ルールを学んで、日本古来の短歌を味わいましょう!

短歌とは、古くから多くの人に作られ、親しまれてきた短い詩のことです。心が動かされた出来事や、景色などを決められたルールの中、短い言葉で表します。きちんとルールを守って、短歌の奥深さを味わいましょう。

目次

  1. 短歌の歴史
  2. 俳句と短歌の違い
  3. 覚えておきたい短歌
  4. 短歌の細かいルール
  5. 短歌の鑑賞のポイント
  6. まとめ

短歌の歴史

昔は短歌、長歌(ちょうか)、旋頭歌(せどうか)など数種類ありましたが、平安時代以降は、事実上短歌のみとなりました。

短歌の原点

日本最古の歌集として知られている「万葉集」は短歌の原点としても有名です。この歌集の中には、柿本人麻呂・山上憶良などの歌人の歌をはじめ、庶民などの歌も含め、約4500首もの歌が収められています。

短歌の歌集

平安時代には日本最古の勅撰和歌集(天皇の令によって編集された和歌集)である「古今和歌集」が、そして鎌倉時代には「新古今和歌集」が編集されました。その後も短歌の文化は衰えることなく継承され、明治時代以降には、正岡子規や与謝野晶子などの優れた歌人たちが登場し、たくさんの名歌を残しています。また、現在でも「サラダ記念日」で有名な俵万智などの歌人が活躍しています。

俳句と短歌の違い

俳句と短歌はどちらも喜びや悲しみなどの自分が感じた事、また、自然や風景などの様子を言葉にして伝えるものです。このため、混同することもあります。しかし、この二つにはルールの面で違いがあります。

俳句のルールとは

俳句は、季語を必ず盛り込まなければならないというルールがあります。五・七・五の十七文字という文字数も守らなければいけないルールです。
「夏草や 兵どもが 夢の跡」 松尾芭蕉
このように「夏草」という季語を入れ、文字数は十七字となっているのが俳句です。
また、同じ文字数で、季語を使うというルールがないものを川柳と言います。

短歌のルールとは

短歌は、俳句のように季語を入れなければならないというようなルールはありません。ただし、文字数にはルールがあります。それは、五・七・五・七・七の合計三十一文字です。俳句よりも長いのが特徴です。
「隣室に 書よむ子らの 声きけば 心に沁みて 生きたかりけり」  島木赤彦
このように季語は入れず、三十一字で詠まれます。
また、ルールではないのですが、短歌には俳句よりも恋の歌が多いのが特徴です。

覚えておきたい短歌

短歌は恋の歌や景色を言葉で表したものなど、心情を描く、抒情的な傾向が強い作品が多いことが特徴です。そのため、時代を超えて愛されている作品が多数あります。

恋を描いた短歌

世界三大美女の一人でもあり、六歌仙、三十六歌仙の一人でもある、小野小町の作品を紹介します。彼女は、恋の歌のカリスマ的存在だと言われています。
「恋ひわび しばしも寝ばや 夢のうちに 見ゆれば逢いぬ 見ねば忘れぬ」
これは、恋しく想うことに疲れたから少し休みたい、もしかしたら夢であの方に会えるかもしれないし、夢に見られなくても、その間はこの苦しいほどの恋しさを忘れていられる。
というような、夢での出会いをテーマにした恋の歌です。とても儚く、美しい歌です。

景色を描いた短歌

平安時代から鎌倉時代初期にかけて、御子左家の中心歌人として活躍した寂蓮の作品を紹介します。
「村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧たちのぼる 秋の夕暮」
槇の葉にはまだ雨粒が露となって残っている、そんなときに周辺にうっすらと霧が立ち上っている景色は、趣のある秋の夕暮れだな、という秋の景色をうたった歌です。

短歌の細かいルール

短歌は、ルールで決められた文字数の中で様々な表現を用いて感情や情緒を表す文学です。文字数などのルールがあるため、難しく感じられますが、制限内で工夫することで味わいのある短歌を楽しむことが出来ます。

短歌の基礎知識、ルール

数え方

一首(いっしゅ)、二首(にしゅ)、、、と数えます。

俳句は、一句、二句、、、
詩や小説は、一遍、二編、、、と数えます。

形式

「五.七.五.七.七」の三十一音です。
初めの五字を初句、次の七字を二句、次の五字を三句、次の七字を四句、最後の七字を結句    と言います。また、初句、二句、三句を上の句といい、四句、結句を下の句と呼びます。

和歌と短歌の違い

和歌とは中国の漢詩に対する「やまとうた」のことで、日本固有の詩歌の総称を指すものです。そのため、俳句も和歌の一つであると言えます。

短歌の鑑賞のポイント

短歌を鑑賞するときのポイントを押さえておくと、より短歌を楽しむことができますし、自分で短歌を詠むときの参考にもなります。

句切れ

体言止めが基本ですが、他にも色々な切り方があります。句切れのルール把握することで、短歌の構成やリズムを理解することができます。

五七調「万葉集」型

・五七 五七七(二句切れ)
・五七五七 七(四句切れ)
・五七 五七 七(二句四句切れ)

七五調「古今集」「新古今集」型

・五 七五七七(初句切れ)
・五七五 七七(三句切れ)
・五 七五 七七(初句三句切れ)

句切れなし

句切れを持たない句

字余り、字足らず

各句の音数がルールに元ずく定型よりも多かったり少なかったりすることです。これによって、リズムが壊されるため、他の句よりも目立つことになり、そこに感動の中心があることを示すことが多いです。

比喩、象徴

何かで別のものを暗示するものです。直喩、隠喩、擬人法、オノマトペ(擬態語、擬声語)などがあります。心象風景も象徴の一種で、読み込まれた風景が作り手の心情、心境を象徴します。

まとめ

短歌は、古くから日本人に親しまれてきた文化です。決められた文字数の中で、恋心や風景を描く、魅力的な文学です。難しく考えずに、まずは思ったことを、思ったままに詠んでみては如何でしょうか。また、鑑賞のポイントを少し知っておくだけで、より一層短歌の奥深さに心が惹かれるかもしれません。

「短歌・ルール」に関連する記事

「短歌・ルール」についてさらに知りたい方へ

  • 情緒的な冬の短歌あれこれ。百人一首から現代までのサムネイル画像

    情緒的な冬の短歌あれこれ。百人一首から現代まで

    万葉の昔から短歌は日本人に愛されてきた抒情詩です。俳句や川柳に比べて、短歌はちょっとハードルが高い印象でしょうか。四季を詠んだ歌も多い短歌。その中でも冬を詠んだ短歌をセレクトして紹介したいと思います。これらの短歌からどのような冬を感じますか?

  • 夏の短歌にぴったりな歌をご存知だったりしますか?のサムネイル画像

    夏の短歌にぴったりな歌をご存知だったりしますか?

    夏にぴったりの短歌をご紹介しています!皆さんにはぜひ興味を持ってみていただきたいです。自分が思っていること感じていることが詠われているかもしれません。夏の短歌を探してみてくださいね。

  • 有名な短歌といえばこれ!というのを知ってますか?のサムネイル画像

    有名な短歌といえばこれ!というのを知ってますか?

    短歌といえば、これが有名!というものをこれからご紹介します。皆さんはいくつ知っていますか?短歌にはその作者の気持ちや人生が短い中にあらわされています。有名な過去の人が、こんな歌を詠んでいたんだ、と楽しんでください。

  • 短歌の楽しみかた~季語の種類と歴史の歩みのサムネイル画像

    短歌の楽しみかた~季語の種類と歴史の歩み

    日本に伝わる歌に、短歌があります。短歌と季語の関係や、短歌の楽しみ方。短歌の季語についてご紹介します。

  • 明治を代表する文学者・正岡子規の愛すべき短歌たちのサムネイル画像

    明治を代表する文学者・正岡子規の愛すべき短歌たち

    写実的・生活密着的歌風を提唱し、短歌の革新を行った明治を代表する文学者・正岡子規。その短歌はその情景をいとも簡単に私たちの心に描かせます。そんな愛すべき正岡子規の短歌たちを「野球」「自然」「代表作」3つのテーマに分けてご紹介します。

  • 桜を題材にした短歌ってどんなのがあるのか知ってますか?のサムネイル画像

    桜を題材にした短歌ってどんなのがあるのか知ってますか?

    短歌は数多くありますが、その中から今回は桜を題材にした短歌を選んでご紹介します。これから、もうすぐ春になり桜の季節になります。そんな時、ふと短歌を読んでみてはいかがですか?

  • 春の俳句に使える季語って? どんな言葉が季語なのかのサムネイル画像

    春の俳句に使える季語って? どんな言葉が季語なのか

    決められた文字数に、感情や叙情をこめて詠んだもの…それが、俳句や短歌や川柳です。それぞれに違いがあり、俳句には季語を用いなくてはいけないきまりがあります。春夏秋冬、どんなものが季語なのか、悩んでしまいますね。ここでは春の季語について見てみましょう。

  • 有名な俳句をご紹介!春夏秋冬から恋の俳句、現代の俳句まで。のサムネイル画像

    有名な俳句をご紹介!春夏秋冬から恋の俳句、現代の俳句まで。

    たった17文字の世界で春夏秋冬の四季の美しさ、素晴らしさ、感じる人の心根が感じられる俳句。昔から愛されてきた有名な俳句というものは現代でも心打たれるもの。今回はその有名な俳句を厳選してご紹介します。恋の俳句から現代の俳人の有名な俳句もご紹介!

  • 七五三と縄の不思議な関係について。七五三縄って何?のサムネイル画像

    七五三と縄の不思議な関係について。七五三縄って何?

    普通一般的に「七五三」というと、子どもの七五三参りを連想します。また、「七五三縄」という言葉も見かけます。これは「しめなわ」とよみ、つまり注連縄のことなのです。ここでは、「七五三」を「縄」特に「七五三縄」、そしてその他の「七五三」について紹介します。

  • これを覚えれば必勝!? 百人一首の一字決まりとは…のサムネイル画像

    これを覚えれば必勝!? 百人一首の一字決まりとは…

    マンガやドラマなどの影響もあり、若い人からも興味を集めている『百人一首』。百人一首は、要するに、かるた遊びです。遊びといえど、勝ちたいですね。これには「一字決まり」というものがあり、勝とうと思うなら、この「一字決まり」を覚えることが必須となります。

この記事に関するキーワード

ランキング

よく読まれている記事です

シェアする

関連する記事

「短歌・ルール」についてさらに知りたい方へ

情緒的な冬の短歌あれこれ。百人一首から現代までのサムネイル画像

情緒的な冬の短歌あれこれ。百人一首から現代まで

夏の短歌にぴったりな歌をご存知だったりしますか?のサムネイル画像

夏の短歌にぴったりな歌をご存知だったりしますか?

有名な短歌といえばこれ!というのを知ってますか?のサムネイル画像

有名な短歌といえばこれ!というのを知ってますか?

短歌の楽しみかた~季語の種類と歴史の歩みのサムネイル画像

短歌の楽しみかた~季語の種類と歴史の歩み

明治を代表する文学者・正岡子規の愛すべき短歌たちのサムネイル画像

明治を代表する文学者・正岡子規の愛すべき短歌たち

桜を題材にした短歌ってどんなのがあるのか知ってますか?のサムネイル画像

桜を題材にした短歌ってどんなのがあるのか知ってますか?

春の俳句に使える季語って? どんな言葉が季語なのかのサムネイル画像

春の俳句に使える季語って? どんな言葉が季語なのか

有名な俳句をご紹介!春夏秋冬から恋の俳句、現代の俳句まで。のサムネイル画像

有名な俳句をご紹介!春夏秋冬から恋の俳句、現代の俳句まで。

七五三と縄の不思議な関係について。七五三縄って何?のサムネイル画像

七五三と縄の不思議な関係について。七五三縄って何?

これを覚えれば必勝!? 百人一首の一字決まりとは…のサムネイル画像

これを覚えれば必勝!? 百人一首の一字決まりとは…

人気のキーワードの記事一覧

キーワード記事一覧へのリンクです

ランキング

よく読まれている記事です

老後に人気な趣味5選!楽しみながら健康を維持できる方法を紹介!のサムネイル画像

老後に人気な趣味5選!楽しみながら健康を維持できる方法を紹介!

1
40代で始めるオススメの趣味は?インドアとアウトドアの趣味!のサムネイル画像

40代で始めるオススメの趣味は?インドアとアウトドアの趣味!

2
老後の趣味に最適なアウトドアを厳選して3つ紹介します!のサムネイル画像

老後の趣味に最適なアウトドアを厳選して3つ紹介します!

3

関連する記事

「短歌・ルール」についてさらに知りたい方へ

情緒的な冬の短歌あれこれ。百人一首から現代までのサムネイル画像

情緒的な冬の短歌あれこれ。百人一首から現代まで

夏の短歌にぴったりな歌をご存知だったりしますか?のサムネイル画像

夏の短歌にぴったりな歌をご存知だったりしますか?

有名な短歌といえばこれ!というのを知ってますか?のサムネイル画像

有名な短歌といえばこれ!というのを知ってますか?

短歌の楽しみかた~季語の種類と歴史の歩みのサムネイル画像

短歌の楽しみかた~季語の種類と歴史の歩み

明治を代表する文学者・正岡子規の愛すべき短歌たちのサムネイル画像

明治を代表する文学者・正岡子規の愛すべき短歌たち

このページの先頭へ

終活ねっと 〜マガジン〜  Copyright© 株式会社 終活ねっと