65歳以上の雇用が増加?高齢者になっても働かなければならない?

65歳以上の雇用される人が、働く理由は様々です。働くことが好きな人もいますし、やりがいや生きがいを求めて働く人もいます。また65歳以上から支給される公的な年金で足りない分を補うために仕事をしている人もいます。こうした雇用の実情を見ていきたいと思います。

目次

  1. 65歳以上の雇用は増えている?
  2. 65歳以上の雇用 雇用される側の事情
  3. 定年後の雇用の現状
  4. 定年後の雇用の給与不足分
  5. 65歳以上になったら年金をもらいながら
  6. まとめ

65歳以上の雇用は増えている?

人々

少し前には考えられなかったことですが、平成2年には全労働力人口に占める65歳以上の人の割合は5.6%(360万人)でしたが、平成29年には10.4%(685万人)にまでに増える見込みです。また少子高齢化が進んできているため、15歳から64歳の、実質的に労働に従事して税金や各種保険料を支払い、経済を下支えする生産年齢人口が1995年の8700万人をピークにして激減しています。

社会制度が追い付かない

現在日本は間違いなく高齢化に加速が付いていて、世界でも類を見ない超高齢化国家です。昔の「産めよ増やせよ」で兄弟が何人もいた時代から考えると、信じられないほど出生率が低下しており、さらに晩婚化とも重なって、待ったなしの状態です。1995年の時点では7人の若者が1人の高齢者を支えていましたが、2000年には4人で1人になり、2008年には3人で1人になり、今や2.5人で1人の高齢者を支えている計算になっています。

運用の失敗

国は年金運用を年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に任せています。2007年のリーマンショック時に9兆3千億円の大損失を出したのも記憶に新しいですが、2015年にも5兆3千億円もの赤字を出しています。2012年には収益も出たことがありますが、2014年度にハイリスク、ハイリターンなものに金融資産の組み合わせを見直したのが裏目に出てしまい、この結果となりました。

65歳以上の雇用 雇用される側の事情

近頃定年退職をしても、楽隠居する人はそういません。何らかの形で働いている人の方が多いようです。そしてさらに年金をもらうようになっても、働き続けている人はたくさんいます。

働くことが生きがいになっている

社会との繋がりを求めていて、人の役に立っていることや社会に役立っていると思うことで、仕事にやりがいや生きがいを感じている人がいます。働くことがお金と直結するのでなく、人や社会に役に立つのが主眼なのでこのタイプの人は、ボランティア活動に熱心な人も多いです。

住宅ローンや借金のため

決して少なくないと思いますが、住宅ローンが足かせになっていて、それを払いきるまでは仕事がやめられないというパターンです。各種教育ローンやその他諸々、借金があると仕事を辞めたくても、辞められなくなります。

子供の晩婚化、非正規雇用問題

子供たちが学生から社会人になったとしても、正社員採用されない場合や、いつまでも独立しないで親のすねをかじっていたりする場合も、親が働かなければいけなくなります。また子供たちも独立したくても出来ない事情がある場合はより深刻な問題も起きる可能性があります。

熟年離婚、死別

老夫婦が二人で暮らしていくにも、なかなか厳しい公的年金の額ですが、さらに離婚して生計が別になったり、死別などで一方が残った場合、年金は激減します。処分できる資産を持っていても、かなり厳しいのですが、そういうものがないとすると、働かないわけにはいきません。

定年後の雇用の現状

人々

働く側の事情を見てきましたが、65歳以上の雇用の前の時期、定年後から65歳未満の雇用の現状を見てみましょう。

良くて現役時代の7割

大手の企業で定年退職後、嘱託という形で雇用関係が結ばれた場合、健康保険は正規社員の労働日数や労働時間が4分の3以上であれば、そのまま国民健康保険になることなく続けて使用できるのはいいのですが、しかし給与面では半分から7割程度まで下がります。

自分のキャリアが生かせない

現役時代と同じ内容の仕事を続けられる人もいますが、まったく畑違いのことをさせられる可能性もあります。例え同じ会社で働くのだとしても、今までの契約は定年の時点で終了するため、新規に雇用契約をしての再雇用となるためです。

プライドが高い人は耐えられない?

いくら再雇用してもらえることが有難いとは言っても、地位や役職をリッセトされ、給与も現役時代の5割から7割と言われて、喜んで勤めますという人はまずいないでしょう。ましてや、同じ職場で同じ部署で、今まで役職名で呼ばれていたのが、何々さんと呼ばれるのです。

定年後の雇用の給与不足分

現役時代に貰っていた給与の5割から7割だとすると、生活レベルを落とさないで生活しようとすると正直生活にも困るレベルです。これを埋めるためにアルバイトの掛け持ちをしようにも、体力も棋力も若くない体にはきついはずです。

高年齢雇用継続給付

定年後に給与が大幅にカットされて生活に不安がある人たちのために、高年齢雇用継続給付の受給制度があります。もちろん現役時代の給与よりは少ないことは確かですが、この高年齢雇用継続給付の受給が可能になると賃金低下率が61%以下の場合は支給対象月の賃金の1割5分増し、61%から75%未満の場合は支給対象月の賃金の0から1割5分増しの高年齢雇用継続給付が可能です。また受給期間は60歳になった月から65歳になる月までです。

高年齢再就職給付

もう一つの選択肢が、失業保険を受給中に違う会社に就職して元の賃金と比較して75%未満だった場合に受けられる高年齢再就職給付です。ただし以下に挙げる条件が満たされた場合のみ受けられます。雇用保険料を払っていた期間が5年以上で、雇用先から支払われる賃金が基本手当の賃金日額を30倍した額が75%未満であること、失業保険の基本手当の支給日数が100日以上ある人で、1年以上の雇用が確定している人で、この条件を全て満たしていても再就職手当や早期再就職支援金を受給中の人はもらえません。また受給期間も決まっており最長2年間で終了です。

65歳以上になったら年金をもらいながら

人々

ここで65歳以上の雇用の話に戻ります。60歳から65歳までは嘱託や再就職で仕事に就くことが出来れば(それがかなり難しいのも現状ですが)、国から年金までの間は、何とか法制度を整えて生活が成り立つように工夫はされていますが、問題は年金を支給されてからです。議員年金のようなものは別として、正直年金だけで生活するのは難しいでしょう。しかし平成29年1月1日から65歳以上でも雇用保険に入れるようになります。いよいよ65歳以上の雇用が当たり前になりつつあることを示しています。

同じ会社で同じ仕事を続ける

これはかなりレアケースだとは思いますが、同じところで働き続ける人も中にはいます。慣れた仕事や環境で勤め続けられるとしたら、実入りは少し寂しくてもやりがいはあるでしょう。

アルバイトとして働く

時給で働く形で、この形態で働いている人が多いと思います。コンビニやスーパーなど若い子に混じって働くのはキツイし、抵抗があるかもしれません。また夜間巡回員や工事現場での車の誘導などで日給で働いている人もいますが、アルバイトのため仕事のある時、ない時の差があります。また雇用主の都合でクビになることもあります。

趣味を仕事にする

自宅で趣味にしていた音楽や書道、絵画を教える人もいます。また自宅で喫茶店やお店を始める人や、手芸や編み物の作品を販売する人、仕事で培った技術や技能を活かして特価した業務をする人
など様々です。

まとめ

こうして見ていくと、生活の中で優先順位をつけて何を1番にするか、ということに尽きると思います。そうすることで、働く目的がはっきりして、気持ちの切り替えができるのです。なかなか厳しい現状ですが、法制度が改正されたりして、少しずつですが、65歳以上の雇用の可能性が高まりつつあると言えます。

「65歳以上・雇用」に関連する記事

  • 定年後の働き方 再雇用制度と再就職制度を考えるのサムネイル画像

    定年後の働き方 再雇用制度と再就職制度を考える

    定年後も健康上の不安もないし、働きたいと思っている人とも少なくないでしょう。定年後の働き方として考えられるのは、再雇用と再就職です。定年後も同じ職場で、自分のやってきたことを続けてしたいと思っていたら、再雇用制度を利用するべきなのでしょうか?

  • 今知っておきたい!今後の高齢者の雇用についてのサムネイル画像

    今知っておきたい!今後の高齢者の雇用について

    今の日本は少子高齢化という深刻な社会問題を抱えている状況です。少子高齢化では高齢者が多くなることから働く世代の人口が減少が懸念されています。現在対策として高齢者でも雇用する企業も増えてきています。そこで今回は、今知っておきたい高齢者の雇用についてご紹介します。

  • 賃金が下がる?定年後の再雇用で失敗しないためにできることのサムネイル画像

    賃金が下がる?定年後の再雇用で失敗しないためにできること

    2016年5月、定年後の再雇用に関するある裁判が世間を賑わせました。定年後の再雇用でも労働条件や業務が同じならば賃金引き下げは違法だ、という内容のものです。今後大幅な見直しが必要となってくるかもしれない再雇用制度に注目します。

  • 定年後の日々の生活費はどのように賄えば良いのか?年金で足りる?のサムネイル画像

    定年後の日々の生活費はどのように賄えば良いのか?年金で足りる?

    会社を定年後も日々の生活費は、かかります。会社の定年後も容赦なく、現役時代と同様に光熱費や税金、保険料、その他諸々かかる費用は待ってはくれません。この生活費をどう賄っていけばよいのか、その方法を探ってみましょう。

  • 定年年齢 定年制度がどのように推移していったのかのサムネイル画像

    定年年齢 定年制度がどのように推移していったのか

    昭和の時代は55歳という年齢で定年を迎えるのが、当たり前でした。1986年高年齢者雇用安定法で60歳定年を努力義務化になり、60歳という年齢で定年を迎えるのが一般的となりました。2013年とうとう65歳までの雇用延長の義務化となり、定年が大きく変わりました。

  • 65歳で定年後生きがいとしての趣味と経済のサムネイル画像

    65歳で定年後生きがいとしての趣味と経済

    定年後65歳を過ぎ人生の残りは、今や平均的には20年に近づこうとしています。この様な中で無為な時間を過ごすことは65歳からの人生の最後にもったいない限りです。健康で心豊かな定年後の年金生活を楽しみましょう。

  • 55歳定年は自主退職扱い!?選択定年制度とは?のサムネイル画像

    55歳定年は自主退職扱い!?選択定年制度とは?

    法律では60歳未満の定年制度は禁止されているはずですが、55歳定年という言葉を良く耳にします。55歳定年とは、一体どんな制度なのでしょうか。各企業の取り組みを一緒に見ていきましょう!

  • これから知っておきたい老後のための60歳の再就職とはのサムネイル画像

    これから知っておきたい老後のための60歳の再就職とは

    60歳で再就職と聞くだけで肉体的にも精神的にも疲れそうだなと感じる人も多いかと思いますが、60歳で再就職をするという人も珍しくない世の中になっています。なぜ、60歳で再就職をするのか、そし再就職が成功するためのコツなどをご紹介します。

  • 定年退職年齢は60歳?65歳?就業規則を確認してみましょう。のサムネイル画像

    定年退職年齢は60歳?65歳?就業規則を確認してみましょう。

    定年退職年齢が60歳、なのに年金の受給開始は65歳。収入がない期間をのんびり過ごすか、継続雇用で働くか、新たな職場に再就職するか、選択肢はそれぞれですね。そこで、定年退職年齢に関する法律や、公務員や自衛隊員の退職年齢について解説いたします。

  • 定年退職後に失業保険(雇用保険)を受給する方法を知らなきゃ損?のサムネイル画像

    定年退職後に失業保険(雇用保険)を受給する方法を知らなきゃ損?

    65歳になると自分の意志とは関係なく多くの方が会社の契約を打ち切られ定年退職を迎えます。 それ以前に会社を辞めた人は失業保険を受給できますが、65歳の方は失業保険を受給できるのでしょうか? ここでは65歳の定年退職でも失敗しない失業保険のもらい方を説明します。

この記事に関するキーワード

ランキング

  • 終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!のサムネイル画像

    終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!

    終活のことを調べた時にエンディングノートという言葉を目にする方も多いのではないでしょうか?エンディングノートとはいったい何のことでしょう。そこでこの記事では、終活に使うエンディングノートの意味と書き方などをご紹介します。

    1
  • 20代から始める終活?20代から行う終活の意義・内容とはのサムネイル画像

    20代から始める終活?20代から行う終活の意義・内容とは

    近年よく耳にするようになった「終活」という言葉。20代から終活を始めるという人もいるのです。20代から終活を始める意義とは何なのでしょうか?どのような内容にすればよいのでしょうか?20代からの終活について考えてみましょう。

    2
  • 終活で今話題の墓友って一体何?墓友の探し方や注意点も紹介!のサムネイル画像

    終活で今話題の墓友って一体何?墓友の探し方や注意点も紹介!

    今、終活で話題になっている墓友と言う言葉をご存知ですか。墓友とは、さまざまな事情から一人でお墓に入る予定の人が集まり、永代供養墓などに一緒に入る友達のことを言います。仲の良い友達とお墓に入ることは終活でお墓を考えるとき、新しい形態と言えるでしょう。

    3
  • 今のうちにやっておきたい終活準備について紹介します!のサムネイル画像

    今のうちにやっておきたい終活準備について紹介します!

    最近では終活準備を行う方が多くなってきています。自分も終活準備を行いたいと思っているけど何から始めたらよいかわからないという方もおられることでしょう。そこで終活で何を準備すればよいのかなどを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

    4
  • 終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介しますのサムネイル画像

    終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介します

    終活という言葉は定着したものの、ご自分の終活の取り組みは何から始めればよいのか?迷ってしまう方は多いかもしれません。そんな時におすすめなのが終活セミナーです。この記事では終活セミナーの内容や主な開催団体について詳しく紹介します。

    5

シェアする

関連する記事

「65歳以上・雇用」についてさらに知りたい方へ

定年後の働き方 再雇用制度と再就職制度を考えるのサムネイル画像

定年後の働き方 再雇用制度と再就職制度を考える

今知っておきたい!今後の高齢者の雇用についてのサムネイル画像

今知っておきたい!今後の高齢者の雇用について

賃金が下がる?定年後の再雇用で失敗しないためにできることのサムネイル画像

賃金が下がる?定年後の再雇用で失敗しないためにできること

定年後の日々の生活費はどのように賄えば良いのか?年金で足りる?のサムネイル画像

定年後の日々の生活費はどのように賄えば良いのか?年金で足りる?

定年年齢 定年制度がどのように推移していったのかのサムネイル画像

定年年齢 定年制度がどのように推移していったのか

65歳で定年後生きがいとしての趣味と経済のサムネイル画像

65歳で定年後生きがいとしての趣味と経済

55歳定年は自主退職扱い!?選択定年制度とは?のサムネイル画像

55歳定年は自主退職扱い!?選択定年制度とは?

これから知っておきたい老後のための60歳の再就職とはのサムネイル画像

これから知っておきたい老後のための60歳の再就職とは

定年退職年齢は60歳?65歳?就業規則を確認してみましょう。のサムネイル画像

定年退職年齢は60歳?65歳?就業規則を確認してみましょう。

定年退職後に失業保険(雇用保険)を受給する方法を知らなきゃ損?のサムネイル画像

定年退職後に失業保険(雇用保険)を受給する方法を知らなきゃ損?

人気のキーワードの記事一覧

キーワード記事一覧へのリンクです

ランキング

よく読まれている記事です

終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!のサムネイル画像

終活で使うエンディングノートって一体何?書き方や入手方法を紹介!

1
20代から始める終活?20代から行う終活の意義・内容とはのサムネイル画像

20代から始める終活?20代から行う終活の意義・内容とは

2
終活で今話題の墓友って一体何?墓友の探し方や注意点も紹介!のサムネイル画像

終活で今話題の墓友って一体何?墓友の探し方や注意点も紹介!

3
今のうちにやっておきたい終活準備について紹介します!のサムネイル画像

今のうちにやっておきたい終活準備について紹介します!

4
終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介しますのサムネイル画像

終活セミナーの内容、1日の流れや開催している団体を紹介します

5

関連する記事

「65歳以上・雇用」についてさらに知りたい方へ

定年後の働き方 再雇用制度と再就職制度を考えるのサムネイル画像

定年後の働き方 再雇用制度と再就職制度を考える

今知っておきたい!今後の高齢者の雇用についてのサムネイル画像

今知っておきたい!今後の高齢者の雇用について

賃金が下がる?定年後の再雇用で失敗しないためにできることのサムネイル画像

賃金が下がる?定年後の再雇用で失敗しないためにできること

定年後の日々の生活費はどのように賄えば良いのか?年金で足りる?のサムネイル画像

定年後の日々の生活費はどのように賄えば良いのか?年金で足りる?

定年年齢 定年制度がどのように推移していったのかのサムネイル画像

定年年齢 定年制度がどのように推移していったのか

このページの先頭へ

終活ねっと 〜マガジン〜  Copyright© 株式会社 終活ねっと