春夏秋冬…季節を表す美しい言葉の数々をご紹介

日本には古来より季節の変化を敏感に感じ取った美しい言葉が数多く存在します。自然の景色や気象、木々や植物の様子が表現された美しい言葉からは、それぞれの季節を愛でていた人々の繊細な心が感じられるようです。

目次

  1. 季節を表す言葉
  2. 手紙や挨拶文に使いたい季節の言葉
  3. 季節の言葉についてのまとめ

季節を表す言葉

夏

四季が美しい日本には、季節を表す素敵な言葉が数多くあります。季節の移り変わりや気候、寒暖、天気などの様子が込められた美しい日本の言葉をご紹介します。

桜

●東風(こち)
春に東または北東から大陸へ向かって吹くやわらかな季節風。凍てを解き春を告げ、梅の花を咲かせると言われています。古来より多くの歌に詠まれてきた言葉です。
「東風吹かばにほひをこせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」菅原道真

●雀隠れ
季節が春になり、草木の芽や葉が伸びて舞い降りた雀の姿が隠れるほどになる様子を表した言葉。

●朧月(おぼろづき)
ぼんやりとした輪がかかってやわらかくほのかにかすんだ春の夜の月のこと。
「くもりたる 古鏡の如し 朧月」高浜虚子

●花曇り
桜の咲く季節、空一面がうすぼんやり曇り、景色がけむって見えること。冬の鳥が帰る頃なので「鳥曇り」とも言います。
「花ぐもり 朧につづく ゆふべかな」与謝野蕪村

●山笑う
早春の山の、草木が萌えはじめ山全体がのどかに明るく輝いて笑ってるように見える様子のこと。

ひまわり

●青梅雨(あおつゆ)
青々とした新緑に降りそそぐ梅雨のこと。濡れた青葉は緑がいっそう鮮やかに濃く見えます。梅雨を鬱陶しいじめじめとしたものから、明るくしっとりとした潤いあるものに感じさせてくれます。

●薫風(くんぷう)
夏に吹く南風。新緑の間や水の上を通り過ぎて、その香りを運んでくる爽やかな風のこと。
「薫風の 素足かがやく 女かな」日野草城

●蝉時雨(せみしぐれ)
こちらで蝉が泣き止んだかと思うとあちらで一斉に鳴き始めるといった具合に、セミの鳴き立てる声を時雨の降る音に見立てた言葉。

●青嵐(あおあらし)
青々と茂った木々や草を揺らして爽やかに吹くやや強い風のこと。
「城山の 浮み上るや 青嵐」正岡子規

●朝凪(あさなぎ)
夏の晴れた朝方、夜中に吹く陸風と日中に吹く海風が入れ替わる時に完全に風がやむ状態を表した言葉。海風から陸風に替わるのは「夕凪」と言います。

もみじ

●桐一葉(きりひとは)
桐の葉が一枚落ちる光景を見て、秋の訪れを感じること。他の木よりも落葉の早い桐の落葉は秋を象徴するもので、和歌や俳句によく用いられていました。また転じて、わずかな前兆から全体の動きをいち早く知ることの例えとしても使われます。
「桐一葉 日当たりながら 落ちにけり」高浜虚子

●燕帰る(つばめかえる)
季節が秋になって北から雁や鴨が渡って来るのと入れ替えに、燕が南に帰っていくこと。

●山粧う(やまよそおう)
晩秋の澄んだ空気の中、山の木々が赤や黄色に紅葉し、錦を纏ったように美しく彩られて見える様子。

●星月夜(ほしづきよ)
月のない星明りだけの夜空のこと。まるで月が出ているかのように明るい星空。
「風落ちて 曇り立ちけり 星月夜」芥川龍之介

●菊日和(きくびより)
菊の花の香りが沁み通るように澄んだ秋の日のこと。菊の花が咲く頃の穏やかな晴天。

綿雪

●霜の衣(しものころも)
薄衣を打ち敷いたように、一面に白く霜の降りた様子を表した言葉。気温が上がればすぐに溶けてしまう、つかの間の薄化粧です。霜畳とも言います。

●狐火(きつねび)
闇夜に火の気のないところに火が燃える現象。山野に見える怪しい火のこと。狐が口から吐いていると言われています。
「狐火の 燃えつくばかり 枯尾花」与謝蕪村

●神渡し
陰暦10月、神無月の頃に吹く西風。八百万の神々が出雲に参集する際に、神々を送るために吹く風が由来とされています。

●山眠る
落葉し枯れた山々が冬の日差しの中、精彩を失い深い眠りに入ったかのように静まり返っている様子。中国の山水画伯、郭煕の言葉「冬山惨淡として眠るがごとく」が由来とされています。春は「山笑う」夏「山滴る」秋「山粧う」と、四季の山の様子が表されています。
「日あたりの 海ほかほかと 山眠る」尾崎紅葉

●風花(かざばな)
冬にお天気がいいのに雪がちらつく様子。山を越える風に乗ってわずかな雪が舞い降りる現象のことを言います。同じように、晴れているのに雨がぱらぱら降ることを、空が泣いているように見えることから「天泣(てんきゅう)」と言います。

手紙や挨拶文に使いたい季節の言葉

手紙

手紙や葉書を書く時に、冒頭に季節を表す時候の挨拶をさりげなく取り入れられると素敵ですよね。時候の挨拶には、ある程度決まった季節の言葉やフレーズが用いられます。相手を気遣う意味もあるので、ぜひ使ってみてください。

・桜の便りが次々に聞かれるこの折、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・春深く、木々の緑に心躍るこの頃、お元気でしょうか。
・薫風の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。

・梅雨冷えが肌寒い季節ですが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・連日厳しい暑さが続いておりますが、お元気でしょうか。
・晩夏の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。

・秋涼の風が野山を吹き渡ってゆく季節、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・菊の花が香る季節となりましたが、お元気でしょうか。
・深秋の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。

・今年もいよいよ残りわずかとなってしまいましたが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
・余寒なお厳しいこの頃、お元気でしょうか。
・向春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。

季節の言葉についてのまとめ

天の川

季節を表す美しい日本の言葉をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?この他にもまだまだ繊細な四季折々の移ろいを映し出した言葉はたくさんあります。古来より日本の風土に根付いてきた素敵な言葉の数々を楽しんでください。

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