かぐや姫の物語のあらすじや隠された意味・考察を紹介

かぐや姫の話は竹取物語からのもの。なぜかぐや姫は月に帰らなければならなかったのか、こどもの頃は気にもしていませんでしたが、調べてみるとそれ以外にも意外な物語があることが解りました。かぐや姫のイメージが変わるかもしれませんよ。

目次

  1. かぐや姫の物語、あらすじを再確認すると
  2. かぐや姫、竹取物語に隠された意味とは
  3. かぐや姫伝承は全国各地に
  4. 「かぐや姫の物語」としてジブリ作品にも
  5. かぐや姫、物語のまとめ

かぐや姫の物語、あらすじを再確認すると

竹

日本最古の物語といわれる竹取物語が、かぐや姫の話しのおおもとです。
9世紀後半から10世紀前半頃に成立したとされていますが、成立年、作者ともに解っていません。

竹取物語のあらすじ、憶えていますか?

昔、竹取の翁という者が竹の中から見つけ出して育てた3寸ばかりの小さな女の子は、3ヵ月ほどで輝くばかりの美女となりました。その後、翁は黄金の入った竹を見つけることが重なって、翁の家はたいそう豊かになりました。
かぐや姫と名付けられた娘の、その美しさに求婚する者も多く、とくに熱心な5人の貴公子に姫はそれぞれ難題を課して、その解決を結婚の条件にしましたが、結局、5人とも失敗してしまいます。最後には帝の求婚もしりぞけた姫は、八月の十五夜の晩、迎えに来た天人たちとともに、みずからのくにである月の世界へと昇ってゆくのです。
その後、かぐや姫に去られ傷心の帝は、姫が形見に置いて行った不死の薬ももはや不要だとして、それを天に最も近い駿河国の山で燃やすよう命じます。その山は富士と名づけられ、燃やしたその煙は今も山頂に立ちのぼっていると伝えられています。

かぐや姫、竹取物語に隠された意味とは

竹取物語のかぐや姫、月に想いをはせる

大勢の人たちに愛され、慕われたかぐや姫は、結局、月の世界に帰ってしまいます。
「桃太郎」や「一寸法師」のように「めでたしめでたし」では終わらないこの話には、表には現れてこない隠された意味があるようようです。

かぐや姫は地球に流罪となった罪人

物語の終盤、かぐや姫を迎えに来た月の使者の言葉。
「かぐや姫は月の民の一族であるが、罪を犯したためにお前のような卑しいもののところへしばらく預けたのだ。彼女の罪がやっと償われたのでこうして迎えに来た。」
つまり彼女は犯罪者であって、その罰として月から地球に島流しにされたというのです。
どんな罪なのかは物語のなかでは明らかにされていません。憶測では、殺人や強盗のようなものではなく、「姦通」、「不倫」のようなものではないかという説が有力です。

月は極楽浄土、地球は煩悩がいっぱいの穢土

かぐや姫が、月からの迎えが近づいたある日、自らの生い立ちを翁夫婦に話した言葉。
「私は月の民です。月の民は身も心も清らかで、歳をとることもなく、心に悩みもない素晴らしい方たちです。」
月は仏教・浄土信仰における阿弥陀如来の極楽浄土なのです。月は夜を意味し「死」を象徴した「あの世」なのです。
地球は「命」を象徴するお日さまであって、地上は煩悩から抜けられない穢れ(けがれ)のある土地、つまり「この世」なのです。
かぐや姫の舞台となる地球と月という二つの惑星は、そのままこの世とあの世、浄土信仰における穢土と浄土を表しているのです。浄土信仰では、真実が分からず煩悩にとらわれ、輪廻から抜け出せない世界のことを穢土と称しています。

五人の貴公子を手玉に取った?かぐや姫

都でかぐや姫は多くの求婚者たちのなかから残った五人の貴公子に、結婚の条件として無理難題を課します。それぞれに、「仏の御石の鉢」、「蓮菜山の玉の枝」」、「火ねずみの皮衣」、「龍の首の五色の珠」、「燕の子安貝」という、この世に存在しないものを持ち帰った者と結婚するという約束です。結婚する意志などなかったのですね。
当然、そんなものはないのですが、男たちは頑張りすぎて何人かは命を落とすという結末を迎えてしまうのです。
「燕の子安貝」というのは女性器そのものの形をしていると言われていて、かぐや姫の数多くの求婚に対する抵抗を、乙女の清純さ、潔癖さであるように見がちですが、どうやら大きな見当違いがあるのかもしれません。

帝の求婚も断ったかぐや姫

かぐや姫が時の帝の求婚を断ったときの言葉。
「(帝の思いを受けなかったのは)月の世界で犯した罪が身にしみついていたから。」
かぐや姫が犯した罪への贖罪、つまり不倫という同じ罪を再び犯すようなことはしたくないと考えたからかもしれません。
どうにも可憐なかぐや姫のイメージが崩れてきますね。

かぐや姫は竹取物語という物語、フィクションのなかの人物。竹取物語に書かれていること、あるいは関連する史料に書かれていること以外は想像する他はありませんし、想像してもそれが真実なのか、何が正しいのかは解りません。フィクションなのですから。
あまり深く考えずに、こどもの頃読んだ昔話のかぐや姫のままのほうが良いのかもしれませんね。

かぐや姫伝承は全国各地に

竹取物語

かぐや姫伝承は全国各地にあります。
・静岡県富士市:物語の結末で、富士の山が登場することと、かぐや姫が月ではなく富士山に帰ったという富士市説があることから麓の富士市にある竹林を由来としています。
・京都府向日市:孟宗竹が多い竹の子の里です。
・奈良県広陵町:竹取の翁は「讃岐の造(さぬきのみやつこ)」と呼ばれていることから、竹取物語の舞台は大和国広瀬郡散吉(さぬき)郷と考えられています。「竹取物語ゆかりの神社」という讃岐神社があります。
・奈良県高取町:古代歴史の舞台である飛鳥や藤原京の南に位置する高取山、この高取山が、竹取の翁が住んでいた場所だという説があります。
その他には、岡山県倉敷市、広島県竹原市、香川県さぬき市、鹿児島県さつま町、滋賀県長浜市などがあります。

これらの伝承の地は、竹取物語自体が成立年、作者とも不詳となっていることから、強くその立場を主張しているということではなく、それぞれ竹取物語(かぐや姫)をテーマにしたまちづくりを行っているところです。
これらの都市では「かぐや姫サミット」という地域間交流が定期的に開催されているそうです。行政間での繋がりの交流であって、直接「竹取物語の舞台」だということにこだわった「サミット」を行っているのではないということです。

「かぐや姫の物語」としてジブリ作品にも

竹取物語

2013年に、竹取物語を原作とした高畑勲監督・スタジオジブリの「かぐや姫の物語」が制作、公開されました。テーマは「姫の犯した罪と罰」。
海外でも上映され、アカデミー賞にもノミネートされるなど、評価は上々だったようです。
テーマがかぐや姫の「罪と罰」とされているように、かぐや姫が月で犯した罪と、罰として地球に流罪となったことを背景に取り上げて、今までの「かぐや姫」のイメージを変える作品になっているようです。
テレビなどで再放送されることもあると思いますので、見逃さないようにしたいものですね。

かぐや姫、物語のまとめ

かぐや姫の物語は竹取物語がもとになっています。
こどもの頃に聞いた、読んだ話しは、お姫様の切ない話しのようだったように記憶していますが、調べてみると、かぐや姫は流罪で地球にやってきた月が故郷の人であったことや、多くの貴公子や帝に無理難題を言って困らせたお姫さまだったことなどが解りました。
こどもの頃の記憶のままのほうが良かったかな、という思いもありますが、満月の明るい夜には、遠い昔のかぐや姫のことを思い起こしてみるのも良いかもしれません。

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