65歳までの雇用を義務付けるということなのです。60歳でいったん定年を迎えますが、続けての雇用を希望する場合は新たに雇用契約を結ぶということです。この60歳以降の雇用のことを再雇用と言います。

再雇用の現状

ほとんどの企業は、先述した3つの措置のうち、定年後の再雇用制度を導入する措置を取っています。定年年齢を引き上げたり、定年制を廃止している企業は稀であると言えます。定年後の再雇用の場合、嘱託職員やパートタイマーとして雇用することが多いようです。つまり、同じ会社にいても雇用形態が変わってしまう場合があるということです。

定年後の再雇用、賃金はどうなる?

保険・相続

給料はどのくらいか

現在、定年後に再雇用され働いている人の給与率は定年前と比べて50~60パーセントくらいであると言われています。そして、中小企業よりも大企業の方が給与の減少率は大きいようです。再雇用後の給与が初任給以下、という企業もあるくらいです。

仕事内容によって変わる賃金

再雇用の場合、これまでは定年前の給与が定年後の給与に大きく関わっていました。しかし今は定年前の役職や仕事内容に関わらず、再雇用された後の仕事内容によって給与が決まる時代になってきています。定年前に高賃金だった人ほど、定年後の給与を気にする率が高そうですね。

企業側から見てみると

これまでは定年年齢が全員60歳だったため、企業もそれに合わせて賃金や人件費の計画をしていました。しかし、改正高年齢者雇用安定法によって65歳(本人が希望する場合のみ)に引き上げられ、企業側も大慌てなのが現状です。雇用年齢が伸びるということは、その分若い人を採用できなくなるということでもあります。さらに定年後にまた同じ職場で働きたいと言われた場合は、断ることができないのです。

国の方針も、どちらかといえばそんな企業側のバックアップをしていると言えるでしょう。定年後の再雇用は、これまでの賃金や役職に関係なく新しく雇用契約を結ぶことになっています。なので、定年前と同じ仕事内容では採用されないことがあるのです。

定年後の再雇用でトラブルをなくすために

人々

再雇用に関する知識や理解が少ないため、再雇用後の賃金や勤務形態で企業側とトラブルになる人は多いようです。いったんトラブルが起こってしまえば企業側との関係を悪化させたり、解決するのに膨大な時間や費用がかかったりすることがあります。できればトラブルは先手を打って未然に防ぐのがよい方法だと言えますね。

トラブル回避のために(労働者側)

今の企業で定年後も働きたいと思っている場合、まずは自分が定年を迎えるまでに自社の再雇用制度についてよく知っておくことが大切です。定年はリストラなどと違い、具体的に会社を辞める時期が分かっています。自社に再雇用を希望する場合でも、他の企業にする場合でも、早めに準備をしておくことができます。再雇用に必要な資格等も調べておくとよいですね。法律や企業の制度が整っているとはいえ、定年後に就職先を見つけるのはまだまだ困難であると言われています。トラブルを回避するため、早めに準備をしておくのが良いと思います。

トラブル回避のために(企業側)

それでは企業側にはどんなことができるのでしょう。再雇用をする側は、まず再雇用制度についてきちんと細かく決めておくことが必要となってきます。また、定年が近くなった従業員に、定年後はどうするのかをヒアリングしておくことも大切です。企業の再雇用制度を詳しく教えてくれたり、再雇用された時の勤務形態や賃金などを事前に話してくれる企業は信頼できると言えますね。賃金や勤務形態に関して労働者が選択できるように選択肢をいくつか用意している企業も、信頼度が高いと言えそうです。

世界の人々は定年後どう過ごしている?

定年制のない国

日本では定年を迎えるのが当たり前、という感覚がありますが、そうではない国も多くあります。その代表的な例が、アメリカです。アメリカにはそもそも定年制がありません。パイロットやバスの運転手など例外はありますが、年齢を理由とする職業差別行為が禁止されているからです。つまり高齢者だからと言う理由で労働者を解雇してはならないのです。カナダやオーストラリア、ニュージーランドなども同様に定年制がありません。

その一方、解雇についてはにほんよりもずいぶんやりやすいようです。会社の利益が下がった時や給料に見合った仕事をしない人がいた時などにすぐに解雇されてしまう現状があります。年齢による定年は認めないけれど、能力による解雇は頻繁。少し不思議な制度のような気もしますね。

アジア諸国では?

アジア諸国には今なお経済成長を続けている国がたくさんあります。高齢化もそれほど進んでいるとは言えない国もあります。よって、定年年齢が定められている国も多くありません。アジアの中で定年年齢が定められているのは日本や韓国、台湾、シンガポール、マレーシアなどです。他の国々でも将来の高齢化社会を見据えて対策を取り始めているようです。

ヨーロッパ諸国では?

ヨーロッパ諸国では日本と同じように年金の支給開始年齢が定年年齢としている国が多いようです。現在はほとんどの国が65歳のようです。この先もし年金支給開始年齢が上がれば、定年年齢も上がる傾向にあるかもしれませんね。

定年後の再雇用まとめ

超高齢化社会と言われる今の時代、再雇用に関する問題は労働者にとっても企業にとっても避けて通れないものであると言えます。2030年までに1000万人減少すると言われている労働人口。その一方高齢者の労働人口は300万人増加するとのデータもあります。労働者も企業も、こうした高齢者の再雇用問題に向き合い、事前にトラブルを防ぎ、お互いが安心して働ける環境づくりが必要になってきているのです。若い人は職場を活気づけるとよく言いますが、高齢者の熟練した技術や仕事内容をうまく職場に生かす工夫も必要になってくるのかもしれませんね。

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