居合道って以外に知られていない?使用する刀や練習内容をご紹介

「○○道」と言われて柔道や剣道、合気道はすぐに思い浮かぶと思いますが、「居合道」が思い浮かぶ人は少ないのではないでしょうか。またどんな練習をするのか、どんな刀を使うのかなど知られていない事が多いと思います。そんな居合の練習内容や刀についてご紹介します。

目次

  1. 「居合道」とは?
  2. 居合の刀について
  3. 練習内容は?
  4. 試合
  5. 居合についてのまとめ

「居合道」とは?

そもそも居合道とは一体どんな武道なのでしょうか?
その起こりは戦国時代の総合格闘術にまで遡ります。
戦国時代と言えば、様々な武将が各地で戦を繰り広げていた時代ですので、そんな中で刀による戦闘術が盛んになっていくのは、自然な流れかもしれません。
そして江戸時代になると護身的な武術に発展してい、各藩毎に師範を招き教えを乞うようにもなり多くの流派が成立しました。
明治時代に廃刀令が出された後は、居合“術“から居合”道“となり心身鍛錬のための武道となりました。
そして、剣道・居合道・柔道など個別に分化していきました。

どんなことをするのか?

分かりやすく表現するならば、空手のように決まった「型」を刀を使って行うものです。
空手と同様、相手(敵)がいることを想定してしていて、その相手が刀を抜いて斬りかかってくるのを察して自らも刀を抜き相手に勝つまでの流れが1つの型となっています。
居合道では相対する想像の敵を「仮想敵」と表現します。

正座をした状態から刀を抜き敵を倒して再び正座をする「正座の部」、居合膝(膝立ちのような状態)から刀を抜き敵を倒して再び居合膝になる「居合膝の部」(流派によっては「居業の部」)、起立した状態から刀を抜き敵を倒す「立ち居合の部」が存在します。

また、居合道には様々な流派があるため、基本的な動き・技を各流派から抜き出し「全日本剣道連盟居合」として、正座の部3本・居合膝の部1本・立ち居合の部8本の計12本を全流派共通の技としています。

「演武」と言われる空手のような形で1対1で行う試合と、1チーム5人での団体戦もあります。
演武も団体戦も3人の審判の旗数によって勝敗が決まるようになっています。

必要な物は?

まず絶対に必要な物は「胴着」と「刀」です。
胴着は筒袖の着物に袴を合わせたものです。
刀は初心者は日本刀と全く同じ形ですが斬れない「模擬刀」を使い、上級者になると「真剣」を使います。
真剣を使える基準は道場にもよりますが、平均的に4段以上です。

居合は練習の段階から刀を振るので、しっかりした強度の物でないと危険です。
ですので、居合をしている人たちは専門店で刀を購入しています。
金額は様々で、おおよそ3万円~となっています。
また真剣は勿論ですが斬れない模擬刀も、抜刀できる状態で持ち歩いてはいけないので、専用の袋に入れて持ち運びます。

競技人口・性別は?

居合道は刀という重い物を持ち振りますが、剣道のように激しい動きはしません。
型を緩急のある動きで行うので、運動神経やスポーツ経験に左右されることはなく、大学に居合道のクラブがあり大学から始める方もいます。

刀を使用する武道なので男性が多そうなイメージですが、女性の人口も増えています。
段位が上に上がるにつれて女性の人口は少なくなっていますが、大学のクラブでは女性の人口が多いと思います。

居合の刀について

居合道にとって刀はなくてはならない物です。
その昔武士はその魂としての刀を腰に帯びていましたが、普段は木刀による「形稽古」で反復練習をし、いざという時に備えていました。
勿論、刀による鋭い抜き付け、斬り付けなども並行して修練していたと思われます。
現在は模擬刀、あるいは真剣を使っての練習が主です。
居合道をしている人たちはどんな刀を使っているのでしょうか?

刀の選び方

刀の選び方は実物を見て・持って決めたり、カタログを見て決めたり、専門店のホームページを見て決めたりと様々です。
一番良いのは実際に見て・持って決めることです。
いくら切れない模擬刀でも重量はあるので、実際に持ってみないと重さがわかりません。
また「鍔」は自分の好きな物に変えられる場合が多いので、鍔によっても重さが変わってきます。

長さは基本的に身長から選ばれることが多いです。
例えば身長が160㎝~165㎝の男性の場合は2尺3寸(約87㎝)~2尺3寸5分(約89㎝)が基準となります。
同じ身長の女性の場合はこの基準よりも5分(1.9㎝)短いものが標準となります。
ただし、流派や道場によって規定の長さや基準の長さがあるので、師範に確認してから購入するのが良いでしょう。

刀の名称

戦国時代まで刀は刃を下に向け吊るす「太刀」が主流でした。
しかし江戸時代になると刀は腰に帯びる打刀が主流となりました。
居合道ではこの打刀を使うので、その主な部分の名称をご紹介します。

刀は「刀身」と「拵」に分けられます。

刀身

この部分が刀を抜いた際に実際に見えている部分で、様々な名称があります。
よく聞くと思われる部分を簡単にご説明します。
・切先―簡単に表現すると刃の先端。
・刃先―刀身の中でも切れる部分。
・刃―刃先から刃紋までの間の部分。
・刃紋―刀を作成する際の「焼き」の段階で、化学変化を起こして鉄の性質が変化した部分。
・鎬―刃と峰との間にある刀身を走る線。「鎬を削る」の語源となっています。

納刀している状態で見える部分で、こちらにも様々な部分名称があります。
・鞘―刀身と納める木製の筒。刀身に合わせて全てオーダーメイドです。
・鍔―鞘と柄の境となる鉄製の部品。透かし彫などの様々な加工がなされます。
・柄―持ち手の部分。滑らないように糸または皮で周囲を巻きます。
・鯉口―鞘の中で最も柄に近い部分。「鯉口をきる」は鍔を押してここから刀身を出すこと。
・目釘―刀身と柄を固定している部品。

練習内容は?

武道や茶道・華道では練習のことを「稽古」と表現しますが、ここではあえて「練習」を表現させてもらいます。

剣道の練習なら素振りや打ち合いをする練習方法が思い浮かぶでしょう。
では居合道はどんな練習をするのでしょうか?
道場により練習内容は異なりますが、素振りはどの道場でも行っているのではないでしょうか。
居合道のどんな型の中でも「敵を斬る」という動きが含まれ、刀を振り降ろすのは大切な動作になります。

道場によっての違いがあるため様々な練習方法があるので基本的なものだけになりますが、素振り以外にはどんな練習をするのかをご紹介します。

神座への礼、刀礼

剣道や柔道、空手などで試合が始まる前にお互いに礼をする様子をよく見ると思います。
武道は礼に始まり礼に終わるものですが、居合道も同様です。
居合の礼は4種類あり、上座への「神座への礼」、練習前・演武前の「刀礼」、練習後・演武後の「刀礼」、試合前後に対戦相手と行う「相互の礼」があります。

居合道で特徴的なのは「神座への礼」と「刀礼」ではないでしょうか。
江戸時代に居合の演武は藩主へお披露目する機会がありました。
そこで上座に座る藩主へ礼をするようになり、それが演武前後の「神座への礼」になったと言われています。
また、「刀は武士の魂」という言葉をよく耳にするかと思いますが、その精神は居合道にも存在し自身の刀に対する礼儀も大切にしています。

「全日本剣道連盟居合」の練習

「居合とは?」の項目で全流派共通の技があることはご紹介しました。
この全日本剣道連盟居合(通称「全剣連居合」)は、居合の基本的な動きを取り入れて12本の型を作っています。
ですので、この全剣連居合は居合の練習においての基礎となる大切なものです。

大抵の練習は型を抜く側と、それを見て指導する側とに分かれます。
指導をする側は気になった点や、修正すべき点、正しい動きなどを伝え、型を抜く側はその指導を聞き再度型を抜きます。
それを繰り返していき、型を身体に染み込ませていきます。
居合を始めてしばらくの間はこの全剣連居合を練習し、姿勢や刀の抜き方、斬り降ろし方、足捌き、納刀などを覚えます。

各流派の技(古流)の練習

日本の居合には様々な流派が存在し、練習内容・練習方法も様々です。
各流派ごのと技を「古流」と言います。
ですが、どの流派・どの道場でも師範や指導者に自身の技を見てもらい指導をもらうのが基本の練習方法です。

全日本剣道連盟居合の12本の技は必ず全て習得しますが、各流派の技の習得は師範・指導者の考えにより、どの段階でどこまで教えてもらえるのかが異なります。
ある程度の段位になると試合で抜く技に必ず流派の技が含まれるようになるので、その段位を目安に教えていく道場が多いのではないでしょうか。

試合

居合道の試合は「個人戦」と「団体戦」があります。
1試合で抜く技の本数は5本と決まっていて、その中に全日本剣道連盟居合が何本、古流が何本というのは試合の主催者で決められます。
基本的には5本の内、全日本剣道連盟居合が3本、古流が2本が多いです。

試合の流れは「相互の礼」「入場」「神座への礼」「始めの刀礼」「帯刀」「5本の技」「終わりの刀礼」「神座への礼」「退場」「相互の礼」となっています。

集団演武

5人程の人数で互い違いに並び、一斉に技を抜く形式です。
勝敗や順位を付けずに「最優秀演武賞」「優秀演武賞」「敢闘賞」などの賞を用意し、演武を見て投票していく形の試合です。

個人戦

選手は赤と白に分かれ、3人の審判が上げた旗の数が多い方が勝利となります。
トーナメント形式で1位から3位までの順位を決めていきます。

審判の前に作られた赤と白それぞれのスペースの範囲内で5本の技を抜きます。
スペースの中心には「開始線」と言われる線があり、その位置から技を抜き、技が終わるとその線まで戻る決まりになっています。
演武前の「相互の礼」と演武後の「相互の礼」はスペース外で行い、入場する際は開始線まで進みます。

団体戦

1チーム5人で「先鋒」「次鋒」「中堅」「副将」「大将」のポジションごとに対戦していきます。
個人戦と同様に赤と白に分かれ、先鋒から大将までの勝利した本数が多いチームの勝利となります。

選手が演武をするスペースの後ろに選手の待機席があり、演武中の選手以外はそこに座っています。
先鋒選手は個人戦と同様、開始線の位置で神座への礼・刀礼・帯刀をしますが、次鋒以降の選手は演武スペース外で帯刀までを済ませ、待機席で直前の演武終了を待ち入場後すぐに技を始めます。

居合についてのまとめ

剣道と比べると知られていない居合ですが、いかがでしたでしょうか?
居合道は敵が斬りかかって来るのを、「気」で圧倒しそこで敵が退くならばそれで良し、なお向かってくるなら自身の身を守るために刀を抜くことが基本の考えだと言われています。
全ての技を身に付けるのには長い時間がかかり、上段の先生方も日々勉強しているそうです。
そのくらい奥の深い居合ですが、性別・年齢・経験関係なく始めることができるのが魅力だと思います。
年に1度5月には京都の左京区聖護院の京都市武道センター内にある「武徳殿」という施設で、「全日本剣道演武大会」という大会が開催されます。
ここでは剣道、居合道、杖道など様々な武道の演武が行われますのでご興味がありましたら、是非ご覧になってみて下さい。

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