日光東照宮の三猿には実はもう一匹猿がいた?!

日光東照宮には、江戸幕府初代将軍・徳川家康を祀っています。その日光東照宮の三彫刻《創造の象》《三猿》《眠り猫》の一つで、世界的にも有名な《三猿》に、実は四匹目の猿がいたと言われています。なぜ!?それを簡単に説明します。

目次

  1. 日光東照宮とは
  2. なぜ日光東照宮は出来たのか
  3. 日光東照宮の三彫刻の一つ《三猿》
  4. 神馬と猿との二つの物語
  5. 三猿は実は『四猿』だった!?
  6. まとめ

日光東照宮とは

日光

日光東照宮は、日本の関東地方北部・栃木県日光市に所在する神社です。
江戸幕府初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現を祀っています。
日本全国の東照宮の総本社的存在で、正式名称は地名等を冠称しない『東照宮』ですが、他の東照宮との区別のために『日光東照宮』と呼ばれることが比較的多いです。

なぜ日光東照宮は出来たのか

その歴史は少なくとも源義朝による日光山造営までさかのぼもので、源頼朝がその母方の、熱田大宮司家の出身者を別当に据えて以来、鎌倉幕府・関東公方・後北条氏の歴代を通じて、東国の宗教的権威となりました。
こうした歴史を背景に、徳川氏は日光東照宮を造営したと考えられています。

日光東照宮の三彫刻の一つ《三猿》

日光東照宮の三猿は、物語形式で人の生き方を教える手本で、ストーリー性のある八面の彫刻で構成されています。
猿の一生を描きながら、人の生き方を説いた奥深いものなのです。

ストーリー

1面

親子の猿ですが、 母猿が手をかざして子猿の将来を案じて見ている様子と言われています。

2面

有名な三猿の場面です。
三匹の猿がそれぞれ耳、口、目をふさいでいます。

3面

座っている猿の姿です。
一人立ち直前の姿を表していると言われています。

4面

若い猿が大きな志を抱いて天を仰ぐ姿、そして青い雲が「青雲の志」を暗示していると言われています。

5面

人生に挫折する厳しさを味わっている姿で、そんな時も励ましてくれる友や仲間が大切だと言う教えだそうです。

6面

若い猿も恋の季節がやってきて、物思いにふけっている状態の猿だそうです。

7面

結婚した2匹の猿です。
大きな荒波の彫刻は、これから訪れる荒波で、夫婦で乗り越えて行くと言う教えを表しているそうです。

8面

色々経験を積みやがて大人になり、次の世代の子供を宿し母となって一面に戻るのだそうです。

「見ざる・聞かざる・言わざる」本当の意味

三猿を作った目的は、誰にでもわかるように生きかたを教えるためです。
2面の有名なシーンは「見ざる・聞かざる・言わざる」という叡智の三つの秘密を示していると言います。
本来の意味は、「子どもの時は世の中の悪いことを見たり、聞いたり、言ったりしないで、素直なまま育ちなさい」という教育論的なものです。

「三猿」の起源は?

論語と語呂合わせのミックスで、論語の「不見・不問・不言」の教えが、八世紀頃に天台宗の留学僧を経由して日本に伝わってきます。
これに語呂合わせの「猿」がくっつき、見ざる→見猿・聞かざるる→聞か猿・言わざる→言わ猿となったと言われています。
また、仏教・道教・神道などが混交した民間信仰の『庚申信仰』が結びついたとも言われ、猿は神様のつかいとされています。
本尊や庚申塔には三猿の絵が描かれたものが多く「目と耳と口をつつしみ、厄を避ける」という教えもあるのです。

三猿の場所

日光東照宮には、『神馬(しんめ)』と言う神様に仕える馬がいます。
そしてその神馬が休む「馬小屋」が、日光東照宮の境内にあります。
この三猿の彫刻は、その神馬が休む「神厩舎」と呼ばれる馬小屋の屋根の下に彫られています。
日光東照宮の「神厩舎」の場所は、五重塔近くの表門を入って左手スグです。

神馬と猿との二つの物語

物語・その1

実はあまり知られていませんが、日本には『陰陽五行説』と言う思想があります。

陰陽五行説とは

『陰陽五行説』とは、中国の春秋戦国時代から日本に伝わった思想のことです。
紙や羅針盤に描かれた「木・火・土・金・水」や「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」など、相対的な関係図を基本として、これからの天候や起こりうる事象を解決する手段として用いられた、占いのようなものです。
この『陰陽五行説』によると、「馬は火」・「猿は水」に相当します。
つまり『陰陽五行説』では、猿は馬に降りかかる火の粉を水の力で振り払う、いわゆる『厄災や病気から馬を守る』と言われています。

物語・その2

これは室町時代から伝わるお話です。
まだ人と馬が密接な関係で共存していた時代、山あいのとある村の民家では馬を飼っていました。
その民家で飼っていた馬の体調が悪く、元気が無い時にたまたま馬小屋に猿が入って来たそうです。
翌日、馬が声高らかに元気に吠えているのが分かりました。
このお話の噂はたちまちのうちに広まり、室町時代やそれ以降の時代では「猿と馬を馬小屋で一緒に飼う」家が多くなったそうです。

三猿は実は『四猿』だった!?

日光東照宮の三猿に、実は元来四匹目の猿がいたと言われています。
と言うのも、この三猿の思想は中国から日本に伝わった思想で、中国では『四匹の猿』で一つの意味合いを成すのだと言うのです。
つまり、中国では『三猿』ではなく『四猿(しざる)』と言うそうです。

中国の四猿が指し示す「意味・由来・歴史」

中国では四匹目の猿を、四猿と書いて『せざる』と呼んでいたそうです。
その意味とは、「せざる=しない(浮気をしない)」と言うことだそうで、「余りある欲は、災いをもたらす」と言った意味合いになるそうです。

なぜ日光東照宮に『四猿』が存在しないの?

日光東照宮の「神厩舎」の上には、どこにも四匹目の猿などいません。
日光東照宮は、故人となった『徳川家康公』をお祀りするために建てられましたので、見る者が失笑するような姿の四猿の像は「あまりにも品位にかけ、家康公が静かに眠る聖なる地にふさわしくなく、無礼である」と言ったことが原因であったと言えます。

まとめ

三猿の思想が中国から伝わってきた事や、元来は『四猿』が徳川家康のためを思って『三猿』になったと言う事がわかりましたね。
これらを理解した上で、『三猿』を含む八面の彫刻を眺めてみて下さい。

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