意外と多い?実は怖かった!怖い日本昔話とは

多くの人が小さいころから慣れ親しんできた日本昔話。実はそんな日本昔話にも怖いお話があります。今回はそんな怖い日本昔話を紹介します。

目次

  1. 日本の怖い昔話
  2. 日本昔話とは?
  3. 日本昔話の概説
  4. 日本昔話の語り口・特徴
  5. 語り継がれる怖い日本昔話
  6. まとめ

日本の怖い昔話

多くの人が小さいころから慣れ親しんできた日本昔話。
そんな日本昔話にも怖いお話があります。
今回は今も語り継がれている昔話のかかから少し怖い話を紹介します。

日本昔話とは?

困った人々

そもそも昔話とは何なのでしょうか?

昔話は民話のひとつです。
「ムカシ」「ムカシコ」「ムカシガタリ」などとも呼びます。
民衆の生活のなかから生まれ、民衆によって口承されてきたものです。
口承文学、また民俗資料のひとつです。

テレビアニメ化やビデオアニメ化もされています。

日本昔話の概説

「むかし」という確かではない時や「あるところに」という不明な場所を発端句として用い、本当にあったかどうかは知らないけれどという心持ちで語り継がれる話です。
そのため、固有名詞を示さず描写も最小限度にとどめ、話の信憑性に関する責任を回避した形で語られます。
時代や場所をはっきり示さず、登場人物の名前も「爺」「婆」などのように性別や年齢などの特徴をもとにした普通名詞が多いです。

「桃太郎」も「桃から生まれた長男」の意味しか持ちません。
「てっぺんぐらりん」「どんどはれ」「とっぴんぱらりのぷう」等の言葉で終わることが多く、これを結句と呼称しています。
結句は地域によりそれぞれの言葉が用いられます。

日本昔話の語り口・特徴

昔話とは、昔の人たちが代々世々伝承してきた語り物としてのおとぎ話のことです。
そのような昔話には、独自の語り方が存在します。

その語り口・語り方の隅々・語りのすじ道の端々には、往古の先人たちの子どもへの思い入れが凝縮しています。

語りの場において、昔話は一体どこに存在しているのでしょうか。
それは、語られている時間のあいだだけ実在しているものです。
すなわち、昔話の語りが終わるとき。
それは昔話がその場から消失するということを意味します。
これは、昔話の形態が時間的文芸であることによります。
演奏され終われば消える音楽と似た関係にあります。

さて、昔話の語り口について見てみましょう。
それはとても簡単で明瞭であることがわかります。
昔話がわかりやすい文体であるのは、語り物であるからです。
そのような語り口によって語られるのが、昔話なのです。

そしてひととおり昔話が語り終えられると、独特の定型的な結末句で終わるのが慣例となっています。
この結末句は日本各地、地方によって異なります。
・岡山「しゃーんしゃん」
・飛騨「しゃみしゃっきり」
・岩手「どんとはれ」
・秋田「どっとはらえ」
など、土地土地の結末句が伝えられています。
また、この結末句に対応するように昔話は独特の発端句ではじまります。
発端句は「昔むかし、あるところに」などの語り口です。

語り継がれる怖い日本昔話

困った人々

それでは日本昔話の中でも怖いお話をいくつか紹介していきましょう。

怖い日本昔話1 三本枝のかみそり狐

あらすじ

昔、人を化かすきつねがある村はずれの「三本枝」という竹やぶに住んでいました。
村人たちがキツネを恐れる中で、この村の「彦べえ」という若者だけはきつねを少しも信じていませんでした。
そして彦べえは、たそがれ時に一人で竹やぶに出かけていきました。

すると暗い竹やぶの中を、赤ん坊を背負った娘が一人で歩いてきました。
彦べぇは何となく怪しいと思い娘の後をつけていくと「おっかあ、泊まりに来たよ」と一軒のあばら家へ入って行きました。
この様子を見ていた彦べえはあばら家の中へ押し入り「婆さん、娘はキツネで赤ん坊は赤カブだ」と言いました。
そして婆さんから赤ん坊を取り上げ、いろりの火に投げ込みました。
ところが赤ん坊は彦べえの予想に反して、そのまま焼け死んでしまいました。

彦べえは恐ろしくなりその場を逃げ出してしまいました。
孫を殺された婆さまは包丁を持ち出し「孫を殺した奴を生かしてはおけない、命を取ってやる」とものすごい形相で彦べえを追いかけました。

彦べえは命からがら山寺に逃げ込み、かくまってくれるように頼みました。
山寺の坊さまは、彦べえを本堂に隠し追ってきた婆さまをなだめ、その場を何とかやり過ごしてくれました。
そして坊さまは「人を殺してしまったからには坊主になりなさい」と彦べえに言い、髪をカミソリで剃りおとしました。

その夜、彦べえは本堂に布団を敷いて眠りました。
ふと目を覚ますとそこは竹やぶの中でした。
しかも彦べえの髪の毛は全部むしりとられ、頭は血だらけになっています。
なんとこれまでの出来事は、全て三本枝のキツネたちの仕業だったのです。

それからというもの、彦べえは決して見栄をはったり強がりを言ったりしなくなったそうです。

出典

・出典
福島の昔ばなし(三丘社刊)より

・出典詳細
里の語りべ聞き書き 第05巻,川内彩友美,三丘社,1989年03月10日,原題「狐に化かされた彦べえ」

怖い日本昔話2 子取り

あらすじ

昔、大分県の宇佐のある村に作兵衛とおタツという夫婦が住んでました。

この夫婦には、2歳になる男の子がいましたが、作兵衛はいつも働かず遊んでばかりいました。
そのため子どもの着物も買えず、食べるものにも困るような状態でした。

作兵衛は、いつも実家の父親に金を無心していました。
ある日、作兵衛はとうとう父親から叱られてしまい、今度こそは真面目に働こうと鍬を借り、借りたお金も子どもの着物を買ってやろうと実家を出ました。
しかし、悪友達に再び博打に誘われてしまい、作兵衛は誘惑に負けてまた遊んでしまったのす。

その頃、家ではおタツがずっと泣き続ける子どもに苛立っていました。
おタツは「そんなに泣いていると子取りに取らせるぞ!」と子どもを脅かしました。
しかし、何も食べていない子どもは泣き続けるばかりです。
おタツはだんだん泣き声にイライラしてきました。

おタツが「ほら!すぐそこに子取りが取りに来るぞ!」と怒鳴った瞬間、家の奥から巨大な毛むくじゃらの手が出て来てきました。
巨大な手は子どもを掴もうとしましたが、間一髪でおタツは子どもを抱き寄せ、作っていた餅を投げつけました。
巨大な手は餅を掴んでまた闇の中に消えていきました。

おタツは恐怖でへたりこんでしまい、そのまま気を失ってしまいました。
作兵衛が帰ってきて倒れたおタツを介抱すると、おタツは先ほど起こったことを一部始終話しました。

その話をおタツから聞いた作兵衛は、自分が不甲斐なさを深く反省しました。
それからはぷっつりと博打からも手をひき、真面目に働くようになりました。
そしておタツもはいくら貧乏で気が立っていても、子取りがくるなどと嘘をつくのはやめようと深く心に誓ったそうです。

出典

・出典
土屋北彦(未来社刊)より
・出典詳細
大分の民話 第一集(日本の民話49),土屋北彦,未来社,1972年08月15日,原題「子取り」,採録地「宇佐郡」,新版郷土伝説考より

場所

大分の宇佐のある村

怖い日本昔話3 おいてけ堀

江戸の町のお掘りに「おいてけ堀」と呼ばれるお堀がありました。
そこで釣りをした人が帰ろうとすると、お堀から不気味な声で「おいてけ~」と言う声が聞こえるので、皆怖がって魚を放り投げて帰ってしまうのです。

この噂を聞きつけたある魚屋のとっさまが「そんな物が怖くて魚屋が出来るけぇ」と威勢の良い啖呵をきり、お嫁さんが止めるのも聞かずに、その堀に魚天秤を持ちねじり鉢巻で勇んで出掛けていきました。

おいてけ堀についたとっさまは早速釣りを始めました。
釣れるわ、釣れるわ、とっさまは上機嫌です。
しかし周囲は段々暗さを増してき、冷たい風も吹いてきました。
止せばいいのに、とっさまは後で仲間に自慢する為にキセルを一服します。

さて、とっさまは帰ろうと立ち上がった瞬間、例の「おいてけ~」という不気味な声が聞こえてきました。
とっさまは耳を塞ぎ「釣った魚をおいてけるけぇ」と啖呵をきり、そのまま逃走してしまいました。
そして、声が聞こえない所まで来ました。

とっさまが立ち止まったのは柳の下でした。
そこでとっさまの耳に「カランコロン」と下駄の音が聞こえてきます。
ハッと身構えたとっさまの前に色も透き通る様な美人が現れました。
その美人はこう言います。
「その魚を売ってくださいな」
しかしとっさまは「皆に見せるまでは誰にも売らねぇ」と言い張ります。
すると女は「これでもかえ?」と言って顔を撫でました。
すると何と女の顔は「のっぺらぼう」になってしまいました。
驚いたとっさまは魚の天秤を投げ出して逃げていきます。

そして辿り着いたのが、ニ八そばの屋台です。
そば屋の主人に震えながら事の詳細を話すと、振り向いたそば屋も何と「のっぺらぼう」でした。
とっさまは悲鳴をあげて腰が抜けた状態で逃げていきます。

とっさまはようやく家に着きました。
お嫁さんが「どうしんだえ?お前さん」と聞いたので、とっさまは自分の身に起きた事を一部始終嫁さんに話して聞かせます。
話を聞き終わった嫁さんは「そうかえ、するとあんたの見たのっぺらぼうはこんなんじゃなかったのけぇ?」と顔を一撫ですると何と嫁さんまでが「のっぺらぼう」になってしまいました。
とっさまは腰を抜かしてしまいました。
そして、もう訳が分からずその場を逃げ出し、ある所で気絶してしまいました。
そこは例の女と出会ったお堀端の柳の木の下でしたとさ。

出典

表記なし

場所

錦糸町駅北口付近、錦糸堀

怖い日本昔話4 十六人谷

あらすじ

弥助(やすけ)は若い時、木こりでした。

ある時、見知らぬ女が弥助の所へやってきて「明日、谷にある柳を切らないで下さい」と頼みました。
弥助は仲間の通夜に参列してすっかり酔っ払っていたので、頭を下げる女に背を向けてそのまま眠ってしまいました。

翌朝、予定していた通りに弥助と十五人の木こり仲間が北又谷(きたまただに)に入りました。
そこには数百年もたったであろう実に見事な柳の木がありました。
そして弥助が止めるのも聞かず仲間の木こり達は大喜びで柳を切り倒しました。

その夜、小屋で弥助たちがすっかり寝入っているところへ昨夜の女がやって来ました。
女は、寝ている15人の木こりの舌を一人ずつ口で吸い取り殺していきました。
最後に「あなたに頼めばこんな事にならずに済むと思っていたのに…」と弥助に迫ってきましたが、弥助は女を山刀で切りつけ小屋から逃げ出しました。

それから50年がたち、弥助はすっかりお爺さんになりました。
この話を、いろり端に座ってお茶を飲みながら目の前に座っている若い女に聞かせていました。
弥助は昔の事を思い出しながら、ぽつりぽつりと若い女に話しました。

しばらくたった頃、弥助爺さんは恍惚とした表情のまま舌を抜かれて死んでいました。
この事件があった谷を16人谷と言うそうです。

出典

・出典
富山の伝説(角川書店刊)より

・出典詳細
富山の伝説(日本の伝説24),辺見じゅん,角川書店,1977年11年10日,原題「十六人谷

場所

十六人谷

まとめ

いかがでしたか?
日本にはたくさんの昔話が今も語り継がれています。
語り継がれている昔話の中にはもちろん、楽しく幸せなお話もあります。
しかし、全てがそうではなく中には怖いなぁと思う話もあります。

そんな中から少し怖いお話を4話紹介しました。
今回紹介した怖い昔話の他にも、たくさんの怖いお話が語り継がれています。
ぜひみなさんも、日本の怖い昔話に触れてみてはいかがでしょうか?

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