日本髪の歴史ー江戸時代に結われた髪型についてー

江戸時代の髪型には多数の種類があり、身分や職業、年齢が判別出来るようになっていました。なぜここまで結髪の文化が発達したのか、また江戸時代にはどんな髪型が結われていたのかをご紹介します。

目次

  1. 江戸時代の髪型とは
  2. 髷を結う文化
  3. 江戸時代の髪型・男性編
  4. 江戸時代の髪型・女性編
  5. 江戸時代の髪型【まとめ】

江戸時代の髪型とは

江戸時代では人々は、主に結髪(けっぱつ)という髪型で生活をしていました。
特に女性の場合は前髪、後頭部から襟足までの髱(たぼ・つと)、耳ぎわ部分の鬢(びん)、そして髷(まげ)に分けてきっちりと結い上げ、身嗜みとしていたのです。
時代の流れと共に結髪は複雑化して、後に髪型は約300種類に増加。これにより、髪結いなる専門職の技術も必要になります。
また、同じ種類の髪型でも、江戸時代の初期から後期にかけて少しずつ変化していくのです。

江戸初期

垂髪(すいはつ)から、頭頂部で一つに結う唐輪髷(からわまげ)、立兵庫(だてひょうご)など、結い上げる髪型をした女性が徐々に現れてきます。
ちなみに男性はこの頃、毛先を散らした茶筅髷(ちゃせんまげ)という髪型が流行だったようです。

江戸中期

女性のまとめていた髪型は、この頃から髱、鬢、髷に分けて複雑な結い方をしていきます。
先の反りあがった髱は、鶺鴒髱(せきれいたぼ)や鴎髱(かもめたぼ)などと名がつけられ、鳥の尾羽に見立てて考案されました。
元禄島田(げんろくしまだ)という髪型が出来たのもこの江戸中期。
後になると、鬢が左右に張り出した燈籠鬢(とうろうびん)が女性の間で流行り出します。
そして男性はこの時、本多髷という月代(さかやき)の部分が広い髪型をしていたとのことです。

跳ね上がった髱が印象的な髪型。

江戸後期

江戸時代後期になると、島田髷や先笄(さっこう)、結綿(ゆいわた)という名称の髪型が結われるようになります。
男性の髷も、銀杏髷(いちょうまげ)が主流。

髷を結う文化

そもそもなぜ髷を結う文化が出来たのでしょうか。
武士は戦の時に兜の中が汗で蒸れないよう、月代を剃るようになりました。江戸時代になってからは町人も武士を真似て、月代に髷の髪型が浸透していったようです。
また女性たちは、当時のファッションリーダーである遊女や、芸能者が次々とする斬新なヘアスタイルに憧れて、髪を同じように結い始めるようになったといわれています。

江戸時代の髪型・男性編

時代劇や日本画などで見掛ける男性の髷。その中でも、江戸時代に多く結われていたのが銀杏髷です。武士は髷が長く、町人は小さく結います。
この髪型は一般的には丁髷(ちょんまげ)と言われているのですが、正式な名称は銀杏髷。
丁髷とは本来、小さ目の髷を結っている老人の髪型なのです。
上記の他に、現代でも十両以上の力士が結うのと同じ大銀杏(おおいちょう)や、学者や医師が主にしていた総髪(そうはつ)という月代を剃らない髪型もあります。

江戸時代の髪型・女性編

江戸時代の女性の髪型は大きく四つに分類されます。
今回はその分類ごとにまとめました。

兵庫髷

江戸時代初期に結われた唐輪髷が元となった髪型です。
後に遊女の髪型でお馴染みの伊達兵庫や横兵庫に発展し、かんざしや櫛など飾りをたくさん付ける派手な髪型に変化していきます。

笄髷(こうがいまげ)

笄とはかんざしのように髪に挿す棒状の装飾品。これに髪を巻き付けて結う髪型で、もとは宮廷の女官がしていたとのこと。
かなり技巧のいる髪型で、現代でも舞妓が芸妓になる時に結っている先笄もこの一種です。

島田髷

身分問わず江戸時代に最も普及したとされる女性の結髪。
歌舞伎の美少年役者がしていた若衆髷を、遊女が取り入れたことにより世間に広まりました。
未婚の若い女性が結う定番として知られています。
主に芸者衆がしていた、つぶし島田や芸妓島田などはこの髪型の派生。
そして、今日に至るまで神前式などで見掛ける、和装の花嫁の髪型である文金高島田も島田髷の一種です。

現在でも花嫁の髪型の文金高島田。髷の根が高く、品のある形状です。

勝山髷

元々は勝山(かつやま)という名の遊女がしていたことから一般の女性に大流行したという説があります。
勝山髷はその後、凛々しく品のある形から、武家の妻女にも好まれました。
江戸時代後期になると、この勝山髷が丸髷へと変形していき、既婚女性の髪型として定着していったのです。

透け感のある燈籠鬢と大きい丸髷が印象的。江戸時代の美人画によく描かれる結髪です。

江戸時代の髪型【まとめ】

日本髪の中でも、江戸時代に見られる結髪は種類が豊富です。
特に遊女たちは髪型も装飾もかなり目立つものでした。
世の女性たちは、そんな流行の最先端をいく遊女たちの装いに憧れ、こぞって真似をしていったようですね。
今も昔も、女性は流行に敏感なのがよくわかります。
また、当時の人々は粋な髪型を保つために、散髪屋に通ったり、定期的に髪結いによって結いなおしてもらうなど、手入れもなかなか大変だった様子。
でも、複雑だからこそ髪結いの職人技が光り、美しく結われた日本髪が生まれるのではないでしょうか。
今ではすっかり日本髪を結っている人は、一部を除いて見掛けなくなりました。けれど江戸時代の髪型はとても面白い文化なので、興味を持った方がいらっしゃればとても嬉しく思います。

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