最澄の開いた天台宗・空海の開いた真言宗の違いとは

遣唐使として同時期に海を渡った最澄と空海。最澄は法華経ほか密教の一部をわずか6ヶ月で日本に持ち帰り、天台宗の延暦寺を開き、空海は1年8ヶ月間唐に滞在し、密教の全てを恵果和尚より授かり帰国、高野山に真言宗の寺を開き、このように同時期に天台宗と真言宗が出来ました。

目次

  1. 最澄の天台宗と空海の真言宗の違いは?
  2. 天台宗と真言宗が日本に伝わった時代とは
  3. 天台宗を開いた最澄の魅力と歴史
  4. 空海が持ち込んだ真言宗の密教とは
  5. 真言宗の本拠地・高野山とは
  6. 天台宗と真言宗のまとめ

最澄の天台宗と空海の真言宗の違いは?

平安時代に共に唐に渡った、最澄と空海。二人が帰国して開いたのが、比叡山で起こした天台宗と、そして空海が高野山で開いた真言宗です。この2つの宗派は平安時代の日本の仏教の双璧をなします。真面目な秀才型の最澄に対する天才型の空海の二人が成した偉業です。地

最澄は空海の密教の弟子となったし

最澄が持ち帰ったものは、唐の天台宗の教えであり、その根本となるお経は法華経です。真面目な最澄は帰国の船を待っている間も、港近くのお寺で密教の教えを受け帰国しますがが、真髄は授からずに帰国。空海が密教の全てを持ち帰った事を知り、空海から灌頂を受け弟子となります。

天台宗と真言宗の2つの密教の対立

真言宗の空海が開いた密教を、東寺を中心に教えていたことから東密といい、天台宗の最澄が唱えた密教を天台密教、略して台密と呼び、当時の日本にはこの東密と台密の2つの密教の流れが出来たのです。

天台宗と真言宗が日本に伝わった時代とは

二人が中国に渡った平安時代の航海は命をとしての大冒険の時代でした。そんな時代に最澄は入唐求法還学生として、空海は入唐求法留学生として、同じ時に遣唐使使節の藤原葛野麿の船団に加わり、唐に渡ったのでした。最澄は2年、空海は20年の留学の義務を許されていました。

唐に着いてからの天台宗の最澄の行動は

唐に着いた最澄は初期の目的通り、台州の天台山に天台宗を学び、長安からの遣唐使一行の帰りを待つ間、越州に渡り龍興寺と法華寺に上り順暁阿闍梨から真言学を学んで、免許皆伝を受けています。これが後の天台密教の基礎となっているのです。

一方、真言宗を開いた空海の行動は

唐に着いた空海は福州で長く留め置かれたが、やがて初期の目的通り密教を学ぶために長安に向かい、そこで時の玄宗皇帝に厚く親愛されます。やがてインドからやってきた密教の不空の高弟である恵果と出会います。恵果は空海の異常な才を認本拠地め、空海に密教の全てを授けられました。

天台宗を開いた最澄の魅力と歴史

比叡山延暦寺

天台宗を開いた最澄は非常に純粋な人でした。彼は14歳で得度し、当時の奈良仏教の堕落した様子を見て失望し、わずか20才で飄然と山に入り寂静な天地に草庵を構え宗教的な思索に入りました。青年僧最澄は非常に純粋な人だったのです。

20歳で入山し、後の天台宗を築き上げる

奈良南都仏教に失望していた最澄は、比叡山に籠もって思索の日々であったが、やがて日本に興隆すべき仏教は天台宗であると強い信念を持つに至りました。その根拠には日本に仏教をもたらした聖徳太子の伝統を継ごうと考えが芽生えたからです。最澄は特に法華経を中心に考えました。高野山

空海が持ち込んだ真言宗の密教とは

空海が日本に持ち帰った天台宗の密教とは、それまでの釈迦如来を中心とした仏教・即ち顕教に対し、その信仰の中心には、宇宙の中心の存在であるとする大日如来とする考え方で、秘密の教え、つまり密教と呼んでいます。

帰国した空海は嵯峨天皇より東寺を託される

唐より帰国した空海は、九州の太宰府にて3年を過ごし内、朝廷に対し「ご招来目録」を送り、京に戻ることを許されます。真言宗の都での活躍の舞台となる、東寺の別当に任ぜられました。真言宗はこの東寺と後に天皇より許された高野山を中心に栄えて行くのです。

都では東寺で布教、高野では自然と向き合う

空海の活動は2つの場所になります。都では東寺を中心に真言宗の布教に努め、高野山においては、山々の大自然と向き合い、魂の高みを目指します。このようにして空海は密教の活動の場を都と、山深いに高野山に置いたのです。

真言宗の本拠地・高野山とは

都での布教と教学の舞台として東寺を与えられた空海は、自身の入定の地として高野山の地を願い、許されています。高野の地とは和歌山県の東南部、奈良県と県境を接し、四面に1000Mを超える山々の間にあり、その名の如く「たかの」と呼ばれる景観をなしている場所です。

三鈷杵を投げて・届いた場所が高野山だった

空海が唐にいる時、日本の向かい一本の三鈷杵を投げ、その三鈷杵が着いた土地を密教の本拠地として建立すると思い描いていた。その三鈷杵が届いたさきが高野山だったという話が「弘法大師伝」に書いてあります。

真言宗の高野山は高野明神より譲られた土地

帰国した空海が寺地を求め国内を歩いていた時、大和の地の山中で一人の狩猟者と出会い、「もしこれより南の地にある高野の土地を希望するのであれば寺を作ることに協力する」と言われました。この狩猟者こそが後に地主神となった高野明神の化身だったのです。

天台宗と真言宗のまとめ

天台宗を開いた最澄は真面目で優等生だったのに対し、真言宗の空海はその名の如く雄大な人であったようです。しかし理論派の最澄が優秀な弟子を多く育てたのに対し、空海には後に続く弟子を育てることが出来なかったようです。これも秀才と天才の違いなのでしょうか。

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